東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

峰原坂

2015年01月15日 | 坂道

百反通りから下る無名坂 居木神社 前回の百反坂上を西へと歩く。坂上の平坦な通りにも緩やかなカーブが何回か出現する。

百反坂から延びる百反通りのあたりは、目黒台地の目黒川に近い東端近傍に位置し、標高が20~30m程度である。

やがて右へ下る狭い無名坂が見えてくる。大崎二丁目6番と大崎三丁目14番との間を北へ下る坂(現代地図)。ここを右折してから坂下側を撮ったのが一枚目の写真である。ここは大崎駅への近道になっている。

この無名坂を下り、芳水小学校前を過ぎた先の四差路を左折し、道なりに進むと、ふたたび上りとなって、その坂上に居木神社がある(現代地図)。二枚目の写真はそこで撮ったものである。

峰原坂下 峰原坂下 峰原坂下 峰原坂下 居木神社の西を下り突き当たりを左折して進むと、坂の中腹に出るが、ここが峰原坂である。右折して坂下まで下る。

坂下は大崎警察署前の信号のある山手通りで(現代地図)、その近くから坂上側を撮ったのが一枚目の写真である。大崎三丁目1番と大崎四丁目2番との間を南へ上る。

坂下の歩道の端に立つ柱状の標識を入れて坂上側を撮ったのが二枚目の写真である。この標識は、百反坂と同じタイプの品川区教育委員会によるもので、次の説明がある。

『峰原という地名は、江戸時代の谷山村(飛地)内の字名であった。現在の大崎三・四丁目付近にあたり、坂名はこの地名からとったものである。なお、谷山村の本村は、西五反田二・三丁目の目黒川沿にあった。』

坂名の由来はもとの地名からで、百反坂よりもわかりやすい。

坂下からちょっと歩き、坂上側を撮ったのが三枚目で、まだかなり緩やかである。坂中腹の右(西)に立正大学品川キャンパスのビルが見える。

四枚目は、そのあたりから坂下側を撮ったもので、坂下の先に見えるのが山手通りである。

峰原坂中腹 峰原坂中腹 峰原坂中腹 峰原坂中腹さらに上側に歩いてから坂上側を撮ったのが一枚目の写真で、このあたりから勾配がつきはじめている。

そのちょっと上から坂上側を撮ったのが二枚目で、大学の門前近くである。

大学前の下側あたりから小カーブでちょっとうねっており、また、道路幅がちょっと変化している。

三枚目は、そのちょっと上側から坂下側を撮ったもので、四枚目は、さらに上から坂上側を撮ったものである。

この坂は、百反坂と同様に今回、初めて訪れたが、静かなところで車もほとんど通らない。

現代地図を見ると、ほぼまっすぐな道筋であるが、実際に歩いてみると、写真からわかるように、ちょっとうねったり、道幅が変化している。

峰原坂中腹 峰原坂中腹 峰原坂中腹 峰原坂周辺明治44年地図 さらに坂上側に歩き、振り返って撮ったのが一枚目の写真で、このあたりではほぼまっすぐに下っている。この坂は、峰原通りの一部である。

そのあたりから坂上側を撮ったのが二枚目で、さらに上側から坂下側を撮ったのが三枚目である。このあたりまではちょっとした傾斜が続き、中程度の勾配。

四枚目は、明治44年(1911)発行の地図から切り抜いたこのあたりの部分図で、立正大学の前身である日蓮宗大学(立正大学HP)が見えるが、その前(東側)の道がこの坂である。

大学の敷地の上に坂名の由来となった「字峯原」の地名が見え、その下に大きく「大字谷山」とある。

この当時、坂下は、大学の敷地の端に突き当たって、いまのようにもっと北まで延びていなかった。昭和16年(1941)の品川区地図を見ると、山手通りができており、そこまで坂下が延び、現在とほぼ同じになっている。

峰原坂上 峰原坂上 峰原坂上 峰原坂上 そのあたりから坂上側を撮ったのが一枚目の写真で、坂上にかなり近づいてきた。

さらに進むと、右に緩やかにカーブしているが、その先で振り返って撮ったのが二枚目で、坂上でかなり平坦となっている。

そのあたりから進行方向を撮ったのが三枚目で、その先の右に緩やかにカーブした先から進行方向を撮ったのが四枚目である。このあたりも目黒台地の目黒川に近い東端で、百反通りとほぼ同じ標高であろう。

坂中腹から坂右側(西)に大学の敷地が続き、坂左側(東)には民家がずっと並んで、好対照な風景をつくり出しているが、坂上の先は、両側とも民家が並び、静かな住宅地になっている。

品川区HPの峰原坂のデータによれば、この坂は、 延長が約250m、最大勾配が8%(4.6度)である。百反坂よりも短いが、同じ標高差であるので、勾配は百反坂の倍程度となっている。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京市15区・近傍34町村⑱荏原郡品川町・大崎町全図」(人文社)
「地形社編 昭和十六年 大東京三十五區内⑯品川區詳細図」(人文社)
「東京人 april 2007 no.238 特集東京は坂の町」(都市出版)

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