「負けた対局を後から振り返ると、必ずといっていいほど敗因が見つかるものだ。逆に言えば、人間にとってはとても難しいことだが、ミスをしなければよほどのことがない限り負けることはない。」
「ビジネスでも、将棋でも、勝負に勝った時、それが自分の実力だったということはあるだろう。しかし私は、いくばくかの幸運に恵まれて上手くいったという考え方の方が好きである。実力が全てのように言われる将棋の世界でも、相手の指し手には関与できないし、自分自身それほど将棋を理解できていないことがわかっているからだ。」
将棋棋士・森内俊之(十八世永世名人資格保持)の『勝負の勘どころ』(「中退共だより」15 April 2016)から