あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

昭和のプロレス:手垢の付いていない超大物

2018-02-23 06:29:09 | 日記
舞台は整った

 毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」をお届けしています。
長く続いたUSチャンピオンシリーズも今週で最終回、最後を飾るのは
半世紀前に日本で行われたUS王座を巡る熾烈な戦いです。

 アメリカ修行を終えた猪木は、凱旋帰国して順調にスター街道を突っ走る
予定でいました。
ところが突然日プロに辞表を叩きつけたのです。
「戻っても馬場の下になるだけだぞ」
そうささやいて豊登は猪木を新団体に誘い込みました。
 力道山の弟子として同時期に入門しながら、常に馬場は猪木の前を走って
いました。
猪木はそれを我慢できなかったのです。

 新団体にとって一番の難問は客を呼べる有名レスラーの招聘です。
アメリカの主要団体は日プロの妨害によってどこも契約を渋ります。
 仕方なく猪木は自ら渡米し伝手を頼ってレスラー個人と交渉を始めました。
一か月に及んだ滞在の末、漸く超大物と契約を結ぶ事ができました。
(プロレスの証言者 より)
馬場も国内では戦った事が無いジョニー・バレンタインです。
猪木は馬場の手垢のついていない大物の引っ張り出しに成功したのでした。

記録は無かった

 1966年10月12日蔵前国技館に1万人以上の観衆を集めて、時間
無制限の戦いが始まりました。
時にバレンタイン38才、猪木23才。
 エルボーを脳天に突き刺し鉄柱に叩きつけるバレンタインの猛攻、ネック
ブリーカーにコブラツイストで反撃する猪木、31分56秒にリングアウトで
猪木の勝利です。
 宮城、大阪、横浜と両者はUSベルトを賭けて各地で熱戦を繰り広げます。
とは言えアメリカ遠征から戻ったばかりでは、ファンは前座時代の猪木しか
知りません。
力道山と一緒に毎週テレビに出ていた豊登の方が、世間では余程知られていました。
 「豊登を見に来て猪木を見て帰った。」
そう言われる程猪木の試合は見た者を熱狂させましたが、そもそも会場に来る
客の数は限られています。
赤字興業が続いた上に契約上のトラブルも発生して、東プロは旗揚げシリーズ
で早くも頓挫してしまいました。

 もしもテレビで流れていれば猪木は一夜にしてスターになっていたと言われます。
一連の試合は新鮮で激烈だったと言われる伝説の試合です。
しかし残念ながら見る事はできません。
「ひとつだけ選ぶならこの試合」
「生涯で見た最高の試合」
そう絶賛して試合を振り返るプロレス記者がいますが、その発言は実際に会場に
足を運んだ者だけに許される特権です。
何処をどう探しても、試合の映像は一切残されていません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信濃の国を学ぶ:有名人はちょっと偏屈

2018-02-22 06:29:19 | 日記
暗殺者の後悔

 毎週木曜日は県歌・信濃の国を勉強しています。
5番の歌詞には郷土の偉人が次々と出て来ます。
4人目は「象山佐久間せんせいも」、いよいよ北信に馴染みの深い人物が
登場しました。
しょうざんともぞうざんとも読まれますが、信濃の国では「ぞうざんさくま
せんせいも」と歌われています。

 江戸の世の末は迫りくる外国の脅威にどう立ち向かうか、国内の意見が
真っ二つに割れていた時代です。
 松代藩士だった象山は兵学者であり朱子学者であり思想家でもありました。
その知識を基に開国を主張しましたが、単に外国に追従するだけではありません。
先進技術を学び国力を上げた後に列強の仲間入りを果たす、それを真の目的
とする一味違った開国論を唱えていました。
 しかしどんなに優れた意見でも尊王攘夷派にすればどれもこれも一緒、
1864年8月12日に京都でめった刺しにされて命を絶たれました。
(産経WEST より)
 後に暗殺者は象山の考えや功績を知っておおいに後悔をしたと言われますが、
散った命はかえりません。
53年の短くも波乱に満ちた生涯でした。

大志を抱く

 二重瞼の端正な顔立ち、筋骨隆々で175cmの当時としてはかなり立派な
体格をしていました。
しかも大きいのは体だけではありません、態度も凄かったと言います。
 義理の弟の勝海舟は、厳しい口調で象山の性格を咎める言葉を残しています。
多くの資料に、自信過剰で人を見下す性格だったと記されています。
 その反面知識を深めてそれを広める事には熱心でした。
坂本龍馬や吉田松陰らの錚々たる人物を弟子に持ち、培った知識を秘匿せずに
惜しみなく公開したと言います。
 オランダ語をたった2カ月で習得し科学、医学、軍事に精通し、ガラスの製造
から大砲の鋳造まで好奇心の赴くままに物を作りだしました。(歴史の読み物 より)
 その勢いで日本初の実験も行っています。
今でも松代に残る旧松代藩の高さ12mの鐘楼に、オランダ語の文献を参考に
70mの電線を張り、通信の実験をしたのでした。
サミュエル・モールスが世界初の電信機を開発して僅か5年後の事です。
 極東の島国の山奥の信州で、郷土の先人がそんな活躍をしていたのでした。

 小学生の課外授業での話ですから今から50年も前の事ですが、松代一帯の
名所旧跡を回りました。
その中に件の鐘楼もあり、実験の説明もありました。
 それを聞いて感銘を受けた私は誓いました、「自分も発明家になるゾ」と。
思うに凡人の得意技は「すぐに夢を持てる事」、そして苦手なのは「それを追い
続ける事」。
 子供心に抱いた大きな夢は、お弁当を広げた芝生の上で春の風に吹かれた
だけで何処かに飛んで行きました。
だからその日家に帰った頃には、欠片も残ってはいませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身近な生き物:犯人の足跡を鑑定

2018-02-21 06:29:49 | 日記
刑事と猟師

 産経ニュースにこんな記事がありました。
<日本の警察が足跡から犯人を特定する技術は世界一>
 靴底の写真を集めたデーターベースには、新製品が出る度に販売店から情報が
集められ、現在約15万足分の資料があると言います。
このデーターと犯人が残した痕跡を照合するのですが、足型を採る方法も様々です。
 土砂面に残った物はへこんだ部分に石膏を流し込みます。
その様子はドラマで馴染みのシーンですが、室内ではどうするのか知りません。
実は静電気を使うのだそうです。
 畳やじゅうたんに静電気を当てると靴底の形のままにホコリが浮かび上がるので、
それを粘着シートで剥ぎ取って靴底を特定すると言います。
 どの分野でも専門家のノウハウは凄い物です。

 足跡を追いかけると言えば猟師も凄い能力を持っています。
残された跡を見てどんな獣が歩いたかを推察するのは当たり前、ベテランの猟師
になると車の轍を見て車種はもちろん、場合によっては所有者まで特定すると
言います。(inoshika-yasuda より)
 その道のプロの観察力にはただただ恐れ入るばかりです。

その道の素人

 さて私はその道でもどの道でも生粋の素人です。
だから先日雪の上で、見た事のない獣の足跡を見つけて唸りました。
タヌキとイノシシの足跡の区別くらいしかできない私に出された難題は、「Yの字」
をしていました。
 この形ですぐに思い浮かぶのはウサギです。
Yの字の上の2本が後ろ足、その下に前足の跡が縦にふたつ並んで線を作ります。
特徴的なのは後ろ足の跡が数倍大きい事。
 しかるに私の見ている足跡は前も後ろも同じ大きさをしているので、ウサギの
物とは思えません。
はて何の跡だ?

 そう言えば何かで読んだおぼろな記憶があります。
<テンがウサギと似た足跡を残す事もある。
跳び箱を飛ぶ時の格好で走り抜けるとそんな足跡になる。>
確かそんな内容だった気がします。
 テンはイタチの仲間、雑食で単独行動を好み木登りも泳ぎも巧みです。
頭と尾の先だけが白く他が全身黄色の冬毛になるものをキテン、冬でも黒褐色を
しているのをスステンと呼びます。
テンの毛皮は高価に取引されますが、特にキテンの物は価値が高いそうです。
(private Zoo Garden より)

 テンの足跡には5本の指と肉球と爪先がクッキリと残ると言います。
(足跡図鑑 より)
ならば現場で確認しようと3日後にもう一度その場所に行きました。
 ところが雪が緩んでしまって跡はかなり融けています。
少し前まで足跡だった物には指も肉球も爪先もありません。
刑事でも猟師でも無い生粋の素人の私は一切手がかりを見つけられず、こう思う
しかありませんでした。
「これはただの穴」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雑草の日:転がるキノコ

2018-02-20 06:29:19 | 日記
雨が降ればカサを開く

 秋の終り頃、この場所に不思議な物があったのを思い出しました。
それは遊歩道脇に落ちていた、ヒトデの上におまんじゅうを乗せた形をした
キノコでした。
 生えているのでなく転がっていたので、きっと別の場所で採った誰かが
やっぱ要らないや、とここに捨てたのだろうと思いました。
ところが私の想像は大違い、なんとキノコは自分でここに移動して来たのでした。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週はまだ雪が降る前に見つけた不思議なキノコ、ツチグリ科 ツチグリ属 
ツチグリ です。

 特徴的な形なので、図鑑を調べてすぐに同定できました。
3cm程の丸い部分はグレバと呼ばれ、その中には胞子が一杯に詰まっています。
それを包む厚い外皮は成熟すると7から10片に裂けてヒトデの形に開きます。
 開いた外皮は晴れた日には閉じて丸い形に戻ります。
雨が降って水がしみ込むと内側が膨らんで伸びるので、また外に向かって開きます。
この時滴がクレバに当たると、その振動で胞子がてっぺんの孔から外に吹き出します。
(ミクロワールド より)

 キノコの専門家ホクトの「きのこアルバム」にこんな記述がありました。
<天気が良く乾燥した日には外皮を閉じて丸くなって風で移動、雨で湿度が
高い日には新しい場所で外皮を広げて胞子を散布するという、とっても賢い
きのこです。>
 まだツチグリの真の姿を知らなかった私は、これを読んだ時に思いました。
「まるでキノコが歩くみたいに書いてあるね、風で移動するのは胞子でしょ」
ところがところが専門家に間違いなどある筈がありません、ツチグリは本当に
風に吹かれて動くキノコなのでした。

日本で初の公演

 <乾燥すると外皮が内側に丸まり子実体の袋状頭部を覆い隠す。
晴天時には風などで転がって移動する。
湿気を帯びると外皮を開いて転がらない様に体を支え、同時に頭部を上向きに
保持する。>(草花と自然Blog より)
 仕組みは良く理解できましたが、分からないのは移動する理由です。
ツチグリはもはや自分が植物である事を忘れているのかもしれません。
あるいは「風に吹かれて」転がる生き方が、好きなのかも。
 急にあの歌を聴きたくなりました。

 40年前の今日、1978年の2月20日はノーベル賞を受賞した偉大なあの
お方が、日本で初めてコンサートを開いた日です。
日本武道館には「答えは風に吹かれて 風の中で吹かれている」、しわがれた
あの声が響いたのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

健康長寿:エッ500も仕事があるの?

2018-02-19 06:29:49 | 日記
驚異の再生能力

 毎週月曜日は専門知識の欠片も持たない私が、ウォーキングを通じて健康
長寿を手に入れようと奮闘するお話です。
 昨年秋に健康診断を受けましたが、良い結果もあれば悪い結果もありました。
結果に一喜一憂するよりも、悪かった健診結果もウォーキングをしていれば
改善できる、そんな裏付けが欲しくて毎週ひとつずつ検査項目を取り上げています。
 今週は血液検査で知るあの臓器です。

 マウスの実験では70%を切り取っても、1週間後には元通りの重量に回復
する程の凄い再生能力を持つ臓器。
消化を助ける胆汁を生成し、ブドウ糖をグリコーゲンに変えてエネルギー源と
して貯蔵し、アルコールなどの有害物質を中和し、その他に500もの機能を
持っていると言われる臓器、それが肝臓です。(ソニー損保HP より)
 本来は丈夫な器官ですが、食べ過ぎやアルコール過多などにより正常な働きが
損なわれる事があります。
大酒呑みの私としては、ウォーキングの効果がおおいに気になるところです。

 最初に結論を言ってしまえばウォーキングなどの有酸素運動は、二重の意味で
肝臓の働きを助けているそうです。
 糖やアミノ酸の代謝とアンモニアなどの解毒は、筋肉も代行しています。
有酸素運動は筋肉量を維持するので、肝臓の働きをサポートする意味で効果大です。
また運動エネルギーとして脂肪を消費するので肝臓に溜まりにくくなり、その面
でも効果的。
 一方で無酸素運動は大量の乳酸を処理させるので、かえって肝臓に負担を掛けて
しまうと言います。(肝機能改善マニュアル より)

かんぱーい!

 検査項目には幾つものアルファベットの名称が並びますが、なぜあんなに種類
が多いのか不思議でした。
調べてみると、検査方法は実に200種類もあるそうです。
肝臓の障害には自覚症状が出にくいので、幾種もの方法で詳しく状態を探る必要が
あるのだそうです。
 具体的にはAST(GOT)とALT(GPT)は異常があった場合に、血液中に漏れ出る
タンパク質を分解する酵素を検知します。
何で2つの表記があるのか疑問でしたが、現在()内の名称に変更されつつある為
だそうです。
 γ-GTPもタンパク質分解酵素が血液中に出ていないかを調べます。
これら3つは特定健診で40歳以上に義務付けられている検査項目です。

 健診表には他にALPとLDHがありました。
前者は乳製品などに含まれる物質を分解する働きの酵素、後者は糖質をエネルギーに
変える働きをする酵素、共に肝臓に異常があると血液中に漏れ出すのでそれを検知
すると言います。(肝機能ナビ より)
 お蔭様で上記の検査の測定値は全て基準内に収まっていました。
ウォーキングに乾杯です。
呑み助オヤジはそう言いながら、今日も旨そうにグラスを干すのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする