この震災からの事故などを見て、「何かを得るには何かを失う」と改めて気づきました。
今回の原発での事故。
たしかに危険な代物ではありますが、日本のような資源の少ない国で電力をまかなうには使い勝手の良い方法です。
たいしたエネルギーを使わず、使いまわすことが可能という原子力発電。
火力では石油や石炭で環境に影響を与えやすいですし、水力はダム開発をストップしている風潮ではこれ以上は厳しい。
風力はまだまだまかないきれるほどではありませんし、場所もなかなかない。
効率的で省エネルギーでまかなえる原子力はバランスよく電力を供給するにはちょうど良いものでした。
今後どうなるかはわかりませんが、危険性を感じながらも他の方法が現状では見つからないとなれば、原子力発電を続けることになるでしょう。
お話は多少変わります。
経済の効率性を求めたら、よりコストは下がりますが雇用が減る場合があります。
民主党が推進している「事業仕分」でスーパー堤防、防災費等が削られ、その分を子供手当て等の党の目玉政策へ予算を割り振ろうともしてます。
一面から見れば、たしかに行政の無駄、予算の無駄があると思います。
しかし、今回の大震災でやはり備えは必要ということがわかります。
かなり皮肉にはなってしまいますが。
物事は多面的な見方が必要ですね。
私は何も事業仕分自体が無駄だとは思ってません。ある意味で硬直化した予算や事業を整理するには有効だと思います。
ただ、しっかりと吟味したのかと疑問を感じざるをえません。
例えば、談合もそうだと思います。
談合はなるべく損をするものがないように考え出された知恵だと思うんです。
ただ、副作用ももちろんあります。
それは、自由な参入が阻害されることと、それにより競争が阻害されるということです。
ただ、この自由競争というのも全てが正しいというわけではありません。
競争激化により、場合によっては消費者に損害が出る場合もあるからです。
このように考えると、全ての物事には多面的な見方とバランスが必要なんですね。
政治家は、理想を語ることも大切ですが、政権を運営する側になったらバランスも考えていかないといけませんね。
何かを得るには何かを失う。
この失うものをなるべく少なく調整することも、本来の政治家の仕事だと思います。
ここ最近の世の中の流れが、どうも一方的な流れになりがちに感じられてなりません。