銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

戦火の勇気

2007-10-30 01:52:25 | さ行
今宵は1996年制作の「戦火の勇気」
湾岸戦争を題材にハリウッドが真正面から取り組んだ作品。“戦場における本当の勇気"とは何かを考えさせられるヒューマン・サスペンスドラマに仕上っている。戦闘場面の迫力もあるけど、推理小説っぽく感じさせるミステリアスな構成の方がなかなか興味をそそられる作り方になっている。

湾岸戦争中、米陸軍のサーリング(デンゼル・ワシントン)は自軍の戦車とは知らずに攻撃を加え、友のボイヤーを死なせてしまう。しかし、その戦闘での功績から審問は軍内部で秘密裏に処理されていた。友を殺した罪の意識にとらわれる日々の中、名誉勲章授与者候補のウォールデン(メグ・ライアン)に関する調査を命じられ、関係者に話を聞きはじめると彼女の殉職に謎や矛盾が浮かびあがってきて・・・という展開。

戦時下という極限状態の中で人は何を考え、どう行動するのか。恐怖心と勇気の均衡はどうなるのか等々考えさせられる内容。しかし相変わらずM・ライアンは可愛いなぁ(といっても、本作の役柄は凛としてるがw)。ただ、軍の良心という部分は描いても戦争(湾岸戦争に限らず)を否定する要素がひとつも出ないのが、なんとも後味が・・・。
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未来警察

2007-10-09 01:59:26 | ま行
今宵の友は1984年制作の「未来警察」
日常生活に作業ロボットが当たり前のように入り込んでいる近未来を舞台に、それらのトラブル処理を行なう警察特別班の警官とロボットを操り、犯罪を繰り返す凶悪犯との闘いを描いたSFアクション。

ラムゼー警部補(トム・セレック)は、ロボットに関わるトラブル処理班ランナウェイ・スワッドのチーフとして警察に勤務していた。交通課から転任してきたばかりのカレン(シンシア・ローズ)を相棒に、突然暴走した農業ロボットの処理に出かけるが、ロボットは自爆してしまう。それから程なく、今度は家事ロボットが暴走し、殺人を犯したと通報が入り、現場に急行するのだが・・・という展開。

相変わらず邦題からは想像しづらいけど、まぁ近未来が舞台なので良しとしようw 設定や展開及び映像に稚拙な部分もあるが、拳銃で発射できる熱感知小型ミサイル弾(それも個々人の熱分布の違いを見極める)なんてすごいアイディアも入っていて、20年以上前ということを考慮すれば、面白く観られる作品。なんとロック・バンド“KISS” のベーシストであるジーン・シモンズが悪役として映画デビューを飾った作品でもある。
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デッド・レイン

2007-10-05 01:11:28 | た行
今宵の友は1999年制作の「デッド・レイン」
堅気として暮らしていた元金庫破りが、生活困窮のため、再び犯罪に身を染めていくサスペンスであり、人間模様を描いたドラマでもある作品。名優クリストファー・ウォーケンとレインボー・ボイスと称されたシンディ・ローパーの共演のクライム・ストーリー。

かつて“伝説の金庫破り” と呼ばれたヴィクター(C・ウォーケン)は、年老いた叔母と一人娘を養うため、堅気の自動車修理工としてどうにか生計をたてていたが、かなり生活は困窮していた。そんなある日、アイルランドから従弟だという青年マイケルが突然訪ねてくる。彼は、伝説の金庫破りに憧れてNYまでやってきたのだ。そして、彼の出現によってヴィクターを取り巻く状況が一変して・・・という展開。

笑いを取る為なのか、マイケル(ピーター・マクドナルド)の役柄設定があまりにも間抜けっぽくて逆に笑えない。なんか全体的にチープな作りだし、イマイチ盛りあがりに欠ける作品。でも90分なのでそんなもんだと思えば、それなりに観られる。久々に観たC・ローパーがなんか懐かしかったw
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続・夕陽のガンマン

2007-10-04 01:53:09 | さ行
今宵は1966年制作の「続・夕陽のガンマン」
“続” という冠はあるものの、前作とは全く関係の無い作品。邦題の付け方の安易さが露呈。前作に引き続き共演のC・イーストウッドとL・V・クリーフに加え、イーライ・ウォーラックが味のある演技をみせてくれるマカロニ・ウエスタンのユーモア満載の超娯楽大作。

南北戦争末期の西部。ブロンディ(C・イーストウッド)とトゥーコ(E・ウォーラック)の二人はコンビを組み、詐欺まがいの手法で賞金を稼いでいた。しかし、この方法も次第に使えなくなりそうだったのでブロンディはトゥーコを切り捨てるのだが、その仕打ちに怒ったトゥーコが逆襲にでる。そして砂漠を縦断している時、疾走してきた馬車に乗っていた瀕死の兵士から、互いに20万ドルの隠し場所の一部を聞くのだが・・・という展開。

三者三様の立場で描かれていて、長いながらも飽きずに楽しめる作品。設定として南北戦争中の西部劇というのは無理があるが、そこはセルジオ・レーオネ監督、強引にやっちゃってる。相変わらず、くわえ煙草のイーストウッドは格好良い。今回はマッチの点け方も片手でパシュ! とより高度な技になっているw
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夕陽のガンマン

2007-10-02 01:51:53 | や行
今宵は1965年制作の「夕陽のガンマン」
クリント・イーストウッド主演で描く、言わずと知れた、マカロニ・ウエスタンの傑作第2弾。本来なら前作“荒野の用心棒” から観たかったのだが諸事情でこっちから。マカロニ・ウエスタンとはイタリアのスタジオで作られた西部劇のことを総称した日本の造語。アメリカではスパゲティ・ウエスタンと呼んでたらしい。

投獄されていたインディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)が、手下の手引きで脱獄に成功する。時を同じくして、賞金稼ぎのモンゴ(C・イーストウッド)という若い男とモーティマー大佐(リー・バン・クリーフ)と言う初老の男がインディオの首を狙って同じ町に辿りつく。首領の首にかけられた賞金は1万ドル。手下の分も合わせると2万ドルにもなる稼ぎの為、モンゴとモーティマーは一気触発の状態になるのだが・・・という展開。

くわえ煙草にしかめっ面のC・イーストウッドが格好良過ぎる。仕上りとしても40年以上も前なら斬新な映像とテンポだったはず。当然、今日でも観賞に耐え得る作品だけど。あ、もう一人の賞金稼ぎ役のL・V・クリーフの渋い演技も見逃しちゃいけないw あと、哀愁漂う口笛が耳に残るなぁ・・・。
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悪魔を憐れむ歌

2007-10-01 01:54:24 | あ行
今宵は1997年制作の「悪魔を憐れむ歌」
敏腕刑事の謎解きモノと思わせておいて超常的なものとの組み合わせで描いて行くサスペンス・スリラー(ホラーと言ってもいいかも)。エンド・クレジットでローリング・ストーンズの名曲“Sympathy for the Devil” が流れ、そこから邦題が付けられている。

ホブス(D・ワシントン)は、自らが逮捕し、死刑に送りこんだ連続殺人犯リースの死刑執行に立ち会うのだが、リースは意味不明な呪文を唱え、ホブスの手を握った後、「俺は自由になって戻ってくる」という言葉を残して死んでいく。そして、その直後から、リースの犯行を摸倣したかのような犯行現場に謎のメッセージを残すといった連続殺人が続発しはじめて・・・という展開。

刑事モノなのか、超常現象モノなのか、どっちつかずな点は気になるが、D・ワシントンの好演で飽きずに観られる作品。冒頭の現在から過去へ、そしてまた現在へと戻る手法は既出のコンフィデンスと同じ。まぁ本作の方が制作年度から言えば先なんだけどねw なんか続編を匂わす(現時点では作られていないけど)終わり方で釈然としないけど、そこそこ楽しめた作品。
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