Home：故郷、心やすぐ場所
House:家、住宅、住居
ここはまだHome ではなくHouse
がらんとした入れ物
けれども
近い将来、きっとHomeになって
たとえ短くとも私たちの歴史が始まり
記憶が積み重ねられていく
そのための
充分な準備もできないままに
もうすぐ東へと飛んで帰る場所は
まぎれもなくHome
喜びも
怒りも
哀しみも
楽しみも
思い出という形で蓄積された場所
今も時に夢に見るのは
父と母と小さな妹と私がいるあの家
今はも影も形もなくなってしまったけれど
それもまた私のHome
地中海の町の
古びた建物の２階に間借りしていたあの部屋も
子供たちが走り回っていた緑と白の壁の家も
木肌が残る山小屋のようなあの家も
今はもうそこにはないけれど
喜びも
怒りも
哀しみも
楽しみも
たくさんつまった私のいとしいHome
いずれ最後の息を終える時
それがどこであっても
私は記憶の中の私のHomeたちを
次から次へと
あるいは脈絡もなく
たどるのかもしれない
Home! Sweet Home!
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