東京新聞の社説【再審への道 「疑わしきは罰せず」だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018061202000170.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018061202000135.html)
《五十二年前の強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田巌さんの再審開始決定を東京高裁が取り消した。血痕のDNA型への評価の違いだ。司法は当時の捜査手法への厳しい目があるのを知るべきだ…冤罪はまず犯人とされた人に罪をかぶせる不正義がある。同時に真犯人を取り逃がす不正義を伴う。この二重の不正義がある》。
《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか▼事件から五十二年。長すぎる旅である》。
《二重の不正義》を認めたくない検察、それを見て見ぬふりする裁判所。木谷明さんや熊本典道さんの話や訴えになぜ耳を傾けようともしないのか…。4年も待たせて、この仕打ち、さらに待てという。《検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか▼事件から五十二年。長すぎる旅である》。検察や裁判所は、冷酷にも「沈黙」を、訴えることが出来なくなることを待っているとしか思えない。
証拠も無く最高刑・最悪刑で罰する、死刑にする、Death Penalty…冷酷な検察、無能な裁判所。「疑わしきは罰する」「疑わしくなくても罰する」…《どうあっても狼に許されぬイソップ寓話》。検察や警察という《狼》の《本音…「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。
『●死刑制度存置: 袴田事件にどう責任?、そして、飯塚事件の絶望感』
『●奥西勝冤罪死刑囚が亡くなる:
訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!』
『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国』
『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪』
『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・』
『●司法権力の〝執念〟:
映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:
検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!』
『●「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?
訴えることが出来なくなるのを待つ司法の残酷さ!』
『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」』
『●39年間「あたいはやっちょらん」、
一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を』
『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】』
==================================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018061202000170.html】
【社説】
再審への道 「疑わしきは罰せず」だ
2018年6月12日
五十二年前の強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田巌さんの再審開始決定を東京高裁が取り消した。血痕のDNA型への評価の違いだ。司法は当時の捜査手法への厳しい目があるのを知るべきだ。
袴田さんの事件は長く冤罪(えんざい)との疑いの声があった。一九六六年に起きた静岡県の旧清水市で一家四人が殺害された事件だ。
再審開始を認めない決定に、十一日の東京高裁前では「不当決定」と書かれた垂れ幕が掲げられた。
冤罪はまず犯人とされた人に罪をかぶせる不正義がある。同時に真犯人を取り逃がす不正義を伴う。この二重の不正義がある。
元裁判官の木谷明氏の持論である。裁判官時代に約三十件もの無罪判決を書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった。その木谷氏の著書「『無罪』を見抜く」(岩波書店)にはこんなくだりがある。
<冤罪は本当に数限りなくある、と思います。最近、いくつか有名な
冤罪事件の無罪判決が報道されていますが、あれはあくまで
氷山の一角ですよ。(中略)『なぜ、こんな証拠で有罪になるのだ』
と怒りたくなる判決がたくさんあります>
袴田さんの事件では一審で死刑判決に関わった元裁判官の熊本典道氏が「無罪だと確信したが、裁判長ともう一人の陪席判事が有罪と判断し、合議の結果で死刑判決が決まった」と二〇〇七年に明かした。熊本氏自身も判決言い渡し後に、良心の呵責(かしゃく)に耐えかねて裁判官を辞職したとも語った。
「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は刑事裁判の原則で、再審でも例外ではない。ところが日本の検察はまるでメンツを懸けた勝負のように、再審開始の地裁決定にも「抗告」で対抗する。間違えていないか。再審は請求人の利益のためにある制度で、検察組織の防御のためではない。
かつ、検察はかき集めた膨大な証拠も不利なものは隠したりする。今回も新たに開示された取り調べ録音テープから、捜査員が袴田さんをトイレに行かせず、取調室に持ち込んだ便器に小便をさせた行為などがわかった。
着衣に付いた血痕のDNA型の判定などで地裁と高裁の判断は分かれた。だが、問題なのは再審制度の在り方にもある。無実の人を救済せねばならないのは検察も同じではないか。最高裁では死刑囚の再審という究極の人権問題にも道筋を示してもらいたい。
==================================================================================
==================================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018061202000135.html】
【コラム】
筆洗
2018年6月12日
羊が川で水を飲んでいるのを見かけた狼(おおかみ)がもっともらしい理由をつけてその羊を食べてしまおうと考えた。「おい、おれの水をにごらせているぞ」▼羊は反論する。「私はほんの口先で飲んだだけです。それに飲んでいるのはあなたよりも川下です」。あきらめない狼は別の理由を考える。「そういえば、おまえは去年、俺の親父(おやじ)の悪口を言った」。羊はこれにも反論する。「去年なら、まだ生まれていません」。狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない。一九六六年、一家四人が殺害された事件で、東京高裁は死刑が確定した袴田巌さんの再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消した。つまりは、袴田さんが「犯人」なのだと▼検察の主張に対して反論、反証を積み重ねた結果、静岡地裁の再審開始を勝ち取ったのは二〇一四年。同時に釈放され、死刑は執行停止となっていた。今回、死刑と拘置の執行停止は取り消されなかったものの、再びの重い日々となるだろう▼東京高裁が再審を退けた最大の理由は袴田さん犯人説と結び付かなかったDNA鑑定に対する信ぴょう性。検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか▼事件から五十二年。長すぎる旅である。
==================================================================================
最新の画像[もっと見る]
- ●《戦後最短となる首相就任後10日で解散し「暴挙だ」と批判を浴びた岸田文雄首相でさえ首相就任後に解散日程を打ち出したというのに…》(リテラ) 16時間前
- ●朝鮮人虐殺…《「過少申告」された政府の発表をそのまま信じ込んで地域の実情を探ろうとしないのは、歴史に対する敬意が欠けており、行政の怠慢》 2日前
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》 3日前
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》 3日前
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》 3日前
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》 3日前
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》 3日前
- ●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!! 4日前
- ●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!! 4日前
- ●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!! 4日前
「Weblog」カテゴリの最新記事
- ●何もかもがいい加減…命を賭して何をやっているのか? 南海トラフ地震のリスクの...
- ●《戦後最短となる首相就任後10日で解散し「暴挙だ」と批判を浴びた岸田文雄首相で...
- ●朝鮮人虐殺…《「過少申告」された政府の発表をそのまま信じ込んで地域の実情を探...
- ●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。...
- ●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」判決が漸...
- ●「虎に翼」…《非常に重要な裁判…本来は裁判所が「特別保存」すべきものですが…原...
- ●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴…「彼がプ...
- ●官房機密費「ヤミ金」=「官邸の裏金」…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」...
- ●泥棒集団・犯罪者集団・反社組織の「頭目」候補9人、誰一人、ドアホノミクスの失...
- ●記憶の継承…《植民地支配下…企画展「『強制連行』『強制労働』の否定に抗う…」…「...
放送内容2018年10月14日(日) 24:55
我、生還す
-神となった死刑囚・袴田巖の52年-
今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま、姉と二人故郷浜松で暮らす。
そんな袴田さんを釈放当日から記録し続けた密着映像。そこに映るのは、死刑の恐怖に晒され、精神を患い妄想に囚われた姿。そして自由の中で、再び穏やかさを取り戻していく姿だ。事件から半世紀、いまだ覆らない死刑判決。遂に袴田さんは、死刑判決を下した元裁判官との再会を果たす。
語り/萩原聖人 制作/中京テレビ 放送枠/55分
再放送
10月21日(日)11:00~ BS日テレ
10月21日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」