あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

昭和のプロレス:カネック再生計画

2020-12-04 06:29:09 | 日記
ファンは唖然

 メキシカンレスラーのカネックと聞いて昭和のプロレスファンの脳裏を掠める
のは「敵前逃亡」の4文字。
試合直前に会場を抜け出しメキシコに逃げ帰ってしまったのです。
 二度とファンの前に顔を出せない失態ですが、不思議なことにその後13回
も来日しています。
ファンを失望させたカネックがどうして再起できたのか、その謎に迫ります。

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を盛り立てた脇役を振り返って
います。
今週は「敵前逃亡の汚名返上 カネック」です。

 初来日は1978年3月の新日本プロレスビッグファイトシリーズ。
人気絶頂だった藤波の好敵手として迎えられ、シリーズの序盤からふたりの
絡みが毎週テレビで放映されました。
 カネックが押しまくり藤波危うしの気配が濃厚な中、いよいよ30日の蔵前
国技館での一騎打ちを迎えます。
しかし当日の8時、テレビをつけたファンは唖然としました。
肝心のカネックが姿をくらましてしまったのです。

 カネックの緊急帰国の理由はいろいろと推察されています。
しかしファンの期待を裏切って逃げ出したのは事実。
本来ならば再来日はあり得ません。
 ところが翌年4月の第2回MSGシリーズにメキシコ代表として、何事も
なかったかのように参加しているのです。
新日幹部はカネックにもう一度チャンスを与えることにしたのでした。

ファンの意識変革

 メキシコに逃げ帰ったカネックを待っていたのは所属団体からのきついお達し。
3カ月の出場停止処分を言い渡され前座の第1試合からやり直す日々。
 そのカネックを救うために先ず動いたのは御大猪木でした。
メキシコ遠征の際にカネックに挑戦の機会を与え、その試合をシリーズ開幕の
4月27日にテレビ放映したのです。
 当時の新日ファンにとって猪木は絶対の存在。
その猪木が戦うとなればカネックに抱いた失望もいくらか薄れます。

 ファンの意識を微妙に変えると、次に新日はカネックの露出を高めます。
シリーズ3週目の金曜8時、藤波ソリタリオ戦に乱入させて存在感をアピール。
4週目には猪木を含む6人タッグでメインに出場。
2本目に当時としては驚愕の技トップロープからのトペで藤波を鮮やかにフォール。
3本目もアルゼンチン背骨折りなどで攻めまくります。
 ここまでくるとプロレスファンは両者の決着を見てみたくなります。
そして組まれたのは所も同じ蔵前国技館での一騎打ち。
試合は白熱の攻防の末、藤波にドロップキックを迎撃されたカネックが3カウント
の負け。
でも「もう一度見たい」とファンに思わせる内容でした。

 2018年に66歳になったカネックが日本にやってきました。
会見で記者にこう問われました。
「あの蔵前大会の敵前逃亡をどう思いますか」
 これに対してカネックは臆することなく答えます。
「昨日のことも覚えていないのに40年も前の話なんか覚えていないよ」
そう言うとアハハと笑い飛ばしたのでした。(東スポweb より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする