望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・その16

2010-02-17 21:27:27 | 舞台・ウラ話
暗転で急いでも、舞台の上には、

ど真ん中に壁が立ちはだかっていたり、

宇宙船が停まっていたり。

闇夜の障害物競争、といった様相を呈しています 



それでも、これらが本物なら、まだいいんです。
(あ、宇宙船の本物はちょっと困るけど


だって本物の壁なら、ぶつかっても倒れませんから。


でも、舞台の上の壁は、
「絶対にもたれかかるなっ!手もつくなっ!」

というセットばかりですから、
ぶつかったりしたら大変です。


明るくなったら壁がつぶれてた、なんて、シャレになりません。

あ、でも、ドアがつぶれたことはありました。
これもかなり笑える話で・・・。

あっ、いや、さすがにこれは次の機会に書きましょう。

今は暗転!
さぁ、ちゃんと最後まで、このテーマで書くぞ!


ええと・・・あ、そうそう、

そういう障害物にぶつからないように 
音を出さずに 
できる限りのスピードで、動く 

 ・・・これが暗転の基本なんですね。


だから大勢で動けばそれだけ大変で・・・。

といっても、もちろん、
こういう場合の対処法は、ちゃんとあります。

(つづく)
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舞台の裏のウラ話・その15

2010-02-17 01:13:00 | 舞台・ウラ話
厄介な暗転というのは・・・、


こういうシーン よくありますよね。

  
大勢がウワーッと盛り上がったところで・・・暗転。

次のシーンでは、
その中の1人がポツンと静かにたたずんでいる、

とか、

   
舞台のセンターに、たった1人になって・・・暗転。

次第に明るくなると、騒がしい声が聞こえてきて、
大勢がにぎやかに騒いでいるシーンが現れる、

とか。



つまり、大勢が出たり入ったり、という暗転が、
やはり一番アセるんです 


とにかく1秒でも早い方が「いい暗転」なんですね。

本来ないのが一番いいけど、そうもいかないから作る、
・・・ものが暗転なので  


だからとにかく、早く 早く 早く なんです。
 


でもね、人間、

どうしたって動ける速さには限界があります。

音も厳禁ですから、バタバタ走ることもできない。
大勢の移動は単純に時間がかかっちゃうんです。


そんなとき、暗いのがダメな人間は、
どうしても遅くなって、足手まといになります。
みんなが必死で急いでいるだけにつらくって 
トリ目役者は、他の人以上にアセるんですね。




それと・・・、もうひとつ。

当たり前なんだけど、厄介なものが、
・・・舞台のセットなんですね。

何もないところを移動するのならともかく、
舞台の上って、障害物競争みたいなもので 


テーブルセットがあるかと思えば、鉢植えがあったり、
ど真ん中に壁が立ちはだかっていたり、
燭台が並んでいたり、宇宙船が停まっていたり(!)、

とまぁ、いろいろあって、

これが、邪魔になるのなんのって。

(つづく)
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舞台の裏のウラ話・その14

2010-02-16 00:33:37 | 舞台・ウラ話

さて、今日からの話は暗転ネタ・・・なのですが、
大汗ネタをお話しする前に、
少し暗転のことをご説明したいと思います。

いつもやっていることとはいえ、
冷静になって外から見ると、
これが結構、笑えるので


少し前にも書きましたが、役者には、
暗転に強い人と弱い人がいます。

あ、いや、別に役者に限ったことじゃないですね。

つまり人間には、
暗い所でも、かなりモノが見える人(ネコ目というらしい
と、暗いとまるっきり見えない人(これはトリ目ですね

がいるようです。



まぁ、その中間に「普通だと思う」という圧倒的多数がいるわけですが、
役者に聞くと、たいがいどちらかの答えが返ってきます。

「オレ、暗転、ぜんっぜん平気ッス」とか、
「私、ダメなの。トリ目で苦労してるのよ~」とかで、

「そうですね、普通くらいでしょうか

てな答えは、あんまり返ってきません。


やっぱり暗転などで、実際に苦労してるから、
自分の目の特徴に敏感になるのかもしれませんね。


実は私もトリ目で、暗転が大っきらいです。
見えないんだもん、怖いんだもん、って、
何年舞台に立ってるんだと言われそうですが、
これは老若男女、関係ありませんから。


特に厄介な暗転があると、

トリ目チームは、
それだけで緊張の度合いが上がってきます



厄介な暗転というのも変な表現なのですが、

暗転にも「楽勝 」な暗転と、
「うわぁ~、これは大変だわ 」という暗転があるんです。

(つづく)
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舞台の裏のウラ話(№13)

2010-02-15 01:03:06 | 舞台・ウラ話
なんとなく、
視線を感じて足元を見ると、
なんと私だけ、ぞうりを履いてない・・・。


これから着物で走り回るシーンがあるのに、
あれを足袋のままでやるのか・・・・。

うひゃぁぁぁ 

着物の襟に冷たい汗が滲みてきます。

うーーーーん。
どうしよう・・・。

と言っても、これからは出ずっぱり。
取りに戻るヒマはない 

人間って正直なもので、
気になると、どうしても目線がそちらに行くんですよね。

式典のシーンで、偉い人の話を聞いているのに、
ハッと気がつくと、自分の足元を見てるんです。

ダメだ!
これじゃバレちまう!

気持ちをたて直し、
「足元を絶対に見ない」と誓いました。
(誓うほどのハナシじゃないけど)

その後は、ひたすらフツーに、
何事もなく芝居は終了。
すっごく動きやすくて嬉しかった(おいおい!)


でも、意外に履物って気づかれないんですよね 
結局、大勢出ていたのにも関わらず、
気づいたのは例の着付けの先生だけでした。

いや、これは着物だったのがよかったんでしょうね。

これがスカートとパンプスだったら、
すぐにバレてたと思います。


着物は足元が見えにくいのと、

ほかが全員洋服だったため、
パッと見たときに違和感を感じにくかった。
(着物自体が雰囲気が違いますからね)

そんなことから、
なんとなくスルーできちゃったんでしょう。

ま、そんなものです(居直り?)


まぁ、私の場合、
ジャズシューズでタップを踏んだ前科もありますから、
それよりはマシといえるかな?


ちなみに演出家もまったく気づかず、
そのまま、今に至っております 


そう・・・。
このくらいなら、まあ、大したことのない(?)ポカです。

引っ張ったワリにはつまらなかったかも 

それじゃぁ、ってワケではないんですが、

暗転や場面転換の話をしたところで、ひとつ、
また思い出してしまいました。

かなり大汗をかいた思い出を 

ということで、
次回からは、しばらく暗転の話をば・・・。

(つづく)
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舞台の裏のウラ話(№12)

2010-02-14 01:38:24 | 舞台・ウラ話
重たい道具を、
暗転中に運び上げ、セットし、
という裏方仕事を済ませ、
何事もなかったように舞台に出て行く。

そんなことを毎回続けていたときでした。

いつものように、
ガバッとはしょった裾をきれいに直し、
背中で結んだそでを元に戻し、
乱れた髪を直し、
奥様然としたイデタチで舞台に登場し、

式典のシーンで、皆イスに座り、
偉い人の話を聞いていました。

すると・・・何となく視線を感じたのです。

視線って、すごいですよね。
なんか、「見られてる」のがわかるんですから。

ん?
見てるの、だれ?
今は私が見られるシーンじゃないのに??


視線の主は、真正面に座っている女性でした。

着付けの先生でもあり、
よく私の着付けも直してくれていた人です。


その彼女が、私の足元をじーーっと、
凝視しているではありませんか。

へ?
どうしたの?

と視線の先にある、私の足元を見ると、


・・・・・・・・・・・!

ぞうり、履いてないっ!   


外のシーンなので、周りは皆、靴を履いています。

なのに、

私だけ、

足袋のままっ!

ありゃぁ・・・、やっちまったわ・・・。

(つづく)
 
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あなたがいないとダメな私 (T_T)

2010-02-13 15:28:17 | 暮らし・花・趣味
稽古場で取り出したときには、

「鍋つかみ?」

と聞かれました。

なるほど、
両手にはめたら鍋もつかめそう。

でもこれは、絶対に手放せない、
私の最強防寒上履き 

今日の寒さも、これでなんとかしのげます 
 

ただ、スリッパが履けないので、
トイレの前で、いちいちぬがなきゃなりません 
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舞台の裏のウラ話(№11)

2010-02-13 00:19:07 | 舞台・ウラ話
暗転中、
私がどんな格好で、
道具を運んでいたかというと・・・、

着物の裾をガバッとはしょり、
身八口(そでの開いている部分)から腕を出し、
そでを後ろで結ぶ、という、

着物でありながら、ミニスカート、ノースリーブ状態。

それでいて、足袋だけは履いていたりして。

どうしてもイメージできない方は、
「どじょうすくい」をうんと見苦しくした感じ、
と思って下さい 



もし!
 
明るくなった舞台に、そんな存在が、
テーブル抱えて立ちすくんでいたら・・・、
お芝居は完全にそこで終わります 



あわててテーブルを置いてハケて、
あとから何事もなかったように、
奥様の役で登場したとしても  

もうリアリティのカケラもありません。
というより、
たぶんそれだけで大爆笑でしょう。

それだけは絶対に阻止せねば 

ということで、
必死の裏方をやっておりました。



テーブルを抱えて階段を上がり 

んんんんテーブルぅぅぅぅぅぅ、置いたぁぁぁぁぁぁ。

で、またどどっと階段を降り 

両腕に椅子を抱えて、

うぐぐぐぐ椅子ぅぅぅぅぅぅ、置いたぁぁぁぁぁぁ。

そして、また階段を駆け下り 

楽屋で、そでと裾を直し、髪を整え、
何事もなかったように舞台に出て行く。

こんなことをやってたんです。


もちろん、ぞうりなんか履いてたら危ないし、
時間もかかるので、足袋のままです。


で、

やってしまったんですね~。

・・・履き忘れ 
 
(つづく)
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舞台の裏のウラ話(№10)

2010-02-12 10:02:54 | 舞台・ウラ話
場面転換のときの人手がいなくて、
着物を着たまま、
私まで駆り出されることになった公演の、

その時に出ていた劇場の形は、

楽屋が地下で、舞台が2階
 
つまり、決して広くない階段を、
荷物を持って上がり降りしなきゃならない場所でした。

「ほんとにすみませんね~。着物なのに~
じゃぁ、階段下に置いておくので、よろしくですぅ 

謝りゃイイ、ってもんじゃないでしょ、と思っても、
やらざるを得ません。
人がいないんだから  


それにしても・・・、


重たい木製の丸テーブルは、持つのがやっと 

アンティークの木の椅子も重たいのなんの 

それを、薄暗く、急な細い階段を持って上がり、
暗転中に舞台にセットしなくてはなりません。


着物のまま、2往復して、
テーブルと椅子をセットする 

それも真っ暗な中。
何人もの人間が、暗い中で働いている中です。

重さにふらついていると、人にぶつかるし、
動線は打ち合わせてあるものの、

何かのハプニングでもあれば、
人の足に重たいテーブルを落としかねません。
声を出したらお客様にバレちゃいますしね。


その上、時間はわずか。
秒単位で暗転の時間は決まっています。


もし・・・、


もし、タイムオーバーということになったら・・・、


どんな状態であれ、
パッカーンと明かりがついてしまいます 
 
(つづく)
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舞台の裏のウラ話(№9)

2010-02-11 12:24:18 | 舞台・ウラ話
さて・・・、
舞台での忘れ物の話は、
もう少し続きます。


ちょっと話が変わりますが、
年齢のせいか、
私、よく着物を着せられるんです。

他の人の衣裳はみーんな軽快な洋服なのに、
なぜか私だけ着物 

着物は大好きなんですけど、
狭い舞台裏を走り回るのには、本当に不便で、
そでを引っ掛けたり、ぞうりでコケかけたり、
衣裳の着物はあまり好きじゃないんです 



で、またまた、急に話が飛びますが、
暗転で小道具をハケ(なくし)たり、
反対にセットしたり、
シーンによってセットが変わりますよね。

要するに、「場面転換」ですが、
あれ、誰がやってるとお思いですか?

大劇場ならもちろん、
専門の転換スタッフがいます。

が、小劇場は、役者がやります。
舞台監督さんが中心になってくれますが、
いくらプロでも1人じゃ無理で、

今しがた殴り合っていた2人が、暗転になった途端、
仲良くソファー運んだりしています。

だいたい、若い男性がやることが多く、
次に若くない男性、次に女性、と、

まあ世間一般の力仕事と同じですが、
違うのは、衣裳が考慮されること。

着物とかロングドレスとか、白いスーツとか、
こういう人は力仕事を除外されるんです。

コケてけがされちゃ困るし、衣裳を汚されても困るし、
白は暗転でも目立ってしまうし、と、
まあ、理由はいろいろあります。

でもね。

それも、人がいれば・・・、

  ・・・のハナシでして  


暗転で動かすものが多かったり、

衣裳の早替え(早い着替え)があったり、

また、その手伝いが必要だったり、と、

他にも仕事が多くて、全員が手一杯になると、

 若くなくても 
   女性でも 

   なおかつ、
    着物を着ていても 
 
「すみませんね~
などと言われつつ、

「その大きな丸テーブルと、アンティークの椅子2つ、
暗転中にセット、お願いします~」

ってことになります。

(げっ、あのデカくて重いヤツ!?)


(つづく)
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昨日暖かかったから

2010-02-10 12:55:45 | 暮らし・花・趣味

梅が一気に咲きました。

それで、今日からまた、この寒さなの?

週末、雪マークもあったような

冬眠してやるぅぅぅぅぅ
 
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