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アートネタなど日々のあれこれ

きもの KIMONO

2020-08-01 20:02:49 | 美術
東京国立博物館で「きもの KIMONO」を見てきました。

例によって、鑑賞前に腹ごしらえ・・・ですが、それほどお腹も空いていなかったので、博物館前にいたキッチンカーの伊勢うどんをいただいてきました。伊勢うどんは初めて食べたのですが、太め、かつふわふわのうどんです。本来、たまり醤油のタレを絡めて食べるそうですが、今回はカレーうどんをいただきました。柔らかいうどんにカレーがよく絡んで美味しゅうございました。

さて、お腹もふくれたところで会場へ。こちらも開催を知った時から楽しみにしていた展覧会です。鎌倉時代から現代に至る着物がなんと約300点!という驚きの展覧会。音声ガイドを借りない人は第2会場の方から見てください、とのことだったので、第2会場から回りました。展示は概ね年代順なので、本来は第1会場の方から見るべきなのでしょうが、後から思えば、第2会場の方がボリューミーだったので、気力体力があるうちに見ておいてよかったのかも・・・。

というわけで、第2章の「格式の美―大奥のよそおい」のところから見ることになったのですが、やはりここが最もゴージャスだったかも。当時の最上位の女性たちの着物ですしね・・・。和宮の衣装も華麗でしたが、やはり篤姫の衣装が凄かった。抹茶色の地に雀の刺繍の帯、竹に雪の打掛。篤姫はよほど雀が好きだったのですね。袱紗もお弁当箱も雀模様。第3章は「男の美学」。思わずルパン3世のテーマが頭の中で鳴ってしまいます。ここでは何と信長・秀吉・家康の衣装が揃い踏み。いや、何というか、性格出てますよね・・・・とりわけ、信長の衣装が斬新すぎです。山鳥の羽を衣装に貼り付けようなんて考えないぞ、普通・・・。火消半纏シリーズも奴柄やら髑髏柄やらロックな展開です。第4章は「モダニズム着物」。明治から昭和にかけての着物ですが、打って変わって艶やか。一部はランウェイのような展示になっています。着物のデザインがモダンかつ自由になっていくのがわかります。最後の第5章が「KIMONOの現在」。久保田一竹のインスタレーションは絵画の連作のよう。この頃になると、逆に自然の風合いを生かした着物に変わってきているようです。かと思うと、岡本太郎の爆発的なデザインの着物が。最後はXのYOSHIKI がデザインしたYOSHIKIMONOです。彼は呉服屋さんの息子だったのですね・・・。

ここで既に満腹状態になっていたのですが、第1会場へと舞い戻ります。元々は下着であった小袖が、表着となり着物となる転換点から始まります。第1章は「モードの誕生」。地味だった小袖のデザインが、桃山時代になると一転、華やかになります。四季の草花を描いた四替の着物のデザインがお洒落。これなら一年中、着られますね・・・。江戸時代になると赤黒白を基調とした幾何学的なデザインに変わっていきます。第2章は「京モード 江戸モード」。寛文期になるとさらにダイナミックなデザインに。総鹿子の贅沢着物も。元禄期になるとデザインはますます華やかに。目もあやな、とはこのことです。が、今度は贅沢禁止令が出てしまい、染の着物に移行します。友禅の登場です。ロックフェラー夫妻が寄贈したという紅縮緬の振袖がとりわけ凄いです・・・夫妻、おそるべし。かと思うと、光琳が描いたという着物も。そういえば光琳は呉服屋のお坊ちゃまだったのでした。江戸も後期になると今度は「いき」の時代に。シックな装いに変わっていきます。一方で、豪商・大夫は贅美を尽くした装いをしていました。ここでは輪違屋という置屋の傘の間の再現展示もありました。黒や金の太夫の打掛がまばゆいばかりです。

そんなわけで、豪華絢爛、百花繚乱な展覧会でした。もう一生分の着物を見た気分・・・。これだけ充実した展覧会を外国の方々に見てもらえないのが返す返すも残念です。ここでふと、祖母から贈られた着物たちが箪笥の中に眠っていたことを思い出してしまいました。不肖わたくし、結納以来、着物を着たことがありませんでしたが、着物って文字通り、着るものだったのですよね・・・いつか余裕ができたら、着物にも袖を通してみたいものです・・・。
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