銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

マスター・アンド・コマンダー

2010-11-30 00:27:16 | ま行
今宵は2003年制作の「マスター・アンド・コマンダー (2DISC EDITION)」!
初回限定アウターケース&デジパック仕様
パトリック・オブライアンの海洋冒険小説「オーブリー&マチュリンシリーズ」から数作品のエピソードを挿入して映画化した作品。艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)率いる英海軍サプライズ号の乗組員たちの戦いと成長を描く海洋エンターテインメント。

1805年、英海軍のサプライズ号は、フランスの私掠船の追跡・拿捕の任を受け、いつ現れるともわからない敵船を前に緊張の航海を続けていた。そんなある夜、一瞬、霧の中に敵船が見えたかに思われたが、迷っているうちに先制攻撃を受けてしまう。敵は装甲も砲門数もスピードもサプライズ号より優れているフランスのアケロン号であった。執拗に追いかけてくる敵を巻くため霧の中へ逃げ込んで・・・という設定。

登場人物は、全て男。年端もいかぬ士官候補生の少年も乗り込んでいるが、彼らも一端の男として描かれた骨太な内容で、帆船時代の海戦や船内生活等をリアルな映像で見せてくれたり、嵐や戦いでうねる海は臨場感に溢れていたりと視覚効果も凄いので、内容・映像とも見応え充分の作品。
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エラゴン 遺志を継ぐ者

2010-11-24 13:42:12 | あ行
今宵は2006年制作の「エラゴン 遺志を継ぐ者 (2DISC SPECIAL EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
17歳の新鋭クリストファー・パオリーニのファンタジー小説を映画化したモノ。本来、平和の守護者としてドラゴンに選ばれし乗り手であるが、いまや存在しないとされていたドラゴンライダーを軸に人間、ドラゴン、ウィザード、エルフ、ドワーフ等々が登場するファンタジーの王道作品。

母を失い、叔父の農場で育ったエラゴン(エドワード・スペリーアス)は、ある夜、鹿狩りに出かけた森の中で青く光る物体を手に入れる。納屋に隠していたその物体から青いドラゴンが孵化するのだが、この産まれたドラゴンに脅威を感じた暴君ガルバトリックスがエラゴンとドラゴンの抹殺のために刺客を送り込んで・・・という導入。

格段と技術の進歩したVFXを駆使しているので、映像はなかなかのものに仕上がっていて、ドラゴンの皮膚の質感とかは凄い出来である。物語自体もファンタジーなので、深く考えずに一気に観られる作品。元々小説は3部作なので、この作品も中途半端な終わり方をしているのが残念。続編が作られなければ先は小説を読むしかないのか・・・。
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ハンコック

2010-11-19 02:31:46 | は行
今宵の友は2008年制作の「ハンコック (EXTENDED COLLECTOR'S EDITIN)!」
初回限定アウターケース仕様。
アルコール漬けで、加減と言うものを知らずに暴走する嫌われ者の超人が、愛される真のヒーローを目指して心を入れ替えていくという独特のヒーロー・アクション。主人公ジョン・ハンコックの名前は、米独立宣言に最初に署名した人物名に由来し、サインの代名詞として用いられる言葉に因んだジョーク。

ハンコック(ウィル・スミス)は、やることなすこと、大雑把で力任せに処理するので、正しいことをしながらも市民から嫌われ、誰も彼に感謝の気持ちなど表していなかった。ある日、踏切で列車と衝突寸前の惨事から助けられたレイ・エンブリー(ジェイソン・ベイトマン)は、彼を命の恩人と感謝しながら、どうにか彼を愛されるヒーローにしようと思い立って・・・という展開。

型破りなヒーローの暴走、活躍といった感じの内容で、飽きずに一気に観られる作品。強引なストーリー展開はご愛嬌だし、突っ込み所はいろいろあるけど、そんなの気にしない方が楽しめる作品。シャーリーズ・セロンは、より美しさに磨きがかかったな、という感じ。
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バンテージ・ポイント

2010-11-16 00:04:45 | は行
今宵は2008年制作の「バンテージ・ポイント」
大勢の聴衆が集まった国際会議の壇上で米合衆国大統領が何者かに狙撃され、続いて会場で爆発が起こるという事件を軸にして、8人の異なる立場の人間の異なる視点(と言っても個々ではないが)で事件を追ったサスペンス・アクション。

スペインで開かれているテロ撲滅国際会議に出席する米大統領アシュトン(ウィリアム・ハート)を警護するためシークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、同僚のケント・テイラー(マシュー・フォックス)とともに任務に就いていた。だが、大統領が壇上でスピーチを行うというその瞬間に何者かに狙撃され、騒然となる会場でさらに爆発が起こり・・・という導入。

所謂、クリフハンガー形式の連続版という構成になっていて、同一の15分間の出来事をTV局レックス達スタッフ、SPのパーンズ、地元刑事エンリケ、旅行者ハワード、大統領アシュトン、テロリスト側ハビエル達といった異なる視点で描き、最後に一本の線に繋がるという構成で面白く観られる作品。ヒロイン不在の作品だが、ベロニカ役のアイェレット・ゾラーはなかなかの美女。
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ナショナル・トレジャー2 / リンカーン暗殺者の日記

2010-11-14 11:48:59 | な行
今宵は2007年制作の「ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記
                                     (2DISC COLLECTOR'S EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
歴史学者にしてトレジャー・ハンターでもあるベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)の冒険を描いた第2弾。主要キャストは前作と同一の顔ぶれで、今回は、リンカーン大統領暗殺事件の背後に隠された歴代大統領のみが知る南北戦争後タブーに迫る冒険活劇。

アメリカ史上最も謎に包まれているリンカーン暗殺事件。その暗殺者ジョン・ウィルクス・ブースの日記から失われたページの一部が時を経て発見された。そこにはゲイツの先祖が秘密結社ゴールデン・サークル騎士団の一員として、暗殺の首謀者として記されていた。祖先の汚名を濯ぐため、歴史に隠された真実を求める旅を始めるのだが・・・という設定。

アメリカの歴史を題材に前作以上ワクワクしながら楽しめる作品。とは言え、設定には何カ所も突っ込みを入れたくなる場面や人物描写があるけど、この手の類だと致し方ないかな。ダイアン・クルーガーは、相変わらず美しいけど前作の時の方が綺麗だった気がしないでもない。意味深な47ページが気になる・・・。
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ロビン・フッド(1991)

2010-11-12 00:33:17 | ら行

今宵は1991年制作の「ロビン・フッド (2DISC SPECIAL EDITION)」!(特別編集版)
800年以上語り継がれ、未だに色褪せない中世イングランドの伝説の義賊であるロビン・フッドを題材に新たな解釈や衣装等を考証し直して練り上げたペン・デンシャムとジョン・ワトソンの脚本をケヴィン・レイノルズがダイナミックに映像化した冒険活劇。

12世紀後半、十字軍遠征より捕虜の身となっていたロビン(ケヴィン・コスナー)はどうにか脱走をし、牢獄で助けた異教徒アジーム(モーガン・フリーマン)を伴い、どうにか故国に帰り着く。しかし故郷では圧政を強いる代官ノッティンガム公によって、父は悪魔崇拝者の汚名を着せられ惨殺されたうえ、居城は焼け落とされていた。途方に暮れたロビン達はシャーウッドの森へと入り・・・という導入。

過去何回もリメイクされているが、飽きの来ないロビン・フッドなので楽しく観られる。単純な勧善懲悪というストーリー性もあるが、話の軸はそのままで、制作された時代毎に異なる脚色や映像が観られるというのも楽しみの一つかもしれない。うーむ、日本で言うところの年末の忠臣蔵的位置付けなのかと、つい思ってしまう。

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ゴスフォード・パーク

2010-11-09 00:30:07 | か行
今宵の友は2001年制作の「ゴスフォード・パーク」
数百年にも渡って続いてきたイギリスの貴族社会も時代と共に変わり始めた1930年代の英郊外のカントリーハウス“ゴスフォード・パーク” を舞台に、そこで開かれたパーティーに集まってきた“上の階” と称される優雅な貴族階級と“下の階” と呼ばれるメイドや従者たちの姿を対照的に描いた群像劇に殺人事件を絡めた作品。

マッコードル卿(マイケル・ガンボン)とシルヴィア夫人(クリスティン・スコット・トーマス)主催による恒例の雉撃ちパーティーが開かれるため、ゴスフォード・パークにはぞくぞくと貴賓が集まってきていた。貴族階級の表面的な優雅さとは裏腹に参集した面々は金銭的に何らかの問題を抱えていて、それはメアリー(ケリー・マクドナルド)が仕えるトレンサム伯爵夫人も例外ではなかった。そして事件が・・・という導入。

まずもって登場人物が多いことと、従者・メイドを個人名ではなく主人の名で呼ぶという風習で人物相関図をなかなか頭に描けなくなるので、すっきりした頭の時に観ることをお勧め。階上と階下が微妙に絡み合う人間関係、複雑な愛憎関係や金銭関係等々が描かれ、もしやアガサ・クリスティ風の謎解きかと思うと足下をすくわれる作品。
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クライシス・オブ・アメリカ

2010-11-02 01:05:02 | か行
今宵は2004年制作の「クライシス・オブ・アメリカ」
湾岸戦争後、交わるはずの無い道を進んでいた2人の男が再び出会うことで、徐々に引き出される政府と戦争企業との癒着や、大統領を巡る陰謀を描いた政治サスペンス・スリラー。62年の「影なき狙撃者」のリメイクだが、時代を反映し、骨子は残しつつも、新たな設定や展開で組み立てたモノ。

湾岸戦争下、偵察任務中だった小隊が敵襲に会い、小隊を率いてたベン・マルコ(デンゼル・ワシントン)は頭部を強打し意識不明になるが、代わりにレイモンド・ショー(リーヴ・シュレイバー)がその窮地を救う活躍をし名誉勲章を授与される。その後、マルコは陸軍広報部に勤務し、ショーは下院議員としての道を歩み、交わるはずが無かったのだが、自分の記憶と異なる悪夢を毎晩見るというかつての部下アル・メルヴィンがマルコの前に現れて・・・という導入。

D・ワシントンの演技は言わずもがなだけど、R・シュレイバーの表情の変化による演技やメリル・ストリープの鬼気迫る演技等、見応え充分の仕上がりで楽しめる。戦争、洗脳、陰謀等々を題材にしているので、その展開の強引さで、観た人によって評価の差がでた作品。劇中の“これ自体が悪夢の中かも” ・・・意味深長だ。
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