銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

ロッキー・ザ・ファイナル

2010-12-30 21:49:37 | ら行
今宵は2006年制作の「ロッキー・ザ・ファイナル 特別編」!
初回限定アウターケース仕様。
誰しもが聞き覚えのあるあのテーマ曲にのって、前作より16年、第1作からは30年という年月を経て戻ってきた拳闘映画。今や大俳優のシルヴェスター・スタローンが無名の俳優から伸し上がった第1作への懐古、オマージュが含まれた集大成作品。

2度のヘビー級王者に輝いたロッキー(S・スタローン)も今では最愛の妻エイドリアンに先立たれ、息子は独立してしまい、日々レストランのオーナーとして思い出の中だけで生きているきた男になっていた。しかし、コンピューターによる新旧王者のボクシングゲームに自分が映しだされ、現王者をダウンさせる映像を見たとき、まだ心の奥底に燃え尽きていない何かを感じ・・・という設定。

S・スタローンが公言して憚らないように、パート2~5の内容はすっ飛ばし、第1作へのオマージュのため、最後の輝きを見せるために作られた作品。60を過ぎた男が現王者と戦うなどと実際には馬鹿げているかもしれないが、そこには“己を信じ、夢に向かっていくこと(例え成し遂げられなくとも)” といった人生訓が盛り込まれている気がしてならない。男なら必見!(但し、ちゃんとパート1を観てからならね。)
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リバティーン

2010-12-28 03:00:17 | ら行
今宵は2004年制作の「リバティーン」
初回限定アウターケース仕様。
17世紀の英国で、国王の寵愛を受けた宮廷詩人であり二代目ロチェスター伯爵であるジョン・ウィルモットという実在の人物の盛衰と彼に関わる3人の女性、貞淑で愛を貫く妻、ジョンが見いだした女優かつ愛人、唯一心を開ける娼婦 との関係をからめつつ波瀾万丈な男の半生を描いた作品。

宮廷詩人として召し抱えられ、寵愛を受けていたジョン・ウィルモット(ジョニー・デップ)は、外国の要人の前で卑猥な性描写の詩を詠んだことで国王チャールズ2世(ジョン・マルコヴィッチ)の怒りを買い、幽閉されていたが、3ヶ月後に恩赦によってロンドンへ戻ることを許される。そして、久々に観に行った芝居小屋で、磨けば光る女優の卵バリー(サマンサ・モートン)を目にして・・・という導入。

物語自体はそれほど心に残るモノではないが、本当にJ・デップという役者は凄い、どのような役でもこなしてしまう、という印象を改めて見せつけられる作品。なので、J・デップ好きの方は必見。但し、題名もそのまま“リバティーン=放蕩者” なので、常識や道徳観は期待せず、狂気や色気に引かなければだけど。
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ボーン・アルティメイタム

2010-12-22 02:18:05 | は行
今宵は2007年制作の「ボーン・アルティメイタム」
マット・デイモン演じる記憶を失った元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーンの“自分は何者” を探し求める旅の完結編に当たるアクションもので、国家権力(CIA)を敵に回しながら逃走と組織の陰謀と自らの過去を暴く孤高の男を各国のロケーションと共に描いたスピード感溢れる作品。

ボーン(M・デイモン)は、自分を究極の殺人マシーンに仕立て上げたCIAの極秘計画“トレッドストーン” に関する取材を進めていた英国の新聞記者ロス(パディ・コンシダイン)と接触し、情報を得ようとロンドンに赴く。しかし、既にCIAの捜査網に引っかかっていたロスは、新たな殺人マシーンとして作られたパズ(エドガー・ラミレス)によって狙撃されてしまい・・・という導入。

息も尽かせぬテンポで進み、一気に観られる作品。NYでの激しいカーチェイスやタンジールでの屋根の上の追跡や同じ殺人マシーンとの格闘等々、盛り沢山の内容で面白く観られる。ただ結末にもう少しひねりがあれば良かったのだが、と思わせて、続編への布石を打ったかのようなエンディングは監督の狙いなのだろうか。
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白いドレスの女

2010-12-19 03:09:40 | さ行
今宵の友は1981年制作の「白いドレスの女」
熱帯夜の続くフロリダを舞台に若手弁護士が美しい人妻がめぐらせた遺産相続をめぐる罠に巻き込まれていくサスペンス・スリラー。B・ワイルダーの「深夜の告白」を基にローレンス・カスダンが脚色したモノで、どことなくノワールな雰囲気の漂う作品。

猛暑の続く夏、弁護士ネッド・ラシーン(ウィリアム・ハート)は涼を求めて海岸沿いの野外ステージをぶらついていた時、白いドレスを着た美しい女を見かけ、声を掛けるが夫のある身だとして軽くあしらわれてしまう。彼女のことが気になって仕方がないネッドは幾晩か捜し回り、やっとあるバーで彼女を見つけ、名前がマティ・ウォーカー(キャスリーン・夕ーナー)ということを聞き出し、彼女の家へ行き・・・という導入。

話の展開や組立等、30年経っても色褪せていない内容で、一気に観られる作品。観終わってから、あそこに伏線がとか、ヒントがとか、思い当たる節が沢山あって、なかなか見応え充分の作品。K・夕ーナーにとっては、この作品が銀幕デビューの記念作。ともあれ、白いドレスの似合う女には気を付けねば(笑
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スパイダーマン3

2010-12-14 03:04:21 | さ行
今宵は2007年制作の「スパイダーマン3 (DELUXE COLLECTOR'S EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
マーヴェルのアメコミヒーロー:スパイダーマンが活躍する第3弾。前作から約3年後の設定で、新たな敵サンドマンや宇宙より飛来した謎の寄生体によって生み出されたブラック・スパイダーマン等が登場するアクション大作。監督は前2作同様にサム・ライミが担当。

今や“スパイディー” の愛称でNY市民に愛される存在となったスパイダーマン。そして、その正体であるピーター・パーカー(トビー・マグワイア)もMJ(キルスティン・ダンスト)との愛を育み、順風満帆であった。しかし、かつて叔父を殺害したとされた犯人が実は間違いで、真犯人は現在、脱獄をしてNY市内に潜伏していると警察から聞かされたピーターは私怨にかられて・・・という導入。

最新のVFXを駆使して撮影された映像は迫力満点。観ていて飽きないが、等身大のヒーローの人間臭さ(鈍くささ)がより強調されていて、やや興醒めの場面の多々ある感じの仕上がり。“4” の構想も進んでいたこの作品だが、S・ライミの離脱で続編が消滅し、この3部作で完結となってしまうという中途半端さがなんとも・・・。
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ウインドトーカーズ

2010-12-11 02:28:42 | あ行
今宵は2002年制作の「ウインドトーカーズ (2DISC SPECIAL EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
太平洋戦争時、日本軍に解読されない暗号を作りソロモン諸島への侵攻を行った米軍と従軍したナバホ族の暗号通信兵を軸に描いた戦争映画。暗号通信兵の存在は1969年になるまで秘密にされていたが、史実に基づいた存在である。

エンダーズ伍長(ニコラス・ケイジ)は、自分の判断によって12名の部下を失い、自分だけが唯一の生き残りとして帰還したことに身体的傷害だけでなく精神的苦痛を感じていた。その悪夢を払拭するかのように早期復隊を希望し、課せられた任務は、“コードトーカー” と呼ばれる通信兵を護衛と共に“暗号を死守する” というものだった。エンダーズは、この任務のため、軍曹として戦地へ赴くのだが・・・という導入。

戦争よりも、エンダーズの心の葛藤と先住民族ながら暗号通信兵として従軍したナバホ族を描きながら、両者の距離感を軸に闇に隠されていたコードトーカーの存在を世に知らしめたという感じの作品で、一気に観られる作品。戦争映画のため、平和の象徴の鳩は飛ばせないので、代わりに海鳥を飛ばすあたりが、流石ジョン・ウーという感じ。
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ギャング・オブ・ニューヨーク

2010-12-09 01:20:01 | か行
今宵は2001年制作の「ギャング・オブ・ニューヨーク (2DISC SPECIAL EDITION)」!
1863年、ニューヨーク・マンハッタンの一角にあるファイブ・ポインツを舞台に生粋のアメリカ人と移民のアイルランド人の間で繰り広げられるギャングの抗争と人間ドラマ描いた作品。1928年刊行のハーバート・アズベリーの同名著書から着想を得たモノで、あまり語られないNYの過去に踏み込んでいる。

NYのファイブ・ポインツでは、アメリカ生まれの住人による組織“ネイティブズ” とアイルランド移民たちの組織“デッド・ラビッツ” を頂点とした互いの利権争いの日々が続いていた。その抗争の中で、神父でデッド・ラビッツのボスである父親を敵のボス、ビル・ザ・ブッチャー(ダニエル・デイ=ルイス)に殺されたアムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は16年の少年院の刑期を終え、戻ってみると・・・という導入。

あまり知られていないNYの過去を元にしながら、原作に脚色を施し、重い感じに仕上げたモノ。長編ながら飽きずにというか、逆に引きつけられて時間の経過を気にせず観られる作品。女掏摸のジェニー役のキャメロン・ディアスは、相変わらず笑顔の方が似合う女優だなぁ。
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パトリオット

2010-12-05 17:45:21 | は行
今宵は2000年制作の「パトリオット (COLLECTOR'S EDITION)」!
米独立戦争を背景とし、英国との開戦か否かの選択を迫られたサウス・カロライナ州を舞台に一人の男ベンジャミン・マーチン(メル・ギブソン)の生き様を描いた壮大な歴史戦争ドラマ。B・マーチンは複数の人物像を掛け合わせたフィクションとしての存在だが、戦争の史実自体はノン・フィクションである。

英国からの独立を求めて各州に飛び火した独立戦争の波にサウス・カロライナ州も飲み込まれてようとしていた。かつてのフレンチ・インディアン戦争での英雄B・マーチン(M・ギブソン)は、今では7人の子供の親となり、亡き妻の願い通り平穏な日々を送る事を望み、開戦にには乗り気ではなかった。しかし、戦火が自宅まで迫り、目の前で理不尽に次男が射殺されると・・・という導入。

M・ギブソンの父として男としての演技や故ヒース・レジャーの演技も上手く表現されているし、迫力のある戦闘シーンも見応え十分で飽きずに観られる164分の長編作品。この手の映画だと米国の国威高揚と揶揄する輩もいるが、あくまで歴史大作として観た方が楽しめると思う。
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シモーヌ

2010-12-02 23:05:21 | さ行
今宵は2002年制作の「シモーヌ (DELUXE EDITION)!」
初回限定アウターケース仕様。
落ち目の映画監督が起死回生をかけて仕掛け、世界の恋人までに創り上げた女優が、実はCGで作られたものというSFチック作品にコメディタッチのスパイスを振った作品。女優も完全なCGではなく、デジタル画像と生身を上手く合成させて仕上げてある。

短編とは言え過去に2度もオスカーにノミネートされた映画監督ヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)だが、ここ十年来、手掛けた作品は転けてばかり。そんな彼に女優創造PCソフト“SIMULATION ONE” が謎の男ハンクから届けられる。その後、ヴィクター試行錯誤の末、CG女優“S1M(ulation)0NE(シモーヌ)” を創り上げ、自分の作品に出演させ・・・という設定。

A・パチーノがダメダメ感を上手く表現していて、楽しんで観られる作品。シモーヌ役のスーパーモデルで、アンドリュー・ニコル監督の奥方でもあるレイチェル・ロバーツの美しさは特筆に値する。残念なのは、ハリウッドのあり方を批判しつつも中途半端な状態で終わるので、もっと豪快に笑い飛ばして欲しかった点かな。
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