粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

日韓合意と慰安婦の本質

2016-01-10 13:56:46 | 厄介な隣国

以前、あるビデオを見ていたら、ナチス占領下のパリが解放されてその戦勝を祝ってパレードする模様が映し出されていたが、特に印象に残った場面があった。占領時代のパリでナチスの愛人となった女性が大衆の面前で頭を丸刈りにされた上、パレードの車に乗せられ人々から罵声を浴びせられていたのだ。女性はその辱めのため終始泣き崩れていて、喝采をあげる観衆と対照的であった。

昨年12月28日に突然発表された慰安婦問題に関する日韓合意報道に接してなぜかあのパリのシーンが思い出された。日本政府は、慰安婦問題を戦時下の女性人権問題ととらえて、韓国政府に、旧日本軍関与で慰安婦の苦痛を与えたことを謝罪し、事実上賠償を支払うことを決めたが、慰安婦自体ナチス愛人のパリ女性とどれほどの違いがあるのだろうかとも思った。

もちろん、慰安婦そのものは貧しさから自分の意志に反して恥辱をなめた女性も少なくはなかっただろう。しかし、彼女たちは、一般兵士の何十倍ものを高額な報酬を受ける戦時下の売春婦であった。その収入から退職後に故郷で豪邸を建てた朝鮮人慰安婦も少なくない。また、労働環境も必ずしも劣悪とはいえず、休暇があって自由な余暇を過ごしていたようだ、

そして、肝心なことは軍の関与があるといっても、それがむしろ肯定的な側面が高いということだ。慰安所を運営する民間業者が慰安婦たちを虐待していないかたえず監視をして彼女たちの保護につとめていた。また定期的に軍医が検診して性病予防などに注意を払っていた。

だから、高額の報酬を手にして労働環境も決して悪くといえない慰安婦がどうして性奴隷といるのか。むしろ、慰安婦は旧日本軍に擁護された受益者といってよい。そんな彼女たちが旧日本軍に対して必ずしも悪い感情を持っていなかったことも推測される。当の軍人と結婚した朝鮮女性もいたくらいだ。

したがって、最近出版した慰安婦関連書が元慰安婦の名誉を毀損したとして、韓国で起訴された女性大学教授が著書で「慰安婦と日本軍が同志的関係があった」と記述しているのも納得できる。慰安婦と日本軍は敵対関係ではなく、協調関係といわないまでも同じ共同体の一員という意識があったと考えるべきでないか。

1965年の日韓基本条約で慰安婦問題は全くいってよいほど問題にされなかった。元慰安婦が韓国政府に「被害」を申し出なかったのはその待遇面もさることながら、日本軍に身を投ずることで恩恵を受けたという自覚があったといえる。

戦後の韓国は朴正煕政権で大統領自身は親日的とはいっても国民感情として日本統治を否定する風潮が強かっただろう。したがって、元慰安婦たちは日本に身を捧げた売国奴と国民から糾弾されることを恐れたと考えられる。いわば韓国を裏切ったと。(パリの丸刈り女性と違うのは戦前の韓国は日本統治下であり朝鮮女性も日本人であった。)

しかし、この慰安婦問題を日本のマスコミや左翼弁護士が火をつけた。それも日本軍が女性を強制連行して性奴隷として虐待したという捏造が一人歩きして騒ぎが大きくなってしまった。これが韓国の反日組織にさらに悪用され韓国国民の反日感情を刺激し韓国政府もこれを政治的に利用するようになった。

その結果、慰安婦は過去の実態から大きく逸脱して旧日本軍による可哀想な被害者に180度転換してしまった。元慰安婦として名乗り出た老婆のなかには年齢的に日本統治時代に仕事したとはとても思えない女性も見かけるし、果たして過酷な境遇を経験したとは疑わしいものもいる。正直いって、現在マスコミに登場するのは元慰安婦の大半は反日団体挺対協の指示のもと、「被害」を演出しているとしか思えない。

そんな韓国による政府挙げての日本たたきに日本政府がつきあう必要があったとはとても思えない。この合意で韓国政府が今度慰安婦問題を蒸しかわさないという言質を得たとしても、それが本当に歯止めになるのか。政権が野党勢力に移れば、この合意は反故にされる可能性は高い。

安倍首相は韓国が今後約束を破れば国際世論が許さないと語っていたが、国際世論なんて当てにならない。たとえば日本の政治家の不用意な一言の発言を韓国政府が鬼の首を取ったように騒ぎ立てて「合意違反」などと理屈をこねること必定だ。安倍政権の今回の合意は問題が多すぎる。その判断が悔やまれて仕方がない。


コメントを投稿