銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

明日に向って撃て!

2009-05-30 01:39:40 | あ行
今宵は1969年制作の「明日に向って撃て! (SPECIAL EDITION)」!
19世紀末の西部史に強盗としてその名を刻むブッチとサンダンスという二人組の逃避行を描いた作品で、ほぼ史実に近いとされている。頭は切れるが殺しや賭博が全く駄目なブッチをポール・ニューマンが、早撃ちで大酒飲みで豪快だが泳げないサンダンスをロバート・レッドフォードが、初顔合わせと思えない程、息の合った演技でみせてくれる。

壁の穴強盗団の首領ブッチと片腕サンダンスは、銀行や列車を襲い、金品を強奪していた。しかし、あまりに目立った行動をしたため、懸賞金のみならず、追っ手を差し向けされてしまう。しかも、この追っ手達が名だたるメンバーであったため、逃げても逃げても巻くことが出来ず、徐々に追いつめられて・・・という展開。

単なる昔ながらの西部劇でもない、かといって失速が予想されるアメリカン・ニュー・シネマとも異なる作品。どこかロマンチックで、青春群像が描かれているように思えてしまう。ブッチとサンダンス、そしてエッタ(キャサリン・ロス)の3人の輝きを見事に監督のジョージ・ロイ・ヒルが描いていて、一度は見て欲しい作品!
コメント

ジャッカルの日

2009-05-26 02:39:53 | さ行
今宵の久々の友は1973年制作の「ジャッカルの日」
フレデリック・フォーサイスの同名小説を映画化したもので、アルジェリア独立に反対するOAS(フランス極右の軍事組織)が、時の大統領ド・ゴールの暗殺を企て、一人の殺し屋“ジャッカル(エドワード・フォックス)”を雇うというフィクション・サスペンス。

エリゼ宮殿からパリ近郊の空港へ向かっていたド・ゴール大統領を乗せた車が襲撃を受けるが、奇跡的に大統領は無傷だった。この事件でより政府の締め付けが厳しくなり、OASは、人的にも金銭的にも壊滅状態に追いこまれていった。そこで、最後の手段として顔の割れていない外国人の殺し屋を雇い、再度ド・ゴール暗殺を企てる。そしてその報酬を捻出するため、銀行を襲うのだが、これがフランス当局の警戒を呼び起こし・・・という導入。

暗殺に向け、冷徹にかつ用意周到に準備を進める“ジャッカル” とパリ警察の地道な捜査のせめぎあいや、あまりにもリアルなディティール描写で、つい史実?とか思ってしまうほど、よくできている社会派サスペンス作品。観て損はしないはずだが、昨今のテンポの速い映画を観なれた人には、ちょい緩いかも。
コメント