銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

SPIRIT

2010-01-29 22:58:35 | さ行
今宵は2006年制作の「SPIRIT」
1900年代初頭、列強の国々に虐げられた中国を舞台に実在した伝説の武術家:霍元甲(フォ・ユァンジャ)を題材にフィクションをまじえて“武道精神(=スピリット)” を描いた作品。ジェット・リーにとって入魂の作品となり、「この映画の中で自分の思い描く“武道精神” を表現しきった」として、以降の功夫映画への出演辞退を表明した。

武道家の嫡男として生まれながらも、父から武術の手ほどきを受けられなかった霍(ジェット・リー)は、天津一の武道家になることを心に誓ってから30年が経過し、今では、連戦連勝の武術家になっていた。しかし、勝つ度に膨れ上がる高慢な性格が災いして、ある夜、失意のどん底へ突き落とされるのだが・・・という導入。

リーの功夫の動作に重点を置き、CGやワイヤーアクションを極力抑えて撮られた映像からリアルな迫力が伝わってくるし、前半と後半のリーの表情や目の動き、佇まい等の対比もよく描かれている。田中安野(中村獅堂)も武士道精神に則った誇り高き男として描かれ、二人の闘いは壮絶かつ感動的でもあり、一気に観られる作品。
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セブンソード

2010-01-28 00:06:28 | さ行
今宵の友は2005年制作の「セブンソード」
17世紀の中国を舞台に、各々異なる不思議な力を秘めた7振り剣を持つ7人の剣士が集まって悪を倒すという1950年代に欠かれた小説を原作とした武侠映画で、監督は武侠の匠であるツイ・ハーク監督。05年度中国で興行収入ナンバーワンとなった超大作。

中国に侵攻し清王朝を築いた満州民族の王は、武術の研究と実践を禁じる禁武令を発布し、反乱軍の鎮圧を押し進めていた。それに乗じ、風火連城が率いる集団が各地で武術者狩りの名の下に私腹を肥やそうと蛮行を繰り返していた。元明王朝の役人だった傅青主(ラウ・カーリョン)は過去の己の行いに対する良心の呵責から、風火連城の蛮行に歯止めをかけようとするのだが・・・という設定。

7剣士には、楚昭南(ドニー・イエン)、楊曇(レオン・ライ)らが扮し、それなりの武侠映画になっているのだが、表面的な話だけを描いた感じで、時代背景や人物像に奥行きが無く、薄っぺらく感じてしまったのが残念。中国での興行収入1位というのも原作を読んだ人か、TV版を観た人向きに作成された為なのでは、と思えてしまう。でも、そこそこ楽しめる作品ではある。
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PROMISE 無極

2010-01-25 04:38:35 | は行
今宵は2005年制作の「PROMISE 無極」
“アジアのどこか、未来における3000年前” という時代設定で、運命を司る満神により、未来を運命付けられた傾城と伝説の戦神の武具と呼ばれる華鎧を身にまとう大将軍・光明を軸に2番手の公爵・無歓や奴隷の昆侖を巻き込んで描かれたファンタジーっぽい武侠映画。

20年前、満神と“寵愛を受けるが、真実の愛は手に出来ない” との約束を結んだ少女・傾城(セシリア・チャン)もいまや王妃となっていた。ある時、北公爵・無歓(ニコラス・ツェー)が王妃を奪う為、謀反を企て大軍を率いて城を包囲していた。そんな王の危機を救う為、華鎧の大将軍・光明(真田広之)は、前の戦いで手に入れた奴隷・昆侖(チャン・ドンゴン)のみを従えて、先陣を切って、城へ向うのだが・・・という導入。

冒頭にある合戦のシーンでのCG技術は疑問符だらけの出来で、本当に最近の映画?と思いたくなってしまう。しかし、ワイヤーアクションの出来は良いし、衣装や景観等が上手く東洋的イメージで描けているので充分観賞に値する。セシリア・チャンもなかなか美形で艶っぽいのでいいかも。ちなみにセシリアとニコラスは現在、夫婦になっている。
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グリーン・デスティニー

2010-01-23 01:23:11 | か行
今宵は2000年制作の「グリーン・デスティニー (COLLECTOR'S EDITION)」!
中国全土にその名を轟かせていた剣豪リー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)と伝説の名剣“碧銘剣(グリーン・デスティニー)” を軸にして、自由や剣客に憧れ“碧銘剣” に魅入られつつも政略結婚の運命を受け入れる貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)を絡めて描いた、王度廬の武侠小説「臥虎蔵龍」が原作の武侠映画。

師の仇を討つべく剣客としての修業を行っていたムーバイは、ある時、血で血を洗うような江湖の争いに疑問を抱き、山を降り、愛剣“グリーン・デスティニー” を手放すことを決意する。そして、剣をティエ氏に献上すべく、シューリン(ミシェル・ヨー)が北京まで運ぶのだが、届けたその夜、屋敷に何者かが忍び込み、剣を盗み出して・・・という展開。

武術に関して、あえて少林拳ではなく道教の武当拳を使ったところに新鮮味は感じるが、ワイヤーアクションの乱発は食傷気味になる。でも、飽きるほどでは無く、観ているうちに馴れてしまったが・・・苦笑。 この頃のチャン・ツィイーは初々しくて可愛いねぇ。
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冒険王

2010-01-18 03:06:24 | は行
今宵は1996年制作の「冒険王」
1930年代の中国を舞台に“冒険王” と呼ばれる考古学者が中国政府から手に入れれば世界を支配する力を得られるという伝説の経箱と真経を極秘に探し出す様に依頼を受けたことで繰り広げられる冒険活劇。ハリウッド進出前のジェット・リー(リー・リンチェイ)と日本進出前の金城武という今では豪華2大スターで作られた作品。

“冒険王” と呼ばれる考古学者のワイ(J・リー)は、助手のパオ(金城武)と共に大陸で数々の冒険をしていた。そんなある日、中国高官からの伝説の経箱と真経を探し出すという依頼をを受け、上海の日本領事館にあるという手掛かりとなる極秘文書を盗み出すべく忍び込むのだが・・・という設定。

J・リーも金城もまだ知名度が高くない時代なので、インディ・ジョーンズのアジア版というか、B級作品ながら結構ノリで楽しんで演じている作品なので、観る方も気楽にチープだなぁとか思いつつ面白がって観られる作品。ただ、反日感情っぽいもの(と、いうか小馬鹿にした感じ)も、あちらこちらに描かれているのが、残念な気がする。
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少林サッカー

2010-01-16 01:53:03 | さ行
今宵の友は2001年制作の「少林サッカー (DELUXE EDITION)」!
少林寺拳法とサッカーという相容れないであろう2つのものを融合させて見事にまとめあげてしまった香港式コメディ映画で、チャウ・シンチー(周星馳)自ら脚本・監督・主演の三役を務めたモノ。また、日本に於ける彼の知名度を一気に押し上げた作品でもある。

かつて“黄金の右” と呼ばれたサッカー選手が、仲間の嫉妬と自分の貪欲さから八百長試合に荷担したことで脚を折られてしまい、表舞台から消えて20年、いまやただの雑用係になっていた。そんな彼が街でゴミ拾いをしながら少林拳法の良さを説法する超人的な脚力を持つ少林拳の使い手シン(チャウ・シンチー)と出会ったことで、サッカーへの情熱が再燃して・・・という導入。

ハリウッドのパロディのような場面を入れ込んだり、香港李小龍(ブルース・リー)ファンクラブ名誉会長でもあるシンチーの思い入れが入っていたり、あり得ない展開だけど、面白く観られる作品。太極拳の使い手ながら饅頭屋の売り子役のヴィッキー・チャオが可愛く、無理にニキビ面の設定でなくても良かったけど、そのお陰で最後の美しい火星人との対比が出来たともいえるし、うーん。
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メラニーは行く!

2010-01-14 04:24:42 | ま行
今宵の友は2002年制作の「メラニーは行く! (SPECIAL EDITION)」!
NYの新進気鋭の若手ファッション・デザイナーと市長の息子の純愛と思いきや、実は離婚調停中の人妻であったり、経歴を隠していたりと意表を突きつつ、コメディタッチで味付けをして、NYという北部の都会とアラバマという南部の田舎を上手く対比して描かれた作品。

メラニー(リース・ウィザースプーンン)は、仕事ではNYでデザイナーとして成功しつつあり、プライベートでは市長の息子からも求婚を受けるなど、順風満帆な人生を正にこれから謳歌しようとしていた。しかし、そんな彼女には故郷アラバマに7年間も未だに離婚に応じてくれない戸籍上の夫ジェイク(ジョシュ・ルーカス)が存在していため・・・という設定。

キューティ・ブロンドの時とは、また違ったキュートな魅力を放つR・ウィザースプーンの力に支えられた作品。途中から話の展開スピードが遅くなるし、何となく結末が想像できてしまうけど、それなりに観られる作品。冒頭でのティファニー本店を借り切っての求婚シーンは、なかなか豪華だけど、ちょい気恥ずかしいかもね。
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