「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

沈黙の観衆 アクセス1000を超えると…。

2005年01月17日 22時37分06秒 | BLOG論
 ブログには自分の身分を明かしている人がいる。教師、タクシー運転手、モデル、風俗嬢、弁護士、政治家、芸能人と多彩だ。そういえば公務員というのは先生以外に見ないね。医師がブログを公開しているケースも多い。
 女医さんも多い。先日のニュースでこんなのがあった。

 医師がHPで患者中傷 「頭悪い、二度と来るな」

 女性医師(28)が、自分のホームページ(HP)に患者とのやりとりや手術の様子を書き込んで「頭悪い」などと、患者を中傷していたことが14日、分かった。医師は指摘を受けてHPを閉鎖。病院は処分を検討している。
 (共同通信) - 1月14日12時7分更新

 この記事がyhoo上で流れると、お医者さんのブログは大騒ぎになったらしい。それはそうだいつ自分達に火の粉が降りかかるか分からない。という思いが防衛意識を生み、医師ブログ同士が連結しmコングロマリット化する方向に行くのは間違いなさそうである。
 僕が時たま見に行くブログに「女医ななこのひとりごと」と言うのがある。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/11576?YEAR=2005
 整形外科医だそうだ。1日のアクセス数はおよそ600。これでもすごいのに上記の記事とななこさんのコメントが掲載されるとその日は、アクセス1000を超えたそうだ。中規模の市民会館のキャパだよね。そういう数の人が観客としてななこさんのブログを訪れたことになる。そのときの彼女の感想は「怖い」だった。そうか~怖いのか~と変に感動してしまった芸能人や収入目的でブログを経営している人はともかく、素人が意識する数字としては大きすぎる。そう考えると、「怖い。」という感情にも素直にうなづける。
 僕のブログにはだいたい毎日40ぐらいのアクセスがある。IPアクセスは20前後。僕としてみればありがたいことで、こちらはちいさなカラオケパブのステージくらいか、これなら2曲連続して歌っても我慢してくれるだろうくらいの数である。でも、その店のお客さんは僕の記事目的に来てくれている人だろうからおろそかに出来ない。しかもほとんどの人が沈黙しているのである。
 自分のブログに来る人ってどんな人なんだろう。というのはブロガーなら誰しもがもつ興味だと思う。わかるのは、というより想像を働かせることができるはコメントをくれたりTBを送ってくれた人たちだけ。あとは影も形もない、翌日のアクセス状況に視線の痕跡のみが残されている。
 しかしコメントにしてもそうそう出来るものではない。これにもずいぶんと勇気がいる。なんども書き直し、ついに送らずじまいの人も多いのではないだろうか。ぼくもいまだにドキドキ感が強い。自分のブログは取り消せても、コメントは取り消せない。送った後で後悔することはよくある。その場の勝手な解釈やノリでコメントして下品だったり、とんちんかんであることが多い私は、ちょうど卒業アルバムに思いっきり変な顔で写っているのを見つけたときのような気分になる。コメントは難しい。でも丁寧な返事をもらうと救われたような気分になる。しかしこれは余談。
 ななこさんのその記事にはコメントが十数件ついていた。彼女の返事を合わせれば24件かな。アクセス1000を超えて十数件は考えようによっては非常に少ない。900人以上の沈黙の観客を抱えているのである。恐怖の正体はその辺だろうか。彼女はコメントに対して一つ一つ丁寧に返事をくれる。風をひいたという記事に対し10件のコメントが寄せられたが、すべて「元気になってね」系のコメント。恥ずかしながら、かく云う自分もその一人だが、それに対し彼女はなるべく工夫して同じ内容にならないように返事をつけている。頭いい人だな~と感心してしまうと同時に彼女の寛容性に頭が下がる。
 そういう彼女の本来の性格がアクセス数を増やしているのは間違いないが、加えて28歳女医プラスななこというイメージがそれに付随しているのではないかと思う。
 まあそれもブログなんだ、といえばいえなくもないが、世の中には日に1万を超えるブログもあると言うこと。どういう神経状態になるのだろうと気になって仕方がない。