銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

アンタッチャブル

2013-03-20 00:53:27 | あ行
今宵は1987年制作の「アンタッチャブル SPECIAL COLLECTOR'S EDITION」!
限定アウターケース仕様。
パラマウント映画の創立75周年記念としてTVシリーズで好評を博した「アンタッチャブル」を映画化したもので、ブライアン・デ・パルマ監督渾身の作品。禁酒法真っ只中の1930年代のシカゴを舞台に街を牛耳っていたアル・カポネとそれを摘発しようとする財務省の捜査官エリオット・ネスの攻防を描いたもの。

アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)が幅を利かせているシカゴに派遣されたエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)は、カポネを摘発しようと手入れを敢行するが、賄賂を受け取っていた警察内部からの情報漏れで空振りに終わってしまう。落ち込んだネスではあったが、警官としての誇りを残しているジム・マローン(ショーン・コネリー)と出会うことで、腐ったシカゴ市警をあてにせず、ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)やオスカー・ウォーレス(チャールズ・マーティン・スミス)らと共に・・・という設定。

30年代のシカゴを再現した街並みや耳に残るモリコーネの音楽もさることながら、K・コスナー、S・コネリー、A・ガルシア、R・デ・ニーロといった個性的な俳優陣の競演も見もの。わくわくしながらあっという間に観られる作品。ただ、4人で一大組織を相手にするというのは無理があるような・・・実際にはもう少し人員が居たと言う話だし。
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ライフ・オブ・デビット・ゲイル

2013-03-16 00:27:37 | ら行
今宵は2003年制作の「ライフ・オブ・デビット・ゲイル」!
死刑制度廃止運動の活動家であり、大学の哲学科の教授でもあった男が殺人犯として収監され死刑の執行日が迫ってきたとき、突如、独占インタビュー許可し、事実を語りだすといった冤罪や死刑制度を題材に作り上げたサスペンス・ドラマ。

テキサス州で教鞭をとっていたデビット・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)は、死刑廃止論者としても知られていた。しかし、今では同僚女性を殺害した罪で死刑が確定していた。死刑まであと4日と迫った時、人気誌の女性記者を指名し多額の報酬と引き換えに独占インタビューを受けるという行動をとる。刑務所に赴いたビィツィー(ケイト・ウィンスレット)は、ゲイルの話を聞くうちに・・・という設定。

後から分かる伏線もいろいろ引かれていたり、突っ込み所もあるけど観ているうちに引き込まれていく作品。死刑執行までの3日間という現在とゲイルの語る過去とを上手く絡み合わせていて飽きることなく観られるし、オチも“そうくるか!”か的な仕上がりでなかなか。ただ、結構謎が残る作品でもあるので、人によって鑑賞後の印象が異なると思われる。
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シリアナ

2013-03-12 00:14:02 | さ行
今宵は2005年制作の「シリアナ」!
アメリカのCIAと石油会社の脱法行為、中東の王族内の王位継承問題、イスラム過激派テロリストといった複数の要素が絡み合う石油をめぐる黒い関係を描いた群像劇。元CIA工作員による全米ベストセラーのノンフィクションの原作をヒントに制作されている。

長年、中東に潜入し活動をしてきたCIAのベテラン諜報員ボブ・バーンズ(ジョージ・クルーニー)は、息子の大学進学を契機に諜報員の職を辞し、デスクワークに専念しようと決心するが、最後の任務として中東シリアナへ派遣される。同じ頃、エネルギー業界アナリストのブライアン・ウッドマン(マッド・デイモン)は、シリアナの王族がスペインの別荘で催したパーティーに参加したことをきっかけとして第一王子の経済顧問としてシリアナに赴き・・・という導入。

何ら関係のない複数の主人公が、シリアナ(架空の国)の石油を巡り複雑に絡み合い、全てが繋がっているという物語なのだが、ちょっと難解。リアルさは感じられるのでそれなりに観ることができる作品。ただ観終わっても一本の線には繋がらなかった・・・。
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アルファ・ドッグ -破滅へのカウントダウン-

2013-03-03 22:31:09 | あ行
今宵は2006年製作の「アルファ・ドッグ -破滅へのカウントダウン-」!
1999年カリフォルニア州クレアモントで起こった実話を基に描かれたクライム・サスペンス。アメリカに蔓延する未成年犯罪に一石を投じた作品で、日本劇場未公開。ギャングへの憧れ、ドラッグ、銃というアメリカが抱える問題点が端的に描かれている。

ジョニー(エミール・ハーシュ)は、父親(ブルース・ウィリス)から流してもらう麻薬を売り捌き、一端の麻薬ディーラーを気取っていた。ある時、金銭的なもつれから仲間であったジェイク(ベン・フォスター)と敵対関係に陥ってしまう。その見せしめとしてジョニー一味は何の関係も無いジェィクの弟を衝動的に誘拐してしまったことから・・・という導入。

描かれている内容から、全米公開も危ぶまれた作品なので、日本未公開も何となく分かる気がする。精神的に幼いのにもかかわらず、大人(ギャング)への憧れから背伸びをしてしまう少年やその家庭環境や安易に銃を持てる風土等が作品(と言うか、この実話)の根底にあることが伺える。あまり良い結末では無いので観終わっても何か澱んだ気分になってしまう感じの作品。
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