脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

宿敵越えをすべき今季

2008年02月27日 | 脚で語るJリーグ


 G大阪がパンパシフィック選手権にて優勝したことについては触れておかねばならない。決勝戦のヒューストン・ダイナモ戦は、実に爽快な圧勝劇で、一体どこと試合をしているのか分からない有様だった。少し相手との実力差は差し引いて考えるべきだが、代表組を7人も取られた中でのこのタイトル奪取は大きいと考えるべきだろう。

 ここで問題となってくるのは、これから合流し、今季のリーグ開幕までにコンビネーションを組み立てるべき代表組との邂逅。今季はグアム、ハワイとキャンプには代表組が全く参加できなかった。これに関しては、新入団選手も多くいる中で少なからずも連携面でハンディキャップを背負っているというべきか。どちらにしろ今季序盤戦はグアム、ハワイキャンプで臨んだ布陣がベースになるだろう。

 今季最も結果を出さなければいけないのは播戸竜二になるだろう。ルーカス、山崎の加入でさらにFW陣の層は厚くなった。バレーもいるため、今季もFWのファーストチョイスに名前は挙がっていない。代表定着を狙いたいものの、東アジア選手権でも決定的な仕事ができず、アジア予選を今後戦うメンバー入りにも黄信号が灯っている。リーグ戦で下馬評を覆す活躍をしなければ、代表でも、また来季G大阪でも戦う播戸竜二は見られない可能性もある。結果はゴール。とにかく泥臭くそれを今季は与えられたチャンスの中で求めていくべきだ。

 G大阪を擁護するわけではないが、正直なところ6人もG大阪の選手たちが代表に選ばれて然りとも思えない。MF遠藤はオシム時代から不動のキーマンとなっているが、現在の岡田体制ではこれまで不動の右SBだった加地ですらレギュラーを奪われた。安田理は新戦力としてのバリューを存分に鹿島の内田と共に見せつけた印象だが、橋本、播戸、水本あたりに関しては出直し、つまり当落線上ギリギリのポジションだと言える。招集された割には代表チームにおいてのプライオリティは今ひとつ、プレー時間が満足に与えられていない。
 しかしながら、今後もこのペースで代表組が招集されるならば、今回のパンパシフィック選手権の経験を生かし、本当のターンオーバー制を敷かねば今季のハードスケジュールはきつい。シーズン中には怪我も付き物。平坦な道のりではないはずだ。

 かつては磐田や鹿島がそんなチームであって、G大阪からすれば完全に他人事だったようなことが現実に起きている今季、これはまさに乗り越えなければならぬ壁だ。西野監督の采配と戦いぶりに要注目である。
 しかし、本当に必要なのは選手たちのタイトルに対する気迫とサポーターの勝たせようとする力だ。先を一歩も二歩も行く宿敵を意識しているのは今季のイヤーブックでも各々から窺える。真の“浦和越え”ができるかどうか、それが大いに問われる2008年になりそうだ。