酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

北との情報戦に完敗

2012-12-12 15:28:19 | 外交
 北朝鮮が「人工衛星」の発射を強行、打ち上げは成功したとみられる。

 ≪北朝鮮が12日午前、国際社会の反対を振り切って事実上の長距離弾道ミサイルの発射を強行した。核・ミサイル開発にかける強い意志を改めて示すとともに、4月の発射失敗で落ちた威信を早期に回復する狙いだ。国連安全保障理事会は制裁強化の議論に入る見通しだが、北朝鮮が対話姿勢を示すかどうかは不透明。短期的には一段と強硬に出てくる可能性もある。

国際社会での孤立覚悟でミサイル発射を強行したのは「核・ミサイル大国になる」という故金日成主席、故金正日総書記時代からの揺るがない国家戦略があるからだ。4月の発射失敗で、いずれは再発射する必要性に迫られていた。

 ただ、条件が悪い冬季に発射するなど強引な印象は否めない。技術的な欠陥が生じたとしながらも年内の発射にこだわったのは、金正恩(キム・ジョンウン)体制が事実上発足した今年中に「成果」を出し、威信の回復を狙ったとの見方が強い≫=日経web=。

 韓国のKBSが伝えるところによれば、3段式のロケットはそれぞれ北の予告通りの海上に落下、韓国政府も実験成功とみているという。

 4月の失敗からわずか8か月、気象条件などが悪化している中での成功はアメリカの心胆を寒からしめたに違いない。それよりなにより、8日ごろから発射延期説が流布され、11日には韓国政府筋が「ロケットは発射台から取り外された」と述べていたのに、その翌日、突然打ち上げられたことに驚く。「大幅に遅れる」との観測を流していた日米韓のメディアは、いずれも大誤報ということになる。

 共同などは衛星写真を並べて「前日まであったトレーラーなどが消えている」などと取り外しを強調している。韓国政府やメディアの目が節穴なのか、北の偽装が上手かったのか。

 ロケットが取り外されていなかったことは確実だ。液体燃料を抜き、取り外して修理したうえ、再度組み上げて燃料を注入、打ち上げとなるとどう考えても時間が足りない。

 8日に「発射時期を調整する問題を慎重に検討」と切り出し、10日には「1段目の制御エンジンに技術的欠陥が見つかった」と述べ、1週間打ち上げ期間を後ろに延ばすことを公表していた北朝鮮の一連の言動が三味線だったとも考えられる。

 これが実戦なら、初戦は日米韓の完敗である。近代戦は情報が大きくものをいう。北に振り回されているのが日本だけではないというのが情けない。韓国政府の北情報が当てにならないとなると、事態は深刻だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする