望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・その27

2012-09-30 13:35:05 | 舞台・ウラ話

早替えのための衣裳の細工。

徹底的に、ほとんど趣味のようにやるのですが、
思いもよらないところで足をすくわれる、
ってことがあるもので、


10年くらい前だったでしょうか。
またお母さん役(ほんっとに多い!!)で、

お母さんの定番、エプロンをして、
一度、舞台ソデにハケて、

エプロンだけをとって、すぐ出ていく、
というシーンがありました。


胸まであるタイプのエプロンですが、
後ろの蝶結びをほどいて、
パサッと取って、おしまい 

所要時間は2秒。

あ・・・、

今は蝶結びって言わないんでしょうか?
リボン結びっていうのかな?


ま、とにかく、
あの、くるっと輪にしてキュッと結ぶ、あれです。
(よけいわからない??)

つまり片方の紐を引っ張ると、
一気にはらりと解けるわけで、

さすがの私も、
これを細工するなんて、考えもしませんでした。



・・・で、
その日もまた、セリフを喋りながらハケて、

そでに入った途端に、
エプロンの紐を引っ張ったのですが・・・、



・・・・・・・・・?!


・・・・・取れない!



なぜ? どうして?


一気に汗が噴き出ました。



手で後ろの結び目を触ってみると、

えっ? どうして??


    (つづく)











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舞台の裏のウラ話・その26

2012-09-29 22:28:35 | 舞台・ウラ話

ほかに衣装ネタはなかったかなぁ、と考えていて、
ひとつ思い出しました。

これも早替えといえば、言えなくもないんですが、


えーと、その前に、ちょこっと、
「細工」について、説明をしたいと思います。

「細工」っていうのは、
まぁ、普通に使う言葉ですけど、

芝居で「細工」というときには、だいたい、

<少しでも早く着替えられるように、衣装に手を入れる>

という意味で使われます。


タイトな時間に間に合うように、

*ボタンをとめる代わりに、
 マジックテープをつけて、本物のボタンは飾りだけにする。

*ブラウスとセーター、2枚着るところを、
 下のブラウスは襟だけにして、セーターに縫いつけてしまう。

といった、いろいろな細工で、
いかに早く着替えるかに知恵を絞ります。


ほかにもいろいろとあるのですが、
言葉で説明しにくいんですね~、こういうのは。



まぁ、そうはいっても、
これにも個々の性格が反映されまして、

マメにマメに細工して、時間の余裕を作ろう、
・・・というタイプと、

どんなに着替えを急いでも、細かい細工はやらない、
・・・というタイプ。

という、だいたい2つのタイプにわかれます。


小心者の私なんぞは、当然前者です。
それも、

<ここまでいくと、もう趣味だろう>

というほど知恵を絞って、とことん細工します。
要するに、好きなんでしょうね。


そのおかげで、こんなにトロいのに、
これまで一度も失敗せずにきているのですが、

人間、思いもよらないところで足をすくわれる、
ってことがあるんですよね。



   (つづく)





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 「ミスを許さない心の、裏側に潜むモノ(その2)」









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舞台の裏のウラ話・その25

2012-09-27 20:35:32 | 舞台・ウラ話

か弱い女性には、自分の上着をかけてやらなきゃ、
という、
とんでもないプランを思いついた男性軍。

心の中では大喜びで、
女性軍に自分の上着をかぶせます。


(え? ちょっと、それ私にかぶせる気??)

と思っても、
そんな気配を見せるわけにはいかず、

クソ暑い中に、もう1枚、
ぶ厚いものをかぶせられて、

「ありがとう。やさしいのね」
みたいな顔をして・・・。

(くっそぉ。やられたぁ


そして終演。

「ジョーダンじゃないわよっ!
 あれはないでしょっ!」

当然のことながら、女性軍は大爆発です。


でも芝居としては、
その方がリアリティもあるし、

雰囲気も良くなるので、
これからもそれでいこう、ということに。


男性軍は、それぞれのキャラクターによって、
どこで着せるか、のタイミングを探るワケですが、
これが腹立たしいことに、毎回早くなる。

おっ、ここで脱いでもOKじゃん!
みたいなところを発見しちゃ、
女性軍にバコバコかぶせてくる。


(こんにゃろ~~

と思っても、女性軍には報復手段がないワケで。

前回、「攻防戦」なんて言葉を使っちゃいましたが、
これ、違いましたね。

一方的に、男が攻撃するだけでした 



やさしく自分の上着をかぶせてくれる相手役に、

(おいっ、まだ始まって20分だぞ!)

と、感謝を込めた目で見上げると、


(ふふふ、いいトコ見つけちゃったぜ。
 あ~、助かった)

と愛情いっぱいに微笑んで、


(おのれ、殺したる!)
(ふふ、知るか!)

と見つめあう。


・・・という、
愛にあふれるシーンが展開したのでゴザイマシタ(笑)



ただ、少しだけフォローさせていただくと、
劇団にいた時代の話で、
みんな気心の知れた劇団員同士だったんですね。

これが客演同士だったら・・・、
遠慮やら、不安やらで、
さすがにできなかっただろうなぁ。


と、比較的さっぱりと終わった、この話。

さて、次はどこにいきましょうかねぇ 






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「アイツのせいで!」の裏にあるもの(その1)






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舞台の裏のウラ話・その24

2012-09-26 11:41:40 | 舞台・ウラ話

暑いときにぶ厚い衣裳を着て、
汗だくで、
寒さに震える芝居をしなくてはならない役者たち。

そこで役者たちの展開した、
とんでもない攻防戦とは・・・。


芝居が中盤にさしかかる頃には、
もうどんどん寒くなって、
みんな体を抱えて、ガタガタと震え始めます。


夫役は妻役の肩を抱いて、
お互いに、

(う・・・、あっつくるしーー)

と思いつつ、
手を握って、いたわりあって(笑)

ま、これも芝居なら当然のこと。



ところが・・・、

そこからちょっと変わっていったんですね~。


この登場人物の中に、自称二枚目系の、
カッコつけるタイプの男性がいたんです。

もちろん役の上で、ですが、
彼が思いついちゃったんですね~、いいプランを。


寒さに震えている女性の肩に、
自分が着ているコートを脱いでかぶせ、

キザなフェミニストぶりを見せたのです。
確かにこのキャラならピッタリでした。



ところが!!!

それを、ほかの男性軍も見ちゃった!!


「おおっ、いいもの見ちゃった~。
 そうだよなぁ。
 役として不自然じゃなければ、そりゃぁ、
 か弱い女性には、自分の上着をかけてやらなきゃなぁ」


男性軍としては願ったり叶ったり!

タイミングやかぶせ方で役のイメージも膨らむし、

それより何より!
一番分厚い上着が脱げる!

対して、たまらないのは女性軍です。


        (つづく)











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舞台の裏のウラ話・その23

2012-09-25 10:15:34 | 舞台・ウラ話
 
舞台の上で展開する物語と、
実際の季節が違ったりすると、

なかなか物語に入り込めない、
なんてことがあります。

でも、もっとシンドイのは、
舞台の上の役者で・・・、

という話をしかけて、
内容にも入らずに終わっていたんでした。


つまり、我慢ネタなのですが・・・、

ご存じの通り、舞台の上って暑いんです。

ライトがたくさん当たってる上に、
舞台上はあまり空調が効かない、

・・・というか、効いててもわからないくらい、暑い。


だから、薄い衣裳なんかは、別にいいんですね。
がっつり肌を出しても、寒くない。
(そんなもん見せるな、というのは別)


反対に、ぶ厚い衣裳は、本当につらい。

ずいぶん前に、「死体ネタ」で、
サスペンスの話を書きましたが、
このあたりです)

あの公演がたしか9月初旬。
残暑厳しい彼岸前でした。


そして、舞台は晩秋の山のトンネルの中。

そのトンネルが落盤事故で、車もろとも、
さまざまな人生を持つ十数人が閉じ込められる。
・・・という設定でした。


「こんなに山が寒いとは思わなかったわ」
なんて台詞もあって、

閉じ込められて、日が落ちるにつれ、
凍えそうな寒さに襲われた人々の、
恐怖や絶望はいよいよ増していく・・・。


というお話なのですが・・・、

楽屋ではTシャツ1枚で、
「おはよーございまーす。今日も暑いねー」
なんて挨拶してる状況。


会場はクーラーがあるというものの、
我々の衣裳は、
厚手のカーディガンや冬物ジャケット、
首にはスカーフ(これが暑い!)

着るだけでブワーッと汗がにじみます。
その格好で、逃げ回ったり、泣いたり叫んだり。


・・・でも、まぁここまでなら、
わざわざ書くほどの話じゃありません。

単に、暑いときに厚い衣裳、というだけのことですから。


それがですね。

ここで役者たちの、
とんでもない攻防戦が展開されたのでゴザイマス。



        (つづく)






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「人のミスをどこまで許せるか?」









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舞台の裏のウラ話・その22

2012-09-24 01:26:28 | 舞台・ウラ話
 
ということで、7か月余りのブランクの後、
またちょっとずつ、
昔のウラ話を書いていきたいと思います。


結局、衣裳ネタの途中で中断しちゃったので、
当然、ここから始めるのですが、
なぜ、そんなに衣裳ネタが多いか、といえば、

芝居の衣裳というのは、かなりの部分、
役者の我慢で成り立っているからなんですね~。

前回書いた、きついスカートを無理やり、
みたいなアホな我慢は別ですけど、
いろいろ、何かと我慢は多い。

そりゃそうですよね。
生身の人間が、現実ではない世界を生きて、

それを観て頂くワケですから、
ひずみはあって当たり前なんです。


でも、何も今、これじゃなくても、
みたいな芝居に遭遇することがありませんか?
春にクリスマスの芝居、とか。

やりたかったんだろうけど、
もうちょっと考えたら?
って言いたくなるような 


やっぱりシーズンって大事だと思います。

まぁ、雪が降っているときに、
舞台だけ南国だったりすると、
それはそれでホッとしたりしますけど、


たいがいは、
それぞれの皮膚感覚とズレていたりすると、
どうも、
すらっと物語に入り込めなかったりします。


汗だくになっているときに、
寒い時期の芝居をされると、
なんか暑苦しくてたまらなかったり。

いや、それ以上に、
役者さんに同情しちゃうんですね。


どうも芝居に入り込めない悪い癖があって(職業病?)
素の役者さんの気持ちとか、ウラの大変さとか、

そうそう、死に方のうまさとか、
なんとなくズレたところで観ちゃうんです。



でもね、本当に、時期の違う芝居って、
役者にとっては残酷なんですよ~。

・・・ということで、
次には、こんな我慢ネタを。
(結局、内容に入らなかった


        (つづく)








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さて、と、そろそろ、いきますか

2012-09-22 22:11:09 | 舞台・ウラ話
 
いつまでも、学生時代を引きずっていても困るので。
(と言いつつ、実はまだ引きずってたりするけど


ええと、この前、ひとことお知らせした通り、
久しぶりに、
「舞台の裏のウラ話」をスタートさせたいと思います。


この前はどうだったか、というと、
2月9日に<その21>を書いて、
そこで終ったんでした。

楽屋でテープ録ってたら、とんでもない声が録れた、って話で、

その前は、衣装の話をしてました。

きついスカートを、見栄張ってはいた結果・・・という。

で、衣装の話がまだあるので、次回はそこから、
ということで終っておりました。


ということで、再度、まだ残っている衣装ネタから、
ウラ話を再開したいと思います。


といっても、今日はここまで、ね 

やっぱり予告編も必要ですから(おいおい)




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超個人的・自己満ブログ・落語

2012-09-19 01:21:56 | 暮らし・花・趣味

ブログなんていうものは、個人的なものだし、
自己満足でいいとは思っていますが、

それでも公にする以上、
そこに何らかのプラスアルファがあって然るべき、
と、私は考えています。

なーんて、妙に堅い文章になっちゃいましたが、
ま、単純に、

「あたしね、楽しかったの~♡」
・・・みたいなブログは書きたくないな、と。



でも、今日だけ書いちゃいます。
まったくの自己満ブログです。

それでもよかったら、お付き合いください。


昨日・・・いや、もう一昨日ですが、落語会の本番がありました。

もうノドはカラカラ、
なぜ??と不思議なほど緊張しつつも、

とりあえず、立ち往生もせずに終了。

何十年ぶりかで、高座の感覚を味わいました。


まぁ、これだけ緊張するんなら、
しばらくはもう、いいかな、って気分ですが、

普段は、完全なただのオジサン、オバサンが、
高座に上がると、まぁ、みんな上手いんですね。

なによなによぉ、みんな、
何十年というブランクを感じさせないじゃないの!


とまぁ、そんなところからノリ始め、

そこからのタイムスリップは、
さながらドラえもんの秘密道具のごとし。


普段はお酒の席というだけで、さっさと消えるくせに、

懇親会、二次会と、延々付き合い、
ウーロン茶で、ほとんど出来上がり状態。


下は10代の現役学生から、上は我々50代まで、
まさに老若男女だけど、みーんなオチ研。

何といっても、いかにうまく人を笑わせるか、
それに青春をかけてきたという共通項があるわけで、

他の酒席のように、自分だけで盛り上がったり、
単に騒がしい、なんて、みっともないことはしませんから。

笑って笑って、倒れるほど笑って、
なんとも幸せな気分で帰ってきました。


でもね、

今日になって、自分の落語を思い出して、
分析してみて、思いました。

あ・・・、小劇場の笑いだ、って。


まぁ、小劇場にもいろいろありますが、
自分が作って入れたクスグリ(ギャグ)が、
なんとなく落語じゃなくなってる。


そっかぁ。
こんなに久々の落語に夢中になって、
仲間との幸せな時間に酔ってても、

自分の体の芯は、もう芝居の方になってるんだな。


ものすごく当たり前のことなんだけど、
どこかしら寂しさを感じました。

大人になったんだ・・・みたいな(笑)



・・・ただ、それだけ。

最初で最後の、究極自己満ブログ、
お付き合い頂いて、ありがとうございました!
 








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やっと落語の話でも

2012-09-14 23:14:21 | 暮らし・花・趣味

この機会に、いろいろと、
落語を語ろうと思っていたんですが、

とんだハプニングもあったりで、
結局、書きそびれました。


まぁ、実際、
あんまり書くことがないんですが。
(稽古と言っても、1人でただ喋ってるだけだし)


ただ、ものすごーく ~ラク~なんです。

というか、何故か、不思議な開放感がある。

これは何なんだ?と考えたところ・・・、


答えは実に簡単でした。


いつも苦労していることが、全部ない、
そりゃぁ開放感もあるでしょう。

あ、いや、プロの噺家さんなら、大変なんでしょうが、
素人が気楽にやる場合は、

やっぱり、芝居より圧倒的にラク、なんです。


いつもは・・・、

*演出家の意図を、必死になって理解しようとする。

*相手を常に見て、相手の芝居にどう対応するか、
 毎回が真剣勝負。
 
*だから、いい意味でも悪い意味でも、相手の影響が大きい。

*台詞は基本、一字一句、変えてはいけない。
 (変わっちゃったりはするけど)

*かなりの長期間、稽古場に通い続ける。


ところが今は・・・、

*どういう演出でやろうが、自分次第。

*全部の役を自分でやるから、これもやりたい放題。

*台詞を忘れようが、変えようが、何でもあり。

*ウチで勝手に稽古して、ぶっつけ本番。


ラク~~~~~、です。

なーんて、

キーワードを忘れたりしたら、誰にも助けてもらえませんが、

いつも芝居で、真剣勝負をしているだけに、
この開放感はたまりません。


あ、もちろん、落語は素人、芝居は一応プロ。
責任感がまるっきり違いますからね。

そのあたりの気持ちも大きいことは確かです。


だけどね~、芝居だって、
素人みたいな共演者もい・・ゲホッゲホッ、ウォホン。

芝居の場合はそんなヤツに足引っ張られ・・ゲホッゲホッ、ウォホン。


とまぁ、しばしの開放感を楽しんで、

もう本番寸前なのでゴザイマス。ふふふ。









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真夜中の病院にて

2012-09-11 12:45:58 | 暮らし・花・趣味
 
日曜の夜中、夫が救急車で運ばれました。

あ、いや、おかげさまで何ともなく、
今日は元気に仕事に行っております。


でも、さすがにそのときは青ざめました。

たった一人、救急病棟の廊下の長椅子で、
ただ、じっと座って待ちながら、

お昼は「トトロ」見たりして、ミョーに浮かれてたけど、
あんな時もあったなぁ、とか、
懐かしく思い出すようなことになったら、どうしよう 

なーんて、ロクでもないことばかり、頭に浮かんだり。

そうかと思うと、

今度の落語会、私、トリなんだよなぁ。
やめるわけにはいかないよなぁ。

なーんて、お気楽なこと考えてたり。

せっかくだから、写真撮っとくか、
なんて、写真撮ったはいいけど、
カシャの音が響きまくって、あわてふためいたり。


あ、いや、でも、ホントに心配してたんです。
ただ、あまりにも、やることがなくて



そのうち、看護師さんが出てきました。

「もう大丈夫ですよ」

「あーー、よかった! ありがとうございます」

「で、今、水が飲みたいっておっしゃってるので、
 自販機で買ってきて頂けますか?」

「わかりました!」

「この廊下を、右に曲がって、次を右に曲がれば、
 そこに自販機がありますから」

「わかりました!」


安心したおかげで、一気にテンションが上がって、

(いいわよ~。飲みたいのなら、富士山にだって行ったげる~)

みたいな勢いで、でも、すぐそばの自販機に急ぎました。


右に曲がって、次をまた右。
おっ、あったあった!

ちゃりーん、ゴトゴトゴト。

冷たいペットボトルを握って、

もと来た道を、今度は左、左・・・。



 ・・・・・・


  なぜ?


精神科? いや、私は救急病棟から来たんだけど。


 また、やっちまったのか???

   迷った???


時刻は、夜中の4時をちょっと回ったところ。

がらーーんと暗い病院の廊下。

人に聞こうにも、いるわけもなく。


あせって、とりあえずまた、自販機に戻って、


そうだよね。
ここから、左に曲がって、また、ひ・・・。

  ・・・違う・・・

あーーん、どうしよう~~。

ここ? いや、ここ?

と曲がっていくうちに、いよいよわからなくなって、


そういえば私、病院に行ったら、必ず何度か人に聞いてたっけ。
だって病院って、思いのほか、複雑なんだもん。


手に持ったペットボトルが、だんだんびしょびしょになって、
水滴がポタポタと落ち始めて、

あーーん、どうしよう~~。


   と、

目の前の角から、ひょこっと、さっきの看護師さんの顔が!


  あぁぁぁぁぁ、助かったぁ。


「あれ? どこの自販機に行ってらしたんですか?」

「いえ、教えて頂いた自販機ですけど」

「あ、そうですか。
 反対から帰ってらしたから、あれって思って」

「あ、ちょっと、行き過ぎたみたいで、ははは」



でも、おかげさまで、その後すぐに、
夫と共に、自宅に戻れることになりました。

「じゃぁ、最初に入ったところで会計を済ませてからお帰り下さい」

「あ・・・、はい・・・(ヤバイな・・・)」


というのも、
実は、最初に救急車で病院に入ったとき、

救急隊の人に、
「この奥のドアを開けて、右に行ったところで、
 先に手続きをしておいてください」
と言われ、

「はいっ!!」

と走って奥に入り、右に行ったら、

・・・なぜか、事務局の中 



仕方がないので、その場で、
「すみませーーん、どなたかいらっしゃいませんかーー」

と叫んだら、出てきてくれました。


「あの、一度外に出て、その先から入ってもらえますか?」

「はいっ、すみませんでした!!」


一度外に出て、その先・・・って、ないじゃん!

もう一度、中に入って、

「あの・・・」

「わかりませんか?(苦笑)」

連れて行ってもらったという経緯があり、

もう一度同じ場所にたどりつける自信はまったくなし。



病院のロビーって、お昼は明るくて広いから、
少々迷っても、何となくたどり着くんですが、

夜中って、ほんっとにわからないんです。


そうこうするうち、歩いてダンナも出てきて、

「じゃぁ、私が会計してくるから、どっかに座ってて」

「いいよ、一緒に行くから」

「あ、そう、・・・じゃぁ」

ヘタに1人で行って迷惑をかけるより、
絶対に、その方がいい。


そうして・・・、

「おい、そこじゃないよ」

「あれ? そうか」

「そこ右だから!」

「あれ? おおっ、確かにロビーだっ」

といったプロセスを経て、

無事、我が家へ帰ってまいりました。

結局、夫は夏バテから自律神経のバランスを崩した様子。
これで涼しくなれば治まるとのこと。


そういえば・・・、

病院って、監視カメラがずっと動いてるんだっけ?

もしそうだとしたら、
きっと監視の人、大爆笑してただろうなぁ。









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