水の汚れは、生き物が教えてくれる。
前回の日本の水環境のはなしのうち、地方河川の有機物汚染に関連する
はなしとなります。ご参考までによろしかったら。
↓
『水の汚れは、生き物が教えてくれる。』
水の汚れには、無機汚濁(化学物質による汚濁)と有機汚濁(家庭や工
場、農地などからの排水に含まれる有機物による汚濁)があります。
このうち有機物汚濁の原因となるものを具体的に説明しますと、食物の
残飯や排泄物などを含んだ生活排水や、動植物の遺骸などがこれにあた
ります。
生活排水はまだしも、動植物の遺骸などがそんなにあるものなのだろう
か・・・と思われる方もおおいとおもわれますのでたとえば農業生産の
分野を例にとって説明しますと、たとえば骨粉や皮革粉、血粉や鳥の羽、
魚粕などが、動物質の遺骸にあたります〔排泄物由来のたい肥もありま
す〕。またナタネ粕や綿実粕、米ヌカなどが植物質の遺骸にあたります。
これらの有機物汚濁は、原因物質自身そのものは、もちろん有害ではあ
りません。
問題となりやすいのは、 量 です。
問題となりやすいのは、 生 である場合です。
多量になった生の有機物が水域に流入した場合に、水環境へ影響をもたら
すことが問題となるのです。
このような有機物の水環境への悪影響については、次のようなものが
考えられます。
○ 腐敗することで悪臭を放つ
○ ヘドロとして蓄積される
○ 微生物に分解される時に水中の酸素がなくなっしまう
ことなどが挙げられます。
そこで 水が きれいなのか・汚れてきているのかを判定する方法で
すが・・・じつは そこの水に棲む生き物たちの種類と数によって、
判定が可能なんです。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次
のような生物の変化がおこっていきますよ。
カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカ→イトミミズ→サカマキガイ→チョウバエ
と、このように変化します。この判定方法ですが、たとえばですね、
カワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、イトミミズやチョウバエ
が多いほど有機汚濁が多いものと判断される
というわけです。ちなみに水環境の悪化の判断には、生物相が単純化
していくことも問題とされますよ。たとえばいきものが多いとはいっても
イトミミズやチョウバエばかりの水環境では問題がある
ということになります。
いじょう水環境の悪化は有機物の大量投棄によってもおこるということ。
そしてその水の環境悪化の程度は、〔機器にたよらずとも〕そこに住ん
でいる生物の数と種類によって判断が可能だ というおはなしでした。
日本の生きものたちのためにも、水環境のためにも、そして われわれ
自身のためにも、身の回りの“水”変化には注意していきたいものです。
▼ ・・・もうすぐ春。わらわらと大量に、たくさんの種類の
水辺の生物たちが でてくる水辺になってほしいなとおもうんですよ。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
前回の日本の水環境のはなしのうち、地方河川の有機物汚染に関連する
はなしとなります。ご参考までによろしかったら。
↓
『水の汚れは、生き物が教えてくれる。』
水の汚れには、無機汚濁(化学物質による汚濁)と有機汚濁(家庭や工
場、農地などからの排水に含まれる有機物による汚濁)があります。
このうち有機物汚濁の原因となるものを具体的に説明しますと、食物の
残飯や排泄物などを含んだ生活排水や、動植物の遺骸などがこれにあた
ります。
生活排水はまだしも、動植物の遺骸などがそんなにあるものなのだろう
か・・・と思われる方もおおいとおもわれますのでたとえば農業生産の
分野を例にとって説明しますと、たとえば骨粉や皮革粉、血粉や鳥の羽、
魚粕などが、動物質の遺骸にあたります〔排泄物由来のたい肥もありま
す〕。またナタネ粕や綿実粕、米ヌカなどが植物質の遺骸にあたります。
これらの有機物汚濁は、原因物質自身そのものは、もちろん有害ではあ
りません。
問題となりやすいのは、 量 です。
問題となりやすいのは、 生 である場合です。
多量になった生の有機物が水域に流入した場合に、水環境へ影響をもたら
すことが問題となるのです。
このような有機物の水環境への悪影響については、次のようなものが
考えられます。
○ 腐敗することで悪臭を放つ
○ ヘドロとして蓄積される
○ 微生物に分解される時に水中の酸素がなくなっしまう
ことなどが挙げられます。
そこで 水が きれいなのか・汚れてきているのかを判定する方法で
すが・・・じつは そこの水に棲む生き物たちの種類と数によって、
判定が可能なんです。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次
のような生物の変化がおこっていきますよ。
カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカ→イトミミズ→サカマキガイ→チョウバエ
と、このように変化します。この判定方法ですが、たとえばですね、
カワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、イトミミズやチョウバエ
が多いほど有機汚濁が多いものと判断される
というわけです。ちなみに水環境の悪化の判断には、生物相が単純化
していくことも問題とされますよ。たとえばいきものが多いとはいっても
イトミミズやチョウバエばかりの水環境では問題がある
ということになります。
いじょう水環境の悪化は有機物の大量投棄によってもおこるということ。
そしてその水の環境悪化の程度は、〔機器にたよらずとも〕そこに住ん
でいる生物の数と種類によって判断が可能だ というおはなしでした。
日本の生きものたちのためにも、水環境のためにも、そして われわれ
自身のためにも、身の回りの“水”変化には注意していきたいものです。
▼ ・・・もうすぐ春。わらわらと大量に、たくさんの種類の
水辺の生物たちが でてくる水辺になってほしいなとおもうんですよ。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」