若狭神宮寺の「お水送り」神事に参加した一年後の
2014年3月に今度は奈良東大寺、二月堂の
「お水取り」 (修二会) の神事にも参加しました!
一年前に体験した若狭神宮寺の神事と遠敷川、鵜の瀬で注いだ
香水はここ奈良の二月堂の神事ではどうなるのか?
その結末が知りたくて翌年、奈良東大寺を訪ねました!
夕暮れの東大寺「南大門」
現在の門は再建で西暦1203年に竣工した入母屋造り、五間三戸の
荘厳な二重門は高さが25.46mもあって大仏殿に相応しく我が国で
最大の山門となっていることから国宝に指定されています
二月堂で執り行われる神事を目の前で見ることが
出来ると思うとワクワクして急ぎ足になりました!
二月堂の神事「お水取り」は「修二会」と呼ばれていて本尊の
十一面観音菩薩の宝前で3月1日から二週間に亘って続けられる法要
のことで12日の深夜には十一面観音に供える香水を若狭井から汲む
「お水取り」が行われています。この法要は西暦752年に東大寺を
開山した良弁僧正の高弟、実忠和尚によって始められたとされて
います。それ以後、一度も途絶えることなく1265回を数えるに
至り、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など
人々の幸福を願う法要とされています
西暦752年に建立された国宝の「二月堂」
二月堂の周囲には既に凄い人で埋め尽くされていました!
「修二会」の期間中は毎日、10本の松明が灯され、
3月12日だけは11本が灯されます
大きな松明が二月堂の舞台を走ると火の粉が降り注ぎ
この火の粉を被ると風邪をひかないと云われています
二月堂の建物が燃えてしまわないかと心配になるほどに凄い勢いの
火の粉の「行」は見応え十分、迫力満点でした!
松明の行が終わると二月堂の舞台は静けさが戻り
火の粉の行が幻であったかのような感じがしました!
松明が通った回廊に落ちた消し炭を拾い、持っていると
厄除けとかお守りにもなるそうで
その後、数年間は無事に過ごせれましたが・・・
昨年の暮れに足の指を骨折してしまいそのご利益は
消えてしまったようです!
「閼伽井屋」(あかいや)
「閼伽」(あか)とは仏前などに供えられる「水」のことで
その水を汲むための井戸を「閼伽井」(あかい)と云います
そして閼伽井を覆う建屋のことを「閼伽井屋」(あかいや)と云い
二月堂の閼伽井は「若狭井」(わかさい)と称します
この若狭井と呼ばれる閼伽井は普段、全く水が枯れているのに
不思議にも3月12日の深夜「お水取り」の儀式が行われる時に
だけこの井戸から若狭の遠敷川に注がれた香水が懇々と
湧き出すと云い伝えられています
「閼伽井屋と若狭井の説明」
「お水取り」神事では当役以外は誰も閼伽井屋に入ることも
中の様子を伺うことも出来ないそうです
当役が閼伽井屋に入り、若狭井から香水を二荷づつ、汲み上げて
閼伽井屋と二月堂の間を三往復して内陣に閼伽を納めて
「お水取り」の神事は終焉を迎えるそうです
「お水送り」と「お水取り」の神事を若狭の小浜と奈良の東大寺に
二年を跨いで訪ね得た体験は鮮烈で、意味深く、楽しくて
高揚感に溢れ、忘れ難い体験になりました
この素晴らしい体験が後の四国遍路や古寺名刹巡りへと
繋がり、生甲斐にもなっています
こうした機会を与えて下さった目に見えぬ力に
感謝! 感謝! しています