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アートネタなど日々のあれこれ

視覚と知覚

2017-08-17 23:52:51 | 映画
アップリンクで「オラファー・エリアソン 視覚と知覚」を見てきました。

オラファー・エリアソンといえば、2005年の原美術館での展覧会の記憶が鮮やかですが・・・あれから干支が一回りしてしまったのですね。その後、なかなか作品をまとめて見る機会がありませんでしたが、映画が公開されることを知り、ずっと楽しみにしておりました。

2008年、ニューヨークで巨大な滝のインスタレーション「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォールズ」を発表したエリアソン。その制作過程を中心に、彼の制作風景を撮影したドキュメンタリーです。

この映画はドキュメンタリーではあるのですが、映画というよりエリアソン自身の映像作品のようにも見えました。そして、この映画を見ることは頭の中を変えられるような経験でもあります。ワタリウム美術館でコンセプチュアルな展覧会を見た後に、世界が変わって見えるような感覚に陥ることがありますが、あの感覚に近い。(以下、少々ネタバレ気味です。)

この映画から受け取ったメッセージでとりわけ印象深かったことが二つ。一つは世界のある姿を疑え、ということ。自分に見えている世界はあくまで主観。現実は主観次第。もう一つは、アートは世界を変える一手段であるということ。アートは世界を変えられるのか、ということは永遠の命題ですが、彼が語ると信仰、信念というよりは事実と思えてきます。そして、鑑賞者も創り手であること。ここで責任という言葉も使っていました。アートによって、生きる時代とどう関わるのか・・・。

と書くと、何やら小難しい映画のようですが・・・実際、少々難解ではあるのですが、メッセージ自体は明快かつ合理的。そのあたり、彼の作品と同様なのかもしれません。彼の作品は何人にも開かれていて、しかも美しい。本来、あるはずもない場所に滝があらわれたら、人は何を思うのか・・・。

ところで、今、開催されているヨコハマトリエンナーレ2017にも彼の作品が出品されているようです。こちらも気になるなあ・・・。
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