銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

シービスケット

2013-06-23 00:23:14 | さ行
今宵は2003年制作の「シービスケット (PREMIUM EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
1930年代の大恐慌時代に実在した競走馬を描いたローラ・ヒレンブランドの同名小説が原作。不遇の若駒時代から華麗に復活を遂げた姿が当時の疲弊した大衆の心を揺さぶり、熱い思いと共に人気を博した競走馬と、失ったものを埋めるためにこの馬にかけた馬主、調教師、騎手の姿を描いた作品。

最愛の息子を自動車事故で失ったチャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジス)は、その虚無感を埋めるため一頭の競走馬を購入する。そして、カウボーイとして生きる土地を失ったトム・スミス(クリス・クーパー)を調教師として、15歳で親に競馬関係者の元に置き去られたジョニー・レッド・ポラード(トビー・マグワイア)を騎手として雇い、馬主としての道を歩み始めるのだが・・・という設定。

3人の男が三様に失ったものを抱えつつも、一頭の馬:シービスケットを軸に共通の夢を追い求める姿や馬自体の復活劇等々、心に沁み込んでくる作品で、大恐慌時代という時代が生んだドラマのような実話(多少、脚色はあるが)。目を離さずに一気に観られる。シービスケットとは海軍用乾パンを意味し、父のハードタック(乾パンの意)からの連想とのこと。
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パブリック・エネミーズ

2013-06-15 00:00:18 | は行
今宵の友は2009年制作の「パブリック・エネミーズ (2-DISC LIMITED VERSION)」!
アメリカの大恐慌時代(1930年代)に実在した伝説のギャングで、大衆からは「義賊」、初代FBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーからは「パブリック・エネミーNo.1(社会の敵ナンバーワン)」と評されたジョン・デリンジャーが駆け抜けた13ヶ月を描いた作品。

ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)は、食料雑貨店を襲った罪などで服役していた10年間に同じ服役囚から銀行強盗のノウハウを学び、仮釈放され塀の外へ出た際に、刑務所に残る仲間の脱獄計画を練り、実行、そして成功する。銀行強盗をしつつ州を渡り歩いていたデリンジャーは、あるクラブでビリー(マリオン・コティヤール)という女性に目を奪われて・・・という導入。

デリンジャーをヒーローでも極悪人でもなく、ある時代を生きた男として淡々と描いた作品。なので観終えた後、こんな実話があったのか、とだけ納得している自分がいた。脱獄劇、銃撃戦、恋の逃避行、そして射殺と起伏はあるのだが、どれも深く描いていない(というのが、マイケル・マン監督の狙いかも?)というのが要因のような気がする。とは言え、なかなか面白く観られた作品でもある。
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ワルキューレ

2013-06-11 00:10:39 | わ行
今宵は2008年制作の「ワルキューレ (PREMIUM EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
第二次大戦下のナチス・ドイツで実際に計画・実行されたアドルフ・ヒトラーの暗殺計画を題材にした戦争サスペンス。“ワルキューレ” とは、ヒトラーが策定した反乱軍鎮圧用の既存のオペレーションのことで、本作ではそれを逆利用してヒトラー暗殺後の全権奪取を速やかに行うというもの。

第二次大戦下、ヒトラーの政策に批判的意見を言うことから前線に送られていたシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は、連合軍との戦闘で左目を負傷し、隻眼となってベルリンへ戻り予備軍司令部勤務となった。その予備軍司令部は反ヒトラー派で占められており、必然的にシュタウフェンベルクも仲間となっていった。そして、ヒトラーを暗殺し、SSやゲシュタポを封じ込める手段として既存のオペレーション・ワルキューレを利用することを提案し・・・という設定。

何十回もあったとされるヒトラー暗殺事件の中でこれほど大掛かりなものがあったとは知らなかった。もちろん、ヒトラーは自決したとされているので、このクーデターは失敗に終わっていると分かりつつも、グイグイ引き込まれてしまう作品。当該国ドイツでは内容は歓迎されるものの主演のトムがサイエントロジーの信者であることから反発を招いた(シュタウフェンベルクは敬虔なカトリック信者)作品でもある。
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ツーリスト

2013-06-05 00:22:32 | た行
今宵は2010年制作の「ツーリスト」!
ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリー初共演のサスペンス・ロマンス。山岳を走るユーロースターから始まる水の都ベネチア観光ツアーのような映像の作品。アンジーと言えば、の過激なアクションでは無く、デップと言えば、の感情移入型の人物像では無く、2大キャストをどちらに偏る事無く無難に使った作品。

イタリア旅行中のアメリカ人のフランク(J・デップ)は、ベニスに向かうユーロースターの車中でセレブ階級の美女エリーズ(A・ジョリー)に声を掛けられる。ベニスに着いてからエリーズに誘われるがまま、アバンチュールになるやもと酔いしれるフランク。しかし、それはすべて仕組まれた罠で、一夜明けた時点からフランクは命を狙われる状況に追い込まれ・・・という導入。

アンジーやデップが好きなら楽しめる作品。役者ではなく、ラブ・サスペンスとして見た場合は、今一つ盛り上がりに欠けるかな。ただ、ストーリー展開や、クスッとした笑いとかは盛り込まれているので、それなりに観られる。そんな感じなので、作品の評価も中庸なものが多い。
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