暗転の中、大勢で動かねばならないとき、
どうするか、というと・・・。
まず、
≪暗転中に、みんな一斉に舞台の定位置につく場合≫は、
舞台のそでに、「前へならえ!」のように、
みんなでズラッと並びます。
そして、
手をつなぐ、腕をつかむ、肩をもつ、背中をさわる、など、
前の人のどこかをつかまえて、金魚のフン状態を作ります。
暗転になったら、
そのまま、舞台に進んで
順次自分の位置に散っていくんですね。
これ、外から見たら、かなり異様な光景です。
出る寸前で、真剣そのものの顔をした、大のおとなが、
ズラッと縦に並んで、手をつないでたりするんですから。
で、面白いのは、
「前の人の、どこを、どうつかむか、触るか」で、
けっこう個性が出るんですね。
というか、劇団の場合などでは、
それぞれにその劇団のカラーがあるように思います。
今からフォークダンスですか?って聞きたくなるほど、
前の人の両肩に、自分の両手をがっつり置くところ、とか、
触っているかどうか、わからないくらいに、
そっと前の人の背中を触るだけ、のところとか。
私の独断でいえば、触る度合いが強いほど、
仲がいいような気が、しないでも、ない、かな?
並んでいるときには後ろの人に触らせていても、
実際に暗転になった途端、
その手を振り払って、さっさと1人で行ってしまう
なんて人もいますしね。
ま、どこの社会でも同じです
で、反対に、
≪暗転で、みんな一斉にハケる場合≫は、
近くにいる人たちがまとまって、
つながってハケるのが基本です。
そうじゃないと、みんな真っ暗な中で、
我先にと入ろうとしますから
そのまんま、パニック映画みたいになっちゃいます。
なので、
暗転でハケる順番というのは、
かなり厳密に決めておきます。
劇場に入って、一番時間を使うのが、
この種の練習と打ち合わせなんです。
つまり、
「暗転!!」となったら・・・、
速攻で、近くの人の体をつかみます
もちろん、相手は最初から決めてあります。
だから暗転近くになると、
芝居にかこつけて、
さりげなーく移動している人がいたりします
つまり、
手を伸ばせば相手をつかめる場所まで動いておくんですね。
でもそこまでやってても!
これが、意外に!
スパッとはつかめないものなんです
(つづく)