あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

雑草の日:花を愛でキノコに舌鼓

2020-01-28 06:29:39 | 日記
根こそぎ倒れる

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げていますが、今週は若干趣を違えて
毎日の様に通る森林公園のウォーキングコースが荒らされた話です。
雑草の天国だった場所が酷いことになってしまいました。
 そこは雪が融ければフキノトウやゼンマイが顔を出し、春にはイカリソウやショウジョウバカマ
が咲き、夏にはオカトラノオの花が風にそよぎ、秋になれば異形のオヤマボクチの花が見られる場所。
沢から尾根に至る南向きの広い斜面です。
 およそ100段の階段があり、通るたびに体を鍛えているなあと実感できる場所でもあります。

 辺りには昔植林されたのであろうカラマツが数多く並んでいます。
それが今回の惨事を招いた元凶です。
 昨年10月の台風19号の激烈な風が1本のカラマツを根こそぎ倒しました。
根元にぽっかり空いた大きな穴は階段の一部も破壊し、太い幹や枝はあたりをほじくり返して
いました。
 こりゃひどい、気象災害で雑草の楽園が台無しだ。
その光景を目にしてそう思いましたが、その結果をもたらしたのは実は人間でした。

カラマツこそいい迷惑

 植林用のカラマツは種を蒔いて育てます。
1年程経った時点で苗を選別するために植え替えが行われます。
金属刃がついた専用のトラクターで地表から15cmの深さで掘り起こしますが、それより
下に生えている根は切断されてしまいます。
 その根は「直根」と呼ばれ重力方向に深く伸び、水平方向に広がる「側根」と共に木を
倒れにくくしています。
 ところが直根は一度切られると再生せず、側根も細くなるので風などに弱い木になって
しまいます。(県林業総合センター より)
 県内の人工林約33万ヘクタールのうち、半分の約17万ヘクタールがカラマツ林。
戦後の復興期から高度成長期に盛んに植えられましたが、そのほとんどは直根が切られた苗です。
(県森林づくり推進課 より)
 台風になぎ倒されたカラマツは、人の手によって倒れるべくして育てられた木でした。

 直根を残しての植え替えは手作業になりますが、山林種苗農家は何万本ものカラマツの
苗を育てるので機械に頼らざるを得ません。
<専門家は成長すればするほど重心が高くなり、強風によって根ごと倒れる「根返り」が心配。>
とし、災害に強い森林づくりを提唱しているそうです。(信濃毎日新聞 より)
 イカリソウやオヤマボクチが生える場所は雑草の楽園。
その斜面を太くて頑丈な幹で薙ぎ払ったカラマツの無慈悲な暴虐。
私の目にはそう映りました。
 しかし自然はそんな出来事などとっくに織り込み済み、それらもひっくるめて時は流れます。
ショウジョウバカマやゼンマイは邪魔な木を除けて再生します。
朽ちた木はやがておいしいハナイグチやハナビラタケの温床に変わります。
 花が咲けばきれいだと騒ぎキノコを見つければおいしいとまた騒ぐ。
そんなお気楽な私が文句を言うなんて、カラマツに失礼でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする