粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

歴史認識という眉唾もの

2015-03-22 13:37:21 | 厄介な隣国

昨日21日、ソウルで開催された日中韓外相会談では、中国の中国の王毅外相が歴史問題で牽制(けんせい)するなどかたくなな態度だった。この姿勢に韓国が同調し、共同発表文書には「歴史の直視」が盛り込まれた。(産経新聞)

この報道に多くの日本人はうんざりするだろう。自分自身もこんな会談ならばしない方がましだと思う。結局、中国も韓国も外相会談を日本叩きの手段に使っているのに過ぎない。日本が提起する「未来志向」などとても望めそうもない。こんな状況で3カ国の首脳会談も遠い話だ。

結局、歴史認識は日本叩きの武器となっているが、そもそもこの歴史認識とはなんぞや。中国も韓国も過去に日本によって侵略を受け多大の犠牲を受けたという被害者意識が根底にあるといえる。日本は一方的な加害者であって、両国に対して贖罪意識を失ってはならないということになる。

だから、安倍首相が先の大戦で独自の見解を表明するととたんに「右傾化」「民族主義的」果ては「ファッシスト」と中韓首脳が攻撃する。一昨年末安倍首相が靖国神社を参拝したときの中韓の異常な反発は記憶に新しい。しかし、自分には中韓が一方的な被害者というのは嘘が多すぎて眉唾ものにしか思えない。

確かに日本は中国を侵略したことは事実だが、当時の国民党軍と戦争したのである。共産党は日本と国民党の抗争で漁夫の利を得て結果的に軍事力を消耗した国民党軍を倒した。毛沢東は日本の政府要人に共産党の建国に日本軍が協力してくれたことに感謝の言葉を述べたという。毛沢東は生前当時南京事件について一切言及しなかった。習近平が、日中戦争で中国人が南京で30万人虐殺され、戦争全体で3000万人が死傷したと日本を非難したが、もちろんそんな数字が毛沢東から聞かれたことはない

むしろ戦後の共産党支配でどれほどの人命が失われたかは計り知れない。大躍進や文化大革命の大混乱でそれぞれ数千万人の国民は餓死したり、殺害されたりしているのは歴史的事実だ。あるいはチベットやウイグルを侵略し数十万の現地民を虐殺し今も過酷な恐怖政治を続けている。。

ところで70年代の日中国交回復では中国を賠償金を放棄したが、無償有償の経済援助で中国の発展に貢献している。国交回復の時点で日中戦争の負の清算は終了した。毛沢東も鄧小平も決して過去の歴史認識で日本が攻撃することはなかった。天安門事件が起きて共産党の威信が揺らぎ始めた江沢民の時代からである。

韓国についていえば、先の大戦で日本に侵略されていない。日本軍に仕官した朝鮮人たちは日本人として大戦で戦ったのである。植民地化にしても日本の外圧はあっても朝鮮自身が併合を求めたもので日本の軍事的な攻撃はなかった。

日本の朝鮮統治は当初10年は武断支配だったが、その後は朝鮮の文明化のため教育や産業の育成に日本は膨大の資本をつぎ込んでいる。もちろん、植民地支配という本質的側面はあるが、他の欧米諸国と比べても苛烈とはいえず極めて穏当なものだった。

そして、戦後の日韓基本条約では、日本は朝鮮半島での全ての財産を放棄し、有償無償合わせて5億ドルの経済援助を行い韓国の発展に寄与した。条約によって植民地支配の清算は終了したのである。

条約締結当時、慰安婦のことは全く問題にされなかった。韓国側もこれが戦時売春婦であることを認識しており、彼女たちは逆に多額の報酬を受けていたことは当時の韓国民の間では十分周知の事実であったのだ。しかし、戦前の時代をしらない国民が圧倒的なった90年代からこの問題が急に日韓の「歴史認識」として政治利用されることになる。

中韓とも結局、日本を攻撃するため歴史認識がここ20年利用され近年その度合いが過激になっている。政治利用といっても非常に国内的な要素が強い。すなわち、国内政治や経済、社会が矛盾を孕み危機的な状況になるほど、国民の不満をそらすために日本叩きが激しくなる。その素地は中韓とも長年の反日教育にある。これで国民は万度コントロールして自分たちの統治を正当化して政治的立場を維持しようという手法だ。

現在、中韓がかつてないほどに日本に対して強硬に歴史認識を強要する背景には、それだけ両国が国内的に矛盾を抱えているといえる。その結果、政治当事者たちが想像以上に危機感を感じていることがあると思う。中国は経済発展は急速に鈍化して不動産バブルが弾け始めている。国民の貧富の差が極限に達して国民の不満が爆発寸前だ。韓国も大財閥主導の経済成長モデルがここへきて破綻し、国力の疲弊はもはや隠しようがない。

だから、現在の中韓の日本叩きは、そんな両国の国内的なあがきの反映であって、日本はそれほどまともに対応する必要がないと考える。むしろ、中国が領土問題で挑発するのを極力警戒する必要がある。もちろん、こちらがそれに乗って過激に反応すべきでないが、最低限ガードをしっかり整えることは大事だ。近隣友好を唱える日本のリベラル派の主張はまさに現実を無視した幻想でしかない。


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