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●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん

2022年01月30日 00時00分38秒 | Weblog

(2022年01月29日[土])
文化放送の記事【青木理「こんなにひどいことはない」日本の刑事司法における人質司法という問題〜1月28日「大竹まこと ゴールデンラジオ」】(https://www.joqr.co.jp/qr/article/40746/)。

 《1月28日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)にて、でジャーナリストの青木理がゲストに登場し、日本の刑事司法における人質司法という問題について、青木が具体例を挙げながら説明した。化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原社長らは2020年3月、経済産業相に許可申請が必要な「スプレードライヤー」と呼ばれる噴霧乾燥機を無許可で中国などに輸出したとして警視庁公安部に逮捕された。生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして外為法違反罪などで起訴され、その後起訴が取り消された》。

 《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的》…何にも変わらず。何の反省も無し。

   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
       刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
         「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《…犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては
     冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい。「通信傍受
     縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう》
    「さて、《真面目な警察官であれば何を考えるか》? デンデン王国
     「裸の王様」アベ様の御好きな超管理社会・監視社会・密告社会です。
     自公お維の議員の皆さん、支持者の皆さん、無関心派「眠り猫」の
     皆さん、本当にそんな社会を目指しているのですか? あまりに
     悍ましいと思うのですが…。《政治や社会の矛盾に声を上げる人が
     疑われる社会は健全か》? 「平成の治安維持法」があるような社会は
     健全ですか? 青木さんは《社会に異議申し立てする人が片端から
     捜査対象になる社会は、断じていい社会ではない》と」

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
      代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
    「《司法取引が導入されれば、冤罪のリスクが大きくなることは明白だ
     …実は日本人は多少の冤罪はやむなしと考えているのか》? 
     《なぜ検察不祥事端を発する検察改革論争の末
     検察の捜査権限を強化するような法律ができてしまうのか》??」

   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
    「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法
     …《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
     「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
     《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
     にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
     《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
     《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
     認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ

 で、こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。



【ゲスト:青木理】2022年1月28日(金)大竹まこと 室井佑月 青木理【大竹メインディッシュ】【大竹まことゴールデンラジオ】
https://www.youtube.com/watch?v=8beDFoHuhH0


 大川原化工機へのデタラメな冤罪逮捕、数カ月前に同ラジオで青木さんが仰っていた。過去の記事を調べてみると…。
 11月のアサヒコムの記事【ある技術者の死、追い込んだのは「ずさん」捜査 起訴取り消しの波紋】(https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html?_requesturl=articles%2FASPC374G6PBDUTIL03Q.html&pn=14)によると、《一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった》。
 さらに、10月の東京新聞の【社説/週のはじめに考える ロバートはいないから】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136003)によると、《最近でも初公判の四日前に「起訴取り消しという前代未聞の出来事がありました。横浜市の機械製造会社「大川原化工機」の社長らが逮捕・起訴された事件です。…社長の身柄拘束は実に約十一カ月間も…罪を認めない限り拘束が続く人質司法そのものです。まるで“拷問”と感じたことでしょう。逮捕された三人のうち一人は勾留中に体調を崩し、自宅療養の末に死亡しています》。

 入管によるウィシュマさんの〝殺人〟にもつながるデタラメぶり。

   『●《「人間として扱って欲しい」…ウィシュマさんの遺品である番号が
       振られた青いシャツの写真を示し、人間は数字ではない、と》…
   『●《人道上の対応》? 《ウィシュマンさんの名誉や尊厳の観点》から
      同席拒否? ➙《遺族は弁護士の同席を強く希望して》るんだよ!
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
     メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》
   『●古川禎久法相「捜査機関で死因含め、適正な捜査が行われる」はホント
       なのか? ウィシュマさん事件で入管幹部らを殺人容疑で刑事告訴

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https://www.joqr.co.jp/qr/article/40746/

青木理「こんなにひどいことはない」日本の刑事司法における人質司法という問題〜1月28日「大竹まこと ゴールデンラジオ」
番組レポ
1/28, 2022

 1月28日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)にて、でジャーナリストの青木理がゲストに登場し、日本の刑事司法における人質司法という問題について、青木が具体例を挙げながら説明した。

 化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原社長らは2020年3月、経済産業相に許可申請が必要な「スプレードライヤー」と呼ばれる噴霧乾燥機を無許可で中国などに輸出したとして警視庁公安部に逮捕された。生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして外為法違反罪などで起訴され、その後起訴が取り消された

「警察に一度逮捕されたら、軽い罪であっても、犯行を否認する限りは、釈放もされず、保釈もされない。逆に言えば保釈を受けたい一心で、罪を認めてしまう。警察も、保釈をちらつかせて容疑を認めさせようとする。今回の件では330日拘留された。社長と、営業担当の役員と技術の担当者の3人だったから、中小企業だったこの会社には大打撃。それまで30億くらいの年間売上高が20億くらいまで落ちた。今、国家賠償請求訴訟をやっている」

 人質司法について取材してきて、こんなにひどいことはないと感じたという青木。

「3人のうちの1人が癌だった。保釈もされずに癌で亡くなった。3月に逮捕されて、9月に貧血や黒い便など、明らかな体調不良があり輸血処置を受けた。当然、弁護団は適切な医療処置を受けるために保釈請求をする。ところが、証拠隠滅の恐れがあるといって却下された。その後に、拘置所の中で内視鏡の検査も受けた。そうしたら、胃に悪性の癌が見つかった。癌治療のために保釈請求したけど、これも却下された。結果的に10月7日に癌だとわかったが、その後に弁護団は拘留執行の一時停止を申し立ててこれをようやく認めてもらった。10月16日に近くの病院に連れていったら、やっぱり相当悪い癌だった。精密検査が必要だと病院でわかっても、また保釈請求は却下された。息子さんが必死に受け入れてくれる病院を探して、拘留執行の一時停止の再申請をして15日間認められて病院に行ったけど、病院の人にもなんでこんなになるまでほっといたんだと言われるくらいだった。その段階では手術もできない。抗がん剤治療も今すぐには受けられない。結局、翌2021年の2月にお亡くなりになった

 何とも痛ましい話であるが、青木が人質司法について一番ひどいと思ったのは、次の通りだという。

「息子さんが必死になって見つけた病院は首都圏の病院。首都圏の病院だから、前の日にホテルに泊まって次の日に病院に連れていこうとしたら、それはだめだという。拘留の一時停止執行中に滞在していいのは自宅か病院だけだと言われた。この方は、自宅が静岡県の富士宮。だから、東京拘置所から富士宮まで息子さんが連れて行って、富士宮で一泊して、翌日首都圏までもう一度連れてきて、それでようやく入院できた」

 100歩譲って検察が抵抗するのはわかるが、何故裁判所が認めないのか。裁判所には裁判所の論理があるという。

「裁判所の論理で言うとカルロス・ゴーンの事件があったでしょ? 保釈したら逃げちゃった。保釈して何かあったら、裁判官が責任を問われる。言ってしまえばメリットが無い

 では、人質司法が無くなるためにはどうすればよいのか。青木曰く、

「刑事司法では、本来は逮捕されてもすぐ身柄を釈放されるのが原則、裁判所がもう少ししっかり判断しないといけない。権力機構をチェックするシステムが本来ある。起訴をする権利は検察官にある。公安の操作を確認して、本来検察がはねないといけない。他にもたくさんチェック機構があるが、これが機能していないのが問題」


 「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html?_requesturl=articles%2FASPC374G6PBDUTIL03Q.html&pn=14

ある技術者の死、追い込んだのは「ずさん」捜査 起訴取り消しの波紋
鶴信吾 2021年11月4日 16時00分

     (大川原化工機の社屋=
      2021年8月24日午後2時39分、横浜市、鶴信吾撮影)

 一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった。

 この11カ月前、相嶋さんは社長の大川原正明さん(72)や元役員の島田順司さん(68)とともに警視庁に逮捕され、起訴されていた。

 かけられた嫌疑は、兵器の製造に転用できる機械を無許可で輸出した、という外国為替及び外国貿易法(外為法)違反だった。ところが相嶋さんが亡くなってから5カ月たった今年7月、東京地検は大川原さんと島田さんの起訴を取り消した機械が規制の対象外だった可能性が浮上したためだ。

 相嶋さんは拘置所に勾留されている間にがんの診断を受け、生前に名誉回復を果たすことはかなわなかった。会社側の弁護士は捜査を「当局の暴走」と批判し、遺族は「責任を明確にしてほしい」と訴えている。

     ◇

 大川原化工機は、1980年代から開発・販売する「噴霧乾燥機」で国内シェアトップのメーカーだ。液体を粉に加工する機械で、カップラーメンのスープの粉や粉末コーヒーの製造工程で活用されている。

 この機械が捜査対象になった。

 外為法では、一定の要件(性能など)を満たす機械は生物兵器の製造に転用できるとして、輸出には国の許可が必要だとしている。

 輸出規制の要件の一つに「装置の内部の滅菌または殺菌ができること」があった。噴霧乾燥機に備え付けられているヒーターを使えば装置内部を温めることができ、温度が90度以上に上昇するため滅菌や殺菌ができる、というのが警視庁の見立てだった。

 2018年10月、警視庁は大川原化工機を家宅捜索した。

 だが会社側は「装置は滅菌や殺菌をできる性能は備えていない。だから経産省にも許可申請をする必要もない」と考えていた。後に会社の代理人弁護士が実験したところ、内部が50度程度にしかならない部分が見つかったという。

 「何を疑われているのかさえ分からなかった」。大川原さんは振り返る。

 幹部や社員ら約50人が任意の事情聴取に計264回応じた。それにもかかわらず、3人は家宅捜索から1年5カ月後に逮捕された。

 3人は一貫して無実を訴え
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136003

社説 週のはじめに考える ロバートはいないから
2021年10月10日 07時34分

 黒人の天才ピアニストが白人の運転手とともに米国南部まで演奏旅行に行く−そんな映画「グリーンブック」をご覧になった方も多いでしょう。

 一九六二年が舞台なので、南部では人種差別が色濃く残っています。こんなシーンがありました。


◆「禁止の貼り紙」あるが

 警官が二人の車を止めます。白人の運転手はイタリア系ゆえ、警官に「半分黒人」と罵(ののし)られ、思わず殴ってしまいます。もちろん二人は警察の留置場に入れられ…。

 でも、黒人のピアニストは暴力を振るっていません。「なぜ私が?」と抗議しますが、鼻で笑われます。「弁護士と話したいその権利を侵害するのか」−。

 日本国憲法には三一条から四〇条まで、ずらりと刑事手続きの条文が並んでいます。

 裁判を受ける権利、弁護人に依頼する権利、自白のみの処罰禁止、もちろん拷問による自白は証拠とできないことも…

 「憲法とは過去の国家権力の失敗を列挙したもの」と明快な説明をする学者がいます。それに従えば憲法に列挙された数々の「禁止の貼り紙」は過去の暗黒時代を映し出しています弁護士も呼べず、自白の強要が横行し、拷問が加えられた戦前の光景が…

 「蟹(かに)工船」を書いた作家・小林多喜二拷問死したことは知られています。雑誌編集者や新聞記者約六十人が逮捕された「横浜事件」でも、竹刀などで殴打を繰り返され、四人が獄死しています。


◆「疑わしきは」の原則に

 でも戦後は新憲法に「禁止の貼り紙」をしたのに、冤罪(えんざい)がなくならないのはなぜでしょう。

 最近でも初公判の四日前に起訴取り消し」という前代未聞の出来事がありました。横浜市の機械製造会社「大川原化工機」の社長らが逮捕・起訴された事件です。

 警視庁公安部が事件化したのですが、容疑は「生物兵器の製造に転用可能な装置を不正輸出した」という外為法違反でした。

 「生物兵器」とはおどろおどろしい感じですが、装置とは噴霧乾燥器です。液体混合物を熱風で乾燥させ、粉にする装置で、インスタントコーヒーの製造などで広く普及しているものでした。

 もちろん「装置が規制対象でないことは明白だった」と社長側は怒り、違法捜査で損害を受けたと訴訟を起こしています。

 社長の身柄拘束は実に約十一カ月間も…罪を認めない限り拘束が続く人質司法そのものです。まるで“拷問”と感じたことでしょう。逮捕された三人のうち一人は勾留中に体調を崩し、自宅療養の末に死亡しています

 検察は「再捜査で判断を見直した。反省すべき点もあった」と述べています。このケースは「起訴取り消し」になりましたが、近年でも冤罪が絶えません

 布川事件東京電力女性社員殺害事件湖東病院事件など「再審無罪」が相次ぎます。捜査も裁判も誤りだったのです

 再審の扉すら開かないケースも多々あります。鹿児島の大崎事件では再審無罪となるべき新証拠を弁護団が出しても、最高裁がその価値を一蹴し、高裁が認めた再審を取り消してしまいました

 そもそも本当に「殺人」なのかも怪しい事件です。被害者が自転車で側溝に転落した際の「出血性ショック死の可能性が高い」と新鑑定は述べているのですから。確定判決時の旧鑑定でも「他殺を想像させる」程度の記述でした。

 問題点は明白です。「疑わしきは被告人の利益にの鉄則反しているのです。この原則は再審請求にも当てはまるのですから…。知的障害のある人を強引に責めて「自白」に導き、主犯とされた女性の関与を認めさせる−そんな捜査手法にも問題があります

 無罪に導きうる証拠を検察が握っていても、開示は裁判官の「さじ加減」次第−といった問題も浮かびました。刑事訴訟法の再審関連の条文が七十年以上も放置されていることも問題でしょう。

 証拠保全証拠開示のルール化などは必須です。検察官が誠実とは限らないのですから。


◆自由への扉閉ざすな

 冒頭の黒人ピアニストは警察の留置場から出ることができました。「弁護士」への電話によって…。もっとも、その相手は当時のロバート・ケネディ司法長官。ピアニストの友人だったわけです。警官を殴った運転手まで留置場を出られたのはご愛嬌(あいきょう)でしょう。

 しかし、日本で無実を訴える人々にはそもそも電話できる「ロバート」などいません。ならば再審制度の作り直しが急務です

 冤罪はあまりに残酷です罪なき者の自由への扉を閉ざす司法とは、「貼り紙」前の暗黒時代と本質は同じです。
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●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》

2021年01月06日 00時00分32秒 | Weblog

[※『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]


(2020年12月20日[日])
日刊ゲンダイの記事【「告白」あの事件の当事者/滋賀・呼吸器事件<前>「刑務官は戦う相手ではない」と…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/282243)と、。
【「告白」あの事件の当事者/滋賀・呼吸器事件<後>「介護が必要な方の支えになりたい」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/282567)。
東京新聞の【社説/再審の在り方 無実の人救う法整備を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73907?rct=editorial)。

 《2003年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で、慢性呼吸不全で入院していた男性(当時72)が死亡。元看護助手・西山美香さんは、故意に患者の人工呼吸器を外し殺害したとして逮捕・起訴された。12年の服役後、今年3月、再審無罪が確定。西山さんが現在の思いを語る》。
 《殺害容疑をかけられて12年間服役した元看護助手・西山美香さんは今年3月、再審無罪が確定した。…西山さんの弁護団長を務めた井戸謙一弁護士は…「冤罪で絶望している人に道を開いた裁判だと思います」…判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》。
 《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》。

   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。『イチケイのカラス』…
     のモデルの一部になっているらしい」

 『イチケイのカラス』がドラマ化されるそうだ。#イチケイのカラスhttps://www.fujitv.co.jp/ichikei/)。かなり期待できそう。

 さて、湖東記念病院での冤罪事件。
 《やっとこの日が来た。「呼吸器事件」で殺人犯にされた西山美香さんに大津地裁は「事件性なし」と再審無罪を言い渡した。自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い。…事件発生から十七年がたっていた》、《不当な捜査を招いた真相を、裁判を通して明らかにするには至らなかった》。
 《事件を作り上げ西山さんの自由を奪った警察、検察の人権侵害は断じて許されない。それをチェックできなかった裁判所も含めて、司法の責任は極めて重い》。《最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け》た節穴な裁判所。警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? 《刑事司法のよどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》をあててこそ、《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのではないか。何度冤罪事件を繰り返し、再審の扉を何度固く閉じれば良いのか?

   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
    《原発訴訟で原告勝訴を決めた、たった3人の裁判長――その苦悩
     描いたのが『原発に挑んだ裁判官』(朝日文庫、著・磯村健太郎
     山口栄二、660円)だ。元京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏が
     評論する。…そして裁判所も一体となり…。…北陸電力志賀原発
     2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(井戸謙一裁判長)…》

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
     【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】
   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
      よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
       《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?

 《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。…事実上、裁判官のさじ加減次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》。

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/282243

「告白」あの事件の当事者
滋賀・呼吸器事件<前>「刑務官は戦う相手ではない」と…
公開日:2020/12/05 06:00 更新日:2020/12/05 06:00

 2003年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で、慢性呼吸不全で入院していた男性(当時72)が死亡。元看護助手・西山美香さんは、故意に患者の人工呼吸器を外し殺害したとして逮捕・起訴された。12年の服役後、今年3月、再審無罪が確定。西山さんが現在の思いを語る。

 ◇  ◇  ◇

 西山さんは男性の死亡から1年後に警察の捜査段階で「呼吸器を外した」と認めた。公判では「取調官に誘導された」と否認に転じたが、05年に実刑12年が確定、17年に満期出所した。

 同年12月、大阪高裁は西山さんの訴えを認め、再審開始を決定。昨年3月18日に最高裁で再審開始が確定し、今年3月31日に大津地裁で無罪判決が言い渡された。

「高裁で再審開始決定が出た5日後には大阪高検に特別抗告されましたから、再審無罪の確定までは不安な日々でした。鹿児島・大崎事件(第4次再審請求中=懲役10年)の原口アヤ子さんは41年間無実を訴えていますし、松橋事件(懲役13年)も無罪確定まで34年かかっています。正直、再審開始が決まったときはほっとしたと同時に、長く闘われている方には申し訳ない気持ちもありましたね。最高裁で再審開始が確定してからは、あっという間の1年でした」


■女性刑務所で支えてくれた青木恵子さん

 受刑中の不安な日々は、和歌山県の女子刑務所で出会った女性に助けられた。大阪市東住吉区の女児焼死火災で20年間服役した青木恵子さんだ。

「一緒だったのは3年間くらいでした。刑務所の工場でスポンジの包装の作業をしていたのですが、隣の席になったり、不器用な私にやり方を教えてくれたりして、話すようになりました。青木さんの亡くなった娘さんと私は4歳くらいしか違わないこともあって励ましてくれました。当時の私は自暴自棄になっていて刑務官に『私はやっていない』『早く出せ』などと言っていましたが、『闘う相手が違う。再審を訴えるなら、落ち着いた生活をしなさい』と諭してくれたんです」

 青木さんは服役中の12年に再審決定し、16年に再審無罪が決定した。

「青木さんとは今も交流があって、先日も彼女の自宅に泊まって第10次再審請求中の名張毒ぶどう酒事件の関係者に一緒に会いに行きました。彼女は強くて、冤罪で苦しむ立場の方の支援に動いています」

 西山さんの無罪判決は、患者の死因が「致死性不整脈」の可能性が高く事件性がなかったこと、自白の信用性に疑問があること、の2つが認められたのが大きかった。だが、きわめて厳しい裁判だったという。

 弁護団長の井戸謙一弁護士は言う。

「当初は、引き受けたくないと思っていました。再審無罪となる裁判は、ほとんどが取調官の暴行や脅迫によって自白させられたケース。西山さんの場合は自ら『呼吸器を外した』と話して有罪となっているので、当初は私も無実なのか分かりませんでした。ただ、殺人事件の再審に弁護士が付かないのはおかしいので、ご両親の熱意もあって、まずは記録を読み始めたのです。それで『やっていない』と確信が持てました」

 残されていた調書は不自然なものだった。=この項つづく

(取材・文=小野真依子/日刊ゲンダイ)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/282567

「告白」あの事件の当事者
滋賀・呼吸器事件<後>「介護が必要な方の支えになりたい」
公開日:2020/12/12 06:00 更新日:2020/12/12 06:00

     (再審で無罪となり、大津地裁前で万歳する
      西山美香さん(中央)ら(C)共同通信社)

■元看護助手の西山美香さん(40歳)

 2003年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で、慢性呼吸不全で入院していた男性(当時72)が死亡した。殺害容疑をかけられて12年間服役した元看護助手・西山美香さんは今年3月、再審無罪が確定した。

 ◇  ◇  ◇

 今年3月31日、大津地裁は西山さんに無罪判決を言い渡した。西山さんの弁護団長を務めた井戸謙一弁護士は「再審無罪となる裁判は、ほとんどが取調官の暴行や脅迫によって自白させられたケース」と分析し、自ら「呼吸器を外した」と話して有罪になった西山さんの裁判は厳しいものになるとみていた。

 西山さんは任意の取り調べで、担当警察官に「人工呼吸器のアラームが鳴っていた」と認めるよう迫られた。認めれば、直ちに適切な処理をとらなかったことになる。西山さんは認めなかったが、警察官に机を蹴られたり、亡くなった男性の写真を見せられたりするうちに怖くなって供述を変えてしまう。アラーム音を聞いたことを認めたことによって看護師に対する取り調べが厳しくなり、責任を感じた西山さんが自分が故意にチューブを抜いたと供述した。結局、西山さんを逮捕起訴した証拠は自白のみだった

「裁判を受けたのは、調書を読んでいて無実を確信したから。滋賀県警愛知川署は事件当初、アラームが鳴っていたと思っていました。おむつ交換のため回ってきた看護師と西山さんらがそれに気づかず死亡させたとして、業務上過失致死容疑で捜査をしていたのです。一方、彼女たちはアラームは鳴っていなかったと主張。付き添いの家族すらも、その音を聞いていなかったことなど不自然な点はたくさんありました」(井戸弁護士)

 最終的に、患者の死因が「致死性不整脈」の可能性が高く事件性がなかったこと、自白の信用性に疑問があることから無罪となったが、この判決は大きかったと振り返る。

冤罪で絶望している人に道を開いた裁判だと思います」(井戸弁護士)

 判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している。


■やりたいことは「ふるさと納税」

 西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話をしにいったりしている。今月から、介護の仕事にも就いた。

「昨年1月から約1年間、リサイクル工場で働いていましたが、もともとお年寄りのお世話をしたいという思いがあって、介護が必要な方の支えになりたい。いずれはヘルパーの資格も取りたいですね。それに、両親も安心させたいですから。和歌山刑務所にいた頃も月1回、面会に来てくれて、今は裁判も終わってホッとしてくれているみたいです。今したいこと? ふるさと納税なんてやりたいですね」(西山美香さん)

 明るく話した。=この項おわり

(取材・文=小野真依子/日刊ゲンダイ)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/73907?rct=editorial

社説
再審の在り方 無実の人救う法整備を
2020年12月12日 07時54分

 無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ

 五日に九十五歳で亡くなった免田栄さんは死刑囚として刑事裁判史上初の再審無罪になった人だ。一九五二年に死刑が確定したが、無実を訴え続け、六度目の再審請求で再審が決定。八三年にアリバイが認められ無罪宣告された。

 獄中生活は実に三十四年これほどの人権侵害はない。免田さんは日本の人権を虹にたとえたことでも知られる。遠目には美しくとも、近づくと消える、実体がないのだと−。だが、捜査当局や司法界に、その反省は身に染みているのだろうか

 近年も郵便不正事件、布川事件東京電力女性社員殺害事件湖東病院事件など冤罪(えんざい)が相次ぐ。今も無実を訴えつつ服役する人々が存在する。

 問題の在りかははっきりしている。五百条超の条文がある刑事訴訟法のうち再審についての条文は十九のみで、七十年以上、一度も改正されたことがない

 再審を求める過程では証拠開示の規定がないし、無罪を示す証拠が検察官の手元にあったとしても開示義務はない。再審請求を受けた裁判官の裁量で具体的な進行が決まるのだ。

 日弁連によれば「裁判所の姿勢によって証拠開示が左右されており、検察官が裁判所の決定や勧告に応じない不誠実な対応を採ることもある」という。

 これは正さねばならない。再審請求の手続き段階で証拠一覧表の提出や証拠開示命令などのルールを明確化すべきである。むろん証拠物の閲覧・謄写ができる権利の法制化もいる。そのためには前提となる証拠類の適正保管や目録作成も必要である。裁判所に提出していない記録があれば、その保管も必要なのは当然だ。

 刑事訴訟法上では再審開始の決定に検察官が不服の申し立てができる。そのため再審公判の開始が遅れたり、再審開始の決定が取り消されることもある。検察官の不服申し立てを禁じてはどうか。不服があれば、再審公判の中で争えばよいのだから…。

 冤罪防止へ向けた制度をつくり直すのである。もちろん、なぜ冤罪が起きたのか、その原因究明の第三者的組織も必要と考える。無辜の人を救うための障害は撤廃されねばならない
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●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政

2019年06月06日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html)と、
蜘手美鶴記者による【「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html)。

 《一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定》。
 《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決一九七三年で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した》

 《桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に》。《市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した》。
 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…行政がデタラメ。桜井昌司さん《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と言います。そして、強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、弱者には厳格・冷酷な司法判断…司法の堕落。そんな中で、《判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む踏み込んだ判決に感謝している」と評価》しておれる。また、《弁護団からは「画期的だ」との声が上が》った。
 《自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》…他の冤罪事件にも波及することを望む。

 東京新聞の社説【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019053102000176.html)によると、《再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」-。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。…近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない

   『●『冤罪File(2010年3月号)』読了
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
   『●『検察に、殺される』読了
   『●布川事件の記録映画、・・・そして、・・・・・・・・・
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部 2011年5月24日》

   『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
        冤罪15年間への償いはできるのか?
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
          高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
            『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
       刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、警察・検察に、
             司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
               …話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
    《狭山事件…で逮捕され、31年も獄中生活を余儀なくされた石川和雄さん
     だけでなく、「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まっていた。
       67年、茨城で起きた「布川事件」の強盗殺人犯とされ、29年も刑務所に
     ブチ込まれた桜井晶司さん(2011年、無罪が確定)。66年、一家4人が
     殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた
     袴田巌さんの姉・秀子さん。そして90年、栃木で起きた「足利事件」で
     女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん
     (2010年、再審で無罪が確定)》

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
    《直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、
     加えて足利事件布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで
     判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html

布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」
2019年5月28日 朝刊

     (国家賠償を命じる判決を受け、記者会見する桜井昌司さん
      =27日午後、東京都千代田区で)

 一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。

 市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した。

 判決で市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で桜井さんに、母親が早く自白するように言っている被害者宅近くで桜井さんを見たという目撃者がいる-などと発言した内容は虚偽で欺くような取り調べ手法は違法と判断。ほかにも供述の誘導があり、「限度を超えた取り調べがあった」と非難した。警察官が取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも批判した。

 検察官の証拠開示の在り方については、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と指摘。その上で、控訴審段階で弁護側が、目撃者に関する捜査報告書や別の目撃証言を巡る参考人調書などの開示を求めたにもかかわらず、検察側が開示を拒絶したのは合理的理由はなく、違法だとした。

 桜井さんには既に、拘束された二十九年分の刑事補償として約一億三千万円が支払われたが、判決は控訴審判決時点から損害が発生していたと認定し、刑事補償額を差し引いた七千六百万円の支払いを命じた。

 判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価した。


<水戸地検の横井朗次席検事のコメント> 判決内容を精査し上級庁などと協議した上で対応を検討したい。

<茨城県警の浅野芳徳監察室長のコメント> 判決内容を精査し今後の対応を検討する。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html

「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判
2019年5月28日 朝刊

     (支援者らを前に、勝訴を報告する桜井昌司さん
      (前列、左から2人目)=27日、東京都千代田区で)

 布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、桜井さんは捜査機関の在り方を批判した。 (蜘手美鶴

 「捜査官がウソを言い、検察官が証拠を独占するやり方が冤罪(えんざい)を生む。それが許されないのは当たり前。裁判所が踏み込んで認定してくれて感謝している

 判決後、弁護団と東京都内で記者会見した原告の桜井昌司さんは、逮捕から五十二年の「戦い」を振り返り、支援者の前でほっとした表情を見せた。捜査や公判の違法性が認められた点を挙げ、「検察官や警察官の個人責任を問う法律をつくるべきだ」と訴えた。

 桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ。


<布川事件> 1967年8月、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で絞殺され、県警は別の窃盗容疑などで逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人の疑いで再逮捕した。2人は公判で無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年に無期懲役判決を言い渡し、78年に最高裁が上告を棄却して確定した。2人の再審請求に同支部は2005年、再審開始を決定。11年5月に無罪判決が言い渡された。
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●奥西勝冤罪死刑囚が亡くなる: 訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!

2015年10月06日 00時00分58秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【名張事件の奥西死刑囚が死亡 無実の訴え、半世紀以上】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015100401001283.html)と、
【名張毒ぶどう酒事件 奥西死刑囚が死亡 第9次再審請求中】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015100502000125.html)。
東京新聞の社説【名張・奥西死刑囚が獄死 日本の司法は敗北した】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015100502000128.html)と、
東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015100502000127.html)。

 《「半世紀以上にわたり無実を訴え続けていた奥西勝死刑囚(89)が4日午後0時19分、収監されていた八王子医療刑務所(東京)で死亡した」》、《「無罪を訴えて第九次再審請求中だった奥西勝死刑囚が四日、収監先の八王子医療刑務所…で死亡した。八十九歳だった」》。
 《「裁判に翻弄されたまま、老死刑囚は獄死した。冤罪の疑いを消せぬまま閉じ込めておくばかりとなった長い年月は、司法の敗北と言わざるを得まい」》、《八十九歳の死刑囚の脳裏に、最後に浮かんだのは、どんな光景だったのか。名張毒ぶどう酒事件で無罪を訴え続けてきた奥西勝死刑囚の命がきのう、消えた▼あまりに多くの地獄を見てきた》。

 とうとう、奥西勝死刑囚が亡くなった。警察や検察、裁判所は「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?、訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!、を痛切に感じる。のろのろと「死」を待っている様にしか見えない。特に、裁判所の酷さ。当時の《名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長)》、《名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)》、《名古屋高裁刑事一部(石山容示(ようじ)裁判長)》、《最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)》ら。《冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為》。《「お父ちゃん、お父ちゃん」。わが子が何度も叫んでいたが、どうしてやることもできない▼…父の無実が証明される日を待ち続けてくれた子らへの思いが、生きる希望そのものだったのかもしれぬ》…無残の一言だ。

 asahi.comの記事【江川紹子さん「再審開こうとしない裁判所、罪深い」】(http://www.asahi.com/articles/ASHB46DGYHB4OIPE01S.html?iref=comtop_list_nat_n05)によると、「冤罪をはらさずに死ねないという強い思いが命を支えていたと思う。どれだけ無念だったか……再審開始決定が05年に出た時点で、裁判をやり直すべきだった。DNA型鑑定が絡む事件以外では、決して再審を開こうとしない日本の裁判所の姿勢は罪深い」。 

   『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・
   『●司法権力の〝執念〟:
           映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』

   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず

   『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:  
         検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!
   『●「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?  
      訴えることが出来なくなるのを待つ司法の残酷さ!
    《「触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に
     眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった。
     証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を
     損ないはしないか」》

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015100401001283.html

名張事件の奥西死刑囚が死亡 無実の訴え、半世紀以上
2015年10月4日 21時41分

 三重県名張市で1961年3月に女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」で死刑が確定、半世紀以上にわたり無実を訴え続けていた奥西勝死刑囚(89)が4日午後0時19分、収監されていた八王子医療刑務所(東京)で死亡した。三重県出身。法務省によると、死因は肺炎だった。

 一審で無罪判決を受け、9度にわたった再審請求で1度は再審開始が認められたが、いずれも検察側の控訴や異議で覆り、司法判断に翻弄された死刑囚としての収監期間は43年に及んだ

 4日夜に医療刑務所を訪れ、遺体と対面した鈴木泉弁護団長は「誤った判断を正そうとしなかった裁判所に強い憤りを覚える」と話した。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015100502000125.html

名張毒ぶどう酒事件 奥西死刑囚が死亡 第9次再審請求中
2015年10月5日 朝刊

     (奥西勝死刑囚)

 三重県名張市で一九六一年三月、女性五人が毒殺された名張毒ぶどう酒事件で、殺人罪などで死刑が確定し、無罪を訴えて第九次再審請求中だった奥西勝死刑囚が四日、収監先の八王子医療刑務所(東京都八王子市)で死亡した。八十九歳だった。法務省によると、死因は肺炎だった。

 奥西死刑囚の再審請求は親族が引き継ぐとみられるが、第九次請求は本人の死亡で事実上終了する

 奥西死刑囚は二〇一二年に肺炎で体調を崩し、名古屋拘置所から八王子医療刑務所へ移送された。一三年には呼吸困難で二度、一時危篤状態となり、回復後も寝たきりの状態に。今年八月下旬以降は、意識が回復しない状況が続いていた。葬儀は六日に都内で親族や弁護団、支援者らの密葬で行う。

 七二年に死刑判決が確定した後、第七次再審請求で、名古屋高裁は二〇〇五年四月、犯行に使われた毒物はニッカリンTではないなどとする弁護側の新証拠を「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と認め、再審開始を決定。しかし、〇六年十二月、名高裁の別の部が取り消し。最高裁の差し戻し、高裁の再度の取り消し決定を経て、最高裁は一三年十月に再審を認めない決定をした

 弁護団は同年十一月、八度目の再審請求をしたが、最高裁に特別抗告中の今年五月に取り下げた上で、毒物に関する別の「新証拠」を基に、第九次請求を申し立てた。

 <名張毒ぶどう酒事件> 1961(昭和36)年3月、三重県名張市の公民館で開かれた懇親会で、白ぶどう酒を飲んだ女性17人が中毒症状を訴え、うち5人が死亡。奥西死刑囚は妻、愛人との三角関係を清算するため、自宅から用意した農薬ニッカリンTをぶどう酒に入れたと自白し、殺人容疑などで逮捕されたが、起訴直前に否認に転じた。64年の津地裁判決は無罪、69年の名古屋高裁は逆転死刑。72年に死刑が確定したが、翌73年から再審請求を続けた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015100502000128.html

名張・奥西死刑囚が獄死 日本の司法は敗北した
2015年10月5日

 裁判に翻弄(ほんろう)されたまま、老死刑囚は獄死した。冤罪(えんざい)の疑いを消せぬまま閉じ込めておくばかりとなった長い年月は、司法の敗北と言わざるを得まい

 冤罪が国家の罪であることは言うまでもない。

 冤罪の可能性を消せぬまま、二転三転する司法判断の末に八十九歳の奥西勝死刑囚を獄死させてしまった名張毒ぶどう酒事件は、冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為ではないだろうか。

 「十人の真犯人を逃しても、一人の無辜(むこ)の人間を罰してはならない」という法格言の通り、一人の冤罪者も出さぬことが刑事司法に求められる最大の使命である


白鳥決定無視の過ち

 日本の司法は過去、死刑囚に冤罪を認めたことがある。つまり重大な誤判の歴史を持っている。その経験は生かされたのか。

 名張事件の運命の分かれ道ともいえる第七次再審請求は、十一年もの時を経て、二〇一三年に最高裁で最終的に退けられた。

 迷走した名張事件の最も大きな問題は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が無視され続けてきたことだろう。最高裁が「白鳥決定」で、この鉄則は再審でも適用されることを確認したのではなかったか。

 そもそも、津地裁の一審が無罪だった。冤罪を訴える長い歳月を経て、一度は高裁が再審開始を認めもした。つまり、有罪の立証ができていないと判断した裁判官が少なからずいたわけである

 それなのに最高裁は、判決を見直す姿勢は見せなかった。

 逸した機会の第一は、第五次再審請求である。逆転死刑判決の根拠だったぶどう酒の王冠の歯形鑑定の信用性が崩れたのに、最高裁は再審請求を棄却した。

 第七次請求では、凶器とされた農薬が実際に使われたかどうか疑わしいとして名古屋高裁が再審開始を決めたにもかかわらず、検察の異議の後、最高裁は高裁に差し戻してしまった。まさに白鳥決定の無視である

 弁護団は「弁護団が判決の誤りを実証すると、裁判所は別の理屈を持ち出してくる。『疑わしきは被告人の利益にの原則の逆だ」と訴えていた。再審の扉を重くしてきた裁判官や検察官は、明快に反論できるであろうか。


◆誤判への真摯な恐れは

 特に高裁が一二年五月、再審を開始しないとした決定では、弁護側に本来必要ないはずの「無罪の証明」まで求めた

 刑事司法の基本的な考えは、こうである。つまり「被告人が有罪であることの立証責任は検察官の側にあるのだから、『合理的な疑いを超える程度の証明』がなされていないと思えば、無罪判決をすれば足りる」。

 こうした原理に照らせば、司法が原則を大きく踏み外していたように見えてしまうのである。

 高齢の死刑囚が最後の判断を仰いだ最高裁に、私たちは「自ら速やかに判示を」(一二年五月三十一日社説)と求めた。しかし、返ってきたものは、説得的理由のない棄却決定であった。

 再審無罪となった東京電力女性社員殺害事件や静岡地裁が再審開始を決定した袴田事件では、裁判所に促されて検察側が未開示証拠の開示に踏み切り、冤罪の疑いが深まる大きな要因となった。市民の常識を反映させようという裁判員裁判の時代となったのに、冤罪の疑いがぬぐえぬ名張の事件で、司法は一体、何をしてきたのだろう

 元最高裁判事の故・団藤重光氏は退官後、死刑廃止の立場を鮮明にし、「無実の人を処刑することがいかにひどい不正義であり、どんなことがあろうとも許されるべきでない不正義であるか」と指摘している。

 この碩学(せきがく)がなぜ、死刑廃止論に転じたのか。それは、法律家として、また一人の人間としての誤判への真摯(しんし)な恐れであろう。

 奥西死刑囚は冤罪だったのか、否か。迷走した司法判断は、いわば有罪を維持した状態で幕を引くことになったが、大方の国民の感覚に照らしてみると、どうであろう。彼の獄死は裁判の権威を守ったのか、それとも損ねたのか。


◆法の正義と言えるのか

 多くの謎が残ったままの事件である。その謎に迫る可能性を秘めた未開示証拠を検察側が独占したまま二転三転した死刑判決を維持し、冤罪を訴え続けた一人の人間を獄死に追い込んでしまったことは、果たして国民の目に、司法の正義と映るだろうか。

 いったんは開かれた重い再審の扉は、「疑わしき」を覆い隠すように閉ざされた。獄中で老いることを強いられた死刑囚には、どんな軋(きし)み音が聞こえただろう。

 その獄死の無念を、社会は胸に刻みつけねばならぬ。未来のために、日本の裁判史に汚点として、深く刻みつけねばなるまい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015100502000127.html

【コラム】
筆洗
2015年10月5日

八十九歳の死刑囚の脳裏に、最後に浮かんだのは、どんな光景だったのか。名張毒ぶどう酒事件で無罪を訴え続けてきた奥西勝死刑囚の命がきのう、消えた▼あまりに多くの地獄を見てきた。妻を事件で失い、遺(のこ)された二人の子を抱き締めなくてはならぬ時、連日連夜調べを受けた。無実を訴えたが、憔悴(しょうすい)しきったところで警察官に迫られたという。「家族の者を救うためには、お前が犯人だと自白するよりほかにないのだ」▼逮捕され、家族が住む村で現場検証に立ち会った時、険しい目で見つめる村人の中から声がした。「お父ちゃん、お父ちゃん」。わが子が何度も叫んでいたが、どうしてやることもできない▼一審で無罪判決を勝ち取ったものの、事件から十一年後に死刑判決が確定してからは、刑執行の恐怖におびえる毎日だった。就寝時間となって布団に入ると、「このまま夜が明けてくれなければ…」との思いが頭をよぎったそうだ▼そんな日々が四十年余も続き、病んで声を失ってなお、冤罪(えんざい)を訴えることはやめなかった。父の無実が証明される日を待ち続けてくれた子らへの思いが、生きる希望そのものだったのかもしれぬ▼死刑判決の根拠とされた証拠には数々の矛盾があると指摘されていた。であるのに、最高裁は再審の扉を開けぬまま、奥西死刑囚をあの世に旅立たせてしまった取り返しのつかぬこと
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●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)・・・押し売りしておいて出てくるオモチャがすべて赤紙とはネ

2015年06月07日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の素晴らしいコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015060602000120.html)。日刊ゲンダイみたいで良いです。

 「▼憲法という自販機に入れれば「否」と出る行為を、強引に「是」とする。そういう無理筋の論理で組み立てた自販機だから、どんな仕組みでどう動くか専門家にも理解しかねるようなシロモノになったのだろう▼「何が出るかはお楽しみ」というおもちゃの自販機もあるが、あれはちょっとしたスリルを楽しむ一種のゲーム機だろう。この国を遠い地での戦争に巻き込みかねぬ法制が「何が出るかは…」では、恐怖販売機だ」。



 国会内に、アベ様ら自公政権が組み立てた「恐怖販売機」!! 頼んでもいないのに、無理やり押し売りしておいて、出てくるオモチャは全て赤紙とは、呆れる。こんな自販機を国会に持ち込む自公政権、それを易々と許す自公や翼賛野党の支持者や「眠り猫」の皆さん、警備も阻止も出来ない警備員としてのマスコミ・・・・・・情けない。改憲派の「大物」小林節教授にさえ、呆れられる戦争法案・・・・・・恐怖の不良品によって、違憲な手続きで壊憲。恐ろしい国です。相も変わらずテレビ(フジテレビ)ではクダラナイ「選挙報道」がつづく・・・・・・見るに堪えない。

   『●東京電力女性社員殺害事件、再審開始を信じる
                       +α(言わずにおれない)


   『●戦争に油を注ぎ、番犬様の片棒を担げば、
      「非戦闘地域」「後方支援」は何の保証にもならない

   『●福島瑞穂氏への「絶対権力」者の横暴と狭量:
      「自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない」

   『●壊憲: 「憲法を「変えない」という重み」と
      「「政治家が「戦争のできる国」を志向し、その言葉の軽さ」

   『●「戦争法案」: 「戦争できる国」、
     番犬様の国のために「戦争したい国」・・・主権者は誰か?

   『●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も
      無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは・・・」

   『●『戦争法案』、理由は何でもアリ:
     だって「国民から強い支持をいただいた」んだもの!? 嗚呼・・・

   『●「平和」「安全」ラベル付き「戦争法案」:
      「非戦闘地域」で「後方支援したい。リスクとは関わりない」

   『●立派な「戦争法案」!: 後方支援=兵站
      「武力行使と一体不可分の中心構成要素」、「リッパな戦闘行為」 

   『●『坑道の記憶~炭坑絵師・山本作兵衛~』:
        「歴史はあらゆる側面から語られる必要がある」

   『●哀しい利権に群がるアサマシさ・・・学商・竹中平蔵氏の
            「パソナが手にした利権は偶然なのだろうか?」

   『●戦争出来れば何でもOK: 「米国などを攻撃した相手国が
                  日本を標的にする意思を持つかどうか・・・?」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015060602000120.html

【コラム】
筆洗
2015年6月6日

 自動販売機というものは、論理的でなくては困る。代金を入れ缶コーヒーのボタンを押したら、コーヒーが出てくるのが当たり前で、サイダーが出てくるようでは困る▼法律も同じだろう。どんな行為があれば、どう判断されるのか、明確かつ論理的に示されなくては困る。条文を読んでも判断できない場合は解釈で明確にする必要がある▼さて安全保障法制とはどんな自販機だろうか。おとといの衆院憲法審査会には三人の憲法学者が招かれたが、長谷部恭男(やすお)さんは「どこまで武力行使が許されるようになったかはっきりしない」と言い、笹田栄司(えいじ)さんは「読めば読むほど、どうなるか理解できない」と語った▼そして三人の参考人が三人とも集団的自衛権を行使できるようにする法案は「違憲」との見解を示し、小林節(せつ)さんは「この法案を承認したら、国会が立憲主義に反することになる」と警告した▼憲法という自販機に入れれば「否」と出る行為を、強引に「是」とする。そういう無理筋の論理で組み立てた自販機だから、どんな仕組みでどう動くか専門家にも理解しかねるようなシロモノになったのだろう▼「何が出るかはお楽しみ」というおもちゃの自販機もあるが、あれはちょっとしたスリルを楽しむ一種のゲーム機だろう。この国を遠い地での戦争に巻き込みかねぬ法制が「何が出るかは…」では、恐怖販売機だ。
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●「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」? 訴えることが出来なくなるのを待つ司法の残酷さ!

2015年01月24日 00時00分31秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015011002000114.html)と、
社説【名張・再審認めず 証拠は検察のものか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011402000172.html)。

 「八十八歳のその人は病室のベッドで宙に文字を書いている。一九六一年、五人が殺された「名張毒ぶどう酒事件」で無罪を訴え続ける奥西勝死刑囚・・・・・・「ぶどう酒」を、誰も「ぶどう酒」と呼ぶことはなくなり、がっちりしていた男性を宙に文字を書く人に変える。長い歳月である▼弱々しい指で何という文字を書くのであろうか。それが「むじつ」という文字であるのならばさっと消すというわけにはいかない。十四日でもう一つ年を取る」。
 「触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった。証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を損ないはしないか」。

 冷酷過ぎる司法・・・・・・奥西勝「冤罪」死刑囚が「無実」を訴えることが出来なくなるのを待っているとしか思えない。「年齢や体調を思えば、再審実現は絶望的かもしれない」・・・・・・それを待つ司法。「冤罪」を決して認めようとしない、司法の強い意志、「司法権力の強い執念」。

   ●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・
   『●司法権力の〝執念〟:
           映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:  
         検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015011002000114.html

【コラム】
筆洗
2015年1月10日

 空間に指で字を書くということがある。「お母さん、あの漢字、どう書くんだっけ」「よく見ていてよ」。母親が空中に書いて教える。こういう字の教え方も最近は見掛けない▼宙に書いた文字を解読するのはなかなか難しい。携帯電話などで字を探し、見せた方がよほど手間がない▼「柱ってどう書くんでしたかな」。聞かれた男が「こうですよ」と宙に書いた後、その字をさっと消す。「何だって消すんですか」。男、真面目な顔で「後で誰かが柱にぶつかるといけない」。こんな小話もやがて通用しなくなるか。宙に書いた字にも実体が宿る。日本人の空想のたくましさ▼八十八歳のその人は病室のベッドで宙に文字を書いている。一九六一年、五人が殺された「名張毒ぶどう酒事件」無罪を訴え続ける奥西勝死刑囚名古屋高裁はきのう再審開始を退けた年齢や体調を思えば、再審実現は絶望的かもしれない▼気管を切開し、会話ができない。昨年秋、指で宙に字を書いて、意思を伝えるようになったという。事件から五十四年。「ぶどう酒」を、誰も「ぶどう酒」と呼ぶことはなくなり、がっちりしていた男性を宙に文字を書く人に変える。長い歳月である▼弱々しい指で何という文字を書くのであろうか。それが「むじつ」という文字であるのならばさっと消すというわけにはいかない。十四日でもう一つ年を取る。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011402000172.html

【社説】
名張・再審認めず 証拠は検察のものか
2015年1月14日

 触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を損ないはしないか。

 奥西勝死刑囚(89)の再審開始を認めなかった名古屋高裁の名張毒ぶどう酒事件異議審決定は、昨年五月の請求棄却決定と同様、弁護団が新証拠として提出した三通の意見書を「再審請求の要件を満たさない」と一蹴した。弁護団は「検察官の証拠隠しを許したまま非情な決定を出したことは許し難い」と高裁の対応を非難している。

 証拠隠し、とは、裁判所にも弁護側にも見せていない検察側の手持ち証拠の存在を指す。

 検察側はかつて、裁判所と弁護団との三者協議で「証拠はまだ膨大にある」と認めていた。弁護団は、その中に奥西死刑囚の無実を明らかにする手掛かりがある可能性が高いとみて証拠の開示を求めてきたが、裁判所も検察側も応じぬまま、異議審も終結した。

 近年、証拠開示が突破口になった再審開始が相次いでいる。

 二〇一二年に再審無罪となった東京電力女性社員殺害事件では、被害女性の爪に残された皮膚片などが開示され、DNA鑑定で真犯人が別にいる可能性を示した。昨年、再審開始決定が出た袴田事件も、血痕付き衣類のカラー写真など新たに開示された六百点が確定判決への疑問を深めた。

 裁判員制度導入に際し、公判前に争点を整理するため、検察側が段階的に証拠を開示する制度が施行されたが、再審請求審の証拠開示は制度化されておらず、裁判所と検察庁の裁量任せだ。

 東電、袴田両事件では、証拠を出し渋っていた検察側が裁判所に促されて開示を決断したが、今回の名張事件では、裁判所も消極的な対応に終始した。

 公権力が公費を使って集めた証拠は、一体、だれのものだろう

 一九六四年の一審判決は無罪、〇五年に一度は再審開始決定。未開示証拠を検察側が独占したまま二転三転した死刑判決を維持することは、国民の目に、司法の正義と映るだろうか

 弁護団は十四日、特別抗告し、舞台は最高裁に移る。「再審制度においても、疑わしきは被告人の利益に、という刑事裁判の鉄則が適用される」とは、その最高裁の白鳥決定である。扱いが分かれる証拠開示の問題でも、白鳥決定に即した対応を望みたい。
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●冤罪の責任: こんな過ちが繰り返されてはならない

2013年06月06日 00時00分29秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY201305220610.html)。

 以前のブログより。

  『●冤罪(その2/2): せめて補償を
   
   「飯塚事件久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
    死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
    何と表現して良いのかわからないが・・・・・・遺族の方たちも
    複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
    働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件
    氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件
    足利事件・・・・・・、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
    しかし、その扉は当方もなく厚い。」

 もう一点、思い起こしておくべきこと。裁判官の責任は重い。

  『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)
   
   「■『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号) / 今週の
    おすすめ記事。山口正紀さん【冤罪の責任を問う裁判報道を 
    映画『約束』から】、
    氷見事件http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C9%B9%B8%AB%BB%F6%B7%EF
    で無実の人を有罪にした中牟田博章裁判長が「再審請求を審理する
    資格があるのか」? ・・・」
   「■『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号) / ・・・「また同じことが
    起きた。小沢一郎氏の元秘書三人・・・飯田喜信裁判長は・・・ゴビンダさんの
    控訴審で・・・逆転有罪判決・・・司法記者の間では「常識」だ。
    ・・・報道は、「裁判長の誤認暦」に、全く触れなかった」
    (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C8%D3%C5%C4%B4%EE%BF%AE)・・・」
   
  『●「国家と教育」『週刊金曜日』(2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
    
   「■『週刊金曜日』(2013年3月22日、936号) / 真野きみえ氏
    【水谷建設の新証言「5000万円の授受はなかった」!? 
    新証拠申請を却下した高裁】。東京高裁の飯田喜信裁判長の
    無茶苦茶さは「ゴビンダ氏に逆転有罪を科した」ことでも明白
    (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e7af4667d7aa977a9aef5d9d752cf599)」
   
  『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?
   
   「江川紹子氏の、とある日のつぶやき。
    ***********************
     Shoko Egawa‏@amneris84
     新聞は、なんで東電OL事件で一審無罪だったゴビンダさんを
     身柄拘束し、逆転有罪を書いた主任裁判官飯田喜信判事
     (現東京高裁裁判長)の辞任は求めないのかにゃ。冤罪作りの張本人
     書いた判決をありがたがって受け止める
    ***********************」

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http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY201305220610.html

2013年5月23日8時46分
再審無罪のマイナリさんに補償6840万円 拘束15年

田村剛】 1997年に東京・渋谷で起きた東京電力女性社員殺害事件で無期懲役判決を受けて服役し、昨年11月に再審無罪が確定した元被告ゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)について、東京地裁が請求通り約6840万円の刑事補償を認めていたことがわかった。2月6日付の決定。同12日に確定した。

 刑事補償は、無罪が確定した元被告に、国が不当に身柄を拘束したことについて補償金を支払う制度。額は拘束中の苦痛や逸失利益などによって異なり、1日あたり上限1万2500円で、下限は1千円。マイナリさんの拘束期間は昨年6月までの約15年間(5475日)で、地裁は上限額を適用した。

 マイナリさんは一審で無罪二審で無期懲役の逆転有罪判決を受け、03年に確定。昨年6月に新たなDNA型鑑定の結果から再審開始が認められ、母国ネパールに帰国後の同11月に無罪が確定した。

 近年、再審無罪が確定した主な事件では、茨城県で起きた強盗殺人事件「布川事件」で約29年間拘束された元被告の男性2人に各約1億3千万円、栃木県での女児殺害事件「足利事件」で17年半拘束された元被告の男性に約8千万円の刑事補償が認められている。
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●冤罪で死刑執行、あってはならない!!

2012年10月26日 20時55分42秒 | Weblog


飯塚事件についてのasahi.comの衝撃的な記事(http://www.asahi.com/national/update/1025/SEB201210250047.html)。

 有ってはならんでしょう! 冤罪死刑なんて。取り返しのつかないとんでもないことです。飯塚事件の久間三千年さんのことです。冤罪で死刑にしてしまった警察や検察、法務大臣、裁判官、一体どう責任を取るのでしょうか。異例の早さで死刑執行が実施された久間さん、一体どれほど無念だったことでしょうか。被害者やそのご遺族に対しても大変な侮辱行為ではないでしょうか?
 こういったことだけが理由ではありませんが(冤罪でなければ死刑にしていいのか?)、日本では多数派の死刑存置派の皆さんにこの飯塚事件のことをぜひ考えてもらいたいです。

   『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
                和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度
   『●東京電力女性社員殺害事件、再審開始を信じる +α(言わずにおれない)
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●死刑という制度: 「吊るせ、吊るせ」の合唱で何か状況は変わるのか?
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(2/2)
   『●思考停止「廃止すれば凶悪犯罪が増える?」(2/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●『創(2009年11月号)』読了
   『●『死刑』読了
   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』:
              バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん

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http://www.asahi.com/national/update/1025/SEB201210250047.html

2012年10月26日0時4分
元死刑囚とは違うDNA型」 飯塚事件、弁護団が主張

 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人などの罪に問われ死刑が執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚(執行時70)の再審を求めている弁護団は25日、事件当時のDNA型鑑定の写真のネガに、元死刑囚と同じ型はなかったという解析結果を明らかにした。別人とみられるDNA型も写っていたとしており、写真は「改ざん」されたものだった、と主張している。

 弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「(再審開始決定に向け)決定的な解析結果だ」と述べた。死刑執行後の再審請求をめぐり、裁判所の判断が注目される。

 事件では、犯人の血液が混じったとされる被害者の血液や、事件現場に残っていた血液から採取したDNA型の鑑定が行われた。その結果、犯人のものとみられるDNA型が元死刑囚と一致したとされ、有罪立証の有力な柱の一つとなった。鑑定は、再審で菅家利和さんが無罪となった「足利事件」で証拠能力を否定されたのと同じ方法で、ほぼ同時期に行われたもので、飯塚事件の弁護団も証拠能力はないと訴えていた。
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●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、冤罪15年間への償いはできるのか?

2012年06月11日 00時00分21秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060890070443.html)。asahi.com(http://www.asahi.com/paper/editorial20120608.html)および東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060802000152.html)。同様にコラム(http://www.asahi.com/paper/column20120608.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012060802000123.html)。

 漸く釈放され、解放され、家族と再会したそうだ。本当にお目出度い。
 15年間なんて、あまりに長すぎる。ネパールに戻ったとしても、警察や検察に〝落とし前をつけさせる〟べきだ。証拠隠しや、証拠のねつ造といわれてもしょうがない行為が行われている。典型的な冤罪である。裁判所は圧力に負けることなく、再度、再審の決断、無罪の決断をさっさとやるべき。警察の捜査の在り方、証拠隠蔽・捏造体質を、改めさせるべきだ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060890070443.html

マイナリさん釈放 東電女性殺害 高裁再審決定 入管施設へ移送
2012年6月8日 07時04分

 一九九七年に起きた東京電力女性社員殺害事件で、再審開始と無期懲役刑の執行停止が決定したネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告(45)は七日夕方に釈放され、横浜刑務所から東京入国管理局横浜支局に移った。
 マイナリさんは九七年五月に入管難民法違反(不法残留)罪で有罪が確定しているため国外強制退去の手続きが進み、近くネパールに帰国する見通し。
 同日午前の東京高裁第四刑事部(小川正持裁判長)の再審開始決定に対し、東京高検は高裁の第五刑事部(八木正一裁判長)に異議を申し立てた。刑の執行停止にも異議を申し立て、これに対する裁判所の結論が出るまで高裁の職権で身柄拘束を続けるよう求めたが、高裁が拒んだため刑務所に釈放を指示した。再審開始の確定を前に、服役中の再審請求者が釈放されるのは異例
 主任弁護人の神山啓史弁護士は「高裁が速やかに判断したのは当然だ」と評価した。
 異議審は、決定を出した高裁第四刑事部ではなく第五刑事部で開かれる。ある高検幹部は「決定には承服できない。DNA型鑑定の結果があいまいだった物証もあり、異議審では再鑑定も視野に入れている」と決定取り消しに意欲を示した。再審請求審では、被害女性の体内に残っていた精液からマイナリさんとは別の男性のDNA型が検出され、この型は殺害現場のアパート空き室にあった体毛の型とも一致。高裁は決定で「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」と判断し、「第三者が真犯人との疑いを否定できない」と指摘した。

(東京新聞)
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http://www.asahi.com/paper/editorial20120608.html

社説
2012年6月8日(金)付
再審開始―検察の異議はおかしい

 15年前にあった東京電力の女性社員殺害事件で、無期懲役刑が確定したネパール国籍の元被告について、東京高裁は裁判をやり直すことをきめた。
 疑わしきは被告人の利益に、という裁判の鉄則をふまえた判断だ。検察側の求めに応じ、十分に主張・立証させたうえで導き出した結論でもある。
 にもかかわらず、検察はただちに異議を申し立てた。理解しがたい対応というほかない。
 元の裁判でも一審は無罪だった。二審で有罪になったが、証拠関係はいかにも脆弱(ぜいじゃく)で、疑問はくすぶり続けた
 裁判をやり直すか否かをさらに争っても、検察はもちろん、刑事司法全体への不信を一層深めるだけだ。不祥事を受けて昨年制定した「検察の理念」で、「有罪そのものを目的とする姿勢」を厳しく戒めたのに、あれは口先だけだったのか。
 再審開始の決め手の一つは、被害者の体内に残った体液だった。そのDNA型と、殺害現場の部屋にあった第三者の体毛の型が一致し、高裁は「被害者と第三者が部屋で性交渉した可能性を示す」と判断した。有罪の前提だった「被告以外の男が部屋に入ったとは考えがたい」との認定に疑いが生じた。
 この体液は、事件当時は血液型が鑑定されただけで、DNA型は調べられていなかった。捜査を尽くしていれば、と思わずにはいられない
 問題はそれだけでない。
 体液が冷凍保管されているのを検察側が明らかにしたのは、再審請求の弁護人が証拠開示を求めた3年8カ月後だった。さらに遅れて、別の遺留物についても弁護側に有利な警察の鑑定書が存在することがわかった
 あまりにひどい話だ。
 どうしてもっと早く開示しなかったのか。裁判所もなぜ、もっと強く促さなかったのか。省みる点はたくさんある。
 驚くのは、「それでも体液がしっかり保管され、開示されたのだから良かった」との声が専門家から聞かれることだ。他の同種事件がおかれている厳しい状況をうかがわせる
 一連の刑事司法改革で法律が改められ、裁判員裁判などでは証拠隠しができないようになった。検察当局の意識も変わりつつある。だが再審請求段階については定めがなく、現場の運用にゆだねられている。早急な手当てが求められる。
 真相を解明し、無実の人を罰しない。それは、検察官、弁護人、裁判官の立場をこえて、刑事裁判に関わるすべての人の、そして社会の目標である。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060802000152.html

社説
東電女性殺害 早く無罪を確定させよ
2012年6月8日

 東京電力の女性社員殺害事件で、再審開始の決定が出た。DNA型鑑定結果など新証拠で、第三者が犯人である疑いが生じたためだ。審理を長引かせず、早く元被告の無罪を確定させるべきだ
 強盗殺人罪で無期懲役の確定判決を覆し、再審開始決定の決め手になったのは、被害者の遺体に残っていた精液だ。
 再審を求める過程で、弁護側が精液のDNA型鑑定を求めたところ、ネパール人元被告のものではなかった。そのうえ、殺害現場の部屋に残されていた体毛とも精液のDNA型が一致した。
 昨年七月に判明した、この事実が指し示すのは、元被告とは別人の「第三者」が殺害現場にいた可能性があることだ。東京高裁はこの点を最も重視し、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠に当たる」と明快に認めた。しかも、この第三者が「犯人である疑いがある」とも述べた
 なぜなら、被害者の頭や顔に殴打された痕があり、血痕が付いたコートもあった。第三者が性交後に被害者を殴打して、コート背面に血液を付着させたとみるのが自然だと、高裁は考えたわけだ。
 だが、この決定で再審が始まるわけではない。検察側が異議の申し立てをしたため、高裁の別の裁判部で、あらためて再審の可否が審理されるのだ。そこで再び再審決定が出たとしても、検察側は最高裁に特別抗告ができる。
 元被告が逮捕されて十五年、有罪判決の確定からも八年半がたつ。さらに長期間の審理を要しては、深刻な人権侵害にもあたりうる。元被告は釈放されたが、速やかに無罪を確定させる手続きに入るべきなのだ
 足利事件布川事件福井の女子中学生殺害事件、大阪の放火殺人事件…。再審無罪や再審開始決定が続いている。捜査機関は犯人特定を急ぐあまり、証拠の評価が粗雑になっていないか。無実を訴えているのに、犯人と決め付けては、真実は見えない検察が被告に有利な証拠を隠せば、公正さを欠く裁判官も曇りのない目で裁いてきただろうか
 今回の事件でも、問題の精液や血痕付きコートの証拠などを検察側は長く出し渋っていた。もっと早い段階で証拠開示され、鑑定が行われていれば、有罪の確定判断も変わった可能性が高い。もともと一審無罪の事件でもある。もはや問われているのは、検察や裁判所の良心ではないのか。
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http://www.asahi.com/paper/column20120608.html

天声人語
2012年6月8日(金)付

 洋の東西を問わず、昔は奇妙きわまる裁判があった。欧州では殺した者が被害者の遺体に近づくと、亡骸(なきがら)から血が流れると信じられたそうだ。そこで、ある地方では、犯人不明の殺人があると、近所の者を残らず呼び出して遺体に触らせたらしい▼まともに裁けたとも思えないが、『続法窓夜話(ぞくほうそうやわ)』(岩波文庫)によれば、実際に血が出て有罪になった話が伝わっている。以来時は流れても、神ならぬ身で人を裁く難事が、誤りと道連れなのは変わらない▼15年前に東京で起きた東京電力女性社員殺害事件について、東京高裁は無期懲役に服しているネパール人男性(45)の再審開始を認めた。無実を訴えてきた本人はむろん、家族や支援者が待ち望んでいた朗報である▼裁判は一審で無罪、二審で有罪にくつがえり、それで確定した。きのうの決定は、新たなDNA型鑑定を「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」と判断している。併せて刑の停止も認めた。つまり釈放である▼〈叫びたし寒満月(かんまんげつ)の割れるほど〉の一句を思い出す。無実を訴えながら死刑を執行された西武雄さんが獄中で詠んだ。刑は違うが、男性も同じ思いではなかったか。しかし、ようやく開いた道に検察は通せんぼをする▼「到底承服できない」と異議を申し立てたため、裁判官を替えて審理は続く。警視庁の元幹部が言う「間違いなんてことは絶対にない」も怖い言葉だ。「真実」をするりと逃がして、冤罪(えんざい)を生みかねない。謙虚な自信が、法の守り手にはほしい
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012060802000123.html

コラム
筆洗
2012年6月8日

 そこだけ時が止まっているように見えた。同じ居酒屋が店を構え、二階には洗濯物が風に揺れている。東京電力の女性社員殺害事件の現場になった東京・渋谷の老朽化したアパートは、十五年たってもそのままだった▼その近くにある古い地蔵は事件後、被害者の女性の名前を冠して呼ばれるようになったという。口元はいつ誰が塗ったのか、ピンクの口紅で彩られていた▼無期懲役刑が確定していたネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさんの再審開始がきのう決定した。一審無罪判決後の不当な勾留、「神様やってない」と日本語で叫んだ二審の逆転有罪判決、最高裁での上告棄却日本の司法によって犯人に仕立て上げられた絶望の深さを思う▼「新証拠なんかじゃない。検察が隠し持っていたんですよ」。決定後の記者会見で昨年、再審無罪になった布川事件の桜井昌司さんが憤っていた。血痕が付着したコートなどの不利な証拠を出し渋り、DNA鑑定にも二の足を踏んだ検察の姿勢が冤罪(えんざい)を生んだのは明白だ▼マイナリさんはきのう夕、十五年ぶりに釈放された。妻と成長した二人の娘ときょう対面する。一日も早く故郷に帰り、病気の母親に会いたいという▼決定は第三者に犯人の疑いがあると踏み込んだ。検察は異議を申し立てて恥の上塗りをするのではなく、なぜ捜査が誤ったかを見直した方がいい。
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●東電OL殺人事件、再審決定!!

2012年06月08日 00時00分27秒 | Weblog


昨日の続き。東電OL殺人事件について東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060701001060.html)とasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY201206070123.html)。

   『●東京電力女性社員殺害事件、再審開始を信じる +α(言わずにおれない)

 画期的じゃないか? 刑の停止まで認めるとは。でも検察側の今後の巻き返しだな。このまますんなり無実の確定に行くとは思えない。それにして、良かった。この15年間を警察と検察はどう償うつもりだろうか。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060701001060.html

東電社員殺害事件、再審を決定 「別の男が真犯人の疑い」 
2012年6月7日 12時42分

 東京都渋谷区で1997年に起きた東京電力女性社員殺害事件で、東京高裁(小川正持裁判長)は7日、強盗殺人罪で無期懲役の二審判決が確定した元飲食店従業員のネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(45)について「別の男が犯人である疑いを否定できない」として、再審開始を認める決定をした。刑の執行停止も認めた

 決定は、女性の遺体内の精液からマイナリ元被告とは異なる「第三者」のDNA型を検出し、殺害現場のアパート室内にあった体毛と一致するなどした鑑定結果について「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠に当たる」と判断。

(共同)
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http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY201206070123.html

2012年6月7日10時7分
東電社員殺害、再審開始と刑執行停止認める 東京高裁

 1997年に東京都渋谷区で起きた東京電力女性社員殺害事件の再審請求審で、東京高裁小川正持裁判長)は7日、強盗殺人罪で無期懲役が確定したゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告(45)=ネパール国籍=の再審開始を認める決定をした。刑の執行停止も認めた。

 マイナリ元被告は一貫して殺害を否認し、無実を訴えてきた。2000年4月の一審・東京地裁判決は「被告が犯人だとすると説明できない事実が多数ある」として無罪を言い渡した。

 しかし、同年12月の二審・東京高裁判決は「一審は証拠の評価を誤っている」と述べて逆転有罪とし、無期懲役を言い渡した。03年10月に最高裁が上告を棄却し、確定した。

 再審請求審では、被害女性(当時39)の遺体の付着物などの証拠が検察側から開示され、新たにDNA型鑑定が実施された。殺害現場にあった体毛と、女性の体内から採られた精液の型が一致し、元被告と異なる男性のものと判明。弁護側は「部屋で最後に女性といたのは、元被告ではない」と主張し、再審を求めていた。
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●東京電力女性社員殺害事件、再審開始を信じる +α(言わずにおれない)

2012年06月07日 00時00分24秒 | Weblog


本件と全く関係ないのだけれども、書かずにおれない・・・・・・今日のフジテレビでの〝選挙報道〟、気持ち悪いッたらありゃしない。裏で糸引く気味悪い大人が、ガキンチョから搾取し、不要になればポイッと捨て去り、あらゆる手段でファンからもカネを搾り取り、自らは脂ぎってデブデブと肥え太る、そんな気持ち悪くてアザトイ、あこぎな〝報道〟番組だ。その取り巻き連中やその〝報道〟に携わるマスコミも同様だ。私自身も、テレビっ子だったし、アイドルも大好き、ドラマも大好き、クダラナイお笑い番組も大好きで、クソまじめな報道番組のようなお堅いモノだけを見ている訳じゃないので、そんなテレビ番組を批判できたものじゃないのだけれども、マスコミがこぞってバカ騒ぎするこの様はあまりに気持ち悪すぎる。ちょうど1年前、青木理さんがYoutubeで以下のように批判していたのを思い出した。1年たっても全く変わらないし、ますます酷くなっている。明日の新聞を開くのが憂鬱(この浮かれ具合!: http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY201206050203.htmlhttp://www.asahi.com/culture/update/0606/TKY201206060401.html)だし、東京新聞よお前もか、ということになるのかな? あ~嫌だ、イヤだっ。

   『ニュース解説 眼 7/1(金) タブー化するAKB48
    (http://www.youtube.com/watch?v=H4ThcNSYCtg



さて、本題。asahi.comから(http://www.asahi.com/national/update/0606/TKY201206060261.html)。

 冤罪だらけのわが国。起訴されたら、それまで・・・・・・。冤罪者を平気で死刑にできるのだから(飯塚事件久間三千年さん)。思い込み、偏見、差別、・・・警察ににらまれ、つかまってしまったら、白いものも黒に。検察や検察審査会、マスコミが一政治家を潰すことに何の躊躇いもないのだし。
 さて、東京電力女性社員殺害事件(この件では、東電は「東京電力」という名前が報道されることを嫌ったと云う)。ネパールの人々に、日本のひどい司法状況を知らしめた大冤罪じゃないだろうか。15年間も無実のネパール人を牢獄につないだのだから。
 直ぐに再審を開始すべきだし、開放するべきだ。あまりにお気の毒であるが、せめてもの償いとして、再審開始を信じるし、そうなることを祈っている。どうかまともな東京高裁裁判官でありますように・・・・・・。

   『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?
   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●『冤罪File(2009年9月号)』読了

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http://www.asahi.com/national/update/0606/TKY201206060261.html

2012年6月6日13時45分
「無実信じる」ネパールから家族 マイナリ受刑者に面会

 1997年の東京電力女性社員殺害事件で無期懲役が確定し、再審を求めているゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(45)の家族が6日朝、ネパールから来日し、午前9時半すぎから横浜刑務所(横浜市港南区)でマイナリ受刑者と約45分間面会した。
 来日したのは、ネパールの首都カトマンズ市に住む妻ラダさん(42)、長女ミティラさん(20)、次女エリサさん(18)の3人。東京高裁が7日に再審を開くかどうか判断するのを前に、支援者が招いた。
 面会後、取材に応じたラダさんらによると、ラダさんからマイナリ受刑者に家族の近況などを話した後、「15年間耐えてきたが、明日の日を心穏やかに迎えるように。家族は無実を信じてきた。明日、無実が明らかになると信じて迎えたい」と伝えた。
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