2015年製作 イギリス 88分
内気で心優しい老人ホッピーさん(ダスティン・ホフマン)は、アパートの下の階に住む女性シルバーさん(ジュディ・デンチ)に恋をするが、思いを打ち明ける勇気が持てずにいた。そんなある日、シルバーさんがペットのカメの成長が遅いことを心配していると知ったホッピーさんは、彼女を喜ばせるために100匹ものカメを買い集め、彼女のカメを少しずつ大きなものに取り替えていくが……。
大人のハートフルラブストーリーというにはどこか甘くて(スイートというのではなくユルイというか)浮世離れしてるなぁと思ったらロアルド・ダールの児童小説「ことっとスタート」の実写映画・・だったんだ~~!
シルバーさんの花柄の装い(胸の開きがやたら大きいのが気になる)や少女趣味な部屋の装飾は嫌いじゃない(というより好きなテイスト)のですが、ついつい「ハリポタ」でイメルダ・スタウントンが演じたアンブリッジを連想してしまいました
また、いくらシルバーさんが少々オツムが弱い(騙されやすい)とはいえ、可愛がってるカメが入れ替ってることに気付かないという時点でありえない。ホッピーさんの計画がKYな隣人のプリングル氏(自分の話しかしない一方的な性格のこういう男性っているよね~!完全にお邪魔虫なのに全く気付いてないし。彼がカメの糞を食べるシーンは遠慮なく笑わせてもらいました。)により台無しになったあと、あっさりカメたちを返してしまうのも変。100匹それぞれに名前までつけて(「ハリポタ」のヴォルデモードの名前までありました。)一緒に暮らしていたのにそんな簡単に手放せるの? (そもそも、そこにかけるお金をもっと別な方向に使えばいいのになんて思ってしまう時点で夢がない私。荒んでるな~)
とまあ、突込みどころもあるのですが、恋の力は内気な老人をかくも大胆な作戦に駆り立てる威力があるということですね元が児童書だし、夢があっていいじゃないと広い心で楽しむのが良いみたい。
冒頭からナレーションを務める男性(ジェームズ・コーデン)、最初は邪魔臭いな~と思っていたのだけど、ラスト近くで彼の正体がわかった時に「やられた~!」という感じになりましただから彼はホッピーさんの恋にあんなに詳しかったのね~~ 彼の子供たち(おしゃまな娘と現代っ子の息子)がまたとってもいい味出してます
真実を知ったシルバーさんがホッピーさんの部屋を訪ねて来るシーンでは、彼女がまるっきりのおバカさんではないことに気付かされます。彼女の部屋のベランダにホッピーさんがそっと置いた(彼女が好きだといった)お花の鉢をわざわざ「落ちてました」と持って来たのも、部屋を訪ねる口実だったのね。ホッピーさん同様、シルバーさんも彼に一目惚れしていたこと。エレベーターで毎回乗り合わせたのは偶然ではなかったことなど、言われてみれば・・な腑に落ちようです。そしていくつになっても恋の主導権は女性が握っているという
ホッピーさんのベランダはまるで花園。自転車?の部品を利用して作った水撒き設備や、カメをすり替える際の釣り竿など、随所に工夫が溢れています。元はそういう関係の仕事をしてたのかしらん?