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身近な生き物:温暖化のハエ

2023-11-08 06:29:09 | 日記
未解明な生態

 恐ろしい光景を目にしました。
それは公園の芝生で見つけた一匹のスズメガの幼虫。
鮮やかな緑色の胴体をくねらせてのそのそ進んでいましたが、その横に
付かず離れずしていたのが小さなハエ。
 最初に見た時は、人差し指程の幼虫と小指の爪程のハエがタッグを組んで
ゴールを目指しているかと思いました。
如何にも小春日和に似合うのどかな光景に見えたのですが、それは大きな勘違い。
実は生死を掛けた争いの真っ最中でした。
小さなハエが大きなガの幼虫を襲っていたのです。

 見た目は普通のハエに見えましたが、これは寄生バエの一種。
ハエの仲間の最大のグループに属していました。
 <ヤドリバエ科は世界に1万種以上いて、日本では503種が確認されている。
その多くはチョウ目の幼虫に寄生する。
しかし生態については未解明な部分が多く、寄主、交尾システム、生息環境
などの基礎的な情報でさえ掴めているのは半分にも満たない。>
(ヤドリバエ科の一種 より)

ヒトもターゲット

 観察を続けると寄生バエは幼虫の胴体を正面に見据えて、横歩きで
追っていました。
 時に草が邪魔になって追跡が遅れます。
ならば飛び上がって上から襲い掛かればと思うのですが、何故か地上作戦
に拘り飛びません。
 隙を見て側面から這い上がり背中に陣取ると、気配を感じた幼虫が頭を
反らせて追い払います。
地上に逃げたハエは、でも諦めません。
 同じことの繰り返しに見ているこちらが観察を諦めてしまいました。
だから結末は分かりませんが、恐らくは隙を見て寄生バエが幼虫の体表に
幾つかの卵を産み付けたのでしょう。

 ある種の寄生バエの卵は孵化しても暫くはスズメガの体内でおとなしく
しています。
やがてスズメガが蛹になると活動開始、体内を食べ尽くします。
 一定の成長を果たすと蛹から脱出し、地面に潜って今度は自分が蛹になります。
その後10日から2週間で羽化、成虫になると獲物を漁ります。
ロックオンされたスズメガの幼虫は地面を逃げ回わり、やがて生きたまま
喰われてしまいます。
恐ろしい話です。

 驚いたことに人間をターゲットにする寄生バエもいるのだとか。
<ある種のハエは人の傷口やただれのある箇所、あるいはその近くに卵を
産み付ける。
孵化した幼虫は皮膚に潜り込んで寄生虫となる。>
 生きながら肉を食われる恐怖が人間にも及ぶとはおぞましい。
でも続きの文章に救われました。
 <これを皮膚蠅症(ひふそしょう)と呼ぶが、通常は熱帯地方の国で
起きる病気。>(MSDマニュアル より)
 やれやれ、と思ったのも束の間。
今は地球温暖化の真っただ中じゃないですか。
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