昨日、銀行の待合室で、
目の前にあった女性週刊誌をパラパラとめくっているうちに、
あるページで「あん???」
と、手が止まりました。
それは、カラーの見開き広告、
・・・といっても、
カラーの質とか、レイアウトとか、
その他モロモロ、つまりすべてが、
昭和な雰囲気にあふれた、
よくある、いかにも胡散臭い広告でした。
第一、売っているものが「幸福のパワーストーン」!
これで推して知るべし(笑)
その広告のほとんどが、1人の女性の体験談と写真で埋められていて、
「彼氏いない歴30年の私が、信じられない!」みたいなタイトルで、
「最初、半信半疑でしたが、このパワーストーンを身に付けたら、
なんと、2か月後にはこんな彼氏が!」
「彼は高校の体育の先生で、とってもやさしくて、なんちゃらかんちゃらで、
来春には結婚します」
・・・てな体験談でして、
ジャージに笛をぶら下げた、典型的な体育教師姿の男性とのツーショットとか、
彼とハワイ旅行、なんてタイトルの、私が見てもすぐに合成とわかる写真とか、
何枚も2人の写真が散らしてありまして、
そのあたりには、
「こんな私が、こんなハンサムの彼をゲット!」
「幸せ過ぎて、こわいくらいです」
「パワーストーン、ありがとう!」
などという言葉も添えてあるという、
今でもこういう広告があるんだなぁ、
と感慨にふけってしまうほどの、
いかがわしいシロモノだったのですが、
私が思わず止まってしまったのは、その写真だったんです。
女性の方は「こんな私」と言ってるだけに、
たしかに「こんな私」な人でした。
で、問題は、その彼の方・・・。
なんと!
よーく知っている友人の役者ではありませぬか!
お前、なんちゅうこと、やっとんじゃ!!
この前会った時に、
「最近は事務所に入ったこともあって、
いろんな仕事ができるようになりました」
みたいなことを言ってたのが、これかいっ!
なにが体育の先生だっ!
こんな広告でも、引っかかる人がいるからこそ出すワケで、
こんな詐欺の片棒担ぐようなことしちゃいかん!
よっぽどその場で電話してやろうかと思いましたが、
それもまた大人げない。
まぁ、今度会った時にでも言ってやります。
しかし、こういうアヤシげな広告って、
やっぱりこんなモンだったんですね。
あらためて納得しました。
こんなモンに引っかかるヤツの気がしれない、
と思っているけど、
これがパワーストーンだったから、そう思ったのであって、
「シワが消える」とか、
「10才若返る」とかだったら、
一瞬、心が揺れることも、ない、ことは、ない。
まぁ、イワシの頭も信心からだし、
これを買ったことで自信がついて、
うまくいくことだってあるかもしれないけどね。
けれど、けれども!
こんな仕事してると、役者としての品格がなくなるぞ!
なんか腹が立ちすぎて気分が悪くなったので、
その雑誌を遠くに放り投げて、別の雑誌を探したら、
こんなのを発見!
へえ~、こんな雑誌があるんだ、
とパラパラめくってみると、
面白いんだけど、妙に記事の内容が古い?
よーく見たら、3年前のものでした。
でも、調べてみたら、今でも出てるんですね。
「上方芸能」という雑誌を、ずっと昔から購読しているんですが、
これは、どちらかというとアカデミックな内容の本。
対して、こちらはもっと気楽な楽しい雑誌のようです。
生の落語を聴かなくなって久しいけれど、
こういう雑誌を見ると、やっぱり心躍ります。
よっしゃぁ、口直しだ。
じっくり読むぞ~~!
・・・と思ったところで、
無情にも自分の順番が・・・。
怒ったり、喜んだり、
ずいぶん忙しい待ち時間だったけど、
さすがに、おあとがよろしいようで・・・