脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

脳脊髄液減少症のQ&A 3

2008年08月31日 | 高次脳機能障害

8月29日放送の、NHKきょうの健康Q&Aを見た

感想のつづきです。

脳脊髄液減少症で高次脳機能障害を感じている

患者について蜂須賀先生のお答えの中の、

気になる部分を繰り返すと、

1、脳脊髄液減少症そのものは、

  高次脳機能障害と全く同一ではありません。

 

2、交通外傷などで脳に損傷を受けた時に

  脳脊髄液減少症を合併する可能性があります。

 

3、脳にあきらかな損傷があるということが

  第一であります。

 

4、高次脳機能障害に該当する認知障害が

  あるかどうかというのを検査して、

  診断していただくのがポイントかと思われます。

 

の4点ですが、

このご意見は

今までの脳外傷や脳疾患の高次脳機能障害の概念だけでの

ご経験での意見だと私は感じました。

 

脳脊髄液減少症の高次脳機能障害にも苦しんできた患者の私から見て、この4点の発言は

脳脊髄液減少症患者の

置かれている現実と状況に即しているとはいえず、

とても違和感を感じました。

しかも、このお考えでは

高次脳機能障害を訴える患者さんがいて、

万一その症状が

脳脊髄液減少症が原因であった場合、

脳脊髄液減少症を意識しない、

一般的な脳の検査画像に異常が映らなければ、

「異常なし」として見逃してしまう危険さえ感じます。

 

それどころか、

高次脳機能障害というひとつの症状から

脳脊髄液減少症という原因に気づけない、

たどりつけないことにより、

ブラッドパッチで治る可能性のある高次脳機能障害患者までも、

見逃し、回復の可能性まで

断ってしまう危険性も感じます。

脳脊髄液減少症は

頭の先から足の先まで、

体の表面から体の内部まで、

身体から精神まで、ありとあらゆる症状が出ます。

それらの症状の組み合わせから、

脳脊髄液減少症を、

見抜くことができる医師が増えなければ、

脳脊髄液減少症の早期発見は望めません。

 

先生のこの4点の発言を聞いた時、

私はこの先生は、おやさしい先生かもしれないけれど、

失礼ながら、

脳脊髄液減少症のことは詳しく知らない先生だな?・・・

と感じてしまいました。

 

おそらく、

脳脊髄液減少症での深刻な高次脳機能障害に苦しむ患者の

実際の診療には、

ほとんど、かかわっておられないのではないかと感じました。

 この4点に対する私の反論は、詳しく書くとまた長くなるのですが、

明日から、9月1日、2日、5日とまたNHK教育テレビで午後1時05分から

「きょうの健康」で高次脳機能障害の再放送があるので、

関心のある方、見逃した方は、どうぞご覧ください。

再放送前に、私の反論の要約も書いておきます。

まず、

1、脳脊髄液減少症でも、

脳に傷のある方と程度に差こそあれ、

脳に傷のある方と同様の、

記憶障害、

注意障害、

遂行機能障害、

社会的行動障害など、さまざまな高次脳機能障害がでます。(本当です。!)

 

2、交通外傷などでたとえ脳に損傷を受けなくても、

私のように、交通事故で体に衝撃を受け、

軽症扱いされた人でも、

脳脊髄液減少症になり、深刻な高次脳機能障害が出現します!!。

 

3、脳に明らかな損傷がなくても、

  脳脊髄液の減少のような、

  脳が機能低下するような、異常な環境におかれれば、

  高次脳機能障害は出現します!!。

 

4、脳脊髄液減少症でも高次脳機能障害に該当する、認知障害は現れますが、

現行の高次脳機能障害の検査方法では、

脳に傷のある方用に、検査が作られており、

脳脊髄液減少症の高次脳機能障害を検査する目的では作られていないため、

  脳脊髄液減少症の高次脳機能障害は正しく検査できません。

したがって、現行の高次脳機能障害の検査方法では

脳脊髄液減少症の高次脳機能障害を

正しく診断できません。

 

大学のえらい教授に、無学な私がえらそうに意見して申し訳ありませんが

体験のない人間が

体験のある人間から学ぶのは世の常だと思います。

知らない人は、

知っている人間から学びとるのも世の常だと思います。

 

それにしても、どうして、苦しい闘病の最中に、

患者が自ら、この病気の症状や、その苦しさや窮状を

必死で医師や社会に訴えなければならないのでしょうか?

 

それは、

病気が病気として認知される、過渡期に当たってしまった

患者たちの宿命かもしれませんが、

 

患者が症状を抱えながら、

病人としてなかなか社会や医学界に認めなれない状況で、

医療も福祉も充分支援のない中で、毎日の生活をし、

苦しい症状と戦いながら生き、

 

世の中に、この病気が現実に存在すること

交通事故で起こること、

正しい診断と治療により、軽快する可能性があることを

伝え続けなければならないことは、

 

実は精神的にも肉体的にも、とても負担になる過酷なものです。

 

それを患者たちに強いているのは、

無理解な社会であり、

無理解な医学界であり、

無理解な国です。

 

 医学に認められた病なら、

医学の教科書にもその病について記載されていますし、

医師も学んで、共通認識がすでにできあがっていますから、

その病気になっても、患者はこんな認知活動の苦労をしないですむはずです。

 

脳脊髄液減少症患者が、身体的にも、

精神的にも、

どれだけ恐ろしい見えない症状に苦しんでいるのか、

 

どれほど、社会の無理解に苦しんでいるのか、

 

「見えない障害」の「高次脳機能障害」の研究者、治療者である

高次脳機能障害専門医の皆様方は知るべきです。

学ぶべきです。

 

高次脳機能障害にかかわる医師の皆さんは

自分の、大学とか診療科とかいうテリトリーを飛び出して、

一人の医師としての初心に帰って、

今すぐ、脳脊髄液減少症患者の治療実績数の多い医師の元を訪ねて、

数多くの脳脊髄液減少症患者と接してきた医師の

話を聞くなり、

生の脳脊髄液減少症患者の話をきくなりして

もっと勉強してください。!!

よろしくお願いします。 

 

次回は4つの点について、

ひとつずつ、私の考えを詳しくつづりたいと思います。

 

毎日新聞記事

 

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