脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

2008年、定点観測の立ち位置

2008年02月03日 | 脚で語るJリーグ


 今日は積雪のために都南クラブとアルテリーヴォ和歌山のトレーニングマッチは中止に。非常に残念だが、まずは雨が降っただけでも大淀平畑グラウンドが使用できず、別に県内で会場を探さなければならなかったこと自体が何とも哀しい。全天候対応の芝のグラウンドがいかに県内に無いかということを印象づける中止劇となってしまった。

 Jリーグを見てみると、全てのクラブが新体制を始動させ、順次キャンプインしている。やはり九州やグアムが施設も充実していて、かつ移動時間も少なく温暖な所へ行ける理由から、そのキャンプ地としては人気が高い。そんな様々なニュースをチェックしていると、遂に2008年シーズンが始まるなという実感が湧いてくる。毎年この時期はサポーターたる者は皆ワクワクして止まないはずだ。

 昨日、京都のTMをチェックしてきたわけだが、今年はもちろん奈良のサッカー、G大阪を軸に京都と神戸も含め、各カテゴリー「ちゃんぽん」で定点観測していきたいと思っている。今年はC大阪のみがJ2で戦うことになるため、京都が昇格した今年は、昨年以上にJ2のカテゴリーは生観戦がしにくくなるだろう。J2が一番観戦の機会が少なくなるかもしれない。
 少し、各カテゴリーでの今季の楽しみを挙げてみよう。

 まずJ1は、G大阪が軸になるし、自身のサッカーライフにおけるメインストリームになることは言うまでもない。ACLも控えた今季は、協会のおかげでワケの分からん国際親善マッチも3試合ほど戦わなければならない。昨年ナビスコ杯を優勝という最高の結果に終われただけに今季もタイトルの獲得は大前提となってくるだろう。エクスキューズの効かない補強を成し遂げただけに、昨年終盤のような失速は許されない。
 それから、神戸がどこまで飛躍を遂げられるかも密かに注目している。昨季は可もなく不可もなくといった順位に終わったが、今季は充実した補強ぶりで「進化」を遂げるには十分な陣容を整えているのではと思っている。もはや「降格争い」に巻き込まれるチームは過去のもの。エース大久保が代表で定着できるのも時間の問題だ。
 京都は、補強ぶりを見ていると一番面白い。しかし、京都ほど毎年フタを開けないと何とも分からないチームもない。新戦力が昨年からの現有戦力とどこまで化学反応を見せてくれるか楽しみだが、京都サポは今季ほど待ち遠しいシーズンもないのではなかろうか。“エレベータークラブ”脱却のためにお家芸の“監督更迭”は今季は封印してもらいたいものだ。

 関西で唯一J2のカテゴリーを戦うことになったC大阪。目立った補強もなく、滑り出しは何とも地味だが、今季から柿谷が11番を背負うなど、香川や森島康など若手の台頭は著しい。少しでも魅力あるサッカーをして、長居にファンの足を向けさせることがC大阪のJ1昇格と並行した大きな目標となるだろう。

 JFLは今季はMIO草津の昇格もあり、滋賀県が観測する上での舞台となろう。昨年は京都の佐川印刷のホームゲームを中心に何試合か足を運んだが、FC岐阜とロアッソ熊本が昇格したこともあって、個人的にはMIO草津、ファジアーノ岡山、ニューウェーブ北九州と昨年12月に熊谷でその昇格劇を見守った彼らに視線を注ぐことになりそうだ。特にあの濃密な3日間のドラマはこの3チームに対する“思い入れ”を作ってくれた。個人的には国内でもこのJFLが一番厳しいカテゴリーだと考えている。FC琉球もチーム活性に力を注いでいる。カターレ富山もその一歩を今季は踏み出す。既存のチーム相手にどこまで新興勢力が対抗できるか見ものである。

 KSLこと関西リーグはやはりディアブロッサ高田FCがどこまで1部で戦えるか。これに尽きるだろう。昨季はMIO草津がJFL昇格を遂げ、ここ数年の王者バンディオンセ神戸はこれ以上ない屈辱のシーズンとなった。そのB神戸もガラッとチーム編成は変わる流れ。もちろん彼らが優勝争いの本命ではあるが、大阪のアイン食品、京都のラランジャと虎視眈々と上位を窺うチームもある。このカテゴリーは本当に始まってみないと分からないだろう。
 2部は滋賀FCとBSC HIRAが新たに昇格。このカテゴリーだけは本当に分からんね・・・

 さて、最下層の奈良県社会人1部リーグ。都南クラブを母体にした新クラブとポルベニルの一騎打ちかなという感じである。対抗馬はJSTか。とにかく高い志を持ってスタートするクラブがある中で、少しでも県内のレベルが上がり、注目度が増すことを祈るばかりだ。そういう意味では、「変革」の1年を奈良県サッカーは迎えるわけである。最も定点観測の価値があるカテゴリーであり、サッカーの面白さが凝縮されたシーズンになりそうだ。

 今季もやはり、テレビでは映らないところのサッカーの魅力、それに対する人間の情熱は自分を駆り立たせるものになるだろう。しかし、それがまたこのスポーツの魅力であり、中毒症状を生み出す最高のエッセンスなのである。今年もまたサッカーを見続ける1年の到来を感じさせる今日この頃である。