「時は遡って1800年
アメリカの西境はミシシッピ川でした。
1803年、ルイジアナの購入と共に、西境はロッキー山脈の西側まで広がりました。
けれども、オレゴン(現在のオレゴン州とアイダホ州の一部)はまだイギリス領でした。
インディアンたちが長い間居住していたこの一帯は、白人にとっては未知の領域でした。アメリカ政府はこの地に人々を移住させるための調査を始めました。
けれども、家族がワゴン(幌馬車)で移動をするための新たなトレイルなしには、移住は難しいことがわかりました。」
そんな出だしで始まる小冊子を読み始めましたが、まだ途中です。
これは19世紀西部開拓時代の西へと移動する道「Oregon Trail(オレゴントレイル)」についての記述です。
「The Way West」(邦題は「大西部への道」)という古い映画を見て以来、ずっと気にかかっていたのがこの「オレゴントレイル」でした。今回の西への移動を計画した際にも、「少しでもいい、その跡を辿れれば」と言う思いがありました。
本の序章をひも解いたばかりの中途半端な状態でしのもの言うよりは、もう少し学んでからあらためて書いてみたいと思いますが、今日はアイダホ州のスネーク川沿いに伸びる「オレゴントレイル」を見ながら、それとほぼ平行に伸びた現代の道路を辿ることができました。
1840年、オレゴントレイルを移動中の人たちが、男も女も子供たちまでもがインディアンに殺された平原にも下り立ちました。見渡す限り人っ子ひとりいない大平原は、強い日差しをさえぎる物とてありませんでした。どんなにか暑く、どんなにか乾き、どんなにかひもじかったことでしょう。
冬の厳しい気候を避けて4月末から5月にかけてミズーリ州のインディペンデンスを出発した彼らが、オレゴン州の終着点ポートランドに到着したのは10月のことだったと言います。
私たちが、ミズーリのインディペンデンスにいたのはついこの間の9月6日のことでした。そして、私たちがポートランドに下り立つのは明日、9月11日です。つまり、彼らが6か月もかけて移動をした距離を、私たちは今、たった5日で移動してしまうのです。
数多の困難を覚悟しながら彼らは何を求めて西へと向かったのでしょうか。
「better world」「better life」という「今」よりも良い生活を求めてだったのでしょうか。それとも、「bad」から「not so bad」という「今より少しでもましな生活」を求めてのことだったのでしょうか。言い換えれば、ゼロ→プラスだったのでしょうか。マイナス→ゼロ だったのでしょうか。
長い一日の終わりに、今日の風景と風と光を思い出しながら、そんなことを考えています。
さて本日のまとめです。
出発地・時間: アイダホ州Twin Falls 午前10時
到着地・時間: オレゴン州Baker City 午後7時 (オレゴン時間午後6時)
休憩: 4回
*走行距離: 313マイル(501キロ)
*通過した州: アイダホ州、オレゴン州
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