東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

占春園

2015年04月14日 | 散策

占春園 占春園 占春園 東都小石川絵図(安政四年(1857)) 前回の湯立坂を下り、坂下のくねくねと曲がるあたりで左折し公園に入り、内をうろうろすると、占春園(せんしゅんえん)という標識が立っている(現代地図)。

それによると、このあたりは、幕末までの二百年ほどの間、水戸藩第二代藩主の徳川光圀(水戸黄門)の弟、徳川頼房の四男松平頼元を藩祖とする陸奥守山藩松平家の上、中屋敷であった。占春園は、この屋敷内にひらかれた庭園の名残りという。

園内に入ると、樹木で鬱蒼としていて、池などもあって野趣に富んだ景観をつくりだしている。樹木の葉が新緑で瑞々しく美しい。そんなに広くはないが、しばらく歩き回っていると、どこか深山の森の一角にいるような錯覚に陥ってしまう。

占春園 占春園 占春園 湯立坂上 しばらく園内を散策してから上の方に進むと、筑波大学のキャンパスのわきで、そこから出ると、さきほどまでの湯立坂の坂上である。

四枚目の写真は、そのあたりから坂下側を撮ったもので、坂の北側は、大学わきの法面に植えられた樹木により緑が濃くなっている。それに負けじと南側にも大樹が茂っている。占春園に行ってからふたたびこの坂にくると、ここは、緑の濃い占春園の延長のように思えてくる。

湯立坂と占春園を組み合わせて大学の周囲をぐるりと一周するのは、なかなかよい散策コースになりそうである。
(続く)

参考文献
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)

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