粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

翁長沖縄知事の不毛な闘い

2015-03-25 19:42:58 | 沖縄の虚像と実像

この知事、一体何を考えているのだろうか。翁長雄志沖縄県知事が防衛省が進めている辺野古移設工事のための海底作業を中止するように指示し、それに従わなければ岩礁破砕許可を取り消すという。埋立て区域の外側の臨時制限区域に設置されたフロートの重しとなるコンクリートブロックが海底のサンゴを破壊しているというのがその理由だ。

しかし、産経新聞の報道によれば昨年埋め立て区域の岩礁破砕で沖縄県に工事申請した際に、防衛局がフロートの重しのことも許可が必要か県に打診していたという。しかし、県は外側のフロートに関しては申請の必要がないとして、わざわざ防衛局が用意した図面も許可申請書から排除させたという。つまり、コンクリートブロックの設置は岩礁破砕の対象外で問題にするほどでないということを県自身がお墨付きを出したことになる。

だから、防衛局そして政府が県の今回の措置に憤るのが無理もない。菅官房長官が「この期に及んで…」と言葉を荒げるのも当然だ。朝日新聞などの左派系新聞は昨年の沖縄県知事選挙で示された沖縄県民の民意を尊重すべきだと盛んに翁長知事の立場を援護している。しかし、同じ県の役人が昨年許可したのにトップが変わっだけで、今は取り消すという理屈は通らない。たとえは適切ではないが、法律改正前の犯罪を新しい法律でさばくようなものだ。

政府は辺野古の移設工事を粛々と進めるようだが、沖縄県側がこれに異を唱えて訴訟に発展しても昨年の許可の経緯を見れば県に勝ち目はない。翁長知事もこれは百も承知のはずだ。それを敢えてこんな強硬措置に及んだのは結局、沖縄県知事選挙の公約(移設反値)が足枷になっているといえる。

そして、選挙で支援を受けた共産党など左派政党からの有形無形のプレッシャーが強いと考えられる。噂によると知事選挙で共産党から多額な資金援助の提供があったともいう。これは違法といえないようだが、沖縄県民はもっと選挙の暗部を認識すべきだと思う。自分が知事になりたいばっかりに、嘗て自民党沖縄県連幹事長のキャリアをかなぐり捨てて反対勢力に媚を人物である。彼が唱える「オール沖縄」による「辺野古新基地反対」が自分には政治的野望達成のための口実にしか思えない。

そもそも、臨時制限区域のフロートのコンクリートブロックの重しがなぜ必要なのか。実態は移設反対活動家が埋め立て区域に侵入して工事を妨害するのを最低限防ぐためにあるのだ。防衛局の工事をする作業員は、屈強な自衛隊員でも海上保安官でもない。工事を依頼された民間の人たちである。抗議船に乗った活動家たちは嘗て破壊具を振りかざして丸腰の作業員に襲いかかったことがある。その結果は工事は中断されたともいう。

単に抗議するだけならば、抗議船の侵入を防ぐ強固なフロートは必要がない。実際は、一線を越えて犯罪的な妨害活動をする危険性を孕んでいるのだ。辺野古の陸側の過激な反基地行動を見ればそれは明らかだ。すなわちコンクリートブロックは必要悪なのだ。結局、県が問題にしたサンゴ破砕は活動家の妨害活動が遠因といってよい。

おそらく、翁長県知事はコンクリーットブロックの存在意義を理解しているに違いない。それを承知でサンゴ破砕は違反だと強弁するのは不誠実としかいいようがない。知事は一旦、辺野古新基地反対を言い出した手前、引くに引けないのかもしれない。しかし、こんな姑息な対応は問題の混迷に一層拍車をかけ不毛な闘いになるだけだ。そして共産党などの勢力が県政を牛耳っていく。結果的に翁長知事がそうした勢力のロボット化していくことを自分は危惧する。

追記:翁長知事の今回の措置と政府の対応に関して、チャンネル桜沖縄支局「沖縄の声」(3月26日放送)でその真相が明らかにされている。動画のうち、特に後半部分(27分辺りから)で核心に迫っている。


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