eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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3kV高圧リアクトルの1台をバラして見る...これは190kW電動機用のもの。

2022年08月04日 | eつれづれ

鉄の固まりで1相、約30㎏ある。とても重い。コールタールの様なものがベトベト漏油。

▲ネットコメントよりコピー。

危うく大損害
150kw3300Vの高圧モータを使っていた。始動にはリアクトルスタートつまり始動時の数秒間だけ直列にリアクトルを入れ始動電流を押さえる。
次にマグネットスイッチでリアクトルを短絡させ全電圧で運転をする。

もし始動タイマーが故障してリアクトル短絡マグネットが作動しないとリアクトルに連続して電流が流れ加熱しやがて焼損する。リアクトルはせいぜい数分
間の熱耐量しかないのだ。
このためタイマーをもうひとつ使用して監視用としもし始動タイマーが設定時間で作動しないと元の電源つまりメインマグネットスイッチを開放するようになって
いた。

さてある時始動後すぐ電源が落ちる現象が出て調べるとこの監視用タイマーが働いていた。

タイマーが不動作になることなどめったに無いことだろう。しかしもしこの保護回路が無かったら確実にリアクトルは焼損していた。
数千円のタイマーの不良が原因で数10万円のリアクトルをパーにするところだった。
それになにより設備の長期ダウンによる損害が甚大なものになっていた。

まったく肝を冷やす出来事だった。やはりこういったバックアップ回路は大切だと再認識した。

リアクトル短絡用オムロン(株)タイマー。左190kW、右160kW電動機用。

可動して25年程度経過。

これは特に問題無い様だがバックアップの監視タイマーは必要だ。

タイマーは動作、接点も問題なし。

このベトベトはメーカーによるとワニスとの事。経年劣化と熱で垂れてくる様だ。