脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

スカパー!やめてe2 byスカパー!へ

2008年02月16日 | 脚で語るJリーグ


 皆さんの家庭におけるサッカー観戦環境はいかがなものであろうか。サッカーフリークならばスカパー!という選択肢が圧倒的だと思うが、かねてからこのスカパー!に関しては個人的に不満があった。

 Jリーグも全試合観れて、おまけにJ1は全試合生中継、プレミアは観れる、カルチョは観れる、スコティッシュプレミアもセルティック中心に観れる、そして何といっても欧州チャンピオンズリーグもたんまり観れるという最高のパッケージを選べばサッカーフリークにとっては申し分ない視聴内容であり、民放レベルでは構想不可能な魅力的な番組プログラムも多数用意されている。よほどCMスペースに余剰を感じるため、時々ブランクタイムなどはうんざりさせられるものだが、その内容自体にに不満を漏らせば怒られるというものだ。
 
 しかし、筆者が嘆くのはそのアナログ的極まりない設置手段。チューナーとアンテナの設置が基本的にはマストであるが、これは部屋の位置によって大きくその手数を左右される。筆者がスカパー!に加入したのは、2002年の日韓W杯の時だ。スカパー!とDVDレコーダー(その頃はHDDが非搭載)を揃え、バンバン試合を録画することに奔走した。しかし、アンテナの設置位置が西南西というこのスカパー!がもたらした悲劇は、北東を向いている筆者の部屋には充分すぎるダメージだった。設置に際して必要になったアンテナコードはおよそ20mはあるんじゃないかという長さ。それが部屋と対極に位置するベランダからエアコンのパテ埋め部分を通り、我が家を縦断し、部屋のチューナーに繋がっている。できるだけ端を通すものの、やはりアンテナコードは言うことを聞かず、その歪みは現れる。こいつのおかげで自分の部屋のドアの下部を約1cmばかり削ってしまうハメになった。家ではこいつにつまずかない細心の注意を当初は必要としたわけだ。結局部屋とベランダが全く逆であるために何とも不細工な繋ぎ方を強いられた訳である。

 その苦労の恩恵は、視聴内容を差し引けば充分ではあった。自身が大好きな映画もたんまり視聴することができるわけで、繋いでからはスカパー!がチャンネルを独占した。一度、京都へ2年間引っ越すが、その際も管理人の許可を取り、屋上に特別にアンテナを設置してはその環境を満喫することができた。
 しかし、奈良に戻ってくるとこれがまた厄介であった。再び家を伝うヘビのようなアンテナコード。ただでさえAV機器の多い部屋で、この邪魔者は部屋の扉をきちんと閉めてはくれない。再設置で歪みが生じ、扉のところで不覚にも遊びが出てしまう。これではまた扉を削らなければならない。見栄えの悪いうんざり感が襲ってくることとなった。

 救いは2004年に購入したデジタルテレビ。マンションのアンテナが地上デジタルとBSに対応しているので、あとは一つ待望するのみだった。それは110度スカパーへの対応。これさえ繋がれば、このチューナーとアンテナコードにはおさらばできる。デジタルテレビとデジタル対応レコーダー、それに付随するB-CASカードがあれば、最高の環境で視聴できるといったわけだ。
 そしてこの度、かねてから管理人と管理会社に問い合わせを重ねていた110度スカパーが対応完了。2008年よりe2byスカパー!に変更することができたのだ。既存のアンテナ口で地上デジタルも含めた4ソースの電波帯を共有できるのは何とも有難い。チューナーレスで場所も取らないのは非常に助かる。番組表がレコーダーとも連動するので、レコーダーをチューナーに使えば、録画も非常に楽である。あとはメディアへのダビングが何ともおっくうに思える筆者はHDDの容量との勝負だ。

 そんなわけでスカパー!やめます。といってもe2byスカパー!に移行完了。問い合わせてみたら、カスタマーセンターは全く別になっているので、加入と解約は別々にする必要があるのだ。

 とにもかくにも住まいがマンションで、こういった設置環境に困った方もおられるのではないだろうか。そこは管理会社に抗議して是非110度対応のアンテナにしてもらうべし。2011年を待たずしてデジタルテレビを購入すれば、それだけでスカパー!は楽しめるのだ。

 何か非常にスッキリした気分。

パンパシフィックチャンピオンシップに見るその大会価値

2008年02月15日 | 脚で語る欧州・海外


 しかし、まあSUM社はなかなか商売上手である。おそらくハワイでは。

 今年から新たに設定されたクラブチームレベルの国際大会パンパシフィックチャンピオンシップ。ハワイにてアメリカから2006年、2007年のMLSカップ王者で昨年のリーグ王者ヒューストン・ダイナモ、2005年のMLS王者でスーパーリーガ2007ファイナリストのロサンゼルス・ギャラクシー、そしてオーストラリアからシドニーFC、日本からナビスコカップ王者のガンバ大阪が集い、優勝を争う戦いが行われる。ラウンドはわずか2ラウンド。負けなければ優勝、きっちり3位決定戦も行われる。日本で行われるキリンカップと同じ方式だ。
 日本にとってはシーズン前に行われることもあり、プレシーズンマッチとして良い調整ができることとなるこの大会。しかしながらハワイという開催地が実にファン泣かせでもある。

 今回のこの大会、仕掛け人はSUM(サッカーユナイテッドマーケティング)社。北米を中心に手広くサッカービジネスを展開する2002年に設立された新進気鋭の専門会社だ。アメリカサッカー協会の全ての商業権とメキシコからクラブも参加するインターリーガの広告権や映像権をも保有している。まだ1996年に産声を上げたばかりのメジャーリーグサッカーの地位向上とその宣伝を積極的にこの大会を通して狙っているのであろう。“太平洋に面した”という共通点で、アメリカとも何かと縁の深い日本のクラブも参加することとなったわけだ。アメリカンフットボールと野球が国民スポーツとして圧倒的な支持を誇るアメリカは競技人口こそ多いが、トップリーグのメジャーリーグサッカーをはじめ、国内サッカーの認知度は世界的にも低い。北米、中南米の交流だけでなく豪州と日本を含めたこの大会を足掛かりに欧州クラブの来米ツアーも手広く手掛けるSUM社は少しでもその認知度を高めたいのだろう。
 それにしても、商業的な意味合いでも日本のクラブが招待されることには疑問点は残る。まず、開催地がハワイということもあって、ファンの人々はなかなか易々と観戦に行くこともできない。かねてからクラブのオフィシャルツアーが出るだろうとタカを括っていた日本のサポーターは多かったが、フタを開けてみると、2試合観戦のツアー参加者がたった4名という話を先日耳にしたところである。該当チームにとっては、G大阪のようにシーズン前のキャンプを兼ねた実のあるプレマッチになるだろうが、今年は運悪く東アジア選手権と五輪代表の米国遠征で主力7人が参加できない始末だ。ほとんどサテライトのメンバーといっても過言ではないメンバーで国際公式戦を戦うこととなる。この大会のオフィシャルサイトには当初参加予定だった遠藤と安田理がG大阪の注目選手として挙げられているが、何ともそれがこの大会の価値に哀愁を漂わせているのも否めない。

 注目は世界的なプレーヤーであるデイビッド・ベッカムがLA・ギャラクシーの一員として参加することぐらいか。商業的に彼の参加はSUM社をホッとさせる点だろう。まあサッカーを知っている者はほとんど彼の名前を知っているとも言えるスーパースターだけに彼だけがハワイにおける集客の頼りどころだ。2005年に行われたギャラクシー対ワシントンDC・ユナイテッド戦は14,578人の観衆が詰めかけたというからそれよりは観衆を集めないと話にならないわけである。
 しかしながら、会場となるアロハスタジアムの収容人数は5万人。日本で行われる際のA3チャンピオンシップより閑古鳥が鳴くような気がしてならない。何せそれぞれのクラブのサポーターがハワイに詰めかけるのも限界があるものだから、頼みの綱は結局地元のハワイアンということなのだ。地元では、日本以上に宣伝に気合いが入っているのだろう。

 とにかく、日本や豪州での認知度はさておき、ハワイでは商業的にこの大会の狙いは充分手応えを掴めるというのだろうか。極東の地ではいまいちその大会意義が伝わらないが、常夏の南国ハワイにおいてはSUM社はなかなか商売上手と言えるのではなかろうか。大会の成功と日本から参加するG大阪の優勝を望むばかりだが、この調子では参加クラブのサポーター以外何とも日本では盛り上がらない大会である。

亡霊からの脱却 ~侮れない伏兵ブルーズ~

2008年02月13日 | 脚で語る欧州・海外


 今季プレミアシップで、すこぶるその強さを誇示し続けているアーセナル。これだけ独走を続けるチームが存在すれば、おかげ様で自分の贔屓のクラブに対しても熱が一層入るというものだ。
 先日行われた26節では、ミュンヘンの悲劇の記念試合となったマンチェスターダービーにおいてマンチェスター・Uがシティ相手に1-2とまさかの敗退。アーセナルはブラックバーンに2-0と完勝し、首位アーセナルとマンチェスター・Uの勝ち点差は5に開いた。
 ここで勝ってさらに弾みをつけておくべきだった我らがブルーズことチェルシーはリバプールとのビッグマッチ。前節ポーツマス戦は引き分けに終わったものの、公式戦9連勝の勢いをそのまま逆転優勝に繋げるべく臨んだ1戦となった。12/26のアストン・ビラ戦以来の復帰となったランパードの存在が何より明るい材料だったが、正直コンディション面で期待が持てなかった。しかし、リバプールもエースであるF・トーレスがケガで戦線離脱。守備面では一枚上手のチェルシーが堅固に守って1-0か2-0というスコアで勝利できればという筆者の期待がそこにはあった。

 しかし、フタを開けてみれば、そのランパードもさっぱりで、全く中盤が機能せず。代役のクラウチを起点に両サイドからボールを支配され、防戦一方で攻撃面で全くチャンスを作れない。マスチェラーノが攻守に効いていたリバプールがチェルシー顔負けの堅守を見せる。後半はまだ態勢を立て直したものの、チャンスは後半終盤のバラックの迎えたチャンスのみ。負けはしなかったが、極めて負けに等しい勝ち点1の獲得となった。
 やはり、相手が今季低迷しているとはいえ、さすがにリバプールになるとすんなり勝たせてはもらえない。よくよく考えてみればアーセナル、マンチェスター・Uを含めたビッグ4のマッチアップでチェルシーは今季勝利を収められていない。26節を終えて、首位アーセナルとの勝ち点差は8だが、優勝はまだ遠く霞んでしまったわけではない。アーセナルがCLでミランとの初戦で崩れ、そのままリーグにも影響を及ぼすことも考えられる。マンチェスター・Uの勢いも非常に気になるところだが、両者と比べるとCL決勝トーナメント初戦ではるか格下のオリンピアコスと対峙するチェルシーがその結果をリーグの勢いに持ち込むことはできそうだ。
 ともかく、まだ3月と4月に上位2チームとの直接対決を残している。これからがますます面白いではないか。何もアーセナルの独走だとは思っていない。ここから覇権を奪取すれば、モウリーニョの亡霊からもクラブは脱することができるはずだ。

 今から夏の移籍市場を考えると、まさに前述したモウリーニョの亡霊がクラブに与えるダメージは計算しておかなければならない。ドログバ、ランパードの去就がその全てと言ってもいいが、グラント監督が重用するバラック、そしてこれ以上ない助っ人として加入したアネルカという選手が次のキーマンとなり得る。主力が全崩壊という惨事には至らない。何よりモウリーニョ退団後も何とか結果は伴っている。ヤングアーセナルの強さにばかり焦点が集中しがちな今季のプレミアシップだが、侮れない伏兵としてその持ち味である“負けないチェルシー”はまだまだ健在だ。
 まだ12試合。そして3ヶ月ある。CLももちろんその間には戦っていかなければならない。リーグカップにも王手をかけている。プレミアシップが面白くなるのはまだこれから、そしてそれはチェルシーがその鍵を握っている。

奈良のフットボリスタ ~奈良にプロクラブを~⑲

2008年02月12日 | 脚で語る奈良のサッカー


 休日にゆっくり奈良の景色を見ていると本当に気持ちが安らぐ。不思議なことにこれは県内のどこでも同じだ。前にも書いたようにノスタルジックな気持ちにさせてくれる奈良の穏やかな風景は何年経っても大きく変わらない。そこがまた良いのかもしれない。休日になれば県民のほとんどは県内で過ごしているのだろうか。はたまた大阪や京都に遊びに行くのが定番だろうか。どっちにしろ筆者はJリーグがシーズンオフの冬の休日は土日ともに県内にいることも珍しくない。そしてそれが退屈だとも思わない。
 しかし、その休日を県民が県内で夢中になって過ごすことのできる時間をスポーツは提供してくれるだろう。その先駆けとしてサッカーの県内での注目度を高めていきたいということは言うまでもないのだが。

 昨年の9月にこのシリーズにおいて、奈良にプロクラブができた時には県内に存在する鴻ノ池と橿原公苑という2つの1種陸上競技場のうち、どちらがホームスタジアムになるのだろうという記事を書いたことがある。しかしながら、どちらも施設的に背負うハンディキャップが多すぎて、プロスポーツの誘致には程遠い。サッカーを行うにあたり決定的な要因として、芝生のピッチにおいてJリーグ規格のピッチが取れないという致命傷を抱えている。つまり国際大会の基準となる105m×68mのピッチサイズを確保するのが両競技場共に不可能なのである。横は100mすら取れない。県内の皆さんはこのことをご存知だっただろうか。これでは奈良にJリーグ公式戦を誘致するのは無理である。
 つまり、9月にも書いたように両競技場においては、例えば鴻ノ池はナイター照明が無く、キャパは充分であってもスタンドがメイン以外は芝生席であり、橿原公苑に関しては、Jリーグ規格の照明を完備しているにも関わらず、収容人数が1万人にも満たず話にならない。もちろんメイン以外は芝生席で、改修にはスペースの問題もあり至難である。これらの問題だけでなく、基準を満たせないピッチサイズがさらにハードルを上げてしまうわけだが、どちらもこれでは全面改修しか道はない。ましてや鴻ノ池に関しては84年のわかくさ国体当時そのままで、施設が老朽化著しい。昨年8月の国体近畿予選時には、ロッカールームが分けられていないという現在では有り得ない構造に他府県から多くのクレームを頂戴したそうだ。
 これだけではない。施設使用料の面でも問題はある。橿原公苑が非常に良心的な使用料であるのに対し、鴻ノ池はなんとその5倍程度の使用料がかかる。おまけにサッカーの試合に使用するベンチはなく、パイプ椅子と仮設テントが定番だが、パイプ椅子1つからきっちり使用料がかかるのである。これでは県リーグはおろか、関西リーグなども開催できない。現在では高田FC(現ディアブロッサ高田FC)が橿原公苑を年に数回使用する程度である。全く頭を抱える問題だ。莫大な資金のかかる施設面での問題は今後もすんなり解決しそうにない。来年のインターハイに向けて鴻ノ池陸上競技場とサブグラウンドが改修されるが、陸上競技トラックの角度補修がそのメインであって、スタンドや芝のピッチに関しては全くのノータッチ。何とも恨めしい話ではないか。

 これらの話も昨日、都南クラブの山口監督や藤本代表との会話の中で出てきた話題である。そして、筆者も特に感じるのは県内におけるサッカーという分野での情報開示度。協会の仕事に携わっている関係者でないと分からない「知る人ぞ知る」という現状を何とか変えていきたいものである。
 確かに県内でサッカーに対する注目度は低い。すこぶる低いといってもいいだろう。3種や4種に関しては活発に動いている。情報に関してもやり取りは1種のそれに比べると情報量はまだ多い。その中で県内におけるサッカーをはじめとしたスポーツジャーナリズムの活発化は急務であろう。問題提起が少なすぎるのだ。関心が無いといえばそれまでなのだが、それでは奈良のサッカーは永遠にその鼓動を止めてしまうことになる。「知る人ぞ知る」から「皆が知る」といった状況に好転させ、問題点や課題について関心を持つサッカーファン全員で議論し合える場が必要ではないだろうか。
 実は春から都南クラブの新チームとしてのリスタートに伴って、サポーターサイトたる奈良のサッカー情報発信サイトとなるものを立ち上げる予定だ。一般県民が不可侵なところで政治と金は動くもの。何も知らないところで何かが決まっている。本当は皆の意見や理想が反映されて然るべきだ。そんな状況を皆の力でひっくり返せる結果と行動が必要だと強く思う。ここ最近は若草山や東大寺、薬師寺を眺める自宅からの眺望にそんな思いが日に日に強まっていくのを感じて止まない。

Eu torco por 都南クラブ! ①

2008年02月11日 | 脚で語る奈良クラブ


 9日の降りやまない雪が10日の朝への不安を駆り立てた。案の定、外には雪が積もっていたが、車は走れる。いざとなれば近鉄橿原線を使えば橿原公苑陸上競技場のアクセスは悪くない。橿原神宮前駅から歩いて行けばはすぐだという気持ちでいた。サポーター2人で出発。郡山を抜けるぐらいに矢部さんからの連絡を受けこの日の中止が決定。要は競技場が積雪で何ともならない状況だという。先週のアルテリーヴォ和歌山との練習試合に続き、2週連続で雪に祟られた。タムやフラッグ、トラメガまで積みこみ準備は万全だったのだが・・・

 落ち込む気持ちをしまい、その日チームはトレーニングに変更するというので、郡山のフットサル大御門へ。するとコートに積ったぎっしりの雪。まずはその雪かきを選手たちとと共にお手伝い。「さすがにこれは優勝してもらわないと割が合わない」なんてハッパもかけながら、選手、監督、代表、サポーターと全員で和気あいあいとした雪かきとなった。
 その後、チームはトレーニングへ。雪のためか雪かきの際に雪合戦でたっぷり遊びほうけた選手たちの雰囲気はすこぶる良い。ボール回しからフットサルコートを使った変則的なミニゲーム、そしてフィジカルと練習は続く。ここではやはり経験豊かな矢部選手の指導が頼りになる。ピッチさえ状態が良かったらと思わせる暖かな天気に選手たちはみっちり、時に楽しく汗をかく。この間も社会人連盟の役員として協会の仕事もされている代表の藤本氏と奈良県のサッカー、そして都南クラブについていろいろ話をさせて頂いた。

 練習終了後、選手、山口監督、藤本代表、そして我々サポーターも共に昼食へ。何より選手たちが皆個性的で楽しい。特に広陵高出身のDFコンビ橋垣戸選手&上西選手の二人と染井選手が場の雰囲気を盛り上げる。「こいつらみなガキやろ」と山口監督&矢部選手。しかしここまで雰囲気が良いと逆に結束力が感じられるものだ。そこにチームをさらに盛り上げるサポーターの誕生によって、選手たちのテンションは上がっている。「個人のチャントとかあるんすか!?」なんてことを気にしていた染井選手。「もちろんあるよ!」ってな感じで、なんなら交代でベンチに下がってもらった後に一緒にバモってもらってもいい。確実にサポーターの存在は選手たちにさらなるモチベーションをもたらしている。これはここまでフラットに選手とコミュニケーションを取る機会が無いJリーグレベルではなかなか実感できないことだ。選手とサポーターの本当の関係を考えさせてくれる。

 かねてから、クラブの首脳陣とじっくり話をしておきたかったこともあり、ここで山口監督とかなりいろいろ話をさせてもらったのは非常に良かった。現在は都南のOBチームに籍を置きながら、社会人連盟と審判委員、県内1種の技術委員もされているだけあって、県内サッカーで気になっていたことやこれからチームが進む道についても疑問点を全てぶるけることができた。また後日アップすることにするが、非常に課題が山積みであることを再確認。「とにかく都南が進んで、県内の1種がもっと切磋琢磨できる状況を作るしかない」と前を向いて進んでいかなければいけないことを互いに確認。これからも様々な情報交換をしながら都南クラブだけでなく県内の環境やサッカーシーンを盛り上げていこうということに。

 上西選手が寝てしまったことで、場はお開きに。とにかく1週間大会が順延されたことで、次戦に勝てばマッチアップするポルベニル戦においてほぼベストメンバーで臨めることができる。天候のイタズラが運をももたらしてくれたのかもしれない。とにかくこの大会はこれまで7年連続決勝進出、そして3年連続で全社への切符を掴んでいる。ここで4年連続の全社への切符を掴み、未だ未勝利の全社のステージで初勝利を挙げることが当面の目標だ。彼ならやってくれる、いややってくれるに違いない。我々も戦力になってチームを勝たせなければならない。チームとサポーターは一丸となって走りだした。スタートラインは切っているのだ。そんな確信を得た心地よい充実の日曜日となった。

 大会はそのまま順延。準々決勝KFC戦は次週17日(日)に新町球技場で10:00にキックオフ。県内の皆さん応援よろしくお願いします!!

プレミアシップに見る銭ゲバ海外資本

2008年02月10日 | 脚で語る欧州・海外


 どうやら2011年には東京あたりでイングランドプレミアシップが観戦できるかもしれない。なんてことになる可能性が出てきた。現在20チームでホーム&アウェイ方式の各38試合を戦うプレミアシップはその現行方式に、「国際ラウンド」なる追加試合を海外5都市で開催するという。「国際化」と銘打ってのこの構想。FIFAが調査に乗り出し、3月の理事会でこの件について話し合われる。しかし、地元のサポーター団体や既存の方式を尊重するUEFAからは早くも反発の声が多数上がっているようだ。

 このやり方は野球のメジャーリーグでもお馴染みであり、「国際化」の名目の下でがっちり開催都市からの潤いを頂こうという魂胆であるが、プレミアシップの放送が比較的多くされているアジア諸国にはファンが多く現実化される運びは大きいとも見れるだろう。開催候補地としては、他にニューヨークや北京が挙げられている。

 ここで懸念されるのは、あまりにこの日本をはじめとする遠すぎるということ。現在、既に全20クラブから同意を得ているということだが、ウインターブレイク無しに突き進むプレミアの日程を考えれば、よくもまぁこの構想に賛同するものだ。さすがにここ数年でアメリカをはじめとする海外資本の参入が顕著なプレミアだけに、そのうちこんな大それた構想が発表されるのではと個人的には感じていたこともある。正直、移動の疲れでクタクタになっている彼らの試合を日本で観ることはプレミア自体の価値を下げてしまうような気もするのであるが・・・
 とにかく、現在発表されている構想では1月の週末ということであるから、今季のプレミアの日程に当てはめて考えてみると、ちょうど第23節と24節の間にあるブレイク期間ということになる。しかし、この間にはリーグ戦自体は10日のブレイクがあるが、1/22の火曜、1/23の水曜とリーグカップ(カーリング杯)の準決勝が行われているではないか。ともすれば、必然的にここに駒を進めた4チームはかなりの強行日程を強いられるということであろうか。ニューヨークぐらいならまだしも、カーリング杯の準決勝を戦ってすぐにアジアへ移動、そしてすぐに帰ってミッドウィークにリーグ戦ということになるれば、どこかの選手や監督にヒステリックを起こす者も現われるかもしれない。あくまで今季の日程に当てはめて考えてみたが、どう考えても日程的にさらにきつくなるのは確かである。

 この背景には前述したように海外資本参入著しいプレミアシップの内事情が深く絡んでいるように推察される。アジアやアメリカだけでなく全世界でその名を轟かせる冠スポンサーのバークレイズグループ(NYと東京証券取引所において上場)の思惑もあるだろうが、何しろイングランド資本のクラブが現在のプレミアには少ないのが本当の要因だろう。現在20クラブがプレミアシップを戦っているが、その内イングランド人が代表を務めるクラブは11クラブにすぎない。なんとほぼ半分がイングランド資本でないクラブになり、特にビッグ4と呼ばれるマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リバプール、チェルシーにおいてはアーセナル(ピーター・ヒル=ウッド会長)以外は全て海外資本にその身を委ねるクラブなのだ。プレミアでプレーする選手に海外の選手が多い現状が代表チームの弱体化を招くとも揶揄されているが、何よりもこのクラブ自体が国内でないところからの恩恵を受けていることも決して無視はできない。ビッグ4に代表されるクラブを中心に、この国際的なリーグ開催の声はごく自然に出てきたのは容易に想像が付く。

 サッカーにビジネスの側面は付きものだ。特に日本では想像もできないビッグマネーが海外のサッカーシーンでは容易に動いてしまう。選手の獲得だけでなく、積極的に世界進出に精を出すマンチェスター・Uがその代表例で、日本への親善試合も苦にはならない。しかし、10試合全てを海外で遂行するのはただでさえキツいスケジュールを戦う選手たちにとっては内心不安なところだろう。1試合きりのチャンスだけにどこがどこで試合をするのかで、またすったもんだもありそうだ。とにかく、日本のファンには嬉しい話題である反面、そんな気になる側面も抱えるこの構想。3月に行われるFIFAの裁定でどう判断されるのだろうか。

 「マージーサイド・ダービー」や「マンチェスター・ダービー」、「ノースロンドン・ダービー」などの名物試合が海外で開催されることになれば、地元のファンたちは頭を抱えるだろう。何せただでさえホーム&アウェイで行われている伝統ある試合が、プレミアシップとして自分たちのなかなか行くことのできない未踏の地で行われる可能性もあるのだ。ビッグ4同士の対戦も同じだろう。その試合自体の価値が問われてしまうし、それ以外のマッチアップを組めば、開催する都市での観客動員にも大きく響く。誰が東京でダービーとレディングの試合を観たいと思うだろうか。
 とにかく、地元のサポーターが慈しむ歴史と伝統を覆しかねない今回の構想。筆者もプレミア好きだけに日本で滅多にお目にかかれないチェルシーが来てくれればなどと考えたり、複雑な心境であることは否めないが、ビジネス的要素が臭いすぎる感のある今回の国際開催には賛同できないのが本音である。

高原は離脱か?、不要か?

2008年02月09日 | 脚で語るJリーグ


 横浜FMの桑原監督が、浦和の高原だけ東アジア選手権の代表招集見送りが叶い、中国遠征を免れることについて声を荒げて「浦和の優遇」ぶりを嘆いている。横浜FMに関しては、DF中澤とMF山瀬がその中国遠征の該当者になるわけだが、宮崎合宿中の横浜FMにとっては、開幕戦で対峙する浦和だけがその優遇を受けることに大いに納得いかないようだ。確かに開幕を控えた各クラブにとっては最悪のタイミング。また、同時期に五輪代表の米国遠征も重複しているため、実に45名という選手たちが開幕を控えて日々調整に余念のない所属クラブを後にすることになる。
 この影響をどこよりも強く受けているのがG大阪である。

 すでにグアムキャンプは終了し、チームは一旦帰国している。しかしハワイでの二次キャンプとパンパシフィック選手権出場のために12日には再び日本を出発することになる。2008年度新体制始動時より既に遠藤、加地、橋本、播戸、水本の5選手が代表合宿に獲られており、未だに合流は果たせていない。おまけにこの東アジア選手権の中国遠征で、南国ハワイでのキャンプとは無縁だ。それどころか安田理がA代表への追加召集、そして寺田の五輪代表米国遠征の召集が決定した。これで離脱は7名ということになる。
 ここまでくれば開幕へ向けたチームの調整はすこぶる至難だ。確かにこうなることは、このスケジュールが発表された時から予想はできたことだが、何よりも浦和の高原が「優遇措置」をただ一人施されることには納得いかない。

 ここで微妙なのは、皮肉なことに現在の高原が本当に日本代表に必要かどうかということである。鳴り物入りでドイツから帰国し、電撃的な浦和への入団。そして都内での自主トレを経て、大きな期待を背負っての代表合流。しかしながら肝心の試合で一向にコンディションの悪さを露呈し、ゴールの匂いを漂わせない不調のエースが今の日本代表に果たして必要だろうか。本当に岡田監督が必要としている中で今回浦和が執拗に召集見送りを訴え、それが認められたならば、他のチームもこぞってゴネれば良い話だ。しかし、今回は1月の合宿中から高原自身が直訴して叶った離脱でもあるということである。確かに個人的にもこの不甲斐無さでは、高原はしばらく代表に必要ないと思うのだが。
 といっても、今回の浦和の「優遇措置」を肯定するわけにはいかない。浦和はほぼ思い通りに開幕に向けたチーム調整を進められている。どうも裏側で糸が引かれている可能性も否めない。DF闘莉王がコンディションを万全に期しているのに、チームは全く出さない姿勢も示している。この点もかなり引っかかるポイントだ。チームにとっては幸運とも言うべき坪井の代表引退表明もあり、浦和は鈴木一人だけがチームを離れるだけで済む。何も高原の離脱を嘆く理由はG大阪を見てもらえれば明らかに見当たらない。おまけにG大阪は主力7人がいない状態で、今年最初の公式大会を迎えるわけである。しかもハワイでだ。この差を考えれば、桑原監督も嘆くように確かに協会側の公式説明が必要となろう。明らかにフェアではない。

 浦和がゴネた上での高原召集見送りか、それとも本当にエース剥奪を宣告されたか。それにしても、いつの間にかその浦和から代表選手がほとんどいなくなってしまったことが何よりも全てを物語っているのかもしれない。
 この強行軍とハンディキャップを背負うG大阪が今季リーグタイトル、もしくはACLのタイトルを手中に収めようものならば、それは昨季の浦和以上に価値のあるものとして燦然と輝くに違いない。

主力外人に7日で出ていかれる札幌に幸あれ・・・

2008年02月08日 | 脚で語るJリーグ


 昨日発表された札幌のMFアルセウ退団のニュース。さすがにビックリした。

 アルセウは、昨季柏で活躍した堅実な守備が身上のブラジル人MFで、今季から札幌に移籍。日本人選手はほぼ現有戦力で久々のJ1に臨む札幌にとって、彼も含めた新外国人選手との融合が今季の戦いぶりのカギだっただけに非常に残念なニュースとなった。理由は三浦監督の守備的な戦術をチームの指針とするやり方について行けず、より攻撃的な戦術を目指す彼との間に大きな溝があったとのこと。しかしながらこれは表向きの見解であって、何よりもアルセウ自身の「ワガママ」による退団劇というのは目に見えている。20日夜に来道を果たし、翌21日からグアムキャンプに参加していた期待のボランチは、今季の始動からわずか19日間、契約期間で厳密に換算すればわずか7日間でのスピード退団となった。

 攻撃的な面で全く評価されずに、柏を事実上構想外になったアルセウが、札幌の守備的戦術に文句を付けるのは考えにくい。何か別の理由もあったのだろう。その前からかなりキャンプでもイライラを募らせていたようで、6日に行われた大宮との練習試合では、開始5分で相手FWの吉原に“裏拳”をかまし、27分にはMF藤本の倒れたところに腹部へローキックを見舞わせたという。これで乱闘になりかけたアルセウは2回のツバ吐き行為というオマケ付きで文句無しの退場処分。30分×4本の練習試合の3/4以上をピッチ脇で観戦するという派目になっていた。「守備に回ることが多く、攻撃に出られなくてイライラした」とは本人談だが、三浦監督も「彼に学習能力があるかどうか。前(柏)もあんなだったんでしょう」とおかんむりで激怒したのは記憶に新しい。DFリーダーの曽田がひたすらアルセウにチームとコミュニケーションを図るように口説いたようだが、チームにフィットする以前の問題で、キャンプ当初からヤル気はゼロ。孤立するばかりで規律に従うような選手ではなかった。つまり人間的な側面で問題が大アリだったようだ。簡単に言えばJ1に昇格したばかりの札幌は完全に“ナメられていた”と言っても過言ではない。
 
 ここで問題なのは、アルセウ獲得に際してチームはどういう調査を施していたかということ。予算的な台所事情が芳しくない札幌にとって、じっくり選んでいる場合ではなかったのだろうか。柏でもあまり良い評価を受けてなかった問題児に対するスカウティングが万全ではなかったのは否めない。ここまで自由奔放にやられれば、札幌のフロントも驚きを隠せないだろうが、とにかくあまりにお粗末なドタバタ退団劇にチームのマネジメント能力に疑問符が大きく付くし、今季のJ1昇格を何より心待ちにしていた札幌のサポーターがあまりに可哀想である。

 現在プロ野球でもパウエル選手のオリックスとソフトバンクに対する二重契約問題が騒動になっているように、日本のスポーツ界が外国人選手に“ナメられている”現実がある。今回のアルセウのケースはあまりにお粗末な出来事ではあるが、“二度あることは三度ある”とも言うように、今季から加入するもう一人の新外国人選手ノナトにも疑心暗鬼にならざるを得ない。もしかしたらシーズン途中で帰国の途に着いている可能性だってあるかもしれない。累積赤字の問題然り、社長の辞任報道が先走って駆け廻ったり、開幕前から問題が山積みの札幌。台所事情同様にシーズン序盤からチームは本当に火を吹いてしまう可能性は高い。

 アルセウの「ワガママ」とそれを見抜けずマネジメントできなかったフロント。この代償はシーズン中に必ず痛い目に遭って返さねばならぬ羽目にだけはしたくない。今季の札幌の健闘ぶりを祈るばかりである。

日曜日は橿原公苑陸上競技場へ!

2008年02月06日 | 脚で語る奈良のサッカー


 今日アジア予選初戦を勝利で勝ち抜いた日本代表のことはさておき、今日から毎日でも呼びかけまっせ!

 10日の日曜日、奈良のサッカーファンは橿原公苑陸上競技場へ集結!将来のJリーグ入りを目指す都南クラブが奈良県社会人サッカー選手権準々決勝を戦うのを応援しよう!

そこで彼らの戦いをガンガン応援していくサポーターを大募集!

当日はタムをガンガン鳴らして本格的にチャントを歌いまくって選手たちを鼓舞します!

都南クラブは文字通り都南中あたり、奈良市と大和郡山にかけてあたりがホームエリア!
てか奈良のサッカーファンなら誰でもオッケー!

うわ、俺家近いわ、奈良市民です~!帯解近辺です~!大和郡山です~!とか、奈良ならどこでも応援するで!って方大歓迎!

奈良でもできるってことを証明していこう!

いこうぜ!いこうぜ!

当日飛び入り参加でもオッケー!

一人でも多くの声援ご協力ください!

チームカラーは青。青いダウン、青いアウターガンガン着てきてください!

皆の力で奈良のサッカー変えていこう!

矢部次郎!矢部次郎!矢部次郎!

古の都奈良に 戦士が立ち上がる 勝利を目指して走れ 
ララ俺たちの都南!

閑古鳥鳴くまま迎えるアジア予選

2008年02月05日 | 脚で語る日本代表


 日本代表が明日タイ代表を迎えて、南アフリカW杯アジア3次予選の初戦を戦うことになるが、前売りチケットが恐ろしく売れておらず、なんと11年ぶりに当日券が販売される運びとなった。

 もう決戦は明日だというのに、今日発表の前売りチケットはわずか3万1500枚。会場は4年前のアジア予選初戦のオマーン戦で6万207人の観客を集めた埼玉スタジアムである。先日東京の国立競技場で行われたキリンチャレンジカップのチリ戦は3万7261人、ボスニア・ヘルツェコビナ戦はわずか2万6971人と完全に閑古鳥が鳴いてしまっている。日本代表の試合はもう魅力が無くなってしまったのであろうか。

 一昨年のドイツW杯での日本代表の惨敗、そして昨年のACLでの浦和のアジア制覇を達成した激闘ぶりがどうも頭の中をクロスオーバーしてならない。この対極的な結果は、確実に日本のサッカーファンに代表離れとクラブチーム主義の生観戦スタイルをもたらしたのかもしれない。ジーコ監督が日本代表にもたらしたファンタジーはリアリストのオシム監督を経て、岡田監督が新たに率いる代表チームには感じられないのかもしれない。代表を熱狂的に応援したファンジスタたちはこの4年間でリアリストに変貌したのである。

 時期が時期だけに大変冷えるナイターでの試合は言い訳にはならないだろう。かと言ってテレビ中継の視聴率が飛びぬけて良い訳でもない。現にほぼ同条件の4年前のオマーン戦は前述のように大観衆が埼玉スタジアムに詰めかけているのである。これでは浦和がタイ代表チームとプレシーズンマッチを行った方が確実に観客は集まるだろう。

 しかし、サッカー協会としては実に頭の痛い状況だ。A代表だけでなく、今年は北京五輪も控えるというのに1年のスタートとなる予選最初の試合がガラガラでは盛り上げムードに水を差す。昨年のアジアカップの敗戦が効いたのか、海外組が不在のためか、大味な点の取り合いといった試合が少ないためか、もしくは単に観客の目が肥えたのか。
 とにかく、11年もの歳月を経て“負のサイクル”がやってきたのかもしれない。今後もこの状況が続くようであれば、協会も新しい策を練らなければならない。スポンサーの新規契約の切替えすら滞っているJリーグにこの悪しき流れが派生しなければいいのだが。

 結果だけは最高の結果を出せることを祈りながら、今後もこのファン離れの原因追求を続けていきたいと思う。