母の介護で地方公演に行けないため、
泣く泣くオファーを断った作品が再演される。
大きな賞を取っただけあって、
チケットは即日完売だそう。
あー、世が世なら、私もその舞台に、
と思わないと言えば嘘になる。
だけど今、
私が出るとなったら、
家族との板挟みでどれほど悩むか。
この前も、とある誘いを、
「私が1人だったらね」と言って断った。
取りあえずやってみるか、と走り出すには、
抱えるものが多すぎて、怖くて足が動かない。
怖がり過ぎかもしれないけど、
命を前にしたら、
これまで自分が決めてきた「大きな決断」なんて、
本当にチョロいものだから。
あの時はコロナのカケラもなかったけど、
結局、着地点はここでよかった。
そう思う。
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