(2021年09月18日[土])
安藤仙一朗記者による、アサヒコムの記事【元看護助手の無罪、滋賀県が判決否定 「心肺停止状態にさせたのは原告」】(https://digital.asahi.com/articles/DA3S15046227.html)。
《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》。
『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】』
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?』
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。
再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》
西山美香さんは冤罪で服役し、《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。《再審開始決定までの七つの裁判所の判断は、この矛盾に言及しなかった》。《無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ》…弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
大西直樹《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」》《「西山さんの15年を無駄にしてはならない」》と仰ってたのですがね?
醜悪過ぎる滋賀県警、いっさい反省なし、冤罪に何の痛痒も感じていない…《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」
『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ』
布川事件…桜井昌司さんは《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定しました。54年の苦難にとても報いることはできませんが、その一部に少しでも報いられたとしたら、この判決を歓迎すべきかと思いました。検察や警察は《判決の結果を真摯に受け止め》、二度とこのような冤罪被害者が出ないよう、改善を約束すべきです。そのために何をすべきかを明らかにすべき。
『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定』
一方…こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい。民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。
『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…』
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【https://digital.asahi.com/articles/DA3S15046227.html?unlock=1#continuehere】
元看護助手の無罪、滋賀県が判決否定 「心肺停止状態にさせたのは原告」
2021年9月17日 5時00分
(記者会見する西山美香さん(左)と井戸謙一弁護士=大津市)
滋賀県の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(41)が国と県に計約4300万円の国家賠償を求めた訴訟で、県が無罪判決を否定する内容の主張をしていることが分かった。16日に大津地裁であった非公開の手続き後、原告側が会見で明らかにした。
昨年3月の再審の無罪判決は、西山さんの捜査段階の自白について、取り調べた県警の男性刑事が西山さんの恋愛感情などを利用して誘導したと認定。被害者が致死性不整脈で死亡した可能性があり「殺害されたという事件性が証明されていない」と結論づけた。無罪判決は翌月に確定した。
だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。
再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した。
西山さんは昨年12月、捜査の違法性を明らかにするとして、国賠訴訟を起こした。国は6月、「検事が有罪と認められる嫌疑があると判断したことには十分な理由があり、起訴の判断が合理性を欠くとはいえない」とし、検事の捜査に違法性はなかったとする書面を地裁に提出している。
16日の会見で、西山さんは「県の書面の内容はうそで、怒り心頭だ」と語った。代理人の井戸謙一弁護士は「予想外で大変不当」と強調。県の準備書面について「無罪とした刑事確定判決の判断を正面から否定するもの」「美香さんを再び馬鹿にし、その名誉を甚だしく毀損(きそん)するもの」などとし、県の代理人に撤回を求めたという。
無罪判決をめぐっては、県議会で昨年6月、滝沢依子・県警本部長が代表質問に対し「結果として(西山さんに)大きなご負担をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪していた。県警監察官室は取材に対し、準備書面について「個別の案件についてはコメントを差し控える」とした。(安藤仙一朗)
■誤り認め検証を
元刑事裁判官の水野智幸・法政大法科大学院教授の話 民事裁判は、刑事裁判から独立して認定できるので、国や滋賀県がどのような主張をするかは法的に自由だ。ただ、無罪判決が再審で確定し、違法な捜査があったと認めている。無罪判決を否定するような主張をするのは、「私たちは納得していない」というポーズであり、間違いを認めない姿勢の表れだ。裁判が長引くと無罪になった人の負担が増え、救済も遅れる。捜査機関側は素直に誤りを認めて謝罪し、事件を検証するべきだ。
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(2021年03月31日[水])
東京新聞の【<社説>名張事件60年 証拠開示の法制化を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/94643?rct=editorial)。
《一九六一年の名張毒ぶどう酒事件から六十年。奥西勝元死刑囚は二〇一五年に八十九歳で病没するまで無実を訴えた。死後も再審請求は続く。公正な審理のため、検察は証拠を出し渋ってはならない》。
《日本弁護士連合会は一九年「再審における証拠開示の法制化を求める意見書」を国会提出。「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」と主張する。名張事件は、病没した奥西元死刑囚のただ一人の妹、岡美代子さんが再審請求を継いだが、九十一歳の高齢だ。再審の法整備を待つことなく、公正な審理のため、検察は掌中の証拠をあまねくオープンにしてほしい。それを促す裁判所の訴訟指揮にも期待する》
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ』
「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」
《冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為》でした。《「生死」の間を往復する司法判断に翻弄された奥西元死刑囚》。結局、訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ…。一方で、検察…《死後も再審請求は続く。公正な審理のため、検察は証拠を出し渋ってはならない》。袴田事件の構図に通じている…検察=《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。そして、《冤罪に加担したメディアの責任》も重い。
『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国』
『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪』
『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が…』
『●司法権力の〝執念〟:
映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
……死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:
検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!』
『●「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?
訴えることが出来なくなるのを待つ司法の残酷さ!』
『●奥西勝冤罪死刑囚が亡くなる:
訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!』
《とうとう、奥西勝死刑囚が亡くなった。警察や検察、裁判所は
「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?、訴えることが
出来なくなるのを待った司法の残酷さ!、を痛切に感じる。
のろのろと「死」を待っている様にしか見えない。特に、
裁判所の酷さ。当時の《名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長)》、
《名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)》、《名古屋高裁
刑事一部(石山容示(ようじ)裁判長)》、《最高裁第1小法廷
(櫻井龍子裁判長)》ら。《冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為》。
《「お父ちゃん、お父ちゃん」。わが子が何度も叫んでいたが、
どうしてやることもできない▼…父の無実が証明される日を待ち続けて
くれた子らへの思いが、生きる希望そのものだったのかもしれぬ》
…無残の一言だ》
「【江川紹子さん「再審開こうとしない裁判所、罪深い」】によると、
「冤罪をはらさずに死ねないという強い思いが命を支えていた
と思う。どれだけ無念だったか……再審開始決定が05年に出た
時点で、裁判をやり直すべきだった。DNA型鑑定が絡む事件以外
では、決して再審を開こうとしない日本の裁判所の姿勢は罪深い」」
『●《誰を憎めばいいのか、憎むべきでないのか、死刑をどう考えるべき
なのか、見終わっても答えは出ず、もやもやが心を覆ったままだ…》』
『●免田栄さん《朝は「針一本落としても聞こえるくらい静か。今日も
誰かが召されると思うと体がぎゅーっと緊張した」と目をつむった》』
湖東記念病院人工呼吸器事件でも、《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》。
《事件を作り上げ西山さんの自由を奪った警察、検察の人権侵害は断じて許されない。それをチェックできなかった裁判所も含めて、司法の責任は極めて重い》。《最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け》た節穴な裁判所。警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? 《刑事司法のよどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》をあててこそ、《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのではないか。何度冤罪事件を繰り返し、再審の扉を何度固く閉じれば良いのか?
『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】』
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?』
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。
再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》
西山美香さんは冤罪で服役し、《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。《再審開始決定までの七つの裁判所の判断は、この矛盾に言及しなかった》。《無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ》…弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」
『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/94643?rct=editorial】
<社説>名張事件60年 証拠開示の法制化を
2021年3月30日 07時18分
一九六一年の名張毒ぶどう酒事件から六十年。奥西勝元死刑囚は二〇一五年に八十九歳で病没するまで無実を訴えた。死後も再審請求は続く。公正な審理のため、検察は証拠を出し渋ってはならない。
六十年前の三月二十八日夜、三重県名張市の公民館で、農薬入りのぶどう酒を飲んだ女性五人が死亡し、十二人が中毒を起こした。
奥西元死刑囚は逮捕後に殺害を自白したが公判では一貫して否認。一審津地裁は無罪、二審名古屋高裁が逆転死刑を言い渡し最高裁で確定した。高裁への第七次再審請求に対し〇五年、再審開始が決定されたが検察の異議があり別の裁判部で取り消された。
「生死」の間を往復する司法判断に翻弄(ほんろう)された奥西元死刑囚。毎朝刑務官の靴音に刑執行か、と怯(おび)え続けた半世紀だったか。最期は医療刑務所の中で亡くなった。
長期化した名張事件は、他の再審事件と同じく、検察の証拠開示が焦点になっている。
刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての規定がない。刑事裁判は検察、弁護双方が裁判所に開示した証拠を基に審理が進むが、検察側は都合の悪い証拠の開示に積極的ではない傾向がある。
このため、再審請求審では、裁判所の積極的な訴訟指揮で大幅な証拠開示が実現した事件がある一方、消極的な裁判長もいる。同じ事件なのに裁判体が代わると訴訟指揮に差が出る場合もあった。
この事件でも、一九年に第十次再審請求の審理を前任者から引き継いだ高裁の担当裁判長は積極的に証拠開示を求め、検察側は昨年、これまで未開示だった被害女性らの調書九件を開示した。
確定判決によると奥西元死刑囚は「毒を瓶に入れた後、封緘(ふうかん)紙は外れた」と自白した。しかし、弁護側は「開示調書のうち三件に『事件の直前、封緘紙は巻かれたままだった』とある」と矛盾を指摘。開示された証拠を番号順に仕分けした結果、千ページ分の欠番があったといい、今後開示を求めていく。
日本弁護士連合会は一九年「再審における証拠開示の法制化を求める意見書」を国会提出。「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」と主張する。
名張事件は、病没した奥西元死刑囚のただ一人の妹、岡美代子さんが再審請求を継いだが、九十一歳の高齢だ。再審の法整備を待つことなく、公正な審理のため、検察は掌中の証拠をあまねくオープンにしてほしい。それを促す裁判所の訴訟指揮にも期待する。
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[※ 青木理さん「刑事責任と政治責任」 #秘書が勝手にやるわけないやん ↑(サンデーモーニング 2020年12月6日)] /
(2021年03年28日[日])
田部祥太氏による、リテラの記事【青木理が『モーニングショー』降板 政権批判コメンテーターを排除か 岡田晴恵の出演激減も…】(https://lite-ra.com/2021/03/post-5833.html)。
《またひとり、政権批判できるコメンテーターが姿を消してしまった。3月23日『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)終了間際に、ジャーナリストの青木理氏の降板が発表されたのだ。青木氏といえば、共同通信出身で最近のテレビでは珍しいリベラルなスタンスを持つジャーナリスト。『モーニングショー』の前身番組『モーニングバード』開始の2011年4月以来、レギュラーコメンテーターを務めてきたが、安倍・菅政権を批判する姿勢を貫き、嫌韓や歴史修正主義に対しても世間の空気に迎合することなく異を唱えてきた。こうした姿勢がリベラルな視聴者から支持…》。
リテラの記事【『報ステ』女性蔑視CMは偶然じゃない! チーフPセクハラ事件が象徴する体質、個人視聴率導入で進む勘違いの若返りと批判精神の低下】(https://lite-ra.com/2021/03/post-5832.html)によると、《テレビ朝日の看板報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日)が、若い女性をバカにしきった番組PR動画を公開し、炎上している》。
テレビ朝日はどうなってしまったのだろう…。『ニュースステーション』時代が懐かしい…《メディアコントロール》が行きつくところまで来てしまったのかな。
『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
そんな例があったら私は辞める」と明言』
《しかも、気になるのは、古賀氏の降板だけではない。古舘は古賀氏
との口論の中で「4月から番組の様相が変わっていく中でも」という
台詞をはいていたが、『報道ステーション』では、番組統括の
女性チーフプロデューサーが、古賀氏と同時に4月から“粛清”
されることが決まっている。これについても、古賀氏が昨夜の
『報ステ』で「プロデューサーが今度、更迭されるというのも
事実です」と暴露、古舘を慌てさせていたが、
この女性プロデューサーは『ニュースステーション』時代から
ディレクターを務めてきた人で、安倍政権やテレ朝上層部からの
圧力に盾になって今の『報ステ』路線を守ってきた。その番組の柱
ともいえる存在に突如、更迭が言い渡されたのだ》
青木理さんが望んでもいない番組降板を強いたテレビ朝日。テレ朝内の他の番組に移動するのだろうか? 見るべき報道番組は、TBSの『報道特集』と『サンデーモーニング』くらいになってしまった。
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
「奇々怪々な「菅生事件」(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
〝爆弾犯〟の異常な出世」
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着を
物語るものであろう》
『●東京電力、「お前のモノだろう!」』
『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪』
『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」』
『●青木理さん『日本会議の正体』…「民主主義体制を
死滅に追い込みかねない悪性ウィルスのようなもの」』
『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」』
『●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん…
アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?』
「ジャーナリズムの矜持の崩壊。古舘伊知郎さん、岸井成格さん、
国谷裕子さん、青木理さん……アベ様に「厳しい立場だった人」達が
去りゆくのは偶然なのか?、必然だったのか? 3A+Sによる
「粛々」としたジャーナリズムの破壊。」
『●青木理さん「テロは確かに怖いかもしれないけれど、
国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い」』
『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?:
青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」』
『●青木理さん「特定のメディア組織に属してはいても、
記者が本来奉仕すべきは、広い意味での読者や視聴者」』
『●青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…
ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも…』
『●『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』(青木理著)読了…
マスコミの《愚にもつかない〝情報〟の大洪水》の中…』
『●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●青木理さん、逃れられない歴史的責任…「朝鮮半島が
平和になるために日本は努力をしなくてはいけない」』
『●➀《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの
将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今』
『●➁《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの
将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今』
『●青木理さん「たかが検査なんですよね…検査がこれだけ増えない
というのは…明らかに政府が無能だからだと思いますよ」と一刀両断!』
『●青木理さん《そこまで政治家に期待するほどウブではない。ただ、
子どもでもわかる嘘をこれほど連発して恥じない首相がかつていたか》?』
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【https://lite-ra.com/2021/03/post-5833.html】
青木理が『モーニングショー』降板 政権批判コメンテーターを排除か 岡田晴恵の出演激減も…
2021.03.25 07:53
(番組HPより)
またひとり、政権批判できるコメンテーターが姿を消してしまった。3月23日『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)終了間際に、ジャーナリストの青木理氏の降板が発表されたのだ。
青木氏といえば、共同通信出身で最近のテレビでは珍しいリベラルなスタンスを持つジャーナリスト。『モーニングショー』の前身番組『モーニングバード』開始の2011年4月以来、レギュラーコメンテーターを務めてきたが、安倍・菅政権を批判する姿勢を貫き、嫌韓や歴史修正主義に対しても世間の空気に迎合することなく異を唱えてきた。
こうした姿勢がリベラルな視聴者から支持される一方、出演するたびにネトウヨから炎上攻撃を受け、嫌韓ムードが最高潮だった2019年には「週刊文春」で、嫌いなキャスター・コメンテーター3位に選ばれたりもしていたが、その姿勢はまったくぶれることはなかった。
しかも、『モーニングショー』は看板コメンテーターの玉川徹氏らの政権批判を厭わない姿勢が支持され、4年連続で民放視聴率トップを独走しているが、青木氏も間違いなく功労者のひとりといっていいだろう。
そんな青木氏がいったいなぜ降板なのか。テレビ朝日関係者を取材したところ、やはり青木氏は自ら降りたわけではなく番組から降ろされたらしい。しかもまだ発表になっていないが、女優の高木美保氏とノンフィクション作家の吉永みち子氏も今週の出演を最後に降板になるという。後任は最近お試し出演していたシェアリングエコノミー活動家の石山アンジュ氏など意識高い系の若手コメンテーターらになるのではないかとみられている。
高木氏はともかく、吉永氏も青木氏同様リベラルなスタンスで政権批判をしてきた人物。リベラル排除のようなコメンテーター入れ替えはなぜなのか。
「表向きの降板理由は、世代交代だそうです。世帯視聴率は好調なものの個人視聴率で若年層の視聴率では『スッキリ』が急追しており、若手・女性にシフトしたいと説明しているようです」(テレビ朝日関係者)
たしかに1年ほど前から世帯視聴率より個人視聴率重視、しかも若年層重視というのはテレビ界全体に広がっている動きで、若い意識高い系のコメンテーター起用は他局の報道番組にも最近とみに見られる傾向だ。とはいえ、『モーニングショー』は世帯視聴率だけでなく個人視聴率でも昨年トップなのに、番組の性格すら変えてしまうほどコメンテーターを大幅に入れ替えるというのは説明がつかない。
実際、この青木氏の降板にはもうひとつの理由がささやかれている。それはズバリ、テレビ朝日上層部の意向を汲んだ、政権に批判的なコメンテーター外しだ。
■コロナ報道で官邸が『モーニングショー』攻撃 局上層部は玉川徹を呼び出し叱責
「若返りというけど、石原良純さんや長嶋一茂さんは残ってるわけで。世代交代を大義名分にして、政権批判にふみこむ面倒な青木さんと吉永さんを外そうという意図があったとしか思えません。実際、去年になって、番組には上層部からの圧力がかなりかかっていたと聞いています」(前出・テレビ朝日関係者)
周知のように、テレビ朝日は政権べったりの早河洋会長が独裁支配しており、これまでも政権批判を封じ込めるため、『報道ステーション』の出演者やスタッフの交代など、強引な介入を行ってきた。
しかし『モーニングショー』はワイドショーのうえ、視聴率も好調ということで、あまり露骨な圧力を受けていなかった。
だが、昨年、コロナ報道で状況が一変する。検査拡大を訴え、政権や行政の不備を追及する『モーニングショー』の姿勢は視聴者からの支持を受け、視聴率もさらに絶好調になるのだが、その一方で、政権や応援団からの風当たりが非常に厳しくなった。2020年3月には、政府や自民党が『モーニングショー』を名指しでフェイク攻撃、官邸が番組を監視し発言記録文書を作っていたことも発覚した。
そして、こういう動きの少しあとから、プロデューサーや玉川徹氏が局上層部や報道局幹部に呼び出されるということが起き始めたのだという。
「早河会長の腹心で、報道に睨みを利かせている篠塚浩・報道担当役員や報道局長が直接、チーフプロデューサーを呼び出すということもあったと聞いている。玉川(徹)さんも政権批判などをするたびに報道局幹部に呼び出され、叱責されていたらしい」(テレビ朝日関係者)
玉川氏がコロナ報道で2回ほどお詫びする事態もあり、番組には萎縮ムードが広がっていったという。
「ほかにも、橋下徹さんから他局の番組で毎日のように、『モーニングショー』のコロナ報道を攻撃されたことも大きく影響したようです。橋下さんはABEMAで冠番組を持つなど、大きな影響力を持っていますから」(テレビ朝日関係者)
■岡田晴恵教授の出演激減の背景にも政権忖度が 政権批判ネタも減少
『モーニングショー』といえば、一時は毎日のように出演していた“コロナの女王”岡田晴恵白鴎大学教授が昨年秋から、あまり出演しなくなったが、実はこれもこの時期の政権からの圧力と自粛が関係しているのだという。
「岡田氏の『モーニングショー』出演激減については、ちょうど昨年夏からナベプロに所属したためナベプロの意向で出演を控えているなどという報道が一部でありましたが、まったく逆。そもそも岡田教授をナベプロに紹介したのはテレ朝という話もある。ただ、昨年秋にチーフプロデューサーが交代したのも影響したのか、その頃から、あまり呼ばれなくなった。これも、“岡田は例の監視文書などで政権にマークされているから慎重にしろ”と報道局の幹部に注意されたのではないかといわれている」(テレビ朝日関係者)
実際、『モーニングショー』を注意深く見ていると、昨年秋頃から明らかにコロナ以外の政権批判が減っていることがよくわかる。たとえば、河井克行元法相の選挙買収や最近の菅首相長男の接待問題、NTT接待問題など、政権不祥事も申し訳程度に報じる程度で、他局のワイドショーのほうが時間をとって報道していた。かと思えば、菅首相肝いりの携帯電話料金値下げをPRするような特集をしていたこともある。
かろうじて続けているコロナ報道にしても、政権のコロナ対応を徹底批判するような特集は微妙に減っていて、GoToトラベルをPRしたり河野太郎ワクチン担当相を持ち上げたり、御用番組『ひるおび』のような特集をすることもある。
ようするに、『モーニングショー』は昨年のコロナ報道で政権と上層部に睨まれた結果、昨年の秋から冬くらいの時点で、すでに牙を抜かれ、別の番組になってしまっていたのではないか。
そして、こうした政権批判封じ込めの延長線上に打ち出されたのが、今回の青木氏、吉永氏排除だったのだろう。
実際、青木氏と吉永氏がいなくなって、まともに政権批判のできるコメンテーターは玉川氏だけになる。そして、タイミングを計っておそらく玉川氏も……。
青木氏は最後の出演になった23日のあいさつで「貴重な番組」とエールを送っていたが、その「貴重さ」はもう取り戻すことはできない可能性が高い。
(田部祥太)
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[※『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]
東京新聞の社説【刑事司法を改革せよ 再審無罪判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020040102000148.html)。
琉球新報の【<社説>西山さん再審無罪 冤罪根絶へ事件の検証を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1100940.html)。
《やっとこの日が来た。「呼吸器事件」で殺人犯にされた西山美香さんに大津地裁は「事件性なし」と再審無罪を言い渡した。自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い。…事件発生から十七年がたっていた》、《不当な捜査を招いた真相を、裁判を通して明らかにするには至らなかった》。
《事件を作り上げ西山さんの自由を奪った警察、検察の人権侵害は断じて許されない。それをチェックできなかった裁判所も含めて、司法の責任は極めて重い》。《最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け》た節穴な裁判所。
『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
《原発訴訟で原告勝訴を決めた、たった3人の裁判長――その苦悩を
描いたのが『原発に挑んだ裁判官』(朝日文庫、著・磯村健太郎、
山口栄二、660円)だ。元京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏が
評論する。…そして裁判所も一体となり…。…北陸電力志賀原発
2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(井戸謙一裁判長)…》
『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】』
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
《2004年7月の逮捕から16年近くたって、無実の罪で12年もの刑に服した》、《自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い…事件発生から十七年がたっていた》。で、警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか? 《事件を作り上げ西山さんの自由を奪った警察、検察の人権侵害は断じて許されない。それをチェックできなかった裁判所も含めて、司法の責任は極めて重い》。
《再審開始が決まった後になって開示された証拠の中に、「患者の死因はたん詰まりの可能性がある」と自然死を示唆する医師の報告書があった。この証拠を滋賀県警は地検に送致していなかった。都合の悪い証拠を隠し、殺人罪をでっち上げていた》。この裁判でも、《担当の警察官を法廷に呼ぶなどして虚偽の自白に至る経緯を検証して》はいない。《この間、二十代と三十代を獄中で過ごした西山さんは大きな損失を被った。メンツのための捜査、あるいはいったん下された判決に忖度するような訴訟指揮はなかったか。検証》されたか? その気は? 《人権蹂躙の教訓を社会全体で共有》するには程遠い、ニッポン。
琉球新報のコラム【<金口木舌>声なき声を聞く】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1100946.html)によると、《▼大西直樹裁判長は患者の死因は自然死の可能性が高いとした。「(担当刑事が)強い影響力を独占して供述をコントロールしていた」として、軽度の知的障がいがある西山さんの特性や恋愛感情を利用したと指摘した ▼取り調べで障がいなどにより反論がしづらく、誘導されやすい「供述弱者」は冤罪(えんざい)被害のリスクが高いという。専門家は弁護士の立ち会いなど、防止する仕組みの必要性を訴える。西山さんは「私を教訓に裁判所も変わらなければならない」と語った》
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」
『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020040102000148.html】
【社説】
刑事司法を改革せよ 再審無罪判決
2020年4月1日
やっとこの日が来た。「呼吸器事件」で殺人犯にされた西山美香さんに大津地裁は「事件性なし」と再審無罪を言い渡した。自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い。
滋賀県の病院で二〇〇三年、七十二歳の男性患者が死亡。看護助手だった西山さんが「人工呼吸器のチューブを外した」と「自白」して殺人容疑で逮捕され、懲役十二年が確定した。この判決で、死因は自白に沿う「低酸素状態」、つまり窒息状態とされた。
「自白」は虚偽で、鑑定による死因も誤っていた-。今回の再審で無罪を言い渡した判決文は、明確に書いた。「何が何でも有罪を」と前のめりになる捜査と、それをチェックできなかった司法を批判した。
なぜ捜査段階で「自白」したのか。判決は「取り調べの警察官の不当な捜査によって誘発された」と断じる。
その背景として、西山さんには知的障害によって迎合的な供述をする傾向があると認定。取り調べの警察官は、自分に好意を持っていたことに乗じて「西山さんをコントロールする意図があった」とまで述べ、西山さんが捜査側の術中にはまった過程を分析した。
また、死因について無罪判決は、「低カリウム血症による致死性不整脈」などを認定。つまり呼吸器はつながったままの自然死だった可能性が高いと判断した。
今年二月に始まった再審が素早く無罪判決に至ったのは、西山さんの早期汚名返上の見地からは喜ばしいものの、担当の警察官を法廷に呼ぶなどして虚偽の自白に至る経緯を検証してほしかった。
大津地裁の裁判長は、無罪判決の言い渡し後、明確な謝罪はなかったものの、西山さんに「刑事司法を改革する原動力にしていかねばならない」と決意を述べた。「もう、うそ(誘導された自白)は必要ない」とも語り掛けた。
この冤罪(えんざい)事件では、捜査のずさんさを見抜けなかった裁判所にも大きな責任がある。最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け、八つ目の大阪高裁がようやく再審開始を決定、最高裁を経て十番目の大津地裁が無罪判決を出した。事件発生から十七年がたっていた。
この間、二十代と三十代を獄中で過ごした西山さんは大きな損失を被った。メンツのための捜査、あるいはいったん下された判決に忖度(そんたく)するような訴訟指揮はなかったか。検証して出直してほしい。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1100940.html】
<社説>西山さん再審無罪 冤罪根絶へ事件の検証を
2020年4月3日 06:01
滋賀県の病院患者死亡を巡り殺人罪で服役した元看護助手西山美香さんの裁判をやり直す再審で、大津地裁は無罪判決を言い渡した。大津地検は上訴権を放棄し、西山さんの無罪が確定した。2004年7月の逮捕から16年近くたって、無実の罪で12年もの刑に服した西山さんが、ついに冤罪(えんざい)を晴らした。
事件を作り上げ西山さんの自由を奪った警察、検察の人権侵害は断じて許されない。それをチェックできなかった裁判所も含めて、司法の責任は極めて重い。冤罪根絶に向けた刑事司法改革を強力に進めなければならない。
最初の裁判で大津地裁は、警察が取り調べ段階で作成した自白調書の信用性を認め、懲役12年の実刑を言い渡した。判決は07年に最高裁で確定した。
だが、再審判決は「何者かに殺されたという事件性を認める証拠はない」と断定し、男性患者の死因は自然死だった可能性が高いとした。滋賀県警の取り調べに対しては、軽度の知的障がいがある西山さんの特性や恋愛感情を利用し、虚偽の自白を誘導したと指摘した。
再審開始が決まった後になって開示された証拠の中に、「患者の死因はたん詰まりの可能性がある」と自然死を示唆する医師の報告書があった。この証拠を滋賀県警は地検に送致していなかった。都合の悪い証拠を隠し、殺人罪をでっち上げていたのだ。
再審判決を言い渡した大西直樹裁判長は「手続きの一つでも適切に行われていたら、このような経過をたどることはなかった」と警察の証拠隠しを批判した。その上で、西山さんに「問われるべきはうそ(刑事に誘導された自白)ではなく、捜査手続きの在り方だ」と語り掛けた。
19年6月に、取り調べ過程の録音・録画を義務付ける改正刑事訴訟法が施行された。冤罪防止のための捜査の可視化が前進したが、裁判員裁判事件や検察の独自捜査事件に対象が限定されている。
障がいなどが原因で自分を守る反論がしづらく、誘導されやすい「供述弱者」を冤罪被害から守る仕組みについても検討が求められる。
捜査段階の証拠隠しがあったとはいえ、西山さんの無罪の訴えに耳を傾けず、捜査側の見立てを追認した裁判所の責任は重大だ。自白偏重の捜査手法や供述調書に過度に依存した「調書裁判」が、冤罪の温床といわれている。
再審判決は2月の初公判から2カ月でのスピード審理となった。西山さんの早期の名誉回復を優先したことは評価されるが、不当な捜査を招いた真相を、裁判を通して明らかにするには至らなかった。
日弁連などを含めた公平な立場の第三者委員会を設置し問題点を詳細に検証、公表する必要がある。冤罪被害者を生み出さないためには、人権蹂躙(じゅうりん)の教訓を社会全体で共有することが欠かせない。
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[『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]
東京新聞の社説【呼吸器事件再審 冤罪の闇に十分な光を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020020402000148.html)。
《「呼吸器事件」の再審が、大津地裁で始まった…しかし、三回で終わる再審公判では、刑事司法のよどみや曇りを十二分に解明できないだろう。弁護団は、国家賠償を求める民事訴訟を検討しているとも聞く。せめてそういった場で、冤罪が生まれる構造に光が当てられることを望みたい》。
『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
《原発訴訟で原告勝訴を決めた、たった3人の裁判長――その苦悩を
描いたのが『原発に挑んだ裁判官』(朝日文庫、著・磯村健太郎、
山口栄二、660円)だ。元京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏が
評論する。…そして裁判所も一体となり…。…北陸電力志賀原発
2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(井戸謙一裁判長)…》
『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】』
東京新聞の記事【滋賀の呼吸器 無罪確実 検察、有罪立証せず 再審初公判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020020402000145.html)によると、《滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、男性患者の呼吸器を外し殺害したとして、殺人罪で懲役十二年が確定、服役した元看護助手西山美香さん(40)=同県彦根市=の再審初公判が三日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。罪状認否で西山さんは「(患者を)殺していません」と改めて無罪を主張した。検察側は冒頭陳述で「有罪の新たな立証をせず、確定審や再審での証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」と主張。事実上の立証断念で、西山さんの無罪は確実となった》。
西山美香さんは冤罪で服役し、《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。《再審開始決定までの七つの裁判所の判断は、この矛盾に言及しなかった》。《無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ》…弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
《三月にも無罪判決の運び。半面、冤罪(えんざい)を生んだ経緯の検証は短期間の法廷では困難になった》…またしても、有耶無耶にやり過ごすつもり。警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか? 《刑事司法のよどみや曇りを十二分に解明できないだろう…冤罪が生まれる構造に光が当てられ》ない。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」
『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020020402000148.html】
【社説】
呼吸器事件再審 冤罪の闇に十分な光を
2020年2月4日
「呼吸器事件」の再審が、大津地裁で始まった。無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ-を乗り越え、三月にも無罪判決の運び。半面、冤罪(えんざい)を生んだ経緯の検証は短期間の法廷では困難になった。
三日の再審初公判で、元看護助手西山美香さん(40)は、きっぱりと無罪を主張。検察側は短時間の冒頭陳述で「新たな有罪立証はせず裁判所に適切な判断を求める」と早口に。西山さんへの被告人質問は「特にありません」で終わり、有罪立証は断念された。
来週の第二回で結審し、三月の判決公判で無罪が言い渡されるのは確実だ。西山さんが待ち続けた「名誉回復」が近づいている。
ただ、検察が求めた早期の結審・判決は「西山さんはなぜ冤罪に陥れられたか」を法廷でじっくりと検証できず、背景の追及ができなくなることも意味する。
事件を振り返る。二〇〇三年五月、滋賀県の病院で男性患者が死亡。西山さんは「人工呼吸器のチューブを外した」と自白し、殺人容疑で逮捕された。公判で否認したが懲役十二年が確定し、服役した。患者の死因は低酸素状態(窒息)による急性心停止とされた。
しかし、第二次再審請求審で大阪高裁は「事件ではなく、不整脈による自然死かも」「供述が目まぐるしく変遷する自白調書に信用性はない」と再審開始を決定。昨年三月、最高裁で確定した。
その後、検察は迷走する。同四月、いったんは「再審での有罪主張」を表明した。だが「呼吸器を故意に外していない」との西山さんの自供書や、他殺でない可能性ありとの鑑定医の所見を載せた捜査報告書が滋賀県警から送られていなかったことが判明した。
いずれも捜査側に不利な書類。受け取った検察側は十月、これらを弁護側に開示し、有罪立証を事実上あきらめる方針も伝えた。
(1)軽い知的障害のある西山さんは刑事の取り調べに誘導されて殺人を自白してしまった可能性がある(2)患者の死因の不審点が見過ごされた(3)警察・検察側に不利な証拠が開示されなかった-。冤罪のたびに指摘される「刑事司法の闇」が今回も輪郭を表した。
まずは、西山さんの無罪の見通しを喜びたい。しかし、三回で終わる再審公判では、刑事司法のよどみや曇りを十二分に解明できないだろう。弁護団は、国家賠償を求める民事訴訟を検討しているとも聞く。せめてそういった場で、冤罪が生まれる構造に光が当てられることを望みたい。
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[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/公正なルールがなければ産業も経済も機能しない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267212)。
《日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の脱出劇には驚いた。スパイ映画さながらだ。8日、ゴーンの記者会見が予定されているという。日本の司法、とりわけ東京地検特捜部のやり方が国際的批判に一層さらされるだろう。そもそも、ゴーンを有罪にする証拠が十分であれば、長期勾留で自白を強要する日本的な“人質司法”は必要なかった》。
『●《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度を
笑われて「シャラップ」と言い放つ始末》…その司法からの逃亡』
《日本の司法は中世なみ》…その司法からの逃亡。《人権先進国》ニッポンでは、検察や警察という行政サイドの言い分は、証拠をキッチリと揃えているからこその《検察が起訴した際の有罪率は約99%》だったのではないのか? 《そもそも、ゴーンを有罪にする証拠が十分であれば、長期勾留で自白を強要する日本的な“人質司法”は必要なかった》。森雅子法相《司法の場で無罪証明を》…推定無罪原則が成り立っている国ならば、ゴーン氏に法廷で無罪を立証させるなんていう、法治国家では考えられない無茶をさせる必要もなかったはず。また、アベ様は、「日産内部で…」発言で《国策捜査》を自白したようなもの。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論
…いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
金子さんは、《公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》と言います。《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…、特捜部は数々の政治案件を見逃してきた。…秋元逮捕は検察捜査に客観的基準がないことをかえって露呈させた。公正なルールがなければ、産業も経済もまともに機能しない》とも。
一方、青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい。民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。
『●金子勝さん「安倍さん関連は検察も警察も一切動かない」
「まるで犯罪者集団。泥棒だらけ」「来年は泥棒しませ~ん」』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267212】
金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。
金子勝の「天下の逆襲」
公正なルールがなければ産業も経済も機能しない
2020/01/08 06:00
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の脱出劇には驚いた。スパイ映画さながらだ。8日、ゴーンの記者会見が予定されているという。日本の司法、とりわけ東京地検特捜部のやり方が国際的批判に一層さらされるだろう。
そもそも、ゴーンを有罪にする証拠が十分であれば、長期勾留で自白を強要する日本的な“人質司法”は必要なかった。退任後に受け取る予定だった報酬を有価証券報告書に過少記載したとして金融商品取引法違反に問われているが、重大な罪であるとは思えない。ゴーンは日産トップ時代に報酬をつり上げるかたわら、4万人以上をリストラして職を失わせた。こうした経営手法がよいとは思わないが、司法は手続き上の公正さが求められる。やはり国策捜査と言わざるをえない。
一方、司法取引で免罪されたといわれる西川広人前CEOは不正報酬を受け取り、退任後も本社に日参し、自分を追い落とした役員たちへの報復人事に執着していた。その西川と比べて、ゴーンの罪が重いのかは疑わしい。
公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある。公安警察出身の杉田和博官房副長官が内閣人事局長を兼任して霞が関を牛耳り、外事警察出身の北村滋氏は内閣情報官から国家安全保障局長に昇進した。伊藤詩織さんの性暴力被害をめぐっては、加害者の山口敬之元TBS記者が北村に泣きつき、警視庁の中村格刑事部長(当時)が逮捕状執行を止めたと報じられている。権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない。その異常さはBBCなど海外メディアに報じられた。
カジノ汚職をめぐる秋元司衆院議員の逮捕で10年ぶりの国会議員逮捕だと大騒ぎしているが、特捜部は数々の政治案件を見逃してきた。大臣室で現金を授受した甘利明元経再相、公選法違反疑惑の証拠となるハードディスクをドリルで破壊した小渕優子元経産相。関西電力の原発マネー還流問題では、受注企業から政治献金を受けた世耕弘成元経産相は官房副長官時代に原発再稼働の旗を振っていた。菅原一秀前経産相や河井克行前法相ばかりでなく、高市総務相、萩生田文科相、下村博文元文科相も公選法違反疑惑を報じられたが、特捜部が動いた気配はない。何より、森友疑惑で公文書を改ざんさせた佐川宣寿元国税庁長官でさえ無罪放免である。
秋元逮捕は検察捜査に客観的基準がないことをかえって露呈させた。公正なルールがなければ、産業も経済もまともに機能しない。汚いものを一掃する年にしなければ、この国の社会も経済も立ち直ることはできなくなる。
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阿部岳さんの、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「中世」司法からの逃亡】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/518471)。
《▼かつて、国連の会議で他国から司法制度を「中世的」と批判された日本の大使が「シャラップ(黙れ)」と逆ギレしたことも。恥の上塗りをいつまで続けるのか》。
「日本の司法は中世なみ」事件…国連の拷問禁止委員会での上田秀明人権人道大使が「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ」と発言。《日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて「シャラップ」と言い放つ始末》…。ニッポンが《人権先進国》!
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ?
信じ難い現実…』
《「左翼のクソ」に「シャラップ」 日本で要人の失言が相次ぐわけ
…ジュネーブで開かれた国連の拷問禁止委員会でのこと。
日本が行っている死刑や被疑者の長期勾留などにアフリカ・
モーリシャスの委員から、「日本は中世か」と問われたことに
対し、外務省から派遣されている上田秀明人権人道大使が
「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ。」と発言していた
ことが明らかになった。失言にもいろいろあろうが、今週はTPPに
反対したり、被曝対策に取り組む市民を「左翼のクソ」呼ばわり
したかと思うと、日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて
「シャラップ」と言い放つ始末である》
『●「緊急対談 辺見庸×佐高信」 『週刊金曜日』
(2014年4月11日、987号)についてのつぶやき』
「青木理さん【司法を正す第8回 日弁連えん罪原因究明
第三者機関ワーキンググループ副座長 小池振一郎弁護士
盗聴法の強化拡大など焼け太り狙う法務官僚】、
《刑事司法改革…端緒は郵便不正事件…法務省に都合よく集約…
日本の司法は中世なみ…。…上田秀明…大使は色をなし、
こう言い放った…「笑うな。なぜ笑うんだ。シャラップ、
シャラップ!」 小池弁護士が振り返って言う。
「本当にみっともない。国際的に恥ずかしい状況でした。
…日本の刑事司法はドマ委員の指摘通りなんですから…」》。
「日本の司法は中世なみ」事件」
こんな方が《人権人道大使》ねぇ? 《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的》……そのニッポンの《「中世」司法からの逃亡》。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論
…いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
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【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/518471】
[大弦小弦]「中世」司法からの逃亡
2020年1月6日 07:30
刑事弁護のレジェンドと呼ばれる高野隆弁護士が、自らの活動の場である日本の司法に対して「殺意に近いものを感じた」とブログに記している。前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告の弁護人を務めてきた
▼保釈を勝ち取ったものの、妻との面会さえ許されない。やっと許可を得たのが自身が立ち会うパソコン画面越しの対話、という人権侵害を目の当たりにした
▼ゴーン被告の海外の弁護士は国連に救済を申し立てた。容疑者が罪を自白するまで捜査当局が拘束を続ける日本の「人質司法」を巡り、国連は何度も改善を勧告している
▼かつて、国連の会議で他国から司法制度を「中世的」と批判された日本の大使が「シャラップ(黙れ)」と逆ギレしたことも。恥の上塗りをいつまで続けるのか
▼億万長者であるゴーン被告の逃亡に共感はしない。今後裁判所が保釈に慎重になれば、持たざる者が一層人質にとらわれることになる。ただ、逃亡、後進性の暴露と、今回の事件が日本の司法にとって二重の敗北であることは動かせない
▼せめて国際人権基準が認める制度に変える一歩にしよう。その道は、米軍の容疑者を日本側に引き渡す日米地位協定の改定や、2カ国にとどまる犯罪人引渡条約の締結拡大にもつながる。人権侵害も特別扱いもない制度は、全ての人の利益になる。(阿部岳)
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東京新聞の社説【西山さん無罪へ 一日も早く名誉回復を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019102402000194.html)。
《滋賀県の呼吸器事件で再審開始が確定した西山美香さん(39)の弁護団は、検察側から「新たな有罪立証をしない」との書面が届いたと発表。西山さんの無罪が確実になった。早期の名誉回復を求める。…これまでの冤罪(えんざい)事件で繰り返されてきた捜査や司法のおごりではないか。今回、新規の立証をあきらめた検察の判断は当然の措置だが、遅きに失したと言うほかない》。
『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
《原発訴訟で原告勝訴を決めた、たった3人の裁判長――その苦悩を
描いたのが『原発に挑んだ裁判官』(朝日文庫、著・磯村健太郎、
山口栄二、660円)だ。元京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏が
評論する。…そして裁判所も一体となり…。…北陸電力志賀原発
2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(井戸謙一裁判長)…》
アサヒコムの記事【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】(https://www.asahi.com/articles/ASMBR3GFGMBRPTIL008.html)によると、《滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年5月、男性患者(当時72)の人工呼吸器を外して殺害したとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手の西山美香さん(39)のやり直し裁判(再審)で、大津地検が新たな有罪立証をせず、「(再審の)早期終結を希望する」と大津地裁と弁護団に伝えたことがわかった。再審公判での無罪が確定的となった形だ。弁護団が23日、大津市内で会見して明らかにした。弁護団によると、検察側は地裁と弁護団にあてた18日付の書面で、再審公判で新たな有罪立証はせず、確定審の証拠などに基づいて適切な判断を求める▽西山さんが捜査段階で殺害を自白したとする調書などを地裁が証拠から排除しても異議は申し立てない▽1回結審で今年度内の判決を求める――とする方針を明らかにしたという。弁護団長の井戸謙一弁護士は…》。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」
今年3月の東京新聞の記事【呼吸器事件 再審確定 元看護助手、無罪の公算 最高裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019031902000286.html)によると、《西山さんは〇四年七月に逮捕され、取り調べ段階で「人工呼吸器のチューブを外して殺害した」と自白。公判で否認に転じたが、〇五年十一月の一審大津地裁判決は「自白は自発的で迫真性もある」などと判断。懲役十二年を言い渡し、最高裁で確定した。西山さんは和歌山刑務所で服役し、一七年八月に満期出所した》。
西山さんは冤罪で服役し、13年…《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。
《再審開始決定までの七つの裁判所の判断は、この矛盾に言及しなかった》。弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019102402000194.html】
【社説】
西山さん無罪へ 一日も早く名誉回復を
2019年10月24日
滋賀県の呼吸器事件で再審開始が確定した西山美香さん(39)の弁護団は、検察側から「新たな有罪立証をしない」との書面が届いたと発表。西山さんの無罪が確実になった。早期の名誉回復を求める。
滋賀県の病院で二〇〇三年、植物状態の男性患者=当時(72)=が死亡した。
当直の看護助手だった西山さんは「人工呼吸器のチューブを外した」と自白。殺人容疑で逮捕され懲役十二年が確定、一七年まで服役した。
西山さんは公判で否認に転じ、服役中の一〇年に再審を請求。棄却が四回続いた後の一七年暮れ、大阪高裁は「自然死の可能性あり」と再審開始を決定、今年三月に最高裁も支持し再審開始が確定した。
「再審開始なら無罪判決」が、刑事司法の流れ。近年は検察側が有罪主張をしないケースが多いが、今回、検察は四月の三者協議で争う姿勢を示した。しかしその後一転、「新たな有罪立証せず」に転換した。その理由を「取り調べられた証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求めることとした」とするが、積極的な有罪立証に白旗を揚げたも同然である。
そもそも、無理が多い捜査だった。軽い知的障害があり、捜査員に迎合しがちな西山さんに「チューブを外した」と自白させた。その自白が周囲の状況と矛盾してくると「アラーム音を消すための特殊機能(知る人が極めて少ない)を使ってチューブを外し、後でつなぎ直した」と新たな自白をさせつじつま合わせを重ねていった。
この結果、起訴前の鑑定書は「チューブは外れていた」と書いていたのに、確定判決は「つなぎ直した(接続していた)」と表現が変わった。再審開始決定までの七つの裁判所の判断は、この矛盾に言及しなかった。
捜査の側は、逮捕した容疑者を有罪にするため、密室の取調室で追い込む。自白に矛盾があっても、メンツを守るために新たな自白を迫る。裁判所は、捜査の内容を信用し、矛盾を見逃す、もしくは無視する-。
これまでの冤罪(えんざい)事件で繰り返されてきた捜査や司法のおごりではないか。今回、新規の立証をあきらめた検察の判断は当然の措置だが、遅きに失したと言うほかない。
来春までには西山さんの無罪判決が出ると予想される。西山さんは二十代前半で逮捕され、青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった。一日も早く真っ白にしてあげたい。
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桐山桂一さんによる、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】弁護士立ち会い権は?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019101402000160.html)。
《「日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない」…女子大生は「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論している。いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》であるにもかかわらず、ニッポンでは認められていない。《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、《事後検証が不可能に近い》。
《弁護士の立ち会いが任意段階から認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》。
青木理さんが仰っているように、刑事司法改革の原点は「大阪地検特捜部の証拠改竄事件」、村木厚子さんの冤罪事件。《今回の新制度導入の原点をさかのぼると、大阪地検特捜部の証拠改竄事件に行き当たる......と書けば、勘のいい読者はハテ?と首をかしげるだろう。前代未聞というべき検察の大不祥事がいったいなぜ、捜査機関の権限拡大につながってしまったのか、と。…だが、諮問会議の事務局を担う法務省などは議論を巧みに骨抜きにした。…こうした"屁理屈"が主流の議論となり、取り調べの可視化などは極めて例外的な事件に限定する一方、盗聴法(通信傍受法)の大幅強化や司法取引の導入などが決まってしまったのである》。
本当にこの国はどうしようもない。《テレビの報道のあり方は酷かった。中島岳志さんが言うように《死刑のショー化・見世物化》。このリテラの記事でも、《それはまるで「中世の見世物」か何かかと思えるほど“ショー化”》と指摘》。《日本の司法は中世なみ》…司法改革を経ても、ブログ主には、何も変わっていないように見える。
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ?
信じ難い現実…』
《「左翼のクソ」に「シャラップ」 日本で要人の失言が相次ぐわけ
…ジュネーブで開かれた国連の拷問禁止委員会でのこと。
日本が行っている死刑や被疑者の長期勾留などにアフリカ・
モーリシャスの委員から、「日本は中世か」と問われたことに
対し、外務省から派遣されている上田秀明人権人道大使が
「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ。」と発言していた
ことが明らかになった。失言にもいろいろあろうが、今週はTPPに
反対したり、被曝対策に取り組む市民を「左翼のクソ」呼ばわり
したかと思うと、日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて
「シャラップ」と言い放つ始末である》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019101402000160.html】
【私説・論説室から】
弁護士立ち会い権は?
2019年10月14日
日弁連は徳島で開催した人権擁護大会で、取り調べの際、弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言を採択した。その前提には「日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない」という認識がある。
例えば密室での取り調べは「冤罪(えんざい)の温床」とかねて批判されてきた。捜査機関は長時間の取り調べを行って、捜査官の見立てに沿った供述をするよう強要したり、誘導したりするケースがある。「人質司法」と呼ばれ、国際的にも悪評が高い。
確かに取り調べの録音・録画(可視化)は六月から義務化されたが、全事件のわずか3%にすぎない。依然として問題は残る。これを是正するのが、弁護士の立ち会いで、多くの国・地域で認めている制度である。
七月には愛媛県警が窃盗事件で女子大生を誤認逮捕した。今月三日に「裏付け捜査を怠ったことが原因」との調査結果を明らかにした。ただ、尊厳を侵害するような取り調べはあったものの、「任意性を欠く違法な取り調べはなかった」と自白の強要は否定した。
女子大生は「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論している。いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい。「密室」でのやりとりゆえに、事後検証が不可能に近いからだ。弁護士の立ち会いが任意段階から認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ。 (桐山桂一)
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東京新聞の二つの記事【布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html)と、
蜘手美鶴記者による【「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html)。
《一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定》。
《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した》
《桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に》。《市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。市原裁判長は、これらの違法行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と指摘した》。
検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…行政がデタラメ。桜井昌司さん《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と言います。そして、強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、弱者には厳格・冷酷な司法判断…司法の堕落。そんな中で、《判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価》しておれる。また、《弁護団からは「画期的だ」との声が上が》った。
《自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件や大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》…他の冤罪事件にも波及することを望む。
東京新聞の社説【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019053102000176.html)によると、《再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。「母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」-。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである。手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。…近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件(大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない》
『●『冤罪File(2010年3月号)』読了』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
「…など職業裁判官の怠慢の例は
数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件の西武雄さんや
飯塚事件の久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さんや
志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」
『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了』
『●『検察に、殺される』読了』
『●布川事件の記録映画、・・・そして、・・・・・・・・・』
《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部 2011年5月24日》
『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?』
『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚』
『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪』
『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
冤罪15年間への償いはできるのか?』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却』
『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●刑事訴訟法の「改正」どころか、警察・検察に、
司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」』
『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
《狭山事件…で逮捕され、31年も獄中生活を余儀なくされた石川和雄さん
だけでなく、「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まっていた。
67年、茨城で起きた「布川事件」の強盗殺人犯とされ、29年も刑務所に
ブチ込まれた桜井晶司さん(2011年、無罪が確定)。66年、一家4人が
殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた
袴田巌さんの姉・秀子さん。そして90年、栃木で起きた「足利事件」で
女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん
(2010年、再審で無罪が確定)》
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
《直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、
加えて足利事件や布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで
判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html】
布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」
2019年5月28日 朝刊
(国家賠償を命じる判決を受け、記者会見する桜井昌司さん
=27日午後、東京都千代田区で)
一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。
市原裁判長は、これらの違法行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と指摘した。
判決で市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で桜井さんに、▽母親が早く自白するように言っている▽被害者宅近くで桜井さんを見たという目撃者がいる-などと発言した内容は虚偽で「欺くような取り調べ手法は違法」と判断。ほかにも供述の誘導があり、「限度を超えた取り調べがあった」と非難した。警察官が取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも批判した。
検察官の証拠開示の在り方については、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と指摘。その上で、控訴審段階で弁護側が、目撃者に関する捜査報告書や別の目撃証言を巡る参考人調書などの開示を求めたにもかかわらず、検察側が開示を拒絶したのは「合理的理由はなく、違法だ」とした。
桜井さんには既に、拘束された二十九年分の刑事補償として約一億三千万円が支払われたが、判決は控訴審判決時点から損害が発生していたと認定し、刑事補償額を差し引いた七千六百万円の支払いを命じた。
判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価した。
<水戸地検の横井朗次席検事のコメント> 判決内容を精査し上級庁などと協議した上で対応を検討したい。
<茨城県警の浅野芳徳監察室長のコメント> 判決内容を精査し今後の対応を検討する。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html】
「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判
2019年5月28日 朝刊
(支援者らを前に、勝訴を報告する桜井昌司さん
(前列、左から2人目)=27日、東京都千代田区で)
布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、桜井さんは捜査機関の在り方を批判した。 (蜘手美鶴)
「捜査官がウソを言い、検察官が証拠を独占するやり方が冤罪(えんざい)を生む。それが許されないのは当たり前。裁判所が踏み込んで認定してくれて感謝している」
判決後、弁護団と東京都内で記者会見した原告の桜井昌司さんは、逮捕から五十二年の「戦い」を振り返り、支援者の前でほっとした表情を見せた。捜査や公判の違法性が認められた点を挙げ、「検察官や警察官の個人責任を問う法律をつくるべきだ」と訴えた。
桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件や大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ。
<布川事件> 1967年8月、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で絞殺され、県警は別の窃盗容疑などで逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人の疑いで再逮捕した。2人は公判で無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年に無期懲役判決を言い渡し、78年に最高裁が上告を棄却して確定した。2人の再審請求に同支部は2005年、再審開始を決定。11年5月に無罪判決が言い渡された。
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東京新聞の社説【週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html)。
東京新聞のシリーズ記事【<死刑を考える>(上) ~オウム事件より~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122702000137.html)と、
【<死刑を考える>(中) ~囚人とその家族~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122802000173.html)と、
【<死刑を考える>(下)~飯塚事件より~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122902000121.html)。
《二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは。…果たして死刑は何を守るのか。》
《今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論にはつながっていない。このままでいいのか。関係者を訪ね歩き、考えた》。
『●死刑存置賛成派と飯塚事件』
「死刑存置がこんなに多い国って他にあるのか?
「死刑容認85%って本当?」 フランスかどこかでは1件の無実者の死刑で、
死刑廃止を決断した、と聞いた。我国は、飯塚事件の久間三千年さんに
どう責任を?」
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
国民の皆様も納得してくれる」と話していた》
『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、
ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?』
『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣…
これがこの国のグロテスクな現状なのだ」』
《そもそも、「死刑があればそれを恐れて凶悪犯罪が減少する」という
“抑止効果論”も、「根拠がない」というのが世界の共通認識だ。たとえば、
1981年に死刑を廃止したフランスの統計でも廃止前後で殺人発生率に
大きな変化はなく、1997年12月に1日で23人が処刑された韓国に
おいてもやはりその前後で殺人発生率に違いはなかったという調査報告が
なされている。他方、人口構成比などの点でよく似た社会といわれる
アメリカとカナダを比較すると、死刑制度を廃止して40年が経つカナダの
方が殺人率は低いというデータが現れている》
『●オウム死刑囚十三人を処刑…《死刑を忠実に
実行しているのは日本だけ》という野蛮さぶりを世界に喧伝』
『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ』
《赤坂自民亭》の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶり、思い出すだけでも気分が悪い。《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》、本当に何もかも嫌になるニッポン。さらには、飯塚事件の久間三千年さんにどう責任をとるつもりなのか?
『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html】
【社説】
週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで
2018年12月24日
二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは。
時計の針を戻してみます。
人権宣言の国であることを思えば意外な気もしますが、フランスは一九七〇年代、西ヨーロッパでは唯一、昔ながらの死刑制度を残す国になっていました。
民主主義国家では例外的な死刑存置国となっている今の日本と似たような状況にあったといえるかもしれません。では、何がフランスを変えたのでしょう。
◆革命とともに生まれ
人権宣言と同じように、その死刑制度は一七八九年に始まるフランス革命と深い関係があります。
革命までは、フランスの死刑は平民には絞首刑、貴族階級に限って斬首刑が適用されていたようです。身分や貧富に関係なく、無用の苦痛を与えず名誉ある斬首刑を執行できるという断頭台、つまりギロチンが提案されたのは革命勃発後の議会でした。一七九二年以降、死刑はギロチンで執行されることになります。
国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも、革命の指導者だったロベスピエールもダントンも、あるいは市井の犯罪者も、同じようにギロチンで首をはねられました。革命とともに生まれたギロチンは、結局、一九七七年まで使われ続けます。
他方、死刑廃止を求める動きも革命勃発直後から現れています。議会に初めて死刑廃止の要求が出されたのは一七九一年のことでした。その後、数えきれぬほどの政治指導者や文化人が死刑廃止を求めて声を上げてきました。
例えば「レ・ミゼラブル」のビクトル・ユゴー。あるいは「異邦人」のアルベール・カミュ。
百九十年に及ぶ存廃論議に終止符を打って死刑が廃止されたのは一九八一年のことでした。
◆世論の過半は死刑賛成
時の法相だったロベール・バダンテール弁護士の回想録「そして、死刑は廃止された」(藤田真利子訳、作品社)が、その経緯を教えてくれます。
第二次大戦後、西欧諸国が相次いで死刑を廃止し、死刑廃止と犯罪発生率には関係がないことが明らかになってきました。それでもフランスでは、特に子どもが犠牲になる凶悪犯罪が起きるたびに死刑を求める世論が強まる、という状況が続いていました。
つまり死刑廃止は、選挙に勝たねばならぬ政治家にとって、触れたくない課題だったわけです。
八一年の大統領選は、最終的には中道右派の現職ジスカールデスタン氏に左派のミッテラン氏が挑む構図となりました。候補者は死刑への姿勢も問われることになります。直近の世論調査では、63%が死刑賛成でした。
私的な場では死刑に嫌悪感を示していたジスカールデスタン氏でしたが、テレビ番組では「フランス国民を代表して統治するわけですから、国民の気持ちに逆らう権利はないものと考えます」。つまり、動くつもりはない、と。
逆に、ミッテラン氏は「世論の過半は死刑に賛成ですが、私は良心に基づいて死刑に反対します」と、姿勢を鮮明にしたのです。
当選したのはミッテラン氏でした。新大統領は、死刑廃止の論客として知られたバダンテール氏を法相に起用し、死刑廃止法案をまとめさせました。法案は大統領与党の左派議員のみならず、野党となった右派からも相当数の議員が賛成に回って可決された。こうしてフランスはギロチンを引退させたのです。
日本では、一九八九年からしばらく死刑執行が途絶えた時期がありました。死刑をめぐる議論が深まる兆しも見えたのですが、九三年に執行が再開され、さらに、オウム真理教の一連の事件が起きて死刑廃止の機運は吹き飛んでしまいました。
内閣府の世論調査で「死刑やむなし」は、九四年の74%からオウム事件後の九九年には79%に。直近の二〇一四年調査では80%でした。さて、今後はどう動くのか。
国会に今月、死刑制度の是非を議論する超党派の議員連盟「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が誕生しました。休眠状態だった旧死刑廃止議連の再出発で、約五十人が参加するそうです。
◆政治的勇気が動かす
かつてのフランスと事情は同じでしょう。世論調査の数字を見れば、決して選挙向きの課題ではありません。それでも、良心に基づいて死刑廃止を考えようというのであれば、その志を大いにたたえたいと思います。果たして死刑は何を守るのか。議論が深まることを期待します。
「事態を動かしたものは政治的勇気だった」。バダンテール氏の言葉です。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122702000137.html】
<死刑を考える>(上) ~オウム事件より~
2018年12月27日 朝刊
(オウム真理教の麻原彰晃元死刑囚と東京拘置所の刑場=コラージュ)
今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論にはつながっていない。このままでいいのか。関係者を訪ね歩き、考えた。
数十年前の冬の朝、静まり返った東京拘置所の刑場。刑務官が、目隠しされた男の首に太いロープをかけた。幹部職員が手を上げたのを合図に、別室の刑務官三人が三つのレバーを同時に引く。「バーンッ」。男の体重を支えていた一メートル四方の踏み板がはじけるように開き、体が床下に消えた。
落下の反動で、ロープが振り子のように大きく揺れる。執行に立ち会っていた元刑務官の野口善国弁護士は、両手でロープを固く握り、動きを止めた。床下をのぞくと、医務官が男の胸に聴診器を当てていた。
野口弁護士は「心臓がドクン、ドクンと動いていた。今ならまだ助かると思った」と振り返る。人の命を奪った強盗殺人犯の最期。「正義の実現とはいえ、人が人を殺す現場だった」。その音と光景は、今も脳裏に焼き付いて離れない。
「この日、この時が来ました。長い道のりだったけれど…」。オウム真理教元代表の麻原彰晃元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫=の刑が執行された今年七月六日、静岡県掛川市の小林房枝さん(76)が日記にこう記した。一九九四年六月の松本サリン事件で次男豊さん=当時(23)=を奪われた。
一貫して求めてきた死刑。「何の罪もない息子が殺された。死刑で責任を取らせたいと願うのは、遺族として当然です。できることなら、刑場で執行のボタンを押したいくらいだった」と死刑存続を強く願う。
同事件で長男の友視さん=当時(26)=を亡くした千葉県南房総市の伊藤洋子さん(78)も、早期の執行を望んできた。執行後は報道各社の取材に「一つの区切りがついた。ほっとした」と繰り返した。
だが、月日が過ぎ、自分にそう言い聞かせたかっただけなのかもしれない、と思うようにもなった。「死刑で息子が生き返るわけではなく、悲しみや苦しみも全く消えなかった」と、別の思いも交錯する。
八九年十一月の弁護士一家殺人事件で、同僚の坂本堤さん=当時(33)=を殺害された岡田尚弁護士はもともと、死刑反対の立場だった。しかし事件後、「安易に反対と言うのが正しいのか」と自問自答を繰り返すようになった。
当時、検事から被害者側の関係者として取り調べを受けたことがある。供述調書に押印する段階で、「当然、(求めるのは)極刑でよろしいか」と問われ、返答に詰まった。考えた末、「厳罰で」と逃げた。
「自分が人権派弁護士のファッションとして、死刑反対を唱えていただけだと感じ、ショックだった」。その後、死刑についての議論を避けるようになった。
死刑制度への態度が固まるきっかけは、皮肉にも、同僚をあやめたオウム元幹部たちの大量執行だった。岡田弁護士は「国家が十三人もの命を奪い去った。目が覚めた。執行後も心は晴れない。やはり死刑は野蛮な行為だ」と語り、こう続ける。
「事件で被害者の命が奪われたが、死刑も命を取るという意味では全く同じ。違うのは、その主体が国家だということです」
(この連載は、奥村圭吾、蜘手美鶴が担当します)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122802000173.html】
<死刑を考える>(中) ~囚人とその家族~
2018年12月28日 朝刊
(高橋和利死刑囚との写真を手にする妻の京子さん=横浜市戸塚区で)
十月二日発足の第四次安倍改造内閣の法相ポストに、オウム真理教元幹部十三人の死刑執行を命じた上川陽子氏の名前はなかった。後任の法相となったのが元検察官の山下貴司氏。就任後の記者会見で「死刑もやむを得ない」と述べていた。
東京拘置所に収監中の伊藤玲雄(れお)死刑囚(44)は翌三日、こんな手紙をしたためている。<根っからの検事畑の人種で、どうにもならないのか。逆に、エリートとしての法や権力への節度が期待できるのか><死刑行政にどの程度影響があるのかも判断がつかない>-。
あいさつもそこそこに、新法相の死刑へのスタンスを探る文言が並んでいた。手紙を受け取った大河内秀明弁護士(76)は「なんとか死刑を回避したい」という強い焦りを感じ取った。
伊藤死刑囚は二〇〇四年に東京都内で起きた架空請求詐欺グループの仲間割れ事件で、四人を殺害したとして殺人罪などに問われ、一三年に死刑が確定した。
度重なる手紙からは<一刻も早い再審請求を><危機感をもって捉えていかないと、取り返しがつかないことになる>と刑執行を何とか回避したい思いが透ける。一五年一月、請求していた恩赦も「不相当」に。今は、明日が最期かも、とおびえる生活を送る。
大河内弁護士は「本人は『自分の意志が弱く及んでしまった犯行。筆舌に尽くせないような悔恨が残り、つぐなっても、つぐないきれない』と深く反省している。それでも生きたいという思いは消せないのだろう」と心情をおもんぱかる。
だが、事件で息子を殺された東京都杉並区の無職山口斌郎(しげお)さん(75)は「命で罪を償うのは当然。生きているうちに執行してもらい、息子に報告したい」と切り捨てた。
東京拘置所には、大河内弁護士が弁護人を務める死刑囚がもう一人いる。一九八八年、横浜市鶴見区で金融業の夫婦を殺害し、現金を奪ったとされる高橋和利死刑囚(84)。「死ぬのは怖くない。でも汚名を着せられたまま死ぬのは無念」が、支援者の岩生美鈴さん(58)らへの口癖だ。
捜査段階で「ここで仮に認めても、やってないのなら裁判で無罪になる」と迫られ自白。公判では否認に転じ、今は再審請求審で争う。
<面会ありがとう。遠かったでしょう><足や緑内障の具合はどう>。妻の京子さん(84)に宛てた手紙には、相手の身を案じる言葉ばかりが並ぶ。
三十代で結婚。訳があって、京子さんのおい二人を家族同然に育て上げた。捨て犬を動物病院に連れて行ったこともあった。京子さんは「生き物の命を大切にする人。人を殺すような人間ではない」と信じる。
事件後、京子さんの周りからは人がいなくなった。同じ趣味の友だちも、お金を貸してあげた知人も。隣家から「のぞいたでしょ」と言いがかりをつけられたこともあった。
長年連れ添った夫と離れ離れになって三十年余り。「いつ執行があってもおかしくない」と覚悟しつつ、ふいに不安が強まることもある。「もしかしたら明日かも」と。
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122902000121.html】
<死刑を考える>(下)~飯塚事件より~
2018年12月29日 朝刊
(久間三千年元死刑囚、関係者提供=が妻に宛てた無罪を訴える手紙)
「私はまだ死刑確定の新参者。時間はあるから、慌てなくてもいいですよ」
二〇〇八年九月、暑さが残る福岡拘置所。その日の死刑囚はいつもより明るかった。面会室のアクリル板越しに、弁護人らに見せたA4判の紙。確定順に死刑囚の名前が並ぶ中、自身の名前は後ろの方に記されていた。
再審請求の準備を焦る弁護人をなだめるように、「私はやってないから、必ず罪は晴れます」。しかし、この面会から三十九日後、久間三千年(くまみちとし)死刑囚の刑は想定外の早さで執行された。七十歳だった。
一九九二年二月、福岡県飯塚市で登校中の女児二人=いずれも当時(7つ)=が誘拐され、殺害された通称「飯塚事件」。直接的な証拠がない中、久間元死刑囚は事件から二年七カ月後に逮捕された。「一切やっていない」。ただの一度も自白しなかった。
だが、被害者の遺留品が見つかった山間部では、車で通りがかった男性が路肩に止まった車と男を目撃していた。タイヤのホイールキャップのラインや、窓ガラスの色つきフィルム、後輪のダブルタイヤ…。すれ違ったわずか数秒で十数個の特徴を言い当てた。証言はいずれも久間元死刑囚の車を指していた。
一審福岡地裁は「犯人であることは合理的な疑いを超えて認定できる」と死刑を言い渡した。当時は画期的とされたものの、精度が低く、後に足利事件などの冤罪(えんざい)につながった旧式のDNA型鑑定も判決を支えた。〇六年十月、刑は最高裁で確定した。
飯塚市から約二十キロ離れた現場の山間部は、狭い国道が山を縫うように走る。記者が車で現場を通ったが、カーブに次ぐカーブで前方から目が離せない。仮に不審な車が止まっていたとしても、細かく観察できる自信はなかった。
「取り返しがつかんなと思った」。一審から弁護人を務める岩田務弁護士(73)が、執行の日を振り返る。
当時、死刑は確定から執行まで五、六年かかるのが一般的で、約二年で執行されるのは予想外だった。DNA型鑑定に誤りがあることを示そうと、再審請求に必要な新証拠を探している最中だった。
結局、再審請求は刑の執行から一年後の〇九年に申し立てた。福岡地裁、福岡高裁とも再審開始を認めず、弁護団は今年二月、最高裁に特別抗告している。
久間元死刑囚の刑が執行されてから今年で十年。女児たちの通った小学校は今春、廃校になった。女児の捜索に加わった近所の男性(82)は「結局、何があったのかは誰にも分からん」。久間元死刑囚の妻は事件後も引っ越すことなく、今も当時の家で暮らす。
<真実有れば、自信を持って闘えるのが強み><冤罪を雪(そそ)ぐことができずに残りの生涯を屈辱に苦しんで生きることになったら、その方が辛(つら)いのです>
久間元死刑囚が妻に宛てた手紙からは、自身の疑いを晴らしたい思いがにじむ。久間元死刑囚がこの言葉を妻に直接伝える機会は、もう訪れない。
(この連載は、奥村圭吾、蜘手美鶴が担当しました)
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[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第59回:日本の民度】(https://maga9.jp/190116-5/)。
週刊朝日のコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/竹田恒和氏贈賄疑惑…東京五輪ごり押し一味はみな“悪”じゃ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245656)。
《「フランスは民度が低い」とツイッターで発言している人物がいた。すごいことを言う人がいるものだなあ…と驚いてしまった。ぼくの単純な疑問は「えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?」であった。その発信者を見たらなんと、明治天皇の血をひくというので有名な学者(?)だそうなので二度ビックリ。でも、この人の父親がJOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恒和氏だというので納得した》。
《「仮に百歩譲って意図的にお金をワイロのつもりで渡していたとしても合法。違法ではない」(竹田恒泰氏) 面白いもの見つけちゃった。1月13日付の「論壇net」の「竹田恒泰氏、パパの贈賄疑惑について『意図的にワイロを渡していたとしても違法ではない』と主張していた」という記事。…はじまりましたな、安倍応援団特有の見苦しい責任のなすり付け合いが。ほんでもって、最後は親玉を隠すため、トカゲの尻尾切りでチャンチャンってね》。
リテラの記事【竹田恒泰が父・恒和JOC会長の五輪汚職捜査に陰謀論全開!「フランスは皇室がないからひがんでいる」】(https://lite-ra.com/2019/01/post-4495.html)によると、《会見で竹田会長は“回ってきた稟議書にハンコを押しただけ”と主張。JOCの代表者であるにもかかわらず「いかなる意思決定プロセスにも関与してない」と断言するなど、その無責任ぶりが露わとなった。しかし、こうしたなかで注目を集めているのが、竹田JOC会長の息子で“ネトウヨ皇室芸人”と呼ばれる竹田恒泰氏だ。…「これ、どう見たって報復でしょ。間違いない。間違いないですね。フランスの民度が低いと言うことですわ」…フランスは皇室がないひがみから父親を逮捕しようとしている(苦笑)。竹田会長の無責任会見にくわえ、息子がこんな程度の低い陰謀論を開陳するとは、どこまで恥を晒せば気が済むのだろう》。
また、《開催都市トップの小池都知事は今更、「困惑している」と驚き、菅官房長官は「疑念を払拭できるような説明責任を果たして」と突き放す。安倍首相は16日まで沈黙を貫いた。東京五輪招致における贈賄容疑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長…》。
《竹田JOC会長の息子で“ネトウヨ皇室芸人”と呼ばれる竹田恒泰氏》が「フランスは民度が低い」だってさ!?
この鈴木耕さんのコラムで、《ゴーン前日産会長の勾留はすでに2カ月に及ぶ。ゴーン氏の妻が怒りを込めてコメントしている。…妻キャロルさんが国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチに、容疑者の長期拘束に伴う「人質司法」の見直しを日本政府に訴える要請文を送った》。
低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引…。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
恥ずかしい…低「民度」な金(カネ)色の五つの輪、そしてニッポンの刑事司法。
各省庁のデータ改ざん等々やアベ様のウソを垂れ流す政府広報・国営放送アベ様のNHK…。そして、かけがえのない美ら海、辺野古破壊…。低「民度」なアベ様の《サディスティックな政治》の数々。
鈴木耕さんのコラムの〆の御言葉、《おいおい、「日本の民度」ってのはこんなもんかい!?》。
『●《差別の歴史、力の差を無視して
「どっちもどっち」論に持ち込む》(阿部岳さん)低民度…抗い続けねば』
『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている…
言い換えれば、サディスティックな政治》』
『●辺野古破壊: 政権広報・アベ様のNHKが
「移植できないのは沖縄のせい」と攻撃…開いた口が塞がらない』
『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》』
『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、
「その方に聞いてください」とはどういう了見か?』
『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう宮崎政久衆院議員
(自民)は、堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を』
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【https://maga9.jp/190116-5/】
言葉の海へ
第59回:日本の民度(鈴木耕)
By 鈴木耕 2019年1月16日
「フランスは民度が低い」とツイッターで発言している人物がいた。すごいことを言う人がいるものだなあ…と驚いてしまった。ぼくの単純な疑問は「えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?」であった。その発信者を見たらなんと、明治天皇の血をひくというので有名な学者(?)だそうなので二度ビックリ。
でも、この人の父親がJOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恒和氏だというので納得した。
JOC会長の贈賄疑惑
ぼくは、ずっと東京オリンピックには反対してきた。
財政状況がひっ迫している現在の日本で、オリンピックにかけるカネなどあるのか、という根源的な疑問。
原発事故は終息にはほど遠い状況だし、社会保障費は先細り、災害復興だってまだまだだ。カネの使いみちは、オリンピックなんかじゃないだろうと思ってきた。そのぼくの思いは、残念ながら正しかったようだ。我らの税金がろくな使い方をされていない…。
東京オリンピックは「既存の施設を利用して費用負担をできる限り抑えるコンパクトな大会にする」というのがうたい文句だったはずだ。ところが費用はうなぎ上り。当初は7000億円だったはずの開催費が、いつの間にか3兆円を超えるという。繰り返すが、すべては我々の税金だ。
そんなずさんな計画の裏で、実はかなりヤバイ資金が動いていたのではないかというのは、五輪招致の段階から噂されていた。JOCがそのカネの動きを知らないわけがない。
招致資金などを取り仕切っていたのは、JOC会長の竹田恒和氏。フランス検察当局が、カネの流れについて重大な疑惑(贈賄)があるとして、竹田会長に対し訴追に向けた手続きに入った。このニュースは、たちまち世界中を駆け巡った。
そこで恒和氏の息子・恒泰氏が、父親擁護のツイート。つまり、フランスはゴーン日産元会長逮捕の仕返しとして、恒和氏の疑惑を取り上げたのではないか、というわけだ。「そんなことをするフランスは民度が低い」というのが、親思い(?)の恒泰氏の主張なのだろう。まあ、その気持ちは分からないわけじゃない。なぜこの時期か、という疑問があるのも確かだし。しかし、恒泰氏のこんなツイートを見ると、やっぱりおかしいと思ってしまう。
また、父は、もし2020年に東京五輪ができないと、【夏】の五輪を
二回開催するアジアで最初の国は韓国になる可能性が高いと言っていた。
そうなったら、アジアにおける日本の地位は揺らぐと嘆いていた姿が忘れられない。
こんなことを言う父親も父親だが、それを得々と公表してしまう息子も息子だ。JOC会長が、オリンピックを国威発揚の手段としてしか捉えていない。こんな人物が会長でいるということが、それこそ「日本の民度」を示しているのではないか。
オリンピックはナショナリズム高揚の場か?
もし恒泰氏がツイートした恒和氏の言葉が事実なら、オリンピックとはどういうものなのか、「日本オリンピック委員会会長」はまったく理解していないことになる。
「オリンピック憲章」というオリンピックの理念を示した文章がある。その中の「オリンピズムの根本原則」には5つの項目が書かれている。少し長いけれど、引用しておこう。
1.オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる生き方の哲学である。オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである。(略)
2.オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。
3.オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの価値に鼓舞された個人と団体による、協調の取れた組織的、普遍的、恒久的活動である。その活動を推し進めるのは最高機関のIOCである。(略)
4.スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情、連帯、フェアプレイの精神とともに相互理解が求められる。
5.スポーツ団体はオリンピック・ムーブメントにおいて、スポーツが社会の枠組みの中で営まれることを理解し、自立の権利と義務を持つ。(略)外部からのいかなる影響も受けずに選挙を実施する権利、および良好な統治の原則を確実に適用する責任が含まれる。
オリンピックとはいかなる精神に基づいているか、ここに簡潔に記されている。それは、個人と団体による協調が基盤にあることを謳い、人権を尊重し、平和な社会を推進し、いかなる差別も許さないと明記している。JOC会長である竹田恒和氏がこれを知らないはずがない。
では、「オリンピック憲章」を理解した上で「韓国に五輪開催を取られたら、日本の地位が揺らぐ」などと話していたのか。
つまり、竹田JOC会長は、オリンピックというものを「国威発揚の場」としてしかとらえていなかったということになる。そんな人物が「日本オリンピック委員会」の会長にふさわしいといえるだろうか? そんな人物をトップにいただく組織がスポーツ全般を支配する日本という国が、果たして「民度の高い国」といえようか?
国連からもイエローカード
ゴーン前日産会長の勾留はすでに2カ月に及ぶ。ゴーン氏の妻が怒りを込めてコメントしている。共同通信配信(1月14日)はこう伝えた。
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の妻キャロルさんが
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチに、容疑者の長期拘束に伴う
「人質司法」の見直しを日本政府に訴える要請文を送ったことが13日分かった。
ゴーン被告の家族の報道担当者によると、要請文は昨年12月28日に送付。
書簡は「自白を引き出すため日本では長期拘束が検察官の基本的な
捜査手法になっている」と指摘。「弁護士の立ち合いがないまま検察官の
取り調べを受け、起訴されるまで保釈の可能性はなく、
弁護士との接見も限られている」と強調した。
日本の「人質司法」は先進各国からは、極めて野蛮な権力行使として非難の的になっていたのだが、それが今回のゴーン氏の長期勾留でまたもや世界にさらけ出されてしまったというわけだ。これは、日本の司法当局にとっては、思わぬ落とし穴だったのではないか。
この「人質司法」の例はたくさんある。沖縄の米軍基地反対運動のリーダー山城博治さんの5カ月に及ぶ勾留、さらに森友学園問題での籠池夫妻の実に10カ月の長期勾留も最近の事例だ。要するに、権力に刃向かう人や容疑を否認する人は、とにかく檻の中に閉じ込めておく。これは欧米各国から見れば、やはり異様な光景だろう。
山城さんの長期拘束についても、国連は憂慮を示した。東京新聞(1月14日付)が報じていた。
(略)器物損壊罪などに問われた反対派リーダーで沖縄平和運動センター議長、
山城博治被告が長期勾留されたことについて、国連の作業部会が
「恣意的な拘束」に当たり、国際人権規約違反だとする見解を日本政府に
伝えたことが十三日、分かった。山城被告の無条件の釈放や補償などの
救済措置実施を要請している。(略)
見解は、容疑が表現や集会の自由を行使した結果と認められ、長期勾留に
「妥当な理由があったとは考えにくい」と指摘。政治的な背景から当局が
差別的な措置をとったとみられるとした。日本の刑事司法システムには、
否認すれば勾留が長引く「人質司法」の懸念があるとも指摘した。
日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である。
ネット右翼諸兄諸姉は、やたらと「日本のすばらしさ」「日本の民度の高さ」を称揚するが、世界の目などは気にする必要もない、ということなのだろうか。女性の地位、情報公開の進度、報道の自由度、貧富の格差、人質司法、国会の強行採決連発……いまや、どれをとっても日本の順位は切ないくらいに下位である。
しかも、最近は政府統計の捏造や隠蔽が次々と明らかになり、保険金支給が低く抑えられていたことなども発覚。だが、安倍内閣支持率は下降気味ではあるものの、未だに40%以上を保っている。
安倍支持の理由が「ほかに代わる人がいない」が相変わらずトップ。
こんな日本の状況を考えたら、竹田恒泰氏のように「フランスの民度が低い」なんて、ぼくにはとても言えない。「じゃあ日本はどうなのよ」という巨大なブーメランに直撃されそうだもの。
「捜査中なのでお答えできない」
1月15日、追いつめられた竹田恒和JOC会長が「記者会見」を開いた。だが「記者会見」とは名ばかり。自分の主張、身の潔白の言い訳に終始、たった7分間で会見終了。記者からの質問は一切受け付けなかった。
こんなものを「記者会見」とは呼ばない。「言い訳発表会」としか呼びようがない。
佐川宣寿元財務省理財局長が、国会の証人喚問で「捜査中につき、訴追のおそれがあるのでお答えを控えさせていただきたい」と、蛙のツラに〇〇で逃げ切ったのを、その後の政治家や官僚たちが多用するようになった。「平和の祭典」の責任者が平然とそれを踏襲する。
NHK「日曜討論」で辺野古埋め立てに関し、ウソまみれの言葉を連発した安倍首相と、それそのまま垂れ流したNHK。
おいおい、「日本の民度」ってのはこんなもんかい!?
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245656】
室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
竹田恒和氏贈賄疑惑…東京五輪ごり押し一味はみな“悪”じゃ
2019/01/18 06:00
(2020年五輪開催都市が東京に決まり喜ぶ安倍首相ら
(2013年ブエノスアイレスで)(C)日刊ゲンダイ
「仮に百歩譲って意図的にお金をワイロのつもりで渡していたとしても合法。違法ではない」(竹田恒泰氏)
面白いもの見つけちゃった。1月13日付の「論壇net」の「竹田恒泰氏、パパの贈賄疑惑について『意図的にワイロを渡していたとしても違法ではない』と主張していた」という記事。
なんでも、2016年5月29日にJOCの竹田恒和会長の長男、竹田恒泰氏が読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演し、冒頭の発言をしていたんだと。それがさ、ついこの間、19年1月11日、櫻井よしこ氏がホストを務めるインターネットテレビ「言論テレビ」に登場し、
「そこではもちろん父親の贈賄問題が取り上げられたのですが、上記の『ワイロでも合法』という発言は一切なく、『父やJOCが直接に贈賄したのではなく、コンサルティング会社が独自の判断で勝手にやったのであれば問題ない』という理解に終始していました。」
だって!
いよいよヤバくなってきたからか。はじまりましたな、安倍応援団特有の見苦しい責任のなすり付け合いが。ほんでもって、最後は親玉を隠すため、トカゲの尻尾切りでチャンチャンってね。
14日、竹田氏はTwitterにも、
「3年前、馳文科大臣(当時)は衆院予算委員会で『電通からブラック・タイディングス社が実績があるとして勧められ、招致員会が契約を判断した』と答弁している。電通から勧められた会社であることは、テレビでは触れないことが多い。電通に関するマイナスの話は、ご法度なのだろうか?」
と書いていた。頑張るのぉ。あなたの担ぐ御大将は、じつはあなたご自慢の血筋なんて屁とも思っていないしな。
ま、なんといおうが、汚い手を使って、東京五輪をごり押しした一味はみんな悪じゃ。国民はそこまでしてカネのかかる五輪を望んでいたか? 恥ずかしいわ。
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【https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51BkZRUDQlL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg】
『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』(青木理著)読了(2019年1月3日)。講談社+α文庫、2016年1月20日第1刷発行。
【https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51BkZRUDQlL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg】
不謹慎ながら、爆笑した青木理さん〝メイン〟の『大竹まこと ゴールデンラジオ』での本書についての爆笑話。お相手は、室井佑月さん。
『大竹まこと ゴールデンラジオ! 2018年10月26日』
【https://youtu.be/9TuWVrAx1TQ】
【http://radio-life.blog.jp/archives/29240779.html】
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●青木理さん「特定のメディア組織に属してはいても、
記者が本来奉仕すべきは、広い意味での読者や視聴者」』
『●青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…
ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも…』
『●青木理さん「テロは確かに怖いかもしれないけれど、
国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い」』
『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」』
《彼女たちに騙されていたのは》…、青木理さんも、そうだったのかも。自省も含め、マスコミ報道の在り方への批判…〝ファッションチェック〟など、《かわりに伝えられるのは、愚にもつかない〝情報〟の大洪水だった》(p.489)。
随所に青木さんらしい視点。裁判員裁判への懐疑。黙秘権の理由(p.344)…《検察や警察には強力な捜査権限が付与され、膨大な人員とカネを投じて証拠等を収集し、…一個人にすぎない被疑者、被告人=被訴追者の立場はあまりに弱く、その力の差は圧倒的である。…証明する責任は全面的に訴追機関の側が負い、…立証することが求められる。それができなければ無罪。…「疑わしきは被告人の利益に」の原則である》。その意味で、和歌山毒カレー事件の和歌山地裁判決への疑問(p.346)。林眞須美氏の有罪にも疑問。
黙秘権を批判する裁判員…《黙秘権の意味と重要性…この程度の認識の者たちが裁判員を務め、一段高い法壇から判決を宣告…私は暗澹たる気持ちになってしまう。その発言に適切な疑義を突きつけず、あたかも真っ当なことを言っているかのように垂れ流したメディアも批判されてしかるべきだろう》。素人裁判員に死刑を宣告させる愚策。死刑のスイッチを押させる国策。
死刑制度への疑問など。
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誘蛾灯 二つの連続不審死事件 (講談社+α文庫)
文庫 – 2016/1/21
青木理 (著)
内容紹介
上田美由紀、35歳。小柄で肥満、鳥取のスナックのホステス。彼女の周りで6人の男が死んだ。この事件の背景には、木嶋佳苗事件とは別の深い闇がある。
――美由紀に騙されていたのは、あなただったかもしれない。
2009年秋、30代の太った女二人が、それぞれ男と関係を持ち、カネを貢がせ、死に追いやっていた――。木嶋佳苗事件との共通項の多さから、世間の話題を集めた鳥取連続不審死事件。筆者は鳥取に通い、上田美由紀と面会し、彼女に騙された男たちに取材を重ね、二つの事件は似て非なるものだと確信する。
鳥取の事件の背景にあったのは、日本の地方をじわじわと覆う闇――人が減り、町が廃れ、仕事を失い、生活が立ちゆかなくなった田舎で生まれる、弱者が弱者を食い物にする状況――だった。
木嶋佳苗が獄中ブログを始めるきっかけとなり、「私の事件を取材してくれていたら…と思い続けたジャーナリスト」と言わしめた一冊が、大幅加筆のうえ、文庫化!
2009年秋、当時35歳の木嶋佳苗の周囲で、複数の男性が不審死した事件が話題を集めていた。同時期、別の連続不審死事件が浮上する。現場は鳥取、主役は上田美由紀、スナックのホステスだった。
二つの事件には驚くほど共通点があった。主役はどちらも30代半ばの小柄な肥満体型の女で、亡くなった男たちと肉体関係を持ち、多額のカネを貢がせていた。美由紀に惚れ込んだ男たちのなかには、刑事や新聞記者もいた。
しかし、二つの事件の背景はまったく異なるものだった。佳苗が高級マンションに住み、外車を乗り回し、セレブ相手の料理教室に通い、婚活サイトを利用して男を物色していたのに対し、美由紀は過疎の進む鳥取で5人の子どもとボロ家に住み、場末のスナックでターゲットを探していたのだ。
筆者は、事件現場、スナックに通い、裁判を傍聴する。美由紀に惚れ、貢ぎ、騙された男たちをみつけ、話を聞く。そして、拘置所にいる美由紀とも面会を重ねる。
そうして、木嶋佳苗事件からは決して見えてこない、この事件の深層――地方の貧困との関係があらわになっていく。人が減り、町が廃れ、仕事を失い、生活が立ちゆかなくなる。そこで生まれる、弱者が弱者を食い物にする犯罪。それは、いまの日本社会に覆いかぶさろうとしている闇だ。
内容(「BOOK」データベースより)
上田美由紀、35歳。小柄で肥満、子ども5人を抱える鳥取のスナックのホステス。彼女の周りで6人の男が死んだ。この事件の背景には、木嶋佳苗事件とは別の深い闇がある―。なぜ男たちは騙され、カネを貢ぎ、それでも彼女を愛したのか?美由紀と面会し、取材を続ける筆者のもとに木嶋佳苗からのラブコールが届き、事態は新たな展開を見せる!鳥取連続不審死事件と、首都圏連続不審死事件―彼女たちに騙されていたのは、あなただったかもしれない。
著者について
青木理
1966年、長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクションライター。慶應義塾大学卒業後、共同通信社に入社。警視庁公安担当、ソウル特派員などを務めた後、2006年に退社、フリーに。2000年に発表した『日本の公安警察』(講談社現代新書)は公安警察の内実を赤裸々に描き、ベストセラーとなった。主な著書に『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査 暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、、『青木理の抵抗の視線』『ルポ 国家権力』(ともにトランスビュー)、『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)など。テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活動している。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
青木理
1966年、長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクションライター。慶應義塾大学卒業後、共同通信社に入社。警視庁公安担当、ソウル特派員などを務めた後、2006年に退社、フリーに。テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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【http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000208043】
目次
序章
第1章 太ったホステス
第2章 一人目の男
第3章 二人目の男
第4章 三人目の男
第5章 県警の蹉跌、男たちの蹉跌
第6章 なぜ溺れたのか
第7章 ウソツキだけど可愛い女
第8章 「真犯人」は誰なのか
第9章 「真犯人」の証言
第10章 美由紀との対話
第11章 「みちづれ」
第12章 ラブ・レター
第13章 松江にて―美由紀との対話2
第14章 男のウソと女のウソ
終章 美由紀と佳苗―二つの連続不審死事件
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以前に掲載されていたリテラの記事【『名探偵コナン ゼロの執行人』の公安礼賛がヒドい! 元公安担当記者・青木理が大ブレイクの“安室透”に絶句】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4202.html)。
《本サイトは元共同通信の公安担当記者でジャーナリストの青木理氏に、嫌がるのを説得して無理やり『ゼロの執行人』を観てもらった。ちなみに、青木氏の著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)は、安室透の公式ファンブックで参考文献にも挙げられている…「子ども向けのアニメにいちいち目くじら立てたくないけど、あまりの公安礼賛に正直絶句しました(笑)。…根本的なことがわかっていない。…」…ようは公安が「国のため」「国を守る」などと言っているのは大嘘で、その実態は自分たち組織の予算や権益を守っているだけということなのだ。…「国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い」》。
『●「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」の行きついた先
…「平成の治安維持法」が衆院を突破』
『●室井佑月さん、「なんで2週間余りの祭りのために、
大切な人権を蔑ろにされなきゃならないの?」』
《■第2の「菅生事件」が起きるのは確実 …1952年に大分・菅生村で
起きた「菅生事件」は、捜査当局が共産党内部に警察官を
スパイとして送り込んだだけでなく、自作自演の駐在所爆破事件を起こし、
共産党員らを犯人にでっち上げた。「共謀罪」が成立すれば、
第2、第3の「菅生事件」が起きる可能性があるのだ》
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
《安室は、作品中でも証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕……等々、違法捜査のオンパレードで“事件解決”にこぎつける》…アニメとはいえ、《あまりの公安礼賛に正直絶句》ですよね。でも、青木理さんは《ああいう違法捜査の描き方だけは実態に近いかも(笑)》…だそうです。例えば、例の『転び公妨』などね。《非常に気になったのは、映画の登場人物が『公安お得意の違法捜査』を半ば自慢げに語り、作品全体を通じても肯定的に描かれていたこと。ああいう違法捜査も『国を守るためならアリ』というニュアンスがプンプンと漂っていた》。
無批判に礼賛を受けている公安警察、その実情は…《安倍政権は特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪といった強力無比な“武器”を公安に次々投げ与え、その“恩”に報いるかのように公安は首相の政敵や政権批判者を監視する謀略機関化の色彩を強めている》。
青木理さん《テロは確かに怖いかもしれないけれど、国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い》。そして、《実際に戦前・戦中の日本はそうだったし、今だって北朝鮮や中国を見れば分かるように、治安機関の力が強大な社会はロクなもんじゃない。いわば諸刃の剣である治安組織が内包する危険性、負の側面に触れないのは、いくら子ども向けのアニメとはいえ、表現作品としてどうなんだろうと思ってしまいますね》。
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
「奇々怪々な「菅生事件」(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
〝爆弾犯〟の異常な出世」
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着を
物語るものであろう》
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【http://lite-ra.com/2018/08/post-4202.html】
『名探偵コナン ゼロの執行人』の公安礼賛がヒドい! 元公安担当記者・青木理が大ブレイクの“安室透”に絶句
2018.08.22
(映画『名探偵コナン ゼロの執行人』公式サイト)
「安室透ブーム」なるものをご存知だろうか。アニメ化もされている人気マンガ『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)のキャラクター・安室透。その人気が最近ブレイクし、一種の社会現象となっているのだ。
『名探偵コナン』シリーズといえば、主に小中学生を中心とした子ども向けマンガではあるが、安室透なるキャラは大人の女性にも絶大な人気を博している。8月9日発売の『女性セブン』(小学館)合併号では、巻頭でキムタクと並んで安室特集が組まれ、安室を主人公にしたスピンオフマンガ『ゼロの日常』(新井隆広/小学館)は発売から1週間足らずで60万部を突破。作者の地元である鳥取の空港には安室のオブジェまで立てられたという。少し前には、『ゼロの日常』の作者がイラストをツイッターに投稿したところ、そのイラストに安室と女性が一緒に収まっていたことを理由に「女性とのツーショット画像が流出」と騒ぎになって謝罪に追い込まれるという、どうでもよすぎる“炎上騒動”まで起きている。
そして安室をフィーチャーした映画『名探偵コナン ゼロの執行人』も4月の公開以来大ヒット。いまなおロングラン上映が続きシリーズ最大のヒット、7月はじめには興行収入85億円を突破し上半期映画興行収入第1位となり、シリーズ初の「邦画年間第1位」まで視野に入っている。
その安室なるキャラ、普段はコナンが居候する毛利小五郎の弟子の私立探偵であり、喫茶店ポアロの店員として生活しているが、実は警察庁警備局の秘密組織“ゼロ”に所属する「降谷零」が正体だという設定。ようは公安警察なのだが、これに女性ファンが熱狂しているのだ。
●「安室の女」「執行女子」と呼ばれるファン、応援上映の熱狂
彼女たちは「安室の女」と呼ばれ、映画のヒットも牽引。安室を「100億の男」にする(=興行収入100億円を突破させる)ために繰り返し映画を鑑賞し、そうしたリピーターは「執行女子」とも呼ばれているらしい。
なかでも彼女たちの心をつかんでいるのが、安室が映画終盤に口にするこんなセリフだという。「僕の恋人は、この国さ」――。
このセリフを聞くだけでも、背中がぞわぞわしてくるが、いったいどんな映画なのか、都内で「応援上映」なるものがあるというので覗いてみた。上映中にペンライトを振ったり、掛け声をかけることができるというイベントで、すでに公開から数カ月経つというのに館内はほぼ満席。大半は女性だが、コスプレ姿のいかにも濃いファンから制服姿の女子高生、さらには20代、30代の仕事帰りと思しき女性まで幅広い層が訪れている。
映画のストーリーは「東京サミット」を目前に控え、東京湾岸の埋立地に新しく完成したIR(カジノも備えた統合型リゾート)で原因不明の爆発が起きるものの、最終的にはコナンと安室が協力して真犯人を解明し、大規模テロも未然に防いで一件落着という、単純なもの。しかし、すごいのは、観客の熱気だ。
観客の大半がリピーター=「執行女子」なのか、人気キャラが登場するたびに「コナン君っ!」「小五郎っ!」などと声援があがり、機動隊の装甲車が登場した際は「機動隊っ!」という意味不明の掛け声までが飛び交う。
なかでも安室人気は確かに凄まじく、安室と思しき人物の足元が映っただけで「キャーーッ!」と大歓声。なかでもひときわ激しい歓声があがったのは、安室が「僕の、恋人は……この国さ」とタメにタメて例の決めゼリフを放ったときだった。安室のカラーだという黄色いペンライトが劇場中で振られ、まるでアイドルのコンサート……。
いや、でもちょっと待ってほしい。アニメとはいえ安室の正体は公安。アイドルのように歓声を浴びせ、手放しでヒーロー視するような対象なのか。そもそも実際の公安は、こんなカッコいい代物ではなく、むしろ様々な危険性や問題点を指摘されている組織だ。それをここまで礼賛、するというのは、いくらなんでもやばいんじゃないのか。
■青木理に『名探偵コナン』“安室透”を無理やり観させたら…
そこで今回、本サイトは元共同通信の公安担当記者でジャーナリストの青木理氏に、嫌がるのを説得して無理やり『ゼロの執行人』を観てもらった。ちなみに、青木氏の著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)は、安室透の公式ファンブックで参考文献にも挙げられている。
鑑賞後、さっそく青木氏に話を聞くと、困惑しきった表情でこう口を開いた。
「子ども向けのアニメにいちいち目くじら立てたくないけど、あまりの公安礼賛に正直絶句しました(笑)。安室透だっけ? たしかに警察庁警備局には“ゼロ”のような秘密組織はありますが、中途半端にリアルっぽく見せているだけで、現実とはまったく違います。僕の本も含め、公安本や小説などを読み漁って、つぎはぎしたのでしょうが、根本的なことがわかっていない。まず、細かいことで言えば、サミット警備の現場を担うのは地元の都道府県警であって、都内なら警視庁の公安部や警備部。安室が所属するという警察庁はキャリア官僚ばかりですから、現場で捜査や警備に当たることはありません」
映画では、その安室が縦横無尽に活躍し、人工衛星を警察庁に墜落させるというテロを間一髪のところで防ぐ筋立てになっている。実際の公安もこんなふうにテロを未然に防いだりしているのか。巷では「無用の長物」「金食い虫」「予算の無駄遣い」という悪口しか聞かないが……。
「実際に公安警察がテロを防いでいるかどうかはわかりません。彼ら自身、『未然に防いだテロは永遠に知られない』なんて自画自賛してるくらいですから(笑)。でも、現実にはほとんどないんじゃないですか。公安警察が大金星的にテロ集団を摘発した例として有名なのは、1970年代に連続企業爆破を起こした東アジア反日武装戦線ぐらい。一方、オウム真理教の一連の事件はまったくノーマークで防げなかった。1995年のオウム事件当時、僕は警視庁記者クラブで公安警察を担当していましたが、オウムについて公安警察は事前にまったく動いていませんでしたから」
では、いったい公安は具体的に何をしてきたのか。映画の中では安室も盛んに「国のため」と言っていたが……。
「公安警察は、戦前・戦中の特高警察の流れを組む思想警察の性格が強い組織です。戦後は、長く続いた東西冷戦体制を背景とし、“反共”を最大の存在意義にして予算や組織を膨張させてきた。ようは共産党や新左翼セクトの監視活動に膨大な人と金を注ぎ込んできたわけです。対象組織の内部に『協力者』と呼ばれるスパイを作ったり、果ては組織ぐるみの違法盗聴や爆破工作にまで手を染めたこともあったほど。ところが、冷戦終結後も同じような活動を延々と続け、警察内でも公安警察の存在意義に疑問の声が出はじめた。もともと警察内で公安部門はエリート意識が強く、けた外れの人員と予算を独占していましたから」
しかもオウム事件で無能ぶりをさらしたことで、「多額の予算を消費するだけで何の役にも立たない」という公安への風当たりはさらに強まった。存在理由を失った公安が膨大な予算と人員を死守するため、新たに目をつけたのが「テロ対策」だという。
「米国で起きた2001年の9.11事件に便乗し、翌年には国際テロ対策と称して警視庁公安部に外事3課を新設しました。鳴り物入りで200人以上の捜査員を配置しましたが、現実にはモスク(イスラム寺院)に出入りしているムスリム(イスラム教徒)をかたっぱしから追い回すだけ。挙句の果てには彼ら、彼女らの個人情報を満載した捜査資料をネット上に流出させる大失態を犯しています。ようするにこの十数年の公安警察は、組織と予算、権益を守るのに汲々としてきたのが実情でしょう」
■公安・安室透を英雄視する『ゼロの執行人』に欠けている視点
ようは公安が「国のため」「国を守る」などと言っているのは大嘘で、その実態は自分たち組織の予算や権益を守っているだけということなのだ。
そう考えると、今回の『名探偵コナン ゼロの執行人』は、公安にとって「組織維持と拡大」の格好の宣伝映画になったともいえるだろう。安室の女性ファン=「安室の女」は興行収入を上げるために映画を観に行くことを、安室が公務員であることにちなんで「納税する」と言っているらしいが、ある意味、的を射た表現なのかもしれない。
もうひとつ、安室は、作品中でも証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕……等々、違法捜査のオンパレードで“事件解決”にこぎつけるのだが、いささかの逡巡もなく「自ら行った違法作業のカタは自らつける」などと見得を切る。再び青木氏が苦笑して言う。
「ああいう違法捜査の描き方だけは実態に近いかも(笑)。警察官の手を払っただけで逮捕っていう場面が映画にも出てきたでしょう。実際に『転び公妨』って呼ばれる公安のお家芸があって、狙った人物を公安警察官が取り囲み、1人か2人がいきなり転んで『公務執行妨害だ!』といって逮捕してしまう。ただ、これも非常に気になったのは、映画の登場人物が『公安お得意の違法捜査』を半ば自慢げに語り、作品全体を通じても肯定的に描かれていたこと。ああいう違法捜査も『国を守るためならアリ』というニュアンスがプンプンと漂っていた」
こうした描き方に、青木氏は大きな問題を感じたという。
「公安警察が仮に治安維持の任務に当たっているとしても、行き過ぎれば重大な人権侵害を引き起こす。テロは確かに怖いかもしれないけれど、国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い。実際に戦前・戦中の日本はそうだったし、今だって北朝鮮や中国を見れば分かるように、治安機関の力が強大な社会はロクなもんじゃない。いわば諸刃の剣である治安組織が内包する危険性、負の側面に触れないのは、いくら子ども向けのアニメとはいえ、表現作品としてどうなんだろうと思ってしまいますね」
青木氏が言う通り、公安をここまで礼賛する映画も珍しい。そもそも日本には警察をヒーロー視するドラマや映画があふれかえっているとはいえ、たとえば『相棒』(テレビ朝日)などは公安の暗部をそれなりに描いてきた。『外事警察』(NHK)や『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)といった公安を主役にしたドラマでも、「自分たちが守っているのは何か」「本当に国民を守っているのか」といった逡巡が多少なりとも描かれた。
「アニメや特撮ものだってそうでしょう。かつての『ウルトラマン』や『ゴジラ』にしても、最近では宮崎駿監督の一連の作品も、作中には反戦や人権、環境保護といった人類共通のヒューマニズム的な要素が通奏低音のように流れていた。だから世界的にも高く評価されたのでしょう。でも、今回のコナン映画の通奏低音は何ですか。国を守る? 愛国? 少し前に賛否両論を巻き起こした『シン・ゴジラ』だって、左右どちらの解釈もできるような多層性があり、これほど単純じゃなかった」(青木氏)
■安倍応援団?『コナン』のカジノ推しとセガサミーの協力
しかも『名探偵コナン』がここまで公安礼賛になっているのは、たまたま、安室という公安捜査官のキャラを出したらヒットしたから悪乗りした、というだけでもなさそうだ。
『名探偵コナン』シリーズのアニメ映画をみていると、どうも政権や権力機関のPRのにおいがちらつくのだ。たとえば、2013年に公開された映画『名探偵コナン 絶海の探偵』も防衛省と海上自衛隊が全面協力し、自衛隊の最新鋭イージス艦を登場させていた。
そして、今回の『ゼロの執行人』も、物語で重要な舞台となっていたのは「東京サミットの会場」であるIR(統合型リゾート施設)、あのカジノ法で設置が認められたカジノ施設なのだ。物語の後半では、テロの危機から逃れる人びとをわざわざカジノに避難させ、クライマックスの舞台となるのもカジノ。
この映画が公開されたのは4月半ばで、カジノ法は、成立どころか国会での審議入りすらしておらず、むしろ国民から厳しい批判を浴びていた。ところが、作品中ではすでにカジノが日本に存在するのを当たり前であるかのように華やかに描かれている。
しかも、エンドロールでは、撮影協力者としてセガサミーの社名まで刻まれている。ご存知の通り、同社は安倍首相とは蜜月の関係にあり、政権がカジノ法をごり押し成立させたことを受け、その運営者になることも有力視されている。これははたして、たまたまなのだろうか。
これまで述べてきた公安礼賛もそうだ。安倍政権は特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪といった強力無比な“武器”を公安に次々投げ与え、その“恩”に報いるかのように公安は首相の政敵や政権批判者を監視する謀略機関化の色彩を強めている。そんななかで、いくらキャラクターが当たったからといって、ここまで露骨な公安礼賛の映画をつくるというのは、製作者側にそういう権力礼賛、安倍応援団的な志向があるとしか思えない。
しかも、それ以上に気になるのは、こうした公安プロパガンダ・アニメが邦画興行収入1位を独走し、「僕の恋人は、この国さ」という決め台詞を口にする公安捜査官が社会現象まで引き起こすほど人気を博しているという事態だ。このバーチャルな熱狂が、現実の政治、警察国家化に反映されないという保証はどこにもない。
(編集部)
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[※ 東京「ト」迷惑防止条例壊悪案 (『サンデーモーニング』2018年3月25日)↑]
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/「憲法改正CM」は“表現の自由”議論とは明らかに次元が違う】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/233456)と、
【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/繁華街なのに近所迷惑? 新宿区デモ禁止の根拠が凄まじい】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/234428)。
《こんな連中に動かされる国で生きる私たちは不幸だ。かねて危惧されてきた言論封殺の奔流が、ここへきて一気に進んでもいる。東京・新宿区が、デモの出発地として使える区立公園を現在の4カ所から1カ所に減らすことを決めた…ある市民活動家が憤るのは、デモ禁止それ自体に対してだけではない。今回の措置は、議会にも諮られず、区長と職員らの判断だけで進められた。当初はヘイトスピーチ対策が目的だとされていたのに、実際にはすべてのデモが対象だった、という顛末も、悪質な詐術ではなかったか》。
《当初はヘイトスピーチ対策が目的だ》と小さく産んでおいて、《すべてのデモが対象だった》と大きく育てた訳だ。《悪質な詐術》師たちによるトんだ「ト」条例壊悪。表現の自由、言論の自由、集会の自由…が東京「ト」から無くなり、やがては、大阪「ト」へ波及して、沖縄に「輸出」され、全国に広がっていくことでしょうょ。もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」…アベ様や小池百合子「ト」知事らは「盲目的に服従しない者には弾圧で…」という訳だ。なにせ、《デモもテロ》ということで、市民がテロリスト呼ばわりされる国ですからね。沖縄では、市民がデマ・ヘイトな悪罵を投げつけられ、暴力的に市民が排除される。
『●「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、騙す阿呆に、騙される阿呆』
『●政治家の耳には市民の反対の声は届かず: 特定秘密隠蔽法案が衆院通過』
『●どこに「民主主義」「世論の共感」?、
特定秘密隠蔽法: 反対・廃案の声は届かないらしい』
『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ』
『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての
司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば…》』
『●「2大ファシスト」「独裁者」のための憲法違反の
「ト」な「デモ封じ条例」=東京都迷惑防止条例壊悪案』
「リテラの記事【官邸前で「安倍は嘘つき」と声をあげたら逮捕?
東京都でデモや直撃取材を取り締まれる恐ろしい条例が成立寸前!】…。
《憲法で保障された市民のデモや抗議活動、ジャーナリストによる取材を
取り締まることが可能になる、共謀罪にも通じる弾圧・ファシズム条例案》。
…青木理さんは、東京都迷惑条例について。「名誉を害することを告げる」
「監視していると告げる」「みだりにうろつく」…デモ集会ビラが抵触したり、
取材を規制することに、なると。…」
「この「数多」のアベ様御夫妻案件のドサクサに紛れて、一体、トファ・キトは
何を考えてるのか…。《「乱用の危険が大きい」…市民活動や報道を
萎縮させる》ことで、一体どんな「ト」政を目指しているのだろう。似た者同士、
似た体質のアベ様の「政」を支援するつもりだろうか? 《抜き打ち立法や
憲法無視は安倍首相と同じ独裁者の常套手段だ》《事実上、小池都知事と
安倍首相という“2大ファシスト”がタッグを組み、市民を上から
押さえつけようというのだ》…怖い世の中になったものだ」
『●アベ様の「政」の下、「護憲派に集会の会場を貸さない自治体が増え…。
自治体こそ市民への忖度を怠るな」』
「日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/自治体は市民へ忖度怠るな】…。
《安倍内閣が始まったころから護憲派に集会の会場を貸さない自治体が
増え始めた…★市民が改憲か護憲かを判断するためのセミナーや
シンポジウムに参加して最新の議論を学ぼうとすることが政治的中立を
犯すのだろうか。それを市長や教育長が判断することが極めて越権行為だ。
自治体は市民の要求をジャッジする立場にない。判断するのは市民自身だ。
自治体こそ市民への忖度を怠るな》」
司法は独裁者に忖度して政治判断を乱発し、司法判断を放棄するような国。警察や検察は行政府の長の意のまま。行政を監視すべき立法府は、あのザマ…。両院の議長や各委員会の委員長の醜悪な与党贔屓な運営。
『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…
諸悪の根源である“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻』
《安倍首相と近しい関係といわれる元TBSワシントン支局長の
山口敬之氏に「レイプされた」と会見で訴えた詩織さんの
「準強姦事件」も“本質”は同じ。事件を握り潰したと報じられたのは、
菅官房長官の秘書官だった警視庁の中村格刑事部長(当時)。
現在は共謀罪を担当することになる警察庁組織犯罪対策部長だ。
犯罪を平気でもみ消す、と批判されている人権軽視の警察官僚が、
犯罪を恣意的につくり出しかねないと懸念されている悪法の責任者に
就いているなんて、これぞ悪夢だ》
『●アベ様政権は大阪地検特捜部長を函館地検検事正に昇進させ、
「森友問題の幕引きを一気に図る魂胆」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●「安倍首相のようなクソ」と取巻き…「安倍内閣の問題点を
簡単に挙げただけでも2時間45分になった」』
『●トリは災害対応そっちのけで博打合法化案を議論…
《憲政史上最悪の…「国権の最高機関」という国会》』
『●スゲエなぁアベ様、露骨…忖度な太田充理財局長に
《論功行賞で、財務省きっての花形ポストがプレゼント》』
《カネのある側に大量のCMを流されたら投票の公平などあり得ない。自民党やバックにいる財界の腹ひとつで、すべてのCM枠を買い占めることさえ可能なのである。どれほど広告費がかかろうと、改憲さえできてしまえば最後、半永久的に戦争でガッポガッポ儲けることができてしまう》。
言論の自由や表現の自由を守るべき、頼りのマスコミやジャーナリズムも…。斎藤貴男さんは、《「憲法改正CM」は“表現の自由”議論とは明らかに次元が違う》…民放連はそこまで考えているのか? 民放連はカネさえ儲かればそれでいいのか? 《でもさ、この時期だ。魂まで売り飛ばしちまったら、俺たちマスコミは、今度こそ、オシマイだよ》。
『●ビンラディン暗殺・私刑に喝さいを叫ぶ国民』
『●自民若手批判できないアベ様・・・
「「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める」と明言」』
『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない!
「私は辞める」なんて考える訳がない!!』
『●『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文を書ける
高市早苗氏は「公平」とか、「倫理」「法」とか口にできるのか?』
『●「クレショフ効果」と「電波停止」「メディアコントロール」:
「電波」な「凶器」高市総務相が暴走中』
『●ニッポンは民主主義国家? 《明白な事実や数字を
権力者が都合のいいように変え、信じ込ませようと》…』
『●「これは相当に見つけにくかろう」…というか、
真に《不存在》な無い物(国民の信用)は見つけようがない』
『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには報道しかない」、
でも、沖縄密約と西山太吉記者…』
『●「だが我が国は成熟国家になってから粉飾を始めた
相当情けない国家」(阿部岳さん)だなんて、哀し過ぎる』
『●「公平にしないと国民投票は成り立たないもの」…
「公平・公正」、自公お維キトに最もほど遠い言葉』
『●放送法「四条の規律を撤廃することは、
自由の拡大ではなく、自由縮小」…報道へのアベ様の不当な政治介入』
『●「規制の少ない通信と放送」…がもたらすのは
「総安倍チャンネル化」、「アベチャンネルに成り下がる」』
『●岸井成格さんの〝遺言〟「真実を伝えて、権力を監視する」…
「報道に携わる人間は重く受け止めなくては」』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/233456】
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ早大商卒業、英国・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。『日本工業新聞』入社後、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経て独立。弱者の視点に立ち、権力者の横暴を徹底的に批判する著作を出し続けている。消費税の逆進性を指摘する著作も多数。「機会不平等」「安心のファシズム」「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」「ちゃんとわかる消費税」など。
二極化・格差社会の真相
「憲法改正CM」は“表現の自由”議論とは明らかに次元が違う
2018年7月18日
衆院憲法審査会の幹事懇談会で、この12日、日本民間放送連盟(民放連)のヒアリングが実現した。いざ憲法改正が国会で発議された場合に備える国民投票法改正案の審議過程で、野党がテレビCMの規制を主張しているためである。
民放連は席上、CM規制に否定的な姿勢を示した。「政治的表現の自由、意志の表明が制約される」危惧が強調されたという。かねて反対の立場を変えていないというだけではあるのだが、方針転換を望みたい。
憲法改正のCMは、日頃の“表現の自由”とは明らかに違う次元の問題だ。カネのある側に大量のCMを流されたら投票の公平などあり得ない。自民党やバックにいる財界の腹ひとつで、すべてのCM枠を買い占めることさえ可能なのである。
どれほど広告費がかかろうと、改憲さえできてしまえば最後、半永久的に戦争でガッポガッポ儲けることができてしまう。しかも洗脳のツールはテレビだけじゃない。新聞も雑誌も、電車の中吊りも駅の看板も、もちろん、ネットだって。
CM枠だけにとどまるはずもない。たとえばフジテレビはさる6月20日深夜、「名探偵コジン」なるドラマを放映した。「コナン」のもじりかどうかはどうでもよい。問題は、これがドラマとCMを一体化させた“アドフュージョン”だったことなのだ。
ドラマの中でCMも展開する。その商品やサービスに主人公の性格を物語らせ、事件の謎を解く鍵とする“新しい”広告手法であるという。
CM中のシーンでは、それとわかる表示がされてはいた。だから視聴者をだましているとはいえないが、CM部分を見ないと理解できなくなるドラマなら、番組全体が広告なのであって、新種のステマみたいなものだ。
「コジン」は、不自然なほどにつまらなかった。どのみち今回はスポンサー向け。一般には警戒されず、プロの監督やアドマンなら、視聴者に刷り込みたいメッセージをいくらでも面白く、巧妙に挿入できることくらい承知している金主にだけ伝わればいいということか。
フジと組んだ電通のプレスリリースには、“アドフュージョンを今後、バラエティーや映画、スポーツ、ゲームなどにも活用していきたい”旨の記述があった。それやこれやでも買い占めていただけば、それはあらゆるメディアがウハウハだ。
でもさ、この時期だ。魂まで売り飛ばしちまったら、俺たちマスコミは、今度こそ、オシマイだよ。
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/234428】
斎藤貴男
二極化・格差社会の真相
繁華街なのに近所迷惑? 新宿区デモ禁止の根拠が凄まじい
2018年8月1日
(東京都新宿区の新宿中央公園、奥は代々木公園(C)共同通信社)
国会がチンピラの巣窟になって、一体どれくらいの歳月が流れただろう。先に提出された内閣不信任案の趣旨弁明では、立憲民主党の枝野幸男代表が的確な政権批判を展開したが、もはや権力のイヌになり切った大マスコミは黙殺し、何もなかったことにされた。
こんな連中に動かされる国で生きる私たちは不幸だ。かねて危惧されてきた言論封殺の奔流が、ここへきて一気に進んでもいる。
東京・新宿区が、デモの出発地として使える区立公園を現在の4カ所から1カ所に減らすことを決めた。8月1日から実施する予定だそうだ。
「中でも新宿駅に近い柏木公園がデモ禁止にされるというのが許せない。
市民にとってデモは数少ない主張と表現の場。それさえ認められない
のであれば、私たちは権力のどんな横暴にも抵抗ひとつできないことになる」
ある市民活動家が憤るのは、デモ禁止それ自体に対してだけではない。今回の措置は、議会にも諮られず、区長と職員らの判断だけで進められた。当初はヘイトスピーチ対策が目的だとされていたのに、実際にはすべてのデモが対象だった、という顛末も、悪質な詐術ではなかったか。
デモ禁止の根拠も凄まじい。区は「近所迷惑」を挙げ、担当のみどり土木部の部長が東京新聞(6月28日付朝刊)の取材に、「私自身、住んでいる家の近くの公園に警察がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ」。
デモが周辺住民の生活に影響を及ぼさないとは思わない。だが、それだけで表現規制が正当化されるなら、もはやこの国に民主主義の看板を掲げる資格はない。しかも柏木公園は、住宅地ではなく、日本一の大繁華街のド真ん中にあるのである。
東京では新宿区以外にも、デモ禁止の公園が加速度的に増えている。公立の集会施設でも反権力的な内容の集会は拒否されたり、老朽化した建物が放置され、廃館に持っていかれたりするケースが相次いでいる。
自民党の石破茂氏が2013年にブログで公にした「デモもテロ」を思い出す。特定秘密保護法案をめぐる国会周辺のデモが続いた時期だった。そしてアベ首相は、盲目的に服従しない者には弾圧で応える姿勢において、おそらくは彼の上を行く。
市民運動「集会・デモぐらい自由にやらせろ! 実行委員会」は31日夕、新宿区役所に抗議を申し入れ、また東口アルタ前で情宣活動を行う。闇の時代には一刻も早くピリオドを打たせなければ。
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