脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

脱!雨天でサッカーができない奈良

2008年11月16日 | 脚で語る奈良クラブ
 奈良クラブが三重県1部の強豪、伊勢ペルソナFCとYANAGI FIELDにてTMを行った。

 

 本来ならば、葛城市新町グラウンドにて13時キックオフで予定されていたこの試合。奈良ではおなじみ、雨天時の中止という無情の判断を運営側に食らう形となり、結果的にYANAGI FEILD全面を使って、6人対6人の変則マッチを行わなければいけなくなった。この理不尽な状況から、互いに収穫を見出してくれていることを切に願うばかりだ。

 奈良県の社会人サッカーにおいて、しばしば雨天によって中止に追い込まれる信じられない現状は以前もここで書いた通り。今季は、関西リーグの試合ですら、雨天による代替催行の措置が執られたほどだ。伊勢ペルソナFCが奈良までわざわざ足を運んでくれたことに対し、このような形で代替催行が出来たものの、やはり、フルサイズピッチでしっかりTMを行いたかったのは正直なところ。そういう意味では、遠いところ来てくれた伊勢ペルソナFCには、申し訳ない気持ちで一杯だ。

 東海リーグ昇格を懸けた東海社会人トーナメントを来年1月に控える伊勢ペルソナFCは、1997年にクラブ発足後、2005年にNPO法人「芝生の夢倶楽部」の下で、運営体制を刷新した。現在では、地元のローカルテレビ局がスポンサーに付き、地元での知名度向上も順調な様子。幾つかのスポンサー企業がバックアップしているようだ。昨季、かつて横浜Fや福岡、仙台などで活躍した中田一三氏が監督に就任したことは周知の事実。今季も三重県1部リーグを13勝1分の無敗で駆け抜け、群雄割拠の東海リーグ昇格は彼らの悲願でもある。奈良クラブと共に都道府県リーグ勢ながら、10月の全国社会人サッカー選手権に出場、1回戦のヴォルカ鹿児島戦で苦杯を喫したのは記憶に新しいところだ。

 法人化しているという点では、クラブの運営体制は奈良クラブの一歩先を行く。しかし、同じ“地域リーグ昇格”という目標に向かって戦うチームが隣県にあって、こういった形で交流ができるのは素晴らしいこと。今後も戦う地域は違えど、こういったTMを通じた繋がりを育んで欲しい。その意味でも、今日は、きちんとした器で、充実したTMができれば良かったのだが。

 雨天で容易にサッカーが中止になる奈良県をいち早く脱するためにも、近づいてきた12月の本番では、関西リーグ昇格という悲願を達成しよう。その思いをまた熱くさせてくれた晩秋の一幕だった。