酔眼独語 

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レスリング五輪除外の危機

2013-02-13 09:51:28 | 外交
 日本が五輪でメダルを量産してきたレスリングが、2020年大会以降実施競技から外される可能性が高くなった。3大会連続金メダルの吉田沙織ら日本の関係者は大きなショックを受け、動揺しているという。

 ≪国際オリンピック委員会(IOC)は12日、スイスのローザンヌで理事会を開き、ロンドン五輪で実施した26競技からレスリングを除いた25競技を2020年五輪で実施する「中核競技」として選定した。第1回の1896年アテネ五輪でも実施された伝統競技のレスリングは、東京が招致を目指す20年五輪で除外の危機を迎えた。

 関係者によると、理事会は投票で中核競技から外れる1競技を決め、レスリングは近代五種との決選投票で敗れた。

 28競技を実施する20年五輪では、中核競技に16年リオデジャネイロ五輪で採用されるゴルフとラグビー7人制を加えた27競技の実施が確定した≫=共同=。


 レスリングは近代五輪発祥以来、2回大会を除きずっと行われてきた伝統の競技である。というより、紀元前の古代オリンピックでも実施されていた最古の競技の一つだ。川本信正監修の「オリンピックの事典」によれば紀元前の第17回大会までは短距離走のみ、bc708年にレスリングと五種競技(走り幅跳び、やり投げ、短距離走、円盤投げ、レスリング)が加えられたという。

 これだけ歴史と伝統のある競技が、なぜ除外の憂き目を見るのか。華やかさに欠けるとかメダル獲得国が偏っているなどの理由が挙げられているがもう一つはっきりしない。

 ただ、この競技は中東と東欧・ロシア、日本を含む極東勢の力が強く、西欧や米国はなかなか勝てない。先のロンドン五輪ではイランはグレコで圧倒的実力を見せて金3個。フリーでもメダルを量産した。スポーツ界で影響力を持つどこかの国が「イランの国威発揚につながるような競技はちょっとね」と言い出しても不思議ではない。

 2020年大会といえば東京が立候補している当の大会である。東京のライバル、トルコもレスリング強国だ。レスリング除外となれば、この2か国の招致活動にも影響しかねない。で浮上するのがマドリード? 。「サマランチの遺光」もあるし、と考えるのは勘ぐりすぎか。
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