東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

勉強と相性が良いもの

2024-03-10 12:00:00 | 日記

 私ははるか昔、約25年前に中学校で先生をしていたことがあります。まずは「心の教室相談員」から入り、理科の非常勤講師をすることになりました。詳細は書きませんが、そこで見たのは小学校低学年内容が身についていない生徒たちでした。

 中3の夏休み以降、高校に行きたいと勉強した結果、小学校内容は取り返していくことができていたので、能力的に大きな問題があった生徒ばかりではありませんでした。

 そんな経験があったので、私は「もっと基礎的なことをしっかりと身につけてもらう。そんな教育をしたい」と思うようになりました。小学校教諭の免許を持っていなかったので、そろばん教室の先生をすることを決断して今に至ります。

 そろばんというものは、基本的には努力が如実に結果に結びつきます。そして検定試験に限って言えば、他人と勝負する必要がありません。競技大会での上位を目指すことになれば、ライバルとの勝負の側面が出てきます。そして全員が栄を得ることは事実上不可能です。でも検定試験であれば、全員が合格するということが理論上は可能です。つまり「どうせ頑張ったって無理やもん」という言い訳が通じないのです。

 そろばん学習を小学校低学年から行うということの意味はここにあると思っています。努力すること、そしてその努力を努力と思うことなく自然にできるようにすること。ここに大きな意味があると思っています。

 さて、私の教室は学習塾を併設しています。原則として生徒はそろばん学習をしている生徒に限定しています。というか、「そろばん学習を勉強にいかにして役立てるか」という視点を持って指導しています。だからこそそろばん学習をしている(していた)生徒に限定しているわけです。

 例えばそろばん式暗算はそろばんを頭に浮かべ、その映像を操作して計算します。これが小学校時代に鍛えられれば、数学の空間図形を考える力や、英単語を記憶する力。地理では地図帳を脳内に描く力など、脳内を画用紙のように使う力が育つことが期待できます。実際に生徒を見てみると、暗算の級位と学力には大きな相関関係があります。

 こうした能力を伸ばすためには、指導者がその教具・教材の特性をしっかりと知っている必要があります。そして「ある程度の努力を通して結果を得ることの『楽しさ』を経験してもらう」ことを意識している必要もあります。苦行にする必要もないですし、「楽しい」を強調する必要もないわけです。

 

 最近、カードゲームやボードゲームといった「とっつきやすさ」を前面に押し出した学習塾が増えてきているように思います。小学生の間にそうした思考力を鍛える。このこと自体に悪い側面は無いと思います。しかしながら、この楽しさが常に勉強に含まれているとなってしまうと、中学以降の勉強においてしんどい面を乗り越えることを苦痛にしか感じなくなってしまうのではないか?なんてことを思っています。

 あくまでも勉強とゲーミング思考は切り離して考えたほうがいいのかなと思っているんです。そういう意味ではやはり手習いと言われる習い事(そろばんを筆頭にお習字やお琴・三味線などの楽器、華道や茶道といった「道」など)は、勉強との相性が比較的いいのではないかと考えている。そんなお話でした。

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