おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

蔵 の 屋根 と 外壁 に 使われる 大谷石 ( おおやいし ) 2

2011年05月03日 01時36分37秒 | 農村

写真1 屋根は、板状大谷石が棟から庇へ4枚ずつ重ねて葺いてある。


写真2 屋根は、板状大谷石の表面と両端を細工して葺いてある。外壁は板状大谷石を細工せず、鉄楔で留めてある。

写真3 東北地方太平洋沖地震で剥がれた外壁の板状大谷石。鉄楔の茶色跡がみえる。

写真4 水稲の育苗ハウス


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 当ブログ2011年2月9日に紹介した「蔵の屋根と外壁に使われる大谷石(おおやいし)」の第2報。
 第1報は県道から撮った大谷石の蔵。その後、大谷石は水を通すので屋根葺きにはむかない、と聞いた。
 そのため、確認すべく、2011年5月1日、当該蔵をお持ちのお宅を予約なく伺う。運よく、水稲の育苗ハウス(写真4)で作業中の奥様がいらっしゃる。ご多忙のなか、次のように丁寧に教えてくださる。
 当家の蔵は明治18(1885)年、同20(1887)年の頃、ご先祖ひこ三郎氏が建てた(ひこの漢字は、彦の彡(さんづくり)に替わり久を書く)。それゆえ、ひこの漢字が刻まれている(写真1)。戦前、同じ構造の大谷石製蔵が5つあり、小作米を収納していた。現在、残っているのは4つ。そのうち、3つの屋根は大谷石葺き、1つは一般の瓦葺き。
 さて、大谷石葺きが言明されたので、具体的に確認しよう。写真1や写真2のように、屋根は板状大谷石を、一般の瓦のごとく表面と両端を細工し、葺いてある。棟だけでなく、屋根葺き材も間違いなく大谷石。
 外壁も、板状大谷石を、互いの間に、先端が左右に少々突き出た鉄楔を打ち込み留めてある(写真1~写真3)。
 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震で外壁の一部が剥がれた(写真3)。その結果、外壁の板状大谷石は木造枠組みに鉄楔で留めてあることがわかる。
 すなわち、蔵は木造枠組みで、屋根材と外壁に大谷石が使われている。
 なお、写真1は1報の写真1の蔵、写真2及び写真3は1報の写真2の蔵。
 謝辞:S家の奥様はじめご家族に感謝致します。
 執筆・撮影者: 撮影年月日:2011年5月1日 撮影地:宇都宮市上田原町東組、S家
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