脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

第88回天皇杯4回戦 ~京都 VS 水戸~

2008年11月02日 | 脚で語る天皇杯
第88回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦
13:00キックオフ @西京極運動公園陸上競技場兼球技場

○京都サンガF.C. 3-0 水戸ホーリーホック●

得点
11分安藤
46分西野
47分林

<京都サンガF.C.メンバー>
GK21水谷
DF22渡邉、24増嶋、5手島、4中谷(HT=25西野)
MF30加藤弘、26角田、3シジクレイ(74分=15中山)、18安藤
FW11林(79分=31宮吉)、13柳沢

<水戸ホーリーホックメンバー>
GK1本間
DF30中村(61分=17金澤)、3平松、32大和田、2小澤
MF18赤星、7村松(78分=37朴宗眞)、16パク、6堀(61分=26ビジュ)
FW9荒田、19西野

 

 昨季は同じJ2で戦っていた両チームの対決。昨年は初戦で明治大に敗退した京都だったが、ホーム西京極で4回戦をきっちり勝利し、リーグ戦6試合未勝利の中、久々の公式戦勝利を手にした。

 

 これまで京都に勝ったことがない水戸が、試合の立ち上がりこそは素早い連動とパス回しでペースを掴んだ。しかし、それも束の間。この日右SHで先発出場の加藤弘が渡邉と上々のコンビネーションを見せる。11分にはその加藤弘のパスから渡邉が相手DFの裏に巧みなパス。これを受けた安藤がDFを背負いながらも落ち着いて反転し、先制点を決める。佐藤、フェルナンジーニョを温存した京都は、中央からのアタックにやや迫力を欠いたものの、右サイドを起点に試合の流れを掴んだ。

 
 11分、安藤が落ち着いて先制点を決める

 
 この数試合、気を吐く増嶋 京都でのシーズンで大きく成長

 前半の中盤には水戸も京都のミスを突いて、攻撃を牽引する赤星を中心にチャンスを作るが、GK水谷をはじめ、集中した京都の守備を崩せない。39分には赤星が左サイドの角度のない位置から技ありのループシュートを狙うがシジクレイが間一髪でクリア。41分にはその赤星のクロスに西野がヘッドで合わせるも、ゴールは遠い。

 
 水戸は赤星からチャンスを多く作ったが、ゴールを奪えず

 後半開始から京都はFW西野を投入。角田を最終ラインに回し、3-4-3の布陣にシフト。相手が格下とはいえ、内容を重視したサッカーを目指す。するとこの策は効果覿面。後半開始早々の46分には、柳沢のロングパスを西野が頭で折り返したところを林がシュート。こぼれたところに反応した西野が詰めて追加点。その1分後には、林が3点目となるシュートを決めて試合を決定づけた。

 
 投入直後の追加点でチームに勢いをもたらした西野

 
 2点目、3点目を呼び込んだのは林

 前半に比べても、攻撃のリズムは明らかに良くなった京都。54分には西野がゴール前で決定的なチャンスを迎えるが、水戸GK本間のファインセーブに遭う。79分には高校生プロプレイヤーの宮吉を投入するなど、追加点は奪えなかったが、余裕のある采配も見せた京都がきっちり天皇杯の初戦をモノにした。

 
 攻守にフル回転 年齢を感じさせないシジクレイ

 
 及第点の活躍を見せた加藤弘 レギュラー争いに加わりたい

 
 前半は中盤で、後半は最終ラインでチームを統率した角田

 京都は後半、攻撃に鋭さが増した。特に西野と林はゴールに直結する動きで存在感を大いに発揮。終盤のリーグに向けて存在感をアピールした。そしてわずか16歳の宮吉も出番を得たが、個人的には3点目が入った直後から見たかった選手。加藤弘、安藤も含め、若手の台頭が著しく見えた試合で、確実にJ1残留を決めたい京都。昨季の初戦敗退に比べれば、大きな収穫があったのではないだろうか。

 
 京都に欠かせない柳沢の存在 この調子で早めにJ1残留を決めたい

 
 遙々水戸から駆けつけたサポーターを労う沼田社長 微笑ましい一幕