望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

彗星なんとなくウラ話・その31・ハグは偉大なり

2020-02-29 13:27:08 | 舞台・ウラ話

座組の雰囲気によりますが、
たいがい、出の前にはハグやら握手をします。

特に、役柄が近い、
夫婦役とか、恋人役とか、親友役とは、
がっつりハグをして、舞台に上がります。

このハグの効果がどれほど大きいか。
今回、期せずして、
そんな実験ができました。


今回の私の場合、役柄が近いのは、
相方のしずえと、可愛い孫のヒカリ。
すぐ死んじゃうけど、旦那の徳造。

そして・・・北条さん。
ナオが50年以上想い続けた人。

でも、小屋入りの前に、ふと思ったんです。

ナオは北条さんをこれほど想いながらも、
指一本触れることすら叶わなかった。



その切なさをきちんとキープするのに、
本番前に、

「いえーい、原くーん、よろしくー!」
なんてノリで、ハグしてちゃ無理だな、って。


それで、原くんにも頼んで、
一切、握手もハグもしなかったのですが・・・、

これがまぁ、予想以上に、

さーびしかったのなんのって!


体を触ることは、それだけで、
安心感や安定感をもたらす。
そんな、受け入れてもらっている感覚がハグだし、
だからこそ、出の前に、みんなハグをする。

となれば、その反対をすれば、

受け入れてもらえなさとか、
不安感が出るのは当たり前なんですよね。


こんなささやかな実験でしたけど、
これはかなりの大成功でした。

何とも言えない、
不安定な気分とか、寂しさとかが、
ずっとキープできました。

たかがスキンシップだけど、
やっぱりスキンシップは偉大です。


でも実は、
これだけじゃ、いくらなんでも寂しすぎるので、
ひとつ、原くんに頼んでおきました。

「千秋楽が終わったら、ナオをハグしてやってね!」


そして、千秋楽が終わって・・・。

原くんが楽屋に戻ってくるのを、
今か今かと、手ぐすね引いて待ち構え、

顔を見た途端に、ド―――ッと突進して、
しっかりハグしてもらいました!


ははは、両手を広げて向かってくるオバサン、
かなり怖かっただろうな~

でもね、それで、ナオという愛おしい役も、
成仏したのでございます。


・・・あれ? 私、何を書いてたんだっけ?


   (つづく)





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彗星なんとなくウラ話・その30・本番前の役者の生態

2020-02-28 15:45:26 | 舞台・ウラ話

小道具や早替え衣裳などのセットや、メイク。
そして、声出しと台詞の復唱。




はたまたラジオ体操。


少し食べておかないと、お腹が空くし、
お客様へのメールやご予約の対応も早めにやりたいし、と、

このあたりは、それぞれのペースがあるので、
とにかく、お互いに邪魔しないのがルール。

もう、みんな、ホントにてんでバラバラです。


そして、バラバラなりに、
みんな、意外にこだわっているのが、
「ゲン担ぎ」だったりします。

昔、共演した役者さんで、本番前には必ず、
「じ~んせい楽ありゃ苦~もあるさ~」を、
大声でフルコーラス歌う、って人もいました(笑)

こんな感じで、本番前には、必ずこれをやる、
と決めていることもあれば、

「昨日、梅干のおにぎり食べてうまくいったから」
と、ずっと梅干握りを食べ続けることも。


やっぱり舞台は「ナマもの」だから、怖いんですよね。
何でもいいから、自分はこれで大丈夫!
みたいなものを作っておきたいんだと思います。



そして開場して、開演10分前くらいになると、
それぞれ共演者と、握手したり、ハグしたりして、舞台へ。

この握手とかハグ。
もちろん、座組にもよりますが、
雰囲気のいい座組であれば、たいがいやります。

そうなのです。
これでだいたい、座組の空気がわかるのです(笑)


その昔、先輩の男性の役者さんに、
「よろしくお願いします!」と手を出したら、
「ああ」とだけで、完全に無視されたことが・・・。

出したこの手はどうすりゃいいの?

人間関係、大事です(笑)



やはりスキンシップって、
特別な効果があるんですよね。

お互いに言葉を越えた何かが伝わってくる。
それが、これから舞台に上がるってときに、
ものすごく力になる気がします。

芝居は一人じゃできない、ということを、
原体験として思い出させてくれる、みたいな。


といっても、全員にいちいちハグしてたら、
時間が足りなくなる!
(そういう座組もありますが、ちょっと大変

なので、ハグをするのは、役柄が近い、
夫婦役とか、恋人役とか親友役などにして、
あとは握手とかハイタッチにすることが多いかな。


でもね、そうすると、

  ・・・バカみたいな話なんですけど、

そういう相手のいない役の人が、
ものすごーーーく寂しかったりするんです。

え? たかがハグする相手がいないだけで?

それも役の上のことだけなのに?

  どうして? って思うでしょ?

それがね~、
これ、ほんっきで、マジで、寂しいんです!

それほど、ハグの安心感って、あるものなんです。

そして今回、期せずして、
そんな実験をすることになりました。


   (つづく)





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彗星なんとなくウラ話・その29・袖から楽屋へ参りま~す

2020-02-27 15:19:24 | 舞台・ウラ話

そして、小道具置き場の横には、早替えスペースが。

着物もわらじも、さっと手や足を通せる形で置いてあります。


今回、早替え(早い着替え)があった人が何人もいましたが、
地味に大変だったのが侍3人、特に北条と騎一郎でした。

時代が飛ぶ分、洋服になったり袴になったり。
洋服から着物、それも袴は、かなり手間がかかるんです。

2人はこの辺で、ヒカリや教頭先生など、
着物扱いに慣れた人たちに手伝ってもらいながら、
バタバタと着替えていました。


そして、そこから、ドーンと奥にあるドアを開けると・・・、


楽屋へ続く階段です。


ということで、
なんとなく、楽屋の1日の風景を、
時間を追ってご覧いただきます。

     

「おはようございま~す」
といっても朝じゃなかったりしますが(笑)

これが昼の回のタイムスケジュール。


11時までに楽屋に入って、
(といっても、たいがい10時半までには入ってます)

まず自分の鏡前に荷物を置いて落ち着きます。


相変わらず、代わり映えのしない鏡前
今回は白髪があるので、
白髪用の歯ブラシやクシがあって、
かなりごちゃごちゃしています。


ずらりと並んだ衣裳。


冬の芝居なのでコート類も多いですね。


モニターテレビ。


画質が悪くてクリアには見えませんが、
舞台の状況はよくわかります。


アップをして、ダンスや


殺陣などを、全部さらって、


ダメ出しや、お互いの打ち合わせをして終了。


あ、私一人、客席で写真撮ってたのバレてた!


次はそれぞれ、個人的な仕事に入ります。


   (つづく)





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彗星なんとなくウラ話・その28・こだわりの小道具

2020-02-26 14:25:36 | 舞台・ウラ話

昨日は「歯」ネタだけで終わっちゃいましたが、
もちろん、ほかにもイロイロとございました。

ここには、本やらノートやら、
いろいろ置いてあります。


そういえば、今回の芝居、
料理の本から歴史物、果ては内輪受けっぽい戯曲まで、
本が沢山、登場しました。


そして、アルバム!
これ、実は、主宰の家族写真のアルバムだったんです。
だから、背表紙には当然、「平成元年~、〇〇家・家族写真」
みたいなことが書いてある!

だから、常に背表紙が見えないようにしていました。

そんなの見えないから大丈夫、とも言われたんですが、
でも、もし私が客席にいたら、

(何か書いてあるぞ~。なんて書いてあるんだ~?)

と芝居そっちのけで、背表紙に集中します(笑)


こういうひねくれたヤツも一定の割合で存在するので、
だからガードは必要なんです。

死んだら、死体ばっかり見てる人とかね。
いや、ホントに、必ず、いるんです!

あ、関係ないけど、その昔の死体ネタのウラ話。
よろしければ・・・。
「久しぶりに始めます!舞台の裏のウラ話・その1」

久しぶりに読んだら、けっこう面白い!


そして、ここに写ってないもので、
ぜひお見せしたい小道具が2つありまして。


     
楽屋でヒカリが鏡前に置いていたのを見つけて、
細かい仕事にびっくりしたのが、この名刺。


住所からメールまで、
すごいリアリティだと思いませんか?

間違えて客席にでも落とさない限り、
お客様には絶対に見えないものなのに・・・。

ちなみに、この名刺、
稽古場でのとりあえず道具は、
加藤さんが持っていた、焼鳥屋の割引券でした(笑)

しかし、その加藤さんも、
わざわざ書き込んでるんですよね。

「通称 タケちゃん♡ 呼んでネ!」
みんなこだわりすぎ!(笑)


     
そしてもうひとつ、こだわりの小道具がこれ!


このチョコレートケーキ、
近くで見ても、本当に食べられそうでした。

特にこのイチゴの、つぶれ方といい、切り口といい、
いくら見ても本物にしか見えなかった。

こうやって作っていったのだそう。




これも一瞬しか出ないので、
あまりにもったいなくて、
最後の記念撮影では、センターになりました。



   (つづく)




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彗星なんとなくウラ話・その27・ちょっとないほど小さな小道具

2020-02-25 15:34:36 | 舞台・ウラ話

さて、小道具置き場です。


そこで、私がきょんに頼んで、撮らせてもらったのが、
この写真なんだけど・・・。


たしかに私が頼んだんだけど・・・
顔が怖すぎる・・・

出していいかなぁと、ちょっと迷いましたが、
まぁ彼女のことだから、
大丈夫ですよ、望子さーん!と言ってくれるでしょう。

で、きょんの持っているバッグにくっついている、
これ。何だと思います?



これ、<歯>なんです。
だから彼女が歯を見せてるんですね。

     
北条雷太の最初の登場シーンに、
コミカルなドタバタアクションがありました。
(これも本番前ゆえ、ジャージでございます)


そこに、前歯が2本折れたはずなのに、
なぜかまた生えていたという、
その後の話の伏線になる話があり・・・。

あまりにも一瞬で、あまりにも小さくて、
覚えておられる方はいないかもしれませんが、

前歯が折れたという時に、ちゃんと前歯を2つ、
ヒカリが客席に見せていたんですね。

     
稽古場では白い紙を巻いて歯にしていたのですが、
演出家が、なんと、セラミックのちゃんとした歯を、
プロの歯医者さんが使う、あれ!を、
ネットで取り寄せてくれました。

もしかすると、今回の小道具の中で、
一番高価だったかも

見えるかなー? どうかなー?
でも、それでも、こだわるのです!

     
そして、そこからは、役者たちが知恵を絞りました。

この小さいものを客席に見せるためには、
手のひらに置いただけじゃわからない。
・・・で、先ほどのバッグになるんですね。

つまり・・・、
ヒカリが自分の手のひらにくっつけて、
客席にしっかり見せてアピールする。

手のひらにくっついていること自体、
不自然なんだけど、そこはもう仕方がない。

でも、こんな小さいものを、
ポケットなんかに仕込んでおいたら間に合わない。
なおかつ、一瞬で手にくっつけなくてはならない。

そこで、バックの裏側に、
強力な両面テープで歯をくっつけておき、
それを瞬時に取って、手のひらにくっつけ、客席に見せる!

という、意外な早技を要求される仕事をしていたのです。

     
しかし、これで終わりではありません。
手にくっつけた歯を、そのままつけておくワケにはいかないので、

手から歯をはがして、
まず、傍にいるしずえに渡します。

しずえは、とりあえず握っておいて、
帰り際の丹羽先生にこっそり渡して、やっと任務完了。

たかがあの歯2本のために、
これだけの手間をかけておりました。

そしてこのブログも、
歯のネタだけで、1本終わっちゃいました(笑)


   (つづく)



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彗星なんとなくウラ話・その26・上手から下手へ参りま~す

2020-02-24 14:16:10 | 舞台・ウラ話

上手の奥の袖。

見切れ線を越えて舞台に出ると・・・、
こういう景色が広がります。


そのままセンターまで進むと、
気持ちよーく客席が見渡せます。


今はどういう時間かというと、本番のかなり前。
みんな好き勝手にストレッチや声出しをしています。

そして、ここから回れ右して。

袖を見ると、こんな感じ。
こういう中を、役者はハケていきます。




次に、ホリゾントの裏を通り抜けて下手へ。

ここでも右側のスペースはすべて、ライト用。
左側だけが人間の通路です。


ちなみに、左側の白い壁・・・のように見えるのは、
実はホリゾントなんですね。

硬い素材でできているので、
そばで見ても壁にしか見えません。

だから、ちょっと体を支えたくて、手を付きそうになるのですが、
それをやると階段下に真っ逆さまです。
(何度もやりかけた


そして、ここから1歩舞台に出ると、こんな景色。



続いて、黒幕に巻き込まれ事故の起きた、
真ん中の袖はこちら。


裏から舞台にポンと出ると、カウンターの裏側に出ます。
ケーキ屋さんのお店の出入り口です。


と、菜々ちゃんが私を見つけて、
「あ、望子さん、またフライデー!」


はい。確かにいつも隠し撮りなんです。
でもね、カメラ目線の写真ばっかりって、
つまらないじゃないですか。

私のタブレットにはビューティープラスも入れてないし、
若い女子には本当に申し訳ないんだけど、

でもみっともなくても、
私、こうやって生きてます!
みたいな写真って素敵だと思うんだけどなぁ。


もちろん先にグループLINEにあげて、
(メンバー全員にさらしものにして)、

SNSにはそれからあげて、
散々拡散した頃に、
NGだったら言ってねと許可を得るんだけど(笑)


そして、最後。
下手の、客席に一番近い袖を出るとこんな感じ。


黒幕だらけで暗すぎて裏の写真は撮れませんでした(笑)


そして、このまま舞台を突っ切って、上手に入って・・・、

ここにあるのが、小道具置き場。


そして、ヒカリが・・・す、すごい顔だ


   (つづく)




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彗星なんとなくウラ話・その25・今度こそ舞台裏へご案内~

2020-02-23 12:31:17 | 舞台・ウラ話
はい、今度こそ順番に、
舞台裏をご案内いたします~。

まず上手。ナオの家の方。
客席に一番近い袖から舞台を覗いてみると・・・、


隙間からしか見えませんが、
これはオープニングの3人の殺陣パフォーマンス。
袖から見ると、こんな感じに見えます。

このシーンの曲が流れると、
さあ始まったぞーっ、と心も体も引き締まります。


ん? なんか幕の間に不思議な物体が?


しゃがんで舞台を見ている教頭先生、光希さんです。

これは本番ではなく(当たり前!)、
本番前に毎回行われる、
殺陣などのアクションとダンスのチェック稽古なんですね。

次が光希さんも出るダンスなので、
それのスタンバイのついでに、一等席で見ているという。

分かるんだなぁ。
このオープニングのシーン、
何度見てもかっこよかったからなぁ。

着てるものがジャージなのが、ちょっと残念だけど。


そして今度はみんなの出るダンス稽古。


これもみんなジャージで、
靴だけは本番用のものを履いて、
本番と同じく真剣に踊ります。


そしてこれは剣道シーン。


これはもう、舞台に出て、写真を撮っています。

舞台に1歩出たときの役者の目には、
こんな世界が見えています。

・・・と、以上が、一番前の袖。


そして、真ん中には、例の、大変な袖があり、

一番奥が、階段の上になります。

はい、やっと一番奥の袖にきました。


階段を上って・・・、
お久しぶり!白いテープの見切れ線。


ここから出るとお客様に見えちゃうよという線です。

見切れ線のギリギリに立つとこんな感じ。
これが出を待っている役者の視線です。


あれ? 向こうにも誰かいるような・・・。

この時、舞台上は剣道のシーン。
本番なら袖で息を殺してスタンバイしているヒカリが、
こんな気楽な格好で稽古を見てるんですね。

そして、見切れ線を越えて舞台に出ると・・・、


   (つづく)




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彗星なんとなくウラ話・その24・恐怖の出ハケ(4)

2020-02-22 12:52:02 | 舞台・ウラ話

黒幕の出ハケ、
大変なのは上手だけではなかったようです。

私は見ていなかったのですが、
北条役の原くんが、下手の、やはり真ん中の黒幕に、
完全に引っかかっちゃったことがあったようで。


見てないからリアルなレポートができないのが、
すごく残念なのですが(楽しんでる?)


とにかくこの黒い幕、
しっかりと重さのあるものなので、

入ろうとして違う場所に突進すると、
幕が体にからまってくるんです。


言ってみれば、
<クモの巣に引っかかった虫>

彼もまさにその状態で、
中にくるくる巻かれちゃったそう

それもね~、
こういうのって、たいがい、

颯爽とハケる・・・ときに限って、
引っかかったりするんですよね(笑)


彼がどうやって逃げたのか、
残念ながら聞きそびれましたが、

あれほど身軽な人でも、
引っかかるときは引っかかるんですね。


この原因は、もちろん、
舞台のスペースに問題があるわけですが、

これは今回、
ライトが多かったからでもあります。

ちょっと前(その20)にも、

 こんなに広いところから、
 人間も出入りできたら楽なんですが、
 人間が通るのはここではないのです。



と書きましたが、

下手でも、


3本の柱の真ん中はライト専用スペースです。


実は今回、ありがたいことに、
スタッフさんが、それはそれは力を入れて下さって、
なんとあの劇場に、大劇場並みの、
素晴らしいライティングプランが出来上がりました。

だから、これに文句を言ったらバチが当たる!

ライトのスペースを確保しないと、
もし間違えて突っ込んじゃったら、
ライトの角度が変わって、
せっかくのプランが水の泡となってしまうのです。


・・・と、
真ん中の袖の話ばかりになっちゃいましたが、

少々ここで落ち着いて、

いつものように順番に見ていきたいと思います。
(まだ続けるぞ・・・まだ療養中


   (つづく)




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彗星なんとなくウラ話・その23・恐怖の出ハケ(3)

2020-02-21 14:22:52 | 舞台・ウラ話
網に引っかかったアルバムを、
そーっと丁寧に網から外し、ほっとしたものの、

   私はまだ舞台にいるーーーっ!


かなり暗いとはいえ、入れずにジタバタしてるのは、
客席から丸見え!

アセリながらも、
(ゲネでよかった)と安堵している自分もいたりする・・・、


けど、まだ入れない!

  なぜなのよーーー


といっても、
<ライトの近くには行かない>
というくらいの冷静さはもっていたので、


   となると、もう、これしかないっ!


靴とアルバムをしっかり抱えて、
ばたっと床に倒れ、頭から幕に突進。

イモムシのごとくに黒幕の下をずりずりくぐって、

やっと、やっと、やっと、袖に滑り出た~。

あああ、よかったぁ。


  ・・・と、

這いつくばったまま、目を上げると・・・、


   なんで、しずえがいるのよ!


そこには、
私の後ろから入ってくるはずのしずえが、
既にまったりした風情で、
くつろいでいるではありませんか!

そういえば、彼女のことをすっかり忘れてた!

「え?いつ入ったの?」
「もう、さっきですよ~」
「私の後ろにいたよね?」
「あれ?どこで追い抜かしたんだろう??」

たぶん彼女も、早くハケなきゃとアセって、
私がジタバタしているのも気づかずに、
一発で出ハケ口を発見して、入ったんでしょう。

なら、私は彼女のあとから入ればよかったのに。
それを気付かなかったのはなぜ?
あんな狭い所で、なぜぶつからなかったんだろう?

たぶん、この黄色いマルのあたりから、
顔を出したと思われますが、


今となっては、すべてがナゾです(笑)


しかし、これには本当に参ったので、
舞台監督さんにお願いして、

本番からは、私のハケに合わせて、
幕を少しだけ開けて誘導してもらうことにしました。

そうじゃなきゃ、私ぜったいに、
千穐楽までに屋台崩し、やってました


でも、大変なのは上手だけ、
ではなかったようです。


   (つづく)





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彗星なんとなくウラ話・その22・恐怖の出ハケ(2)

2020-02-20 15:02:26 | 舞台・ウラ話

ゲネが順調に進んで、
舞台上の我が家から奥へ入る場面になりました。


我が家になっていた、この真ん中の黒幕。


ここに私が入るときというのは、

48年前に自分の前から去って行った北条さんが、
東京の孫・ヒカリの近くにいることを知って、
突然、「東京に行こう」と言いだすシーン。

つまり、私にとって、シリアスシーンのスタート!
ここでぐんと上げて、次に続けるので、

去り際にしずえに言う、
「北条さんに会いに行くんよ」
のひと言は、もう完全に決め台詞!

かなりクサく、がっつり決めて、
靴を持って(段取り上、どうしても必要なので)、
アルバムを抱えて、家の奥へ消えていく。

さぁ~、ここから物語がまた動きまっせ~、
と、お客様にアピールして・・・消えて・・・。


    消え・・・、


      消え・・・、


     ・・・・・・・・、



  入れなーーーーい


そんなバカな!  え? どこ?

 ここか?

   ちーーがーーうーー



もう舞台のセンターでは、
丹羽先生の語りが始まっています。

幕を少しずつ手繰れば見つかるとは思うものの、
アルバムと靴を持っているため、
両手がふさがっている

こんなところに靴を落としたら、
次は素足で出なきゃならない!

   ああああ、どうしよーーーー

ガタガタやるうちに、今度はアルバムの角が、
網に引っ掛かって、網がゆ~っさゆ~っさ。

  ああああ、やばすぎるーーーー

このまま網を引っ張ったら、
セットの屋根が落ちかねない

となったら、初日を迎える前に屋台崩し!!

いやいやいや、それはないわーーー

アルバムをそーっと丁寧に網から外し、ほっ。


   だけど・・・、


私はまだ舞台にいるーーーっ!


   (つづく)





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