言葉尻を捉えていうのも何だが、本日の翁長雄志沖縄県知事の発言で気になる部分があった。中谷防衛大臣との会談で知事が「辺野古に基地を建設するのは不可能であり、沖縄県として絶対に反対していきたい。地元の理解を得ることがないまま、計画が頓挫しても、すべて政府の責任だ。かたくなな固定観念から脱して、計画の中止を決断し、話し合いを継続してもらいたい」と語った点だ。
なぜ「絶対反対します」とはいわないのか。これでは「願望」であって、現実に無理であれば「仕方がない」とも聞こえる。さらに「話し合いを継続してもらいたい」と最後に念を押しているのもどこか弱々しい感じがする。最初から移設を阻止できなかった時の「予防線」に感じるのは自分の思い過ごしだろうか。
今月17日には、基地移設反対の県民集会には参加するという。すでに3万人が参加するという情報がある。知事はこれまでこうした県民集会にはなぜか欠席していた。しかし、これほどの規模とあれば知事自身なかなか参加を見送るわけにはいかないのだろう。それでなくとも最近知事の煮え切れない態度に一部支持者から疑問の声が出始めていたようだ。
おそらく、集会で翁長知事は支持者の前では威勢の良い発言をすることだろう。ただ、知事の立場上もしかしたら、どこか歯切れの悪い曖昧な表現があるかもしれず、自分はその点注目している。
それと、翁長知事は当初6月に訪米して政府や議会の要人と会って「移設反対」を訴えたいとしていたが訪問が延期されたようだ。日頃の発言とは裏腹に移設阻止活動は停滞している印象が強い。「辺野古」問題で知事に当選した「シングルイシュー」知事であるから、これで所期の目的を果たせないとなれば、知事の存在儀が問われることになる。