東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

四谷~本塩町~坂町~津の守坂

2011年01月27日 | 散策

新宿通りの北側にある坂は、昨年秋に四谷から西へと巡ったが、途中までしか記事にできなかったので、ふたたび出かけた。

四谷駅北側 高力坂上 比丘尼坂下 階段 午後四谷駅下車。

新宿通りの北側は、靖国通りの谷筋に向かって傾斜しているので、その中腹を津の守坂へと歩くことにする。出発点を比丘尼坂下とした。この坂下に階段があったことを思い出したからである。

四谷駅から靖国通り方面に北側へと歩く。左の写真は、右手に外濠公園が見える歩道から北側を撮ったものである。快晴であるが寒い日であった。空の青さが印象的である。途中で道路を横断し、ちょっと進むと、次の写真のように高力坂の坂上である。

そのまま靖国通り方向に直進し、次を左折すると、比丘尼坂の坂上である。ここを下ると、坂下のわきに階段がある。右の写真のように、その手前に比丘尼坂の標柱が立ってる。何年か前にこの坂を初めて訪れたとき、坂下からだったので、この階段を比丘尼坂と勘違いしそうになった。

本塩町小道 本塩町小道 本塩町階段 坂下の階段を上り、右折し、突き当たりを左折すると、左二枚の写真のように、小道が延びていた。ちょっとくねくねしながら続いている。塀や石垣でかなり狭くなっており、こういった小路は通りながらわくわくするようなところがあって楽しい。

小道から出ると、右の写真のように、左側に階段が上っている。小道から階段へと変化に富んでいる。

このあたりの地名は新宿区本塩町であるが、その由来は、昭和18年(1943)に塩町一丁目、本村町、七軒町を併せて本塩町が成立したが、本村町・塩町の頭字をとったとのことである。明治地図と戦前の昭和地図を見ると、合併前の三つの町名がのっている。七軒町というのは他二つと比べかなり狭かったようである。

坂町坂東側 坂町坂四差路東側 坂町坂四差路西側 小道を右折し、そのまま西へ進むが、すぐに本塩町から坂町になるようである。やがて四差路が見えてくる。左の写真の奥に見える。次の写真はその交差点を東側から撮ったもので、横方向の道が坂町坂である。坂は右から左へと上っているが、東西に横切る道がおもしろいことに道幅分ほど坂下(北)側にずれている。西側から撮った右の写真を見るとわかるように、道のわきに時間貸し駐車場があるので、一見、道が広いようであるが、そうではない。

前回、この坂町坂を上ったとき、このずれた四差路を覚えていたので、比丘尼坂下からここを目指したが、無事にたどり着けた。

戦前の昭和地図を見ると、この四差路が現在よりももっとずれている。明治地図では反対側にややずれている程度で、現代地図ではずれがない。理由はわからないが、単なる精度の問題か。つまらないことだが気になった。

尾張屋板江戸切絵図にこの四差路が見えるが、おもしろいことに、ずれが反対で、東側の道を基準にすると、西側の道が坂上(南)側にずれている。近江屋板でもずれは小さいが同じようになっている。

坂町坂四差路から坂上 坂町坂下 坂町坂西側 左の写真は、四差路の下側から坂上を撮ったもので、この先で右にカーブし、勾配がかなりついてまっすぐに上っている。次の写真は坂下を撮ったもので、直進すると、靖国通りに出る。

坂巡り中心の街歩きは、その土地の特徴をとらえるのに適しているが、そのため、坂のわきから延びる横道やその裏道などはどうしても通り越してしまう。そんな中にはきっと散策によい道もあるに違いない。今回は、そんなことを期待して、横道に進み、傾斜地を横切って歩いてみたのである。

右の写真は交差点を過ぎてこれから向かう西側を撮ったものである。細い横道が西側に延び、これに沿って静かな住宅街が続いている。地図を見ると、このまままっすぐ進めば、津の守坂の下側に出るようである。

坂町の階段 坂町の階段 津の守坂の裏の坂 坂町坂の四差路から西側に横道を進み、左(南側)を見ると、左の写真のような階段が見えたので、左折し、階段を上る。傾斜地であるので、傾斜方向(南北)には階段がつけられているようである。 階段上の道を同じく西側に進むと、何回か階段が右(北側)に見えたが、次の写真は、そんな階段の一つであり、階段を下りて撮った。

ここの傾斜地の横道と横道との間は、土地が段々になっているからか、坂ではなく、階段がたくさんつくられている。

横道がやがて突き当たりになるが、そこが坂になっている。右の写真はそこから坂上を撮ったものである。ここは、ちょうど津の守坂の東側の裏である。同じような勾配で坂が上下してる。

津の守坂下 その裏の坂を下り、突き当たり(坂町坂の交差点から西に延びた道)を左折しちょっと歩くと、写真のように、津の守坂の坂下である。 ここで、ようやく前回の荒木町の記事に続くことができる。ここから平坦な道を北側の靖国通りに向かう。
(続く)

参考文献
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「切絵図・現代図で歩く江戸東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く昭和三十年代東京散歩」(人文社)
竹内誠 編「東京の地名由来辞典」(東京堂出版)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 偏奇館跡~道源寺坂 | トップ | 合羽坂 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

散策」カテゴリの最新記事