雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

オネアミスの翼

2012-08-28 00:11:57 | 勇気...映画/音楽
音楽監督は坂本龍一。
主人公の声は森本レオ。
変わりどころでは徳光和夫さんがそのまんまアナウンサー役の声で参加していて、
作画監督や特殊効果スタッフのクレジットには若き日の貞本義行や庵野秀明の名前も。
こんな錚々たるメンツをまとめる監督は山賀博之さん。
この作品が無かったら、恐らく「エヴァンゲリオン」や、
アニメ界にヒット作を数多く排出している制作会社「GAINAX」(ガイナックス)
も生まれていなかったと言われる劇場用アニメ。
それが「オネアミスの翼」。
正式には「王立宇宙軍 オネアミスの翼」というタイトルになっているらしいのですが、
学生時代の僕にとても大切なことを教えてくれた映画作品の一つでもあります。



主人公「シロツグ・ラーダット」が語る映画冒頭の印象的なナレーション。
深みのある優しさを感じる森本レオさんの声で語られるのはこんな言葉。



「いいことなのか、
それとも、わるいことなのか、わからない。
でも、多くの人間がそうであるように、
俺もまた、自分の生まれた国で育った。
そして、ごく普通の中流家庭に生まれつくことができた。
だから、貴族の不幸も、貧乏人の苦労もしらない。
別に、知りたいとも思わない。
子供のころは水軍のパイロットになりたかった。
ジェットに乗るには、水軍に入るしかないからだ。
速く、高く、空を飛ぶことは、何よりもすばらしく美しい。
でも、学校を卒業する2ヶ月前、
そんなものにはなれないって事を成績表が教えてくれた。
、、、だから、、、宇宙軍に入ったんだ。。」



学生だった僕は自分自身に問いかけます。



「自分はどうなんだ?
いったい、、こんな風に学校や仕事、会社、進路を決める人がどれくらいいるのだろうか。
自分はどうなんだ?。。いったい。。」



この作品にオープニンングからずーーっと流れていく空気感。
それは何とも言えない虚無感。倦怠感、退屈感。
退廃的とも言ってよい空気。
主人公や多くのキャラクター達の目つきもうつろげに描かれています。
そしてそんなキャラクター達は皆、殆ど笑顔をみせません。
それはその後「エヴァンゲリオン」にも繋がっていく空気感。
この作品には「エヴァ」へ続いていく「流れ」の源泉のようなものが
存在していることが手にとる様に良く分かります。

そして、その退廃的とも言える空気感は、
主人公シロツグが宇宙飛行士に志願し、成長していく過程と共に、
最後には作品そのものの中で見事に壊されて、
その遥か先に突き抜けていくような解放的なエネルギーへと変えられていきます。

多くの良い作品がそうであるように、
見る者の心情を主人公や作品と同化させ、物語の中に引き込みながら魅せていく。。
というのは当然のことですが、この映画の凄いところは、
これは個人的見解ではありますが、
その見る者が重ねている登場人物達の心情や物語の流れというのがいつの間にか
「この作品を作っているクリエーター達のマインドの流れ」
としても感じられてしまうことです。
それがこの作品を特別なものにしている要因なのではないかと僕は思っています。

当時の若いアニメーター達の日常と葛藤と夢。そして、突き抜けていく衝動。
何故でしょうか......この作品に僕はそんなモノを感じてしまうのです。

特に、庵野秀明が描くロケット発射からエンディングに至るまでのラストシーンは
今見ても美しく、
普通の日常から突き抜けていく様な気持ち、衝動と、
情熱的な「何か」を宿しているように感じられます。
それはその時の庵野さんや制作チームの気持ち、衝動そのもののような気がします。

僕はこの作品を見るといつも黒澤明監督の「生きる」を思い浮かべてしまうのですが、
どこかそんなテーマも持っている作品なのではないでしょうか。
「生命とは自らを表す衝動のことだ」
というようなことを以前ココでも記しましたが、この作品にはそんな部分も感じます。



この映画を見た頃、若かった僕は誰でも通る様ないっぱしの、
そして、極普通の、普遍的なテーマを考えていたりしました。それは

「僕は、何処から来て、何処に行くのか」
「僕は、何故生きている?のか」

主人公のシロツグは、物語中盤で
この「普遍的で若輩的なテーゼ」を僕の代わりに
そのままスクリーンの中の彼の友にぶつけてくれます。



シロツグ
「、、、もしかしたら自分が正義の味方じゃなくって、
悪玉なんじゃないかと考えた時とかないか、、、」


「さあな、、
ただ、、周りのヤツら、親とかみんな含めてだ、、、
そいつらが、、俺をほんのちょっとでも必要としているからこそ、
俺はいられるんじゃないかと思ってる。
金物屋だってそうだろ。
誰かが必要としてるからこそ金物屋でいられるんだ。
この世に全く不必要なものなんか無いと思ってる。
そんなものはいられるはずが無い。
ソコにいること自体、誰かが必要と認めてる。
必要でなくなったとたん消されちまうんだ。。そう思う。。どうだ?」

シロツグ
「うん。。わかった。。。ありがとう。」




「君は、必ず、何かに、誰かに、必要とされているから存在している。」




このテーゼに僕は今まで幾度か助けられて来ました。
僕にとってはとても大切なテーゼ。
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
タマに思い出したように見てみたくなる作品です。


にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 根によって立つ | トップ | うつわ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ハリボテ (twice up)
2016-03-16 22:20:45
ありがとうございます。懐かしいものを、思い出しました。
twice upさんへ。 (amenouzmet)
2016-03-16 23:32:02
twice upさんのおかげで僕も久々にこの記事を読みました。
頑張らないとですね(^_^)

コメントを投稿

勇気...映画/音楽」カテゴリの最新記事