望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話(№6)

2010-02-07 16:46:59 | 舞台・ウラ話
お待たせしました~
やっと続きを書きました~

(これは一昨日からの続きです。
 よろしければ一昨日の分からお読み下さい)


ここから大きくストーリーが展開する、

そのキーワードとなるカード。

それを見つけて、高く掲げるはずの米兵が、
いつまでたっても探している・・・。

とにかく、その間をつながねば・・・


我々は米軍の兵士たちをからかったりしつつ、
米軍チームもそれを怒ったりしつつ、

・・・心はひとつ・・・


「カード、早く持ってこーーーーいっ 


米兵役の彼、これが初舞台だったんです。

なにかトラブって、見つからないのか??
このシーンの設定上、誰も助けに行けないんだぞ!
わかってるのか??
(我々の心の声)


ヒヤヒヤ、ドキドキ 

舞台上に出ている人間は10人以上。

その全員が、
いつもと違う動悸に襲われていました 
 


と、そのとき。

彼が大声を出して、隊長を呼びました。

「隊長!」
・・・ここまでは台本通りです。



でも、手には・・・、
掲げるはずのカードがないっ!
 


「あの・・・、
(奥を指さし)あそこに○○のカードが見つかりました」

台詞が違うだろっ。

・・・って、

カードが見つからなかったのか??
                                                       
カードを見せてこそ、成立する芝居なのに、
どうするんだっ    



米軍の隊長さんは、とりあえず台詞をつなぎました。

「やっぱりあったか。
 おい、なぜ、○○のカードがこの家にあるんだ?」

さりげなく、指示語を固有名詞に言い換えて、
わかりやすくしています。


しかし問題は、次のリーダーの台詞です。
我々は、いつもとは違う緊張感でリーダーを見ました 


リーダー役はベテランの役者さん。
きっと何とかしてくれるだろう・・・。


「へぇー、○○のカードなんてのがあるのかい?
 初耳だぜ。なぁ、みんな」


よっしゃー、つながったぁ~! 
ブラボー 


ゆっくり考えれば、大したことじゃありません。
でも、「ないっ!」とわかって、
台詞を発するまで、せいぜい5秒くらいです。


自分が台詞を間違えたとき(これはけっこうある)は、
なんとかなるんです。
しっかり頭に入っている台詞を、
もう一度再構築すれば、ごまかせることが多いんですね。

ただ、このように、突然外からやってくるハプニングは、
瞬時の対応が、本当に難しいんです。


その意味では、見つからなくても、あわてずに、
台詞を変えて出した新人君の対応も、
なかなかのものでした。

もちろん、あとを続ける隊長とリーダーの、
うまいフォローがあってこそ、つながったのですが。


しかし、あとで新人くんから聞いた、その顛末に、

「・・・・・・・」

みんな、言葉を失いました。

(つづく)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

参加中。よかったらクリックを!

人気ブログランキングへ